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第五章・帝国の王女
660.Main Story:Ameless2
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ローズの相談の件もあるし、そもそも今日一日は東宮から出ないとアルベルトと約束している。なので今日は一旦、東宮で過ごすことになった。
メイシアの死亡率が最も高くなる建国祭テロへの懸念もあり、メイシアを安全圏に留まらせようとしたのも事実なのだが、これはまだ彼女達には伏せたままだ。敵の計画の全容が不明な状況で漠然とそれに備えているだけの今、いたずらに不安を煽る訳にはいかない。
何より……このことを話せば、きっと、優しい彼女達は私の身を案じてくれるだろうから。不必要な心配をかけたくないわ。
「──ひとまずはこんなものかな。この立案書を運営の貴族に渡してくれる?」
「わかった。相談を聞いてくれただけじゃなくて、こんな本格的な立案書まで……ありがとう、アミレスちゃん」
「いえいえ。メイシアとローズが色々と意見を出してくれたから、即席の割にはしっかりとまとめられたのよ。ありがとう、二人共」
「アミレス様のお役に立てて何よりです」
紅茶とスイーツを楽しみつつ、私達は和気藹々と、古狸共に叩きつける立案書を制作していた。
完成したそれを封筒に入れ、ローズに託し、まさに貴族のご令嬢といった風に皆で穏やかに談笑する。
途中からは少し暇が出来たらしいナトラが混ざり、久々の女子会気分を味わっていたところで、
「そういえば、今日はやけに静かじゃのう」
幼子のようにフォークを握るナトラが呟いた。
「言われてみれば……」
「精霊様も、ルティさんもいらっしゃいませんね」
昨日あれだけ駄々をこねたシルフ達が揃って不在なのは、アンヘルへのプレゼントを買いに行ったからだ。シルフ達だけでは店探しだけで相当な時間を要してしまうだろうと、私が東宮から出ないことを条件に、アルベルトには彼等のサポートを任せた。
だからシルフ達だけでなくアルベルトまで不在なのだ。
「彼等は買い物の為に出かけてるのよ。今頃きっと街は大騒ぎでしょうね」
「騒ぎ程度で済めばよいのじゃがな」
「シルフ様やエンヴィー様の性格上、一度騒ぎが起きればそう簡単には解決しなさそうです……」
「た、たしかに……。精霊様達は、その、個性豊かですものね……」
メイシアとローズが視線を泳がせながら相槌を打つと、ナトラは「そうじゃのぅ」と呆れを浮かべた様子で小さく頷いた。
自信満々でちょっぴり我儘なシルフと、気の良いあんちゃんだけど一度冷めるとどこまでも冷たくなる師匠。確かに癖が強い。だがメイシアとローズは知らないのだ。──最近そこに、フリザセアさんというこれまた変わった精霊さんが加わったことを。
「……事件にさえなっていなければいいのだけど」
シルフ達を侮辱する意図は決してないのだが、メイシア達の言う通り彼等は癖が強い。その所為か急激に不安が襲ってきて、そんな言葉が口をついて飛び出してしまった。
どうか、彼等の身に何事も起きませんように……!
