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第五章・帝国の王女
505.Main Story:Ameless
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無事にバドクラを回収出来たので、早速件の魔物を撃退すべくシュヴァルツの魔法で現場に急行した私達。
そこで見たものに、私とイリオーデは呆気に取られていた。
魔物って聞いたから、魔物の行進で見たような感じのものを想定していたのだが……なんだか予想が外れたのだ。
「……何、あの気持ち悪い生き物…………」
うねうねと、うぞうぞとした、スライムのようでもあり神話生物のようでもある、見るからに気持ち悪い生き物。
しかし、本当に何故かは分からないのだが──見た目がゆめかわ系のカラーリングだ。ペイルトーンカラーパレットの触手生物とかキモい。キモすぎる。
この場にカイルがいたら確実に、『エロ同人でよく見るやつ!!』とか『感覚遮断案件!?』とか叫んでいそうな見た目である。本当にキモい。
それを相手に、私兵団の皆が果敢に戦っている。
そして、お約束と言っていいのか分からないが──……
「うにゃああああああああ!? やだ、なにこれ気持ち悪いぃいいいい! ぬるぬるして……っ、いぎゃぁああああ!!」
「ジェジ────ッ! 今助けるからな!!」
「おい待てやめろシャルルギル! お前が行くと確実に被害が増える!!」
「うぇぇ……オレももうべっとべとなんだけど……」
見事にその被害を受けているようだ。
ジェジが触手のようなものに搦め取られており、その体を蹂躙されようとしている。そして既に被害に遭ったらしいエリニティは、全身があの魔物の粘液らしきものに塗れており、男泣き一歩手前の表情である。
「僕に近づいてみろ……絶対に殺す……ッ!!」
「ユーキ兄のが怖い」
「けっこう潔癖症だもんね、ユーキ……っと、こっちからも来た!」
そして別の場所では、魔物に向け並々ならぬ殺気を溢れさせるユーキと、それに苦笑するシアンとラークの姿も。
現場はまさに阿鼻叫喚の地獄絵図。周辺住民も、安全地帯から青い顔でこちらを窺っている様子だ。
……今からあれと戦うのかぁ。
せっかく珍しくお洒落したんだけどな。このドレス、確実に駄目になっちゃうなぁ。
「ちなむとな、アレ魔物じゃねェぞ」
ここでシュヴァルツが気になる事を呟く。
「え? どういう事? あんなおぞましいものが魔物じゃないなんて……」
「あんだけ気色悪くて趣味悪ィモンが魔物なワケねェだろ。ありゃ穢妖精だ」
「穢妖精……?!」
迫真の声で繰り返してみたものの、全く知らない言葉でした。
「簡潔に言えば、妖精の成れの果てだな。アイツ等は無邪気であり無垢であり無神経だ。よって、純粋に奇跡の均衡を崩して他者の命を狂わせる。そうやって狂わされ、妖精の形も保てなくなった妖精達の生きる骸が、アレ」
「うわぁ…………」
「気色悪いよなァ、マジで。ぶっちゃけ引いたろ?」
それにはイリオーデと共に深く頷いた。
聞いた限りでは自業自得ではなさそうなのに、姿形が変わっただけで妖精とすら名乗らせてくれないなんて。妖精の世界、怖すぎる。
「しかも非常に性質が悪くてな……アレ、元が妖精なだけに未だに奇跡力使いやがるんだよ。だからありとあらゆる攻撃は当たらないものと思った方がいい」
「待って待ってまってまって。まず奇跡力って何? しかも攻撃が当たらないってどういうこと?!」
思わず彼に詰め寄る。
「奇跡力ってのはそのまま奇跡に関する力。生きてりゃ何度か起こる“奇跡”を自在に操る事が出来るんだよ、妖精共は」
何そのチート。人外さん、種族は違えど揃いも揃ってチートすぎるでしょ。
奇跡を操れるとか……宝くじとかめちゃくちゃ当てられそう。買ったことないから知らないけど。
「妖精共の性質の悪い部分はな、奇跡の在庫を周囲の生命体から巻き上げた上で自身に常に奇跡が起こり続けるようにしてやがる。だから妖精共には攻撃が当たらねェんだよ」
「……常に、攻撃が当たらないっていう奇跡を起こしているからって事ね。悪質極まりないじゃないの」
「だろ? 妖精と言えば、人間的にはいたずら好きとか祝福とかそんなイメージだと思うが……アレなんて妖精共が勝手にその人間の奇跡力を奪った事で発生した不運だし、祝福に至っては他所から巻き上げてきた奇跡力を合意なく相手に押し付けたものだ」
聞けば聞く程、妖精へのイメージが崩れていく。
「神々の次に自分勝手で傍迷惑な種族。それが、妖精だ。そのくせ魔界や精霊界と比べると格段に制約が緩いからいっつも好き勝手やりやがるんだよ……マジで滅ばねェかな……」
いつの間にかシュヴァルツの横顔が怒りに染まっていた。それと同時に彼の長身の体躯がわなわなと震えている。
精霊と魔族と妖精の確執って、私達の想像以上のものなのね。
「ええと、じゃあそんな妖精……の成れの果ての穢妖精がなんでこんなに増殖してるの? 本当におぞましい光景なんだけど」
「オレサマだって知りてェよ。妖精共には、女王近衛隊とやらを除いて集団行動する習性なんて無い筈なんだよ。だから、この光景は正真正銘の異常事態だ」
お手上げとばかりにシュヴァルツは肩を竦める。
「……この状態、どうすればいいのかしら」
「どうすっかなァ。放っておいたらディオ達の奇跡力を全部奪い尽くされかねないしなァー」
「それを早く言ってよ!?」
分かってて何故こんな悠長に話していたのか!
