342 / 765
第四章・興国の王女
305.青い星を君へ4
しおりを挟む
「女が嫌いって、あんなにアミレス様にベタベタしておいて! どの口がそのような事を!!」
「お、おいシャンパージュの嬢ちゃん落ち着け!」
今すぐにでも殴り掛かりそうな勢いのメイシアを、ディオリストラスが慌てて制止する。
だがメイシアが行かぬのならと、イリオーデやアルベルト、更にはマクベスタやマリエルやナトラやシルフまでもが臨戦態勢に入っていた。
「女っつっても無条件に全部嫌いな訳じゃねぇよ。俺に好意を持つ女が嫌いなだけだ。だからその点ここは居心地がいいんだよなぁ、俺の事好きな女は一人もいないし」
あとマクベスタがいるし。とカイルは零す。
「安心しろ、アイツは妹みたいなもんだと思ってるから、俺。いや~、ずっと普通の弟妹が欲しかったんだよなあ」
「何が『安心しろ』だ。勝手に一人で完結すんじゃねーよクソが」
「シュヴァルツ口悪いなぁ……まあいいけどさ、皆が俺にだけ当たり強いの慣れて来たし」
相変わらずの順応性の高さで、カイルはシュヴァルツを軽くあしらう。
「俺は恋愛なんて出来ないし、尚且つここだけの話……アミレスの事を妹分だと思ってる。そんな俺には、アイツを愛する事なんて出来ないんだよ。だからそれはお前等に任せたって事。おけ?」
「……兄妹のように思ってて、どうして愛する事が出来ないんだ? 兄は弟妹を愛するものじゃないのか?」
弟をこよなく愛するアルベルトが、カイルの自論に異を唱える。しかしそれをカイルはぽかんとした顔で、
「え? 身内を愛するとか無理無理。家族愛とか一番いらんし。俺、そんなもの心底求めてないから」
あっさりと一蹴した。
「だから安心してくれって言ったんだよ。俺がアイツの事を友達や仲間以上に好きになる日なんて来ないからさ。だからその代わりに、愛を込めた花束を贈るのはそっちで頼んだ」
カイルはヘラヘラと笑う。しかしそれを聞いた面々の表情は不可解に歪められていた。
(ま~~た、めんどくせぇ感じの奴が出てきたなァ。アイツといいコイツといい、世界に干渉されてる奴等はどうも愛情を渇望してたり忌避してたりと、何かしら愛にまつわる面倒事を抱えてるのは何でなんだ?)
背を曲げて、シュヴァルツは肺の空気が無くなりそうな程大きなため息を吐き出した。
予想外の方向にカイルが面倒な考えを持っていて、シュヴァルツからは毒気が抜かれてゆく。この男相手に真面目に話してもこれは無駄だと、そう判断したようで。
「……言われなくてもそのつもりだよ。ぼく達で彼女を全力で愛する。彼女の価値観も普通も全部侵しつくして、ぼく達が彼女をめちゃくちゃにしてしまえばいいんだろ」
「そーゆーこと。よし、これで無事作戦会議も終わりだな」
ぐぐぐっ、とカイルは背伸びをする。その最中「あ」と声を漏らして、カイルはシルフ達の方を向き、
「なあなあ、このままこっちで朝飯食ってもいい? 何か最近うちの兄貴がうるさくてさー」
タイミング良く腹の虫を鳴らした。あんまりにも空気感を破壊する自由人カイルに、シュヴァルツだけでなくその場にいた全員までもが毒気を抜かれた。
「厚かましいぞ、カイル。なんで我等がお前の分まで朝食を用意してやらねばならんのじゃ」
「そーだそーだ。ハミルディーヒの王子に何で東宮の食料を無償で分け与えてやらないといけないんだよ。ここはアミィの家なんだけど?」
「いいじゃん別に。アイツ金持ちなんだし……俺は王子だけどそこそこ貧乏だから節約したいんですぅー。セコケチだって言われても仕方無いんですぅー」
先程までの一触即発の空気は見る影もなくなり、すっかりいつも通りの緩い雰囲気へと戻った。
それに肩を撫で下ろし、カイルが小さく微笑んだのは……きっと、気の所為ではない。
「シュヴァルツ。話が終わったならば、私は姫様にご挨拶してから邸宅に戻りたいのですが……仕事がありますので」
「あっ、わたしも……急にいなくなったからお父さん達が心配してるかもしれないので、家に帰らないと」
「そういう事なら俺も、朝からシフト入ってんだわ。早く戻らねぇとユーキとクラリスにどやされる」
シュヴァルツによって強制的に東宮に呼び寄せられた面々が、シュヴァルツに帰してくれと頼む。それをシュヴァルツは「いいよぉ」と快諾し、ひとまずアミレスに挨拶だけしにいこうかという話になる。