♢♢♢♢
あれから少しして、仕事がまだあるからとローズはお暇した。同じタイミングでナトラも仕事に戻ったのだが、その後のメイシアの上機嫌っぷりと言ったら。本当にずっとニコニコしていて、時々蕩けるような瞳で見つめられて、思わず変な気持ちになってしまった程だ。
「予定とは違いましたが……こうしてアミレス様と二人きりの時間を過ごせて、幸せです」
私の腕にしなだれかかる彼女からふわりと漂う柔らかな香り。キツすぎないけれどしっかりと女の子らしさを感じさせるそれが、私達の間に色っぽい緊張感を漂わせる。
膨らんではしぼんでを繰り返す二人の胸。それに伴い小さな呼吸音と、大きくなる鼓動の音だけが、時を刻む音に紛れて聞こえてくる。嗅覚と聴覚が研ぎ澄まされ、唾液の味がわからなくなってゆく。
最近はよく鼓動が早くなる。皆から愛されていると理解した上で、こうも好意を向けられて……何もかもが未経験の私には刺激が強すぎるのだ。だからこんなにも簡単にときめいて、ドキドキして…………これが相手への恋のときめきだと勘違いして、失礼な判断を下してしまいかねない。
あまり、認めたくはないが……私はかなり流されやすい性分だ。だからこういう雰囲気の中に居続けたら、きっと知らず知らずのうちに流されてしまうだろう。
「……ねぇ、メイシア。これは単なる我儘なんだけどね」
「っ! はいっ、なんでも仰ってください!」
卑怯にも逃げ出そうとしておもむろに口を開けば、純粋なメイシアは目を輝かせてこちらを見上げた。罪悪感に胸をズキリと刺されながら、私は我儘を言葉にする。
「六月十五日。その日は一日、貴女の時間を私が買ってもいいかしら」
「買う……? わたしの時間を、ですか?」
「えぇ。シャンパージュ伯爵に聞いたのだけど、誕生日は家族でパーティーをするんでしょう? 家族水入らずの場にお邪魔するわけにはいかないし、別日になってしまうけど、貴女の誕生日をちゃんとお祝いしたいなって」
「他ならぬアミレス様でしたら、家族水入らずのパーティーに参加されてもまったく問題ありませんよ? だって未来の奥様ですし」
彼女はきょとんと首を傾げるが、そうはいかないだろう。
「私もそこまで厚顔無恥じゃないわよ。だからこうして、貴女の時間を買わせてほしいって我儘を言ってるの」
「そうですか……わたしもアミレス様と一緒に過ごす時間は喉から手が出る程欲しいので、一度お父さんと相談してみます! 十五日をまるっとお休みに出来ないかどうか!」
「ごめんなさいね、こんな無茶を言ってしまって」
「アミレス様からのお誘いですから、何がなんでも予定をこじ開けてみせますっ!」
健気な彼女の恋心を利用するようで心苦しいが……メイシアを守る為には手段を選んでいられない。
ゲームにおける建国祭テロは六月十五日に発生した。何が起こるかわからない以上、その日はメイシアに傍にいてもらっておいた方がいいだろう。目の届く場所にいてくれたなら、きっと、守れるだろうから。
「きゃーっ! アミレス様からデートのお誘いだなんて! 嬉しすぎて顔が溶けちゃいそう……っ!!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねる彼女を見て、罪悪感が深く心を抉ってくる。
……ごめんね、メイシア。
でも、絶対に貴女のことは守るから。だから……どうか、こんな自分勝手で最低最悪な私のことを、これ以上好きにならないで。これ以上、こんな私を許さないで──……。
メイシアの死亡率が最も高くなる建国祭テロへの懸念もあり、メイシアを安全圏に留まらせようとしたのも事実なのだが、これはまだ彼女達には伏せたままだ。敵の計画の全容が不明な状況で漠然とそれに備えているだけの今、いたずらに不安を煽る訳にはいかない。
何より……このことを話せば、きっと、優しい彼女達は私の身を案じてくれるだろうから。不必要な心配をかけたくないわ。
「──ひとまずはこんなものかな。この立案書を運営の貴族に渡してくれる?」
「わかった。相談を聞いてくれただけじゃなくて、こんな本格的な立案書まで……ありがとう、アミレスちゃん」
「いえいえ。メイシアとローズが色々と意見を出してくれたから、即席の割にはしっかりとまとめられたのよ。ありがとう、二人共」
「アミレス様のお役に立てて何よりです」
紅茶とスイーツを楽しみつつ、私達は和気藹々と、古狸共に叩きつける立案書を制作していた。
完成したそれを封筒に入れ、ローズに託し、まさに貴族のご令嬢といった風に皆で穏やかに談笑する。
途中からは少し暇が出来たらしいナトラが混ざり、久々の女子会気分を味わっていたところで、
「そういえば、今日はやけに静かじゃのう」
幼子のようにフォークを握るナトラが呟いた。
「言われてみれば……」
「精霊様も、ルティさんもいらっしゃいませんね」
昨日あれだけ駄々をこねたシルフ達が揃って不在なのは、アンヘルへのプレゼントを買いに行ったからだ。シルフ達だけでは店探しだけで相当な時間を要してしまうだろうと、私が東宮から出ないことを条件に、アルベルトには彼等のサポートを任せた。
だからシルフ達だけでなくアルベルトまで不在なのだ。
「彼等は買い物の為に出かけてるのよ。今頃きっと街は大騒ぎでしょうね」
「騒ぎ程度で済めばよいのじゃがな」
「シルフ様やエンヴィー様の性格上、一度騒ぎが起きればそう簡単には解決しなさそうです……」
「た、たしかに……。精霊様達は、その、個性豊かですものね……」
メイシアとローズが視線を泳がせながら相槌を打つと、ナトラは「そうじゃのぅ」と呆れを浮かべた様子で小さく頷いた。
自信満々でちょっぴり我儘なシルフと、気の良いあんちゃんだけど一度冷めるとどこまでも冷たくなる師匠。確かに癖が強い。だがメイシアとローズは知らないのだ。──最近そこに、フリザセアさんというこれまた変わった精霊さんが加わったことを。
「……事件にさえなっていなければいいのだけど」
シルフ達を侮辱する意図は決してないのだが、メイシア達の言う通り彼等は癖が強い。その所為か急激に不安が襲ってきて、そんな言葉が口をついて飛び出してしまった。
どうか、彼等の身に何事も起きませんように……!