慌てて駆け出そうとするも、シュヴァルツに腕を掴まれて身動きが取れなくなる。あまりにも力が強すぎて、ビクともしないのだ。
「なんで止めるの?! このままだとディオ達が危ないんでしょ!」
振り向いて、彼の反転眼をキッと睨む。
しかしシュヴァルツはつとめて冷静沈着に口を開いた。
「言ったろ、アイツ等は生物の奇跡力を奪うんだ。これから先お前がトラブルに巻き込まれた時──……奇跡的に助かることがなくなるぞ」
「奇跡的に、助かること……」
その覚えは何度かあった。運が良くてなんとか助かった場面を思い返し、言葉に詰まる。
俯き黙り込む私に、シュヴァルツは諭すように語りかけてきた。
「だからやめておけ。死にかけの妖精に突っ込むとか、自ら命を投げ出すようなモンだ」
「……でも、それじゃあ皆が」
「だから突っ込むなって言ってんの。ほら、狩猟大会の時に使ってたヤツ……何だったか、絶対零度? あれで穢妖精を全部凍結してしまえばいい。ある程度離れていれば、奇跡力を奪われる事もないからな」
シュヴァルツは私の身を案じつつ、打開策を提示してくれた。
そうか……魔法なら、わざわざ近づかなくても穢妖精をどうにか出来る!
そこで見たものに、私とイリオーデは呆気に取られていた。
魔物って聞いたから、魔物の行進で見たような感じのものを想定していたのだが……なんだか予想が外れたのだ。
「……何、あの気持ち悪い生き物…………」
うねうねと、うぞうぞとした、スライムのようでもあり神話生物のようでもある、見るからに気持ち悪い生き物。
しかし、本当に何故かは分からないのだが──見た目がゆめかわ系のカラーリングだ。ペイルトーンカラーパレットの触手生物とかキモい。キモすぎる。
この場にカイルがいたら確実に、『エロ同人でよく見るやつ!!』とか『感覚遮断案件!?』とか叫んでいそうな見た目である。本当にキモい。
それを相手に、私兵団の皆が果敢に戦っている。
そして、お約束と言っていいのか分からないが──……
「うにゃああああああああ!? やだ、なにこれ気持ち悪いぃいいいい! ぬるぬるして……っ、いぎゃぁああああ!!」
「ジェジ────ッ! 今助けるからな!!」
「おい待てやめろシャルルギル! お前が行くと確実に被害が増える!!」
「うぇぇ……オレももうべっとべとなんだけど……」
見事にその被害を受けているようだ。
ジェジが触手のようなものに搦め取られており、その体を蹂躙されようとしている。そして既に被害に遭ったらしいエリニティは、全身があの魔物の粘液らしきものに塗れており、男泣き一歩手前の表情である。
「僕に近づいてみろ……絶対に殺す……ッ!!」
「ユーキ兄のが怖い」
「けっこう潔癖症だもんね、ユーキ……っと、こっちからも来た!」
そして別の場所では、魔物に向け並々ならぬ殺気を溢れさせるユーキと、それに苦笑するシアンとラークの姿も。
現場はまさに阿鼻叫喚の地獄絵図。周辺住民も、安全地帯から青い顔でこちらを窺っている様子だ。
……今からあれと戦うのかぁ。
せっかく珍しくお洒落したんだけどな。このドレス、確実に駄目になっちゃうなぁ。
「ちなむとな、アレ魔物じゃねェぞ」
ここでシュヴァルツが気になる事を呟く。
「え? どういう事? あんなおぞましいものが魔物じゃないなんて……」
「あんだけ気色悪くて趣味悪ィモンが魔物なワケねェだろ。ありゃ穢妖精だ」
「穢妖精……?!」
迫真の声で繰り返してみたものの、全く知らない言葉でした。
「簡潔に言えば、妖精の成れの果てだな。アイツ等は無邪気であり無垢であり無神経だ。よって、純粋に奇跡の均衡を崩して他者の命を狂わせる。そうやって狂わされ、妖精の形も保てなくなった妖精達の生きる骸が、アレ」
「うわぁ…………」
「気色悪いよなァ、マジで。ぶっちゃけ引いたろ?」
