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第四章・興国の王女
331.それは彼方より来る4
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「…………どうして、貴方達は自分を大事にしてくれないのよ。どれだけ私が皆を守ろうとしても、何で全然守られてくれないの?」
どうしてか荒事に巻き込まれようとする皆への不満を呟く。すると、マクベスタがムッとした顔でこれに反応した。
「それはこちらの台詞だ。何でお前は自分を大事にしないんだ? どうしてオレ達にお前を守らせてくれないんだ?」
「自分を大事にしてないのは貴方達の方でしょ? 私は、皆に死んで欲しくなくて……皆に幸せになって欲しくて、いつも頑張ってるのに。どうして皆は、自ら危険を冒そうとするの?」
「それこそこちらの台詞だぞ、アミレス。オレ達だって、お前には死んで欲しくないと思っている。だからお前が一人で何でも抱え込もうとする度に首を突っ込むし、意地でもお前一人では戦わせないようにしているんだ。お前にだけは、死んで欲しくないから」
マクベスタの真剣な瞳と、困惑する私の視線が交わる。
「……私に死んで欲しくないから、命を懸けるの? たった、それだけの事で? 何でそんな事をするの、皆の人生は皆のものなんだから、もっと有意義な使い方を…………」
分からない。どうして皆がそんな事をするのか。
知っているからこその責任も何も伴わない自分だけの人生で……そんな勿体ない事をするの? 下手したら死ぬような事を、どうして?
私が皆の為に動くのは当然の事だ。だって私は『知っている』から。この先に起きる悲劇も悲運も全て知っているのに、何もしない訳にはいかない。
未来を知る以上、私にはそれを何とかする義務や責任が生じてしまう。それが私の『お役目』なら、私は甘んじて受け入れよう。
それがきっと私の望みに繋がると信じて。それが、最大多数の幸福に繋がると信じて。
……だからこそ分からないの。義務も責任も伴わない彼等が、他人の為に命を懸ける理由が。
この発言がまずかったのだろうか。
イリオーデも、アルベルトも、マクベスタも。皆が一様に顔を顰めた。やがてマクベスタが皮肉混じりの乾いた笑い声を上げて、
「くっ、はははっ……ああそうか、そうだな。お前はずっとそうだったな。自分を過小評価しすぎで、超がつく程の鈍感だ。そんなお前が、自覚してる訳ないよな」
初めて見るような引き攣った笑顔を浮かべた。まるで酷く何かに傷ついているかのような、見てるこっちの胸が苦しくなるような笑顔だった。
しかしそれも束の間。呆然とする私に向けて、今度は不自然なぐらいキラキラとした顔を作った。
「もう元には戻れないぐらい、たった一人の人間に人生を狂わされた気持ち……お前は分からなくて当然だったな。だってお前はずっと狂わせる側だったんだから」
「え、と……何のはな……し……っ!?」
マクベスタがおもむろに私の隣に座り直し、彼は私の手を取った。何をするつもりなのかと訝しんだ瞬間、マクベスタは手の甲に口付けを落とした。
「察しのいいお前なら分かるだろう? オレは……オレ達は──お前に人生を狂わされたんだ。他でもないアミレス・ヘル・フォーロイトによって、オレ達の人生は後戻りなんて出来ないぐらい狂ったんだよ」
果てしない闇を内包する瞳を熱く細め、マクベスタは背筋が凍るような笑みを浮かべていた。
先程からコロコロと変わる彼の笑顔の全てが底知れないもので、怖くて……私は思わず言葉を失っていた。特に最後のこの笑顔。嫌な予感が胸騒ぎとなって襲ってくる。
「例えお前に自覚が無くとも、ひと一人の人生を狂わせた事に変わりない。だから責任とって、最期までオレの命も人生も好きなように使ってくれよ。お前の為にこの命を使う事が、オレにとっての幸福なんだ」
一体、目の前にいるこの男は誰なの? 私の知るマクベスタじゃない……ゲームで見た攻略対象の彼とも、これまで一緒に成長して来た初めての人間の友達とも違う。
私の知らないマクベスタを前にして、意識が混乱する。
「お前がオレの幸福を願ってくれるのなら、死なないように……あと怪我もしないように気をつけた上で、オレの命を遠慮なく使ってくれ。それが、オレにとって一番の幸福だろうからな」
我が手を放してからゆっくりと立ち上がり、マクベスタは微笑んだ。いつも通りの柔らかいそれに一瞬ホッとするも、マクベスタが分からなくなって……結局恐怖は拭えなかった。
「……マクベスタ王子の意見に同意します。私の命はとうに王女殿下に捧げたもの。どうぞ、好きにお使い下さいませ」
「俺は、主君へと残りの人生総てを捧げる誓いを立てました。貴女の為に生きて、貴女の為に死ぬ……それこそが罪人に許された幸福であり、従僕に許された役目なのです」
マクベスタに続くように、イリオーデとアルベルトまでとんでもない事を口にした。
「ここまでくれば、鈍感なお前も分かるだろう? オレ達はお前の為にこの命を使いたい。だからオレ達の身が危ないだとか……そんな事は気にしないで、オレ達の事も巻き込んで欲しいんだ。お前がキングなら、オレ達はルークかナイト辺りだろうか。そんな風に、オレ達をお前を守り戦うお前の駒にしてくれよ」