♢♢♢♢
あれから少しして、仕事がまだあるからとローズはお暇した。同じタイミングでナトラも仕事に戻ったのだが、その後のメイシアの上機嫌っぷりと言ったら。本当にずっとニコニコしていて、時々蕩けるような瞳で見つめられて、思わず変な気持ちになってしまった程だ。
「予定とは違いましたが……こうしてアミレス様と二人きりの時間を過ごせて、幸せです」
私の腕にしなだれかかる彼女からふわりと漂う柔らかな香り。キツすぎないけれどしっかりと女の子らしさを感じさせるそれが、私達の間に色っぽい緊張感を漂わせる。
膨らんではしぼんでを繰り返す二人の胸。それに伴い小さな呼吸音と、大きくなる鼓動の音だけが、時を刻む音に紛れて聞こえてくる。嗅覚と聴覚が研ぎ澄まされ、唾液の味がわからなくなってゆく。
最近はよく鼓動が早くなる。皆から愛されていると理解した上で、こうも好意を向けられて……何もかもが未経験の私には刺激が強すぎるのだ。だからこんなにも簡単にときめいて、ドキドキして…………これが相手への恋のときめきだと勘違いして、失礼な判断を下してしまいかねない。
あまり、認めたくはないが……私はかなり流されやすい性分だ。だからこういう雰囲気の中に居続けたら、きっと知らず知らずのうちに流されてしまうだろう。
「……ねぇ、メイシア。これは単なる我儘なんだけどね」
「っ! はいっ、なんでも仰ってください!」
卑怯にも逃げ出そうとしておもむろに口を開けば、純粋なメイシアは目を輝かせてこちらを見上げた。罪悪感に胸をズキリと刺されながら、私は我儘を言葉にする。
「六月十五日。その日は一日、貴女の時間を私が買ってもいいかしら」
「買う……? わたしの時間を、ですか?」
「えぇ。シャンパージュ伯爵に聞いたのだけど、誕生日は家族でパーティーをするんでしょう? 家族水入らずの場にお邪魔するわけにはいかないし、別日になってしまうけど、貴女の誕生日をちゃんとお祝いしたいなって」
「他ならぬアミレス様でしたら、家族水入らずのパーティーに参加されてもまったく問題ありませんよ? だって未来の奥様ですし」
彼女はきょとんと首を傾げるが、そうはいかないだろう。
「私もそこまで厚顔無恥じゃないわよ。だからこうして、貴女の時間を買わせてほしいって我儘を言ってるの」
「そうですか……わたしもアミレス様と一緒に過ごす時間は喉から手が出る程欲しいので、一度お父さんと相談してみます! 十五日をまるっとお休みに出来ないかどうか!」
「ごめんなさいね、こんな無茶を言ってしまって」
「アミレス様からのお誘いですから、何がなんでも予定をこじ開けてみせますっ!」
健気な彼女の恋心を利用するようで心苦しいが……メイシアを守る為には手段を選んでいられない。
ゲームにおける建国祭テロは六月十五日に発生した。何が起こるかわからない以上、その日はメイシアに傍にいてもらっておいた方がいいだろう。目の届く場所にいてくれたなら、きっと、守れるだろうから。
「きゃーっ! アミレス様からデートのお誘いだなんて! 嬉しすぎて顔が溶けちゃいそう……っ!!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねる彼女を見て、罪悪感が深く心を抉ってくる。
……ごめんね、メイシア。
でも、絶対に貴女のことは守るから。だから……どうか、こんな自分勝手で最低最悪な私のことを、これ以上好きにならないで。これ以上、こんな私を許さないで──……。
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