ここまでずっと口を閉ざしていたイリオーデが、これ幸いとばかりに黙って早足でアミレスの私室に向かったものだから、その後ろをアルベルトが「あ! 待てよ騎士君!」と言いながら追いかける。しかし、当のイリオーデはというと……振り向く事さえなく、「イリオーデだ」とだけ返して前を行く。
その背を更にシルフとナトラとマクベスタが追いかけ、シュヴァルツ達も同様にその後ろに続く。やいのやいのと話しながら賑やかに廊下を歩く面々を見つめ、カイルは柔らかく目を細めた。
(一時は俺のガバからどうなる事かと思ったが…………これで、いいよな。アイツの異常性について思い悩むのは俺だけでいい。いくつもの手掛かりを頼りに、謎を解いて真実を見つけるのは俺がやればいい。皆はただ……純粋にひたむきに、よそ見なんてせず真っ直ぐにアイツを愛してくれたらいいんだ)
ふぅ。と一息つくとカイルは一歩踏み出して、
「……──目指せ、ハッピーエンド!」
アミレスの元に向かう楽しげな面々を追いかけるように、軽く走り出した。
♢♢
「ただいまぁ、おねぇちゃん!」
寝台の上に寝転がり、セツの肉球をぷにぷにと触っていた時。扉を開け放ってはぞろぞろとお客様が。
あれ、何でハイラとメイシアとディオがいるの? マクベスタとカイルはまあいつもいるからいいとして、三人がこんな朝からいるなんて珍しいわね。何かあったのかしら?
セツを抱え、寝台から起き上がり皆の元まで歩いてゆくと、ハイラが優雅に一礼して挨拶を口にした。
「おはようございます、姫様。こうして朝から姫様にお会い出来ました事、光栄の至にございます」
「おはよう、ハイラ……機嫌がいいわね?」
「……その。可憐な姫様と愛らしい動物の相乗効果はやはり素晴らしいなと思いまして」
何がどうして、そんな照れるように話すのかが分からないわ。
「確かに、アミレス様ともふもふな動物との相性は素晴らしいです! 可愛いと可愛いが合わさって凄く可愛いです!」
「メイシアまで……。そんなに褒めても何も出ないのに」
と言いつつも、私は近くの引き出しから白紙の簡易小切手とペンを取り出した。さぁ、いくら欲しい? メイシアにならいくらでもお金あげちゃうわ。
この流れるようなボケに、すかさずカイルが「いや出てんじゃねぇか」とシンプルなツッコミを入れてくれた。
流石はカイルね、空気読みプロフェッショナル!
「ごほん。それより、皆どうしたの? そんな風にぞろぞろと。もしかして、私が忘れてるだけで今日ってここで何かあったかしら?」
不安になって、私の仕事や予定を全て把握しているアルベルトに確認する。私の視線に気づいたアルベルトは首を横に振って、
「いえ、特にはございません。本日の主君のご予定は通常公務と帝都西部地区への視察のみです」
スラスラと今日の予定を述べた。アルベルトは今や立派な執事となっている。誰がどう見ても完璧で、どこに出しても恥ずかしくない執事だ。
「あっ、だからディオがいるのね! もしかしてわざわざ迎えに来てくれたの?」
合点がいったと手を合わせたのも束の間、それならメイシアとハイラは何でいるのだろう……と、疑問はふりだしに戻る。
「え? いや、俺は……」
「そうっ! そうみたいでさ! さっきぼく達が外に出た時偶然廊下で会ったんだ。ハイラとメイシアも似たような理由だってさ」
何かを言おうとしたディオを押し退け、シュヴァルツが説明する。どうやらハイラとメイシアも似たような理由らしいのだ。
そっか。確かにメイシアも貧民街大改造計画には関わってるし、ハイラだって同様に関係者だ。
視察と言っても、こんなにも関係者が迎えに来てくれるようなものじゃないんだけどな。月イチで貧民街の様子を見に行くだけの、軽い観光みたいなものなんだけどな。
「お、おいシャンパージュの嬢ちゃん落ち着け!」
今すぐにでも殴り掛かりそうな勢いのメイシアを、ディオリストラスが慌てて制止する。
だがメイシアが行かぬのならと、イリオーデやアルベルト、更にはマクベスタやマリエルやナトラやシルフまでもが臨戦態勢に入っていた。
「女っつっても無条件に全部嫌いな訳じゃねぇよ。俺に好意を持つ女が嫌いなだけだ。だからその点ここは居心地がいいんだよなぁ、俺の事好きな女は一人もいないし」
あとマクベスタがいるし。とカイルは零す。