あまりにもめちゃくちゃな発言に言葉を失っていると、
「──まあ、そういう細かい事はもぉどーでもいいじゃん。今は黒の竜をどうにかしようって話でしょー?」
かき氷を食べるシュヴァルツが、この重苦しい空気と共に話題を変えた。
その言葉に従うようにマクベスタは元いた場所へと腰を下ろした。それを確認してから、シュヴァルツは続ける。
「黒の竜は強いよ。竜種は人類が総力を挙げて初めて討伐出来るもの……おねぇちゃん達がどれだけ命を懸けようと、アレには勝てない。アイツは、生きる災害そのものだからね」
情けない事に、今のぼくにも勝てる自信があまり無いからね。とシュヴァルツは肩を竦めた。
「だけどおねぇちゃんは黒の竜をどうにかしたいんだね? 人類への憎悪と怨嗟を抱くあの竜は間違いなく暴れるだろう。下手したらこの国諸共心中する事になる。それでもお前は──あの災害へと立ち向かうと言うのか?」
かき氷を食べ終わり、シュヴァルツはその器を机に置いた。
そして、どこかで見た覚えがあるような……こちらの心すらも見透かされそうな鋭い視線を向けて来た。
「えぇ。もう、決めたから」
「そっか。ぼくは大した事は出来ないけど……簡単な後方支援でもしておくよ。おねぇちゃんはどうせ、被害を極力出さないように~~って考えそうだし」
「よく分かったわね……」
「かれこれ二年近く一緒にいたからねぇ」
シュヴァルツまで、黒の竜との戦いに前向きだった。
飛び起きるように立ち上がり、シュヴァルツは背伸びをして「あと十分弱ってところか」と呟く。
「帝都の中で相手するよりかは、帝都の外の方がまだいいよね?」
「被害が抑えられるならその方がいいわ」
「おっけーい。じゃあ行くよ、ナトラ」
「む、我か?」
ナトラの肩に、シュヴァルツがポンッと手を置く。
するとナトラはぽかんとした顔で首を傾げた。
「黒の竜の狙いはナトラだろうからね。ナトラが帝都の外にいなければ意味が無いだろ」
「兄上の狙いが我じゃと? 何故だ……?」
「お前と同じように、黒の竜も生き別れの弟妹に会いたかったんじゃね?」
「そう、だと……よいのじゃが」
二人は軽く話しながら、瞬間転移で姿を消した。
だが程なくしてシュヴァルツが戻って来て、私達四人も同様に瞬間転移させられた。転移先は帝都から少し離れた平原。
そこではナトラが空を見上げて立っていた。
「ナトラ、どうしたの?」
「……兄上の気配がするのじゃ。それは徐々に大きくなっておる。本当に、黒の兄上がこちらに向かっているようでな」
翡翠色のツインテールと侍女服を風に預け、複雑な面持ちで遠くを見つめている。
「とりあえず、まずは話し合いで解決出来ないか試してみるね。お兄さんと戦うなんて辛いだろうし、もしもの時の為にあなたはシュヴァルツと安全な所にいてね」
「…………すまん。お前に二度も、竜の前に立たせてしまう事になってしまった。本当にすまない」
「いいわよ、これぐらい。寧ろ竜種相手でも立ってられるようになれば、うちのお父様なんてへっちゃらでしょうしね!」
少しでもナトラが気に病まなくて済むよう、私はつとめて明るく言ってのけた。
するとナトラは私の両手をぎゅっと掴み、蜂蜜のように綺麗な黄金の瞳でこちらを見上げた。
「──本当に、お前の命が危ぶまれた時。例え兄上相手だとしても……我はお前を守る。そう、お前と約束したからな」
それだけ言って、ナトラはシュヴァルツの元に向かった。
緊張する鼓動を落ち着かせようと深呼吸を繰り返す。
ナトラの手前、ああは言ったけれど……正直な話、竜と対峙した時の恐怖なんて何度体験しても慣れる事なんてないだろう。
怖い。あの時、瀕死の緑の竜と同じ空間に立っただけで息が出来なくなったのに、黒の竜と対峙するなんて、本当に可能なのか。って……。
自分の気持ちに嘘をつくのは得意な筈なのに、どうしてこんなにも恐怖を捨てられないのか。やっぱり、感情なんてもの……無い方が幸せなんじゃないのかな。
駄目だ。不安や恐怖から、ネガティブな考えにばかり偏ってしまう。
どうしてか荒事に巻き込まれようとする皆への不満を呟く。すると、マクベスタがムッとした顔でこれに反応した。
「それはこちらの台詞だ。何でお前は自分を大事にしないんだ? どうしてオレ達にお前を守らせてくれないんだ?」
「自分を大事にしてないのは貴方達の方でしょ? 私は、皆に死んで欲しくなくて……皆に幸せになって欲しくて、いつも頑張ってるのに。どうして皆は、自ら危険を冒そうとするの?」
「それこそこちらの台詞だぞ、アミレス。オレ達だって、お前には死んで欲しくないと思っている。だからお前が一人で何でも抱え込もうとする度に首を突っ込むし、意地でもお前一人では戦わせないようにしているんだ。お前にだけは、死んで欲しくないから」
マクベスタの真剣な瞳と、困惑する私の視線が交わる。
「……私に死んで欲しくないから、命を懸けるの? たった、それだけの事で? 何でそんな事をするの、皆の人生は皆のものなんだから、もっと有意義な使い方を…………」
分からない。どうして皆がそんな事をするのか。
知っているからこその責任も何も伴わない自分だけの人生で……そんな勿体ない事をするの? 下手したら死ぬような事を、どうして?
