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第五章・帝国の王女
601.Main Story:Ameless
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女王近衛隊の部隊長、ヴァンスリャンとの戦いはそれはもう白熱した。
主にフリードルが煽りに煽り、ヴァンスリャンがそれに乗せられ荒れ狂う。固有奇跡虚実鏡合なるもので彼女は多重影分身を行い、私達を翻弄してきたのだ。
しかし、そこは流石の攻略対象。カイルやミカリアの仕業であろうトンデモ魔法に紛れ、フリードルが宙に巨大な魔法陣を浮かべたかと思えば、そこから氷柱の爆撃を投下した。それでヴァンスリャンの分身は処理。
私達はヴァンスリャン本人との戦いに集中出来て、見事に彼女の討伐を果たしたのであった。
誠に不本意ながら、フリードルとの連携を強要されたこの戦い。同じ血が流れているからなのか、言葉無しにもなんとなく彼が求める動きが分かり、これでもかと私達の連携は上手くいってしまった。
それがまた、遺憾で。
「妹よ。あの最後の一撃……お前は左方向より斬り込むべきだったのでは? 右方向より来られては、お前ごと斬りかねん」
「大丈夫ですよ、避けますし。現に避けたじゃないですか」
「僕が躱してやったんだ。その捨て身の戦法──見ていて不愉快だ。即刻辞めろ」
「むぅ、失礼な」
並走しながら重箱の隅をつつくフリードルに苛立ちを覚えつつ、私達は妖精女王の元に向かう。
フリードルには『何故自ら渦中に飛び込む?』と小言を言われたが、私が狙われている以上、私が逃げ回っては余計な被害が出かねない。ならば、他ならぬ私が最前線に立つべきだろう。
そんな訳で。途中でいくつかのペアと合流し、程なくして妖精女王と宝石の妖精ラヴィーロの元に辿り着いた。
「──妖精女王。貴女の臣下のほとんどが、私達の手で倒されました。貴女はまだ……この世界に留まるおつもりですか?」
曲がりなりにも彼女は『女王』。ならば、最低限の礼儀は尽くすべきだろう。
暴れ回る師匠達を一瞥して問いかけると、
「わたくしがどんな思いでこの数百年を生きてきたか、あなたにわかる?」
要領を得ない質問が返ってきた。
「わたくしはただ、お星さまにあいたかった。彼に逢いたくて、あいたくて。やっとの思いでお星さまがいる世界に来られたのに。──どうして、ぽっと出のあなたに、邪魔をされなきゃいけないの?」
「貴女の仰る『お星さま』というものも、貴女がそれに抱く想いも、具体的に私がどう邪魔しているのかも。私には一切分かりかねます」
「うそよ! ならどうして──っ、お星さまの騎士たちがあなたを守るの?! あなたの存在がわたくしの邪魔をしていると、どうしてわからないの!」
星の騎士といえば師匠達だが……彼等はシルフに頼まれて、私を守ってくれている。文脈からして彼女の語る『お星さま』とはシルフのことだろうか。
それについて言及しようとした時。妖精を殲滅していた師匠が血相変えて飛んで来て、星空を映すマントを靡かせ私の前に立った。
「おい、妖精女王! 生憎とうちの王様はアンタとだけは会いたくねぇと仰せなんだよ! さっさと失せろ!!」
師匠が吼えると、
「女王陛下に対してなんと無礼な。邪魔をするでない、赤き星よ」
一歩踏み込みラヴィーロが応対する。
「我等が女王陛下は長きに亘り、彼の星を求めてきた。想い焦がれてきた。千に亘るその想いを、彼の星ならざる群星如きが否定する事など、到底許されない! ──汝等は計画の邪魔なのだ。退け、星騎士!!」
怒りと焦燥を露わに、ラヴィーロは師匠に肉薄した。美しい意匠の長剣を手に、魔剣を構える師匠と火花を散らす。
それを横目に、妖精女王は金切り声で叫んだ。
「──また、お星さまの騎士。そこまでしてわたくしの邪魔をするなんて、信じられない! どうして、どうしてなの? わたくしはただ、彼にあいたいだけなのにっっっ!!」
食い気味に叫んで、妖精女王は怒りのままに強く地面を蹴った。勿論、向かう先は私の元。アマテラスを構えて衝突に備えたのだが、そんな私を守るように、二人の王子が前に出た。