「安心しろ、アイツは妹みたいなもんだと思ってるから、俺。いや~、ずっと普通の弟妹が欲しかったんだよなあ」
「何が『安心しろ』だ。勝手に一人で完結すんじゃねーよクソが」
「シュヴァルツ口悪いなぁ……まあいいけどさ、皆が俺にだけ当たり強いの慣れて来たし」
相変わらずの順応性の高さで、カイルはシュヴァルツを軽くあしらう。
「俺は恋愛なんて出来ないし、尚且つここだけの話……アミレスの事を妹分だと思ってる。そんな俺には、アイツを愛する事なんて出来ないんだよ。だからそれはお前等に任せたって事。おけ?」
「……兄妹のように思ってて、どうして愛する事が出来ないんだ? 兄は弟妹を愛するものじゃないのか?」
弟をこよなく愛するアルベルトが、カイルの自論に異を唱える。しかしそれをカイルはぽかんとした顔で、
「え? 身内を愛するとか無理無理。家族愛とか一番いらんし。俺、そんなもの心底求めてないから」
あっさりと一蹴した。
「だから安心してくれって言ったんだよ。俺がアイツの事を友達や仲間以上に好きになる日なんて来ないからさ。だからその代わりに、愛を込めた花束を贈るのはそっちで頼んだ」
カイルはヘラヘラと笑う。しかしそれを聞いた面々の表情は不可解に歪められていた。
(ま~~た、めんどくせぇ感じの奴が出てきたなァ。アイツといいコイツといい、世界に干渉されてる奴等はどうも愛情を渇望してたり忌避してたりと、何かしら愛にまつわる面倒事を抱えてるのは何でなんだ?)
背を曲げて、シュヴァルツは肺の空気が無くなりそうな程大きなため息を吐き出した。
予想外の方向にカイルが面倒な考えを持っていて、シュヴァルツからは毒気が抜かれてゆく。この男相手に真面目に話してもこれは無駄だと、そう判断したようで。
「……言われなくてもそのつもりだよ。ぼく達で彼女を全力で愛する。彼女の価値観も普通も全部侵しつくして、ぼく達が彼女をめちゃくちゃにしてしまえばいいんだろ」
「そーゆーこと。よし、これで無事作戦会議も終わりだな」
ぐぐぐっ、とカイルは背伸びをする。その最中「あ」と声を漏らして、カイルはシルフ達の方を向き、
「なあなあ、このままこっちで朝飯食ってもいい? 何か最近うちの兄貴がうるさくてさー」
タイミング良く腹の虫を鳴らした。あんまりにも空気感を破壊する自由人カイルに、シュヴァルツだけでなくその場にいた全員までもが毒気を抜かれた。
「厚かましいぞ、カイル。なんで我等がお前の分まで朝食を用意してやらねばならんのじゃ」
「そーだそーだ。ハミルディーヒの王子に何で東宮の食料を無償で分け与えてやらないといけないんだよ。ここはアミィの家なんだけど?」
「いいじゃん別に。アイツ金持ちなんだし……俺は王子だけどそこそこ貧乏だから節約したいんですぅー。セコケチだって言われても仕方無いんですぅー」
先程までの一触即発の空気は見る影もなくなり、すっかりいつも通りの緩い雰囲気へと戻った。
それに肩を撫で下ろし、カイルが小さく微笑んだのは……きっと、気の所為ではない。
「シュヴァルツ。話が終わったならば、私は姫様にご挨拶してから邸宅に戻りたいのですが……仕事がありますので」
「あっ、わたしも……急にいなくなったからお父さん達が心配してるかもしれないので、家に帰らないと」
「そういう事なら俺も、朝からシフト入ってんだわ。早く戻らねぇとユーキとクラリスにどやされる」
シュヴァルツによって強制的に東宮に呼び寄せられた面々が、シュヴァルツに帰してくれと頼む。それをシュヴァルツは「いいよぉ」と快諾し、ひとまずアミレスに挨拶だけしにいこうかという話になる。
ここまでずっと口を閉ざしていたイリオーデが、これ幸いとばかりに黙って早足でアミレスの私室に向かったものだから、その後ろをアルベルトが「あ! 待てよ騎士君!」と言いながら追いかける。しかし、当のイリオーデはというと……振り向く事さえなく、「イリオーデだ」とだけ返して前を行く。
その背を更にシルフとナトラとマクベスタが追いかけ、シュヴァルツ達も同様にその後ろに続く。やいのやいのと話しながら賑やかに廊下を歩く面々を見つめ、カイルは柔らかく目を細めた。
(一時は俺のガバからどうなる事かと思ったが…………これで、いいよな。アイツの異常性について思い悩むのは俺だけでいい。いくつもの手掛かりを頼りに、謎を解いて真実を見つけるのは俺がやればいい。皆はただ……純粋にひたむきに、よそ見なんてせず真っ直ぐにアイツを愛してくれたらいいんだ)