私が皆の為に動くのは当然の事だ。だって私は『知っている』から。この先に起きる悲劇も悲運も全て知っているのに、何もしない訳にはいかない。
未来を知る以上、私にはそれを何とかする義務や責任が生じてしまう。それが私の『お役目』なら、私は甘んじて受け入れよう。
それがきっと私の望みに繋がると信じて。それが、最大多数の幸福に繋がると信じて。
……だからこそ分からないの。義務も責任も伴わない彼等が、他人の為に命を懸ける理由が。
この発言がまずかったのだろうか。
イリオーデも、アルベルトも、マクベスタも。皆が一様に顔を顰めた。やがてマクベスタが皮肉混じりの乾いた笑い声を上げて、
「くっ、はははっ……ああそうか、そうだな。お前はずっとそうだったな。自分を過小評価しすぎで、超がつく程の鈍感だ。そんなお前が、自覚してる訳ないよな」
初めて見るような引き攣った笑顔を浮かべた。まるで酷く何かに傷ついているかのような、見てるこっちの胸が苦しくなるような笑顔だった。
しかしそれも束の間。呆然とする私に向けて、今度は不自然なぐらいキラキラとした顔を作った。
「もう元には戻れないぐらい、たった一人の人間に人生を狂わされた気持ち……お前は分からなくて当然だったな。だってお前はずっと狂わせる側だったんだから」
「え、と……何のはな……し……っ!?」
マクベスタがおもむろに私の隣に座り直し、彼は私の手を取った。何をするつもりなのかと訝しんだ瞬間、マクベスタは手の甲に口付けを落とした。
「察しのいいお前なら分かるだろう? オレは……オレ達は──お前に人生を狂わされたんだ。他でもないアミレス・ヘル・フォーロイトによって、オレ達の人生は後戻りなんて出来ないぐらい狂ったんだよ」
果てしない闇を内包する瞳を熱く細め、マクベスタは背筋が凍るような笑みを浮かべていた。
先程からコロコロと変わる彼の笑顔の全てが底知れないもので、怖くて……私は思わず言葉を失っていた。特に最後のこの笑顔。嫌な予感が胸騒ぎとなって襲ってくる。
「例えお前に自覚が無くとも、ひと一人の人生を狂わせた事に変わりない。だから責任とって、最期までオレの命も人生も好きなように使ってくれよ。お前の為にこの命を使う事が、オレにとっての幸福なんだ」
一体、目の前にいるこの男は誰なの? 私の知るマクベスタじゃない……ゲームで見た攻略対象の彼とも、これまで一緒に成長して来た初めての人間の友達とも違う。
私の知らないマクベスタを前にして、意識が混乱する。
「お前がオレの幸福を願ってくれるのなら、死なないように……あと怪我もしないように気をつけた上で、オレの命を遠慮なく使ってくれ。それが、オレにとって一番の幸福だろうからな」
我が手を放してからゆっくりと立ち上がり、マクベスタは微笑んだ。いつも通りの柔らかいそれに一瞬ホッとするも、マクベスタが分からなくなって……結局恐怖は拭えなかった。
「……マクベスタ王子の意見に同意します。私の命はとうに王女殿下に捧げたもの。どうぞ、好きにお使い下さいませ」
「俺は、主君へと残りの人生総てを捧げる誓いを立てました。貴女の為に生きて、貴女の為に死ぬ……それこそが罪人に許された幸福であり、従僕に許された役目なのです」
マクベスタに続くように、イリオーデとアルベルトまでとんでもない事を口にした。
「ここまでくれば、鈍感なお前も分かるだろう? オレ達はお前の為にこの命を使いたい。だからオレ達の身が危ないだとか……そんな事は気にしないで、オレ達の事も巻き込んで欲しいんだ。お前がキングなら、オレ達はルークかナイト辺りだろうか。そんな風に、オレ達をお前を守り戦うお前の駒にしてくれよ」
あまりにもめちゃくちゃな発言に言葉を失っていると、
「──まあ、そういう細かい事はもぉどーでもいいじゃん。今は黒の竜をどうにかしようって話でしょー?」
かき氷を食べるシュヴァルツが、この重苦しい空気と共に話題を変えた。