「貴様の目的が何であれ、我が妹に手を出すならば容赦はせん」
「……彼女に手は出させない」
フリードルとマクベスタは寧ろ迎え撃たんと、突撃して来る妖精女王に肉薄した。しかしその直前にてどこからともなく妖精が現れ、文字通りの肉壁となる。
その隙を見逃さず、ラヴィーロが師匠との鍔迫り合いを抜け出して、妖精女王の傍にとんぼ返りしてしまった。
そしてラヴィーロが抜けた穴を埋めるように、師匠の元に妖精や穢妖精が押し寄せる。師匠だけでなく精霊さん達全員が、妖精に足を取られているようだ。
「ご無事ですか、女王陛下!」
「えぇ。あの子たちのおかげで…………あぁ、ゆるせない。ゆるせないわ」
「貴女様の為に死ねたのですから、彼等とて本望でしょう。己の死を嘆いて下さり、その御心を分けていただけたとあらば……彼等も幸甚の至りであると、私は愚考します」
「人間のせいでみんなが死んでしまったなんて、わたくしゆるせないわ。…………ラヴィーロ。わたくしの可愛いラヴィーロ。あの人間たちを──……殺して」
「仰せのままに」
恭しく頭を垂れ、ラヴィーロはおもむろに手袋を外し宝石の手を曝け出した。それが触れた長剣は瞬く間に宝石へと変質し、遠目にはダイヤモンドの剣に変化したように見える。
そしてラヴィーロはその剣を地面に突き立てた。──刹那。辺り一面が煌びやかに輝き出す。それはどうやら、地面や建物が宝石に変質した事による光の乱舞であった。
「「「「「「「──ッ!?」」」」」」」
驚愕が重なると同時、誰もが眩しさに目を細める。ただ剣を地面に突き立てただけで発生した、宝石による世界の侵蝕。目を疑うような現象に、私は言葉を失った。
「嘘だろ……世界が、宝石へと変化してる……!?」
これには流石のカイルも頬をひくつかせる。
「私の宝石界域へようこそ、人間達よ。私は汝等を歓迎する。──どうかこの宝石の世界を、死にゆくまで楽しむといい」
「ウワァーッ!? しかもこれ領域的なヤツっぽい?!」
「……どうやら人間の中には多少は頭が回る者もいるようだ。よかろう、汝等にこの世界の真髄を見せ──」
「あ、結構です。キャンセルキャンセルキャンセル、ノーセンキュー」
「…………左様か」
過剰リアクションのカイルに気圧されたのか、ラヴィーロは困惑した様子で、掲げていた手をスッと下ろした。
主にフリードルが煽りに煽り、ヴァンスリャンがそれに乗せられ荒れ狂う。固有奇跡虚実鏡合なるもので彼女は多重影分身を行い、私達を翻弄してきたのだ。
しかし、そこは流石の攻略対象。カイルやミカリアの仕業であろうトンデモ魔法に紛れ、フリードルが宙に巨大な魔法陣を浮かべたかと思えば、そこから氷柱の爆撃を投下した。それでヴァンスリャンの分身は処理。
私達はヴァンスリャン本人との戦いに集中出来て、見事に彼女の討伐を果たしたのであった。
誠に不本意ながら、フリードルとの連携を強要されたこの戦い。同じ血が流れているからなのか、言葉無しにもなんとなく彼が求める動きが分かり、これでもかと私達の連携は上手くいってしまった。
それがまた、遺憾で。
「妹よ。あの最後の一撃……お前は左方向より斬り込むべきだったのでは? 右方向より来られては、お前ごと斬りかねん」
「大丈夫ですよ、避けますし。現に避けたじゃないですか」
「僕が躱してやったんだ。その捨て身の戦法──見ていて不愉快だ。即刻辞めろ」
「むぅ、失礼な」
並走しながら重箱の隅をつつくフリードルに苛立ちを覚えつつ、私達は妖精女王の元に向かう。
フリードルには『何故自ら渦中に飛び込む?』と小言を言われたが、私が狙われている以上、私が逃げ回っては余計な被害が出かねない。ならば、他ならぬ私が最前線に立つべきだろう。
そんな訳で。途中でいくつかのペアと合流し、程なくして妖精女王と宝石の妖精ラヴィーロの元に辿り着いた。
「──妖精女王。貴女の臣下のほとんどが、私達の手で倒されました。貴女はまだ……この世界に留まるおつもりですか?」
曲がりなりにも彼女は『女王』。ならば、最低限の礼儀は尽くすべきだろう。
暴れ回る師匠達を一瞥して問いかけると、
「わたくしがどんな思いでこの数百年を生きてきたか、あなたにわかる?」
要領を得ない質問が返ってきた。
