未完のファンタジーワールド

拙糸

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なんか、成人の儀式を受けることにしました。

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「どこにも行く宛がないなら、私と一緒にツキバっていう街を目指さない?」

サキの提案は今の僕にとってすごくありがたいものだ。
いくらゲームの知識があるからと言っても、完全に場所と名前が一致しているわけでもないし、もしかしたら地名が違っていたり、地形が違うことがあったりするかもしれない。まぁ、あとは画面の向こうでプレイするのと、実際に自分の足で歩くのとでは違うというのもそうだ。僕は、サキの提案を呑むことにした。

「ありがとう! 僕も一緒に行きます…………っとその前に…」

僕はサキの話を聞いていてすっかり忘れていたのだが…

「実は、まだ祝福を受けていないんですよ。」

この世界において、成人の儀式である"神の祝福"は、実際には14歳で受けなければならない。そうしないと、スキルや職業属性、魔法適性などが分からず、仕事に就くことすらもこの国ではできないからだ。

「あら、それは大変………あ、そうだ。それなら、この森の中に教会があるのだけれど、そこで早速祝福を受けるのはどうかしら?  そこの神官と私は知り合いだし、ね?善は急げよ!早速行きましょ!」
「あっ、ちょっ!」

さっきまでなよなよしかった彼女は、生気を取り戻したのだろう、元のハキハキとした性格に戻ったようだ。
彼女に後ろを押され(物理的に)、僕は森の教会へと向かうことになった。
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