その言葉に従うようにマクベスタは元いた場所へと腰を下ろした。それを確認してから、シュヴァルツは続ける。
「黒の竜は強いよ。竜種は人類が総力を挙げて初めて討伐出来るもの……おねぇちゃん達がどれだけ命を懸けようと、アレには勝てない。アイツは、生きる災害そのものだからね」
情けない事に、今のぼくにも勝てる自信があまり無いからね。とシュヴァルツは肩を竦めた。
「だけどおねぇちゃんは黒の竜をどうにかしたいんだね? 人類への憎悪と怨嗟を抱くあの竜は間違いなく暴れるだろう。下手したらこの国諸共心中する事になる。それでもお前は──あの災害へと立ち向かうと言うのか?」
かき氷を食べ終わり、シュヴァルツはその器を机に置いた。
そして、どこかで見た覚えがあるような……こちらの心すらも見透かされそうな鋭い視線を向けて来た。
「えぇ。もう、決めたから」
「そっか。ぼくは大した事は出来ないけど……簡単な後方支援でもしておくよ。おねぇちゃんはどうせ、被害を極力出さないように~~って考えそうだし」
「よく分かったわね……」
「かれこれ二年近く一緒にいたからねぇ」
シュヴァルツまで、黒の竜との戦いに前向きだった。
飛び起きるように立ち上がり、シュヴァルツは背伸びをして「あと十分弱ってところか」と呟く。
「帝都の中で相手するよりかは、帝都の外の方がまだいいよね?」
「被害が抑えられるならその方がいいわ」
「おっけーい。じゃあ行くよ、ナトラ」
「む、我か?」
ナトラの肩に、シュヴァルツがポンッと手を置く。
するとナトラはぽかんとした顔で首を傾げた。
「黒の竜の狙いはナトラだろうからね。ナトラが帝都の外にいなければ意味が無いだろ」
「兄上の狙いが我じゃと? 何故だ……?」
「お前と同じように、黒の竜も生き別れの弟妹に会いたかったんじゃね?」
「そう、だと……よいのじゃが」
二人は軽く話しながら、瞬間転移で姿を消した。
だが程なくしてシュヴァルツが戻って来て、私達四人も同様に瞬間転移させられた。転移先は帝都から少し離れた平原。
そこではナトラが空を見上げて立っていた。
「ナトラ、どうしたの?」
「……兄上の気配がするのじゃ。それは徐々に大きくなっておる。本当に、黒の兄上がこちらに向かっているようでな」
翡翠色のツインテールと侍女服を風に預け、複雑な面持ちで遠くを見つめている。
「とりあえず、まずは話し合いで解決出来ないか試してみるね。お兄さんと戦うなんて辛いだろうし、もしもの時の為にあなたはシュヴァルツと安全な所にいてね」
「…………すまん。お前に二度も、竜の前に立たせてしまう事になってしまった。本当にすまない」
「いいわよ、これぐらい。寧ろ竜種相手でも立ってられるようになれば、うちのお父様なんてへっちゃらでしょうしね!」
少しでもナトラが気に病まなくて済むよう、私はつとめて明るく言ってのけた。
するとナトラは私の両手をぎゅっと掴み、蜂蜜のように綺麗な黄金の瞳でこちらを見上げた。
「──本当に、お前の命が危ぶまれた時。例え兄上相手だとしても……我はお前を守る。そう、お前と約束したからな」
それだけ言って、ナトラはシュヴァルツの元に向かった。
緊張する鼓動を落ち着かせようと深呼吸を繰り返す。
ナトラの手前、ああは言ったけれど……正直な話、竜と対峙した時の恐怖なんて何度体験しても慣れる事なんてないだろう。
怖い。あの時、瀕死の緑の竜と同じ空間に立っただけで息が出来なくなったのに、黒の竜と対峙するなんて、本当に可能なのか。って……。
自分の気持ちに嘘をつくのは得意な筈なのに、どうしてこんなにも恐怖を捨てられないのか。やっぱり、感情なんてもの……無い方が幸せなんじゃないのかな。
駄目だ。不安や恐怖から、ネガティブな考えにばかり偏ってしまう。
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