ふぅ。と一息つくとカイルは一歩踏み出して、
「……──目指せ、ハッピーエンド!」
アミレスの元に向かう楽しげな面々を追いかけるように、軽く走り出した。
♢♢
「ただいまぁ、おねぇちゃん!」
寝台の上に寝転がり、セツの肉球をぷにぷにと触っていた時。扉を開け放ってはぞろぞろとお客様が。
あれ、何でハイラとメイシアとディオがいるの? マクベスタとカイルはまあいつもいるからいいとして、三人がこんな朝からいるなんて珍しいわね。何かあったのかしら?
セツを抱え、寝台から起き上がり皆の元まで歩いてゆくと、ハイラが優雅に一礼して挨拶を口にした。
「おはようございます、姫様。こうして朝から姫様にお会い出来ました事、光栄の至にございます」
「おはよう、ハイラ……機嫌がいいわね?」
「……その。可憐な姫様と愛らしい動物の相乗効果はやはり素晴らしいなと思いまして」
何がどうして、そんな照れるように話すのかが分からないわ。
「確かに、アミレス様ともふもふな動物との相性は素晴らしいです! 可愛いと可愛いが合わさって凄く可愛いです!」
「メイシアまで……。そんなに褒めても何も出ないのに」
と言いつつも、私は近くの引き出しから白紙の簡易小切手とペンを取り出した。さぁ、いくら欲しい? メイシアにならいくらでもお金あげちゃうわ。
この流れるようなボケに、すかさずカイルが「いや出てんじゃねぇか」とシンプルなツッコミを入れてくれた。
流石はカイルね、空気読みプロフェッショナル!
「ごほん。それより、皆どうしたの? そんな風にぞろぞろと。もしかして、私が忘れてるだけで今日ってここで何かあったかしら?」
不安になって、私の仕事や予定を全て把握しているアルベルトに確認する。私の視線に気づいたアルベルトは首を横に振って、
「いえ、特にはございません。本日の主君のご予定は通常公務と帝都西部地区への視察のみです」
スラスラと今日の予定を述べた。アルベルトは今や立派な執事となっている。誰がどう見ても完璧で、どこに出しても恥ずかしくない執事だ。
「あっ、だからディオがいるのね! もしかしてわざわざ迎えに来てくれたの?」
合点がいったと手を合わせたのも束の間、それならメイシアとハイラは何でいるのだろう……と、疑問はふりだしに戻る。
「え? いや、俺は……」
「そうっ! そうみたいでさ! さっきぼく達が外に出た時偶然廊下で会ったんだ。ハイラとメイシアも似たような理由だってさ」
何かを言おうとしたディオを押し退け、シュヴァルツが説明する。どうやらハイラとメイシアも似たような理由らしいのだ。
そっか。確かにメイシアも貧民街大改造計画には関わってるし、ハイラだって同様に関係者だ。
視察と言っても、こんなにも関係者が迎えに来てくれるようなものじゃないんだけどな。月イチで貧民街の様子を見に行くだけの、軽い観光みたいなものなんだけどな。
0
お気に入りに追加
622
あなたにおすすめの小説
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
【R18】騎士たちの監視対象になりました
ぴぃ
恋愛
異世界トリップしたヒロインが騎士や執事や貴族に愛されるお話。
*R18は告知無しです。
*複数プレイ有り。
*逆ハー
*倫理感緩めです。
*作者の都合の良いように作っています。
最愛の番~300年後の未来は一妻多夫の逆ハーレム!!? イケメン旦那様たちに溺愛されまくる~
ちえり
恋愛
幼い頃から可愛い幼馴染と比較されてきて、自分に自信がない高坂 栞(コウサカシオリ)17歳。
ある日、学校帰りに事故に巻き込まれ目が覚めると300年後の時が経ち、女性だけ死に至る病の流行や、年々女子の出生率の低下で女は2割ほどしか存在しない世界になっていた。
一妻多夫が認められ、女性はフェロモンだして男性を虜にするのだが、栞のフェロモンは世の男性を虜にできるほどの力を持つ『α+』(アルファプラス)に認定されてイケメン達が栞に番を結んでもらおうと近寄ってくる。
目が覚めたばかりなのに、旦那候補が5人もいて初めて会うのに溺愛されまくる。さらに、自分と番になりたい男性がまだまだいっぱいいるの!!?