「わたくしはただ、お星さまにあいたかった。彼に逢いたくて、あいたくて。やっとの思いでお星さまがいる世界に来られたのに。──どうして、ぽっと出のあなたに、邪魔をされなきゃいけないの?」
「貴女の仰る『お星さま』というものも、貴女がそれに抱く想いも、具体的に私がどう邪魔しているのかも。私には一切分かりかねます」
「うそよ! ならどうして──っ、お星さまの騎士たちがあなたを守るの?! あなたの存在がわたくしの邪魔をしていると、どうしてわからないの!」
星の騎士といえば師匠達だが……彼等はシルフに頼まれて、私を守ってくれている。文脈からして彼女の語る『お星さま』とはシルフのことだろうか。
それについて言及しようとした時。妖精を殲滅していた師匠が血相変えて飛んで来て、星空を映すマントを靡かせ私の前に立った。
「おい、妖精女王! 生憎とうちの王様はアンタとだけは会いたくねぇと仰せなんだよ! さっさと失せろ!!」
師匠が吼えると、
「女王陛下に対してなんと無礼な。邪魔をするでない、赤き星よ」
一歩踏み込みラヴィーロが応対する。
「我等が女王陛下は長きに亘り、彼の星を求めてきた。想い焦がれてきた。千に亘るその想いを、彼の星ならざる群星如きが否定する事など、到底許されない! ──汝等は計画の邪魔なのだ。退け、星騎士!!」
怒りと焦燥を露わに、ラヴィーロは師匠に肉薄した。美しい意匠の長剣を手に、魔剣を構える師匠と火花を散らす。
それを横目に、妖精女王は金切り声で叫んだ。
「──また、お星さまの騎士。そこまでしてわたくしの邪魔をするなんて、信じられない! どうして、どうしてなの? わたくしはただ、彼にあいたいだけなのにっっっ!!」
食い気味に叫んで、妖精女王は怒りのままに強く地面を蹴った。勿論、向かう先は私の元。アマテラスを構えて衝突に備えたのだが、そんな私を守るように、二人の王子が前に出た。
「貴様の目的が何であれ、我が妹に手を出すならば容赦はせん」
「……彼女に手は出させない」
フリードルとマクベスタは寧ろ迎え撃たんと、突撃して来る妖精女王に肉薄した。しかしその直前にてどこからともなく妖精が現れ、文字通りの肉壁となる。
その隙を見逃さず、ラヴィーロが師匠との鍔迫り合いを抜け出して、妖精女王の傍にとんぼ返りしてしまった。
そしてラヴィーロが抜けた穴を埋めるように、師匠の元に妖精や穢妖精が押し寄せる。師匠だけでなく精霊さん達全員が、妖精に足を取られているようだ。
「ご無事ですか、女王陛下!」
「えぇ。あの子たちのおかげで…………あぁ、ゆるせない。ゆるせないわ」
「貴女様の為に死ねたのですから、彼等とて本望でしょう。己の死を嘆いて下さり、その御心を分けていただけたとあらば……彼等も幸甚の至りであると、私は愚考します」
「人間のせいでみんなが死んでしまったなんて、わたくしゆるせないわ。…………ラヴィーロ。わたくしの可愛いラヴィーロ。あの人間たちを──……殺して」
「仰せのままに」
恭しく頭を垂れ、ラヴィーロはおもむろに手袋を外し宝石の手を曝け出した。それが触れた長剣は瞬く間に宝石へと変質し、遠目にはダイヤモンドの剣に変化したように見える。
そしてラヴィーロはその剣を地面に突き立てた。──刹那。辺り一面が煌びやかに輝き出す。それはどうやら、地面や建物が宝石に変質した事による光の乱舞であった。
「「「「「「「──ッ!?」」」」」」」
驚愕が重なると同時、誰もが眩しさに目を細める。ただ剣を地面に突き立てただけで発生した、宝石による世界の侵蝕。目を疑うような現象に、私は言葉を失った。
「嘘だろ……世界が、宝石へと変化してる……!?」
これには流石のカイルも頬をひくつかせる。
「私の宝石界域へようこそ、人間達よ。私は汝等を歓迎する。──どうかこの宝石の世界を、死にゆくまで楽しむといい」
「ウワァーッ!? しかもこれ領域的なヤツっぽい?!」
「……どうやら人間の中には多少は頭が回る者もいるようだ。よかろう、汝等にこの世界の真髄を見せ──」
「あ、結構です。キャンセルキャンセルキャンセル、ノーセンキュー」
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