それにはイリオーデと共に深く頷いた。
聞いた限りでは自業自得ではなさそうなのに、姿形が変わっただけで妖精とすら名乗らせてくれないなんて。妖精の世界、怖すぎる。
「しかも非常に性質が悪くてな……アレ、元が妖精なだけに未だに奇跡力使いやがるんだよ。だからありとあらゆる攻撃は当たらないものと思った方がいい」
「待って待ってまってまって。まず奇跡力って何? しかも攻撃が当たらないってどういうこと?!」
思わず彼に詰め寄る。
「奇跡力ってのはそのまま奇跡に関する力。生きてりゃ何度か起こる“奇跡”を自在に操る事が出来るんだよ、妖精共は」
何そのチート。人外さん、種族は違えど揃いも揃ってチートすぎるでしょ。
奇跡を操れるとか……宝くじとかめちゃくちゃ当てられそう。買ったことないから知らないけど。
「妖精共の性質の悪い部分はな、奇跡の在庫を周囲の生命体から巻き上げた上で自身に常に奇跡が起こり続けるようにしてやがる。だから妖精共には攻撃が当たらねェんだよ」
「……常に、攻撃が当たらないっていう奇跡を起こしているからって事ね。悪質極まりないじゃないの」
「だろ? 妖精と言えば、人間的にはいたずら好きとか祝福とかそんなイメージだと思うが……アレなんて妖精共が勝手にその人間の奇跡力を奪った事で発生した不運だし、祝福に至っては他所から巻き上げてきた奇跡力を合意なく相手に押し付けたものだ」
聞けば聞く程、妖精へのイメージが崩れていく。
「神々の次に自分勝手で傍迷惑な種族。それが、妖精だ。そのくせ魔界や精霊界と比べると格段に制約が緩いからいっつも好き勝手やりやがるんだよ……マジで滅ばねェかな……」
いつの間にかシュヴァルツの横顔が怒りに染まっていた。それと同時に彼の長身の体躯がわなわなと震えている。
精霊と魔族と妖精の確執って、私達の想像以上のものなのね。
「ええと、じゃあそんな妖精……の成れの果ての穢妖精がなんでこんなに増殖してるの? 本当におぞましい光景なんだけど」
「オレサマだって知りてェよ。妖精共には、女王近衛隊とやらを除いて集団行動する習性なんて無い筈なんだよ。だから、この光景は正真正銘の異常事態だ」
お手上げとばかりにシュヴァルツは肩を竦める。
「……この状態、どうすればいいのかしら」
「どうすっかなァ。放っておいたらディオ達の奇跡力を全部奪い尽くされかねないしなァー」
「それを早く言ってよ!?」
分かってて何故こんな悠長に話していたのか!
慌てて駆け出そうとするも、シュヴァルツに腕を掴まれて身動きが取れなくなる。あまりにも力が強すぎて、ビクともしないのだ。
「なんで止めるの?! このままだとディオ達が危ないんでしょ!」
振り向いて、彼の反転眼をキッと睨む。
しかしシュヴァルツはつとめて冷静沈着に口を開いた。
「言ったろ、アイツ等は生物の奇跡力を奪うんだ。これから先お前がトラブルに巻き込まれた時──……奇跡的に助かることがなくなるぞ」
「奇跡的に、助かること……」
その覚えは何度かあった。運が良くてなんとか助かった場面を思い返し、言葉に詰まる。
俯き黙り込む私に、シュヴァルツは諭すように語りかけてきた。
「だからやめておけ。死にかけの妖精に突っ込むとか、自ら命を投げ出すようなモンだ」
「……でも、それじゃあ皆が」
「だから突っ込むなって言ってんの。ほら、狩猟大会の時に使ってたヤツ……何だったか、絶対零度? あれで穢妖精を全部凍結してしまえばいい。ある程度離れていれば、奇跡力を奪われる事もないからな」
シュヴァルツは私の身を案じつつ、打開策を提示してくれた。
そうか……魔法なら、わざわざ近づかなくても穢妖精をどうにか出来る!
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