「恋愛経験0の私にはイケメンに愛されるなんてハードすぎるよ~」
【※R-18】私のイケメン夫たちが、毎晩寝かせてくれません。
aika
恋愛
人類のほとんどが死滅し、女が数人しか生き残っていない世界。
生き残った繭(まゆ)は政府が運営する特別施設に迎えられ、たくさんの男性たちとひとつ屋根の下で暮らすことになる。
優秀な男性たちを集めて集団生活をさせているその施設では、一妻多夫制が取られ子孫を残すための営みが日々繰り広げられていた。
男性と比較して女性の数が圧倒的に少ないこの世界では、男性が妊娠できるように特殊な研究がなされ、彼らとの交わりで繭は多くの子を成すことになるらしい。
自分が担当する屋敷に案内された繭は、遺伝子的に優秀だと選ばれたイケメンたち数十人と共同生活を送ることになる。
【閲覧注意】※男性妊娠、悪阻などによる体調不良、治療シーン、出産シーン、複数プレイ、などマニアックな(あまりグロくはないと思いますが)描写が出てくる可能性があります。
たくさんのイケメン夫に囲まれて、逆ハーレムな生活を送りたいという女性の願望を描いています。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
6年間姿を消していたら、ヤンデレ幼馴染達からの愛情が限界突破していたようです~聖女は監禁・心中ルートを回避したい~
皇 翼
恋愛
グレシュタット王国の第一王女にして、この世界の聖女に選定されたロザリア=テンペラスト。昔から魔法とも魔術とも異なる不思議な力を持っていた彼女は初潮を迎えた12歳のある日、とある未来を視る。
それは、彼女の18歳の誕生日を祝う夜会にて。襲撃を受け、そのまま死亡する。そしてその『死』が原因でグレシュタットとガリレアン、コルレア3国間で争いの火種が生まれ、戦争に発展する――という恐ろしいものだった。
それらを視たロザリアは幼い身で決意することになる。自分の未来の死を回避するため、そしてついでに3国で勃発する戦争を阻止するため、行動することを。
「お父様、私は明日死にます!」
「ロザリア!!?」
しかしその選択は別の意味で地獄を産み出していた。ヤンデレ地獄を作り出していたのだ。後々後悔するとも知らず、彼女は自分の道を歩み続ける。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
気づいたら異世界で、第二の人生始まりそうです
おいも
恋愛
私、橋本凛花は、昼は大学生。夜はキャバ嬢をし、母親の借金の返済をすべく、仕事一筋、恋愛もしないで、一生懸命働いていた。
帰り道、事故に遭い、目を覚ますと、まるで中世の屋敷のような場所にいて、漫画で見たような異世界へと飛ばされてしまったようだ。
加えて、突然現れた見知らぬイケメンは私の父親だという。
父親はある有名な公爵貴族であり、私はずっと前にいなくなった娘に瓜二つのようで、人違いだと言っても全く信じてもらえない、、、!
そこからは、なんだかんだ丸め込まれ公爵令嬢リリーとして過ごすこととなった。
不思議なことに、私は10歳の時に一度行方不明になったことがあり、加えて、公爵令嬢であったリリーも10歳の誕生日を迎えた朝、屋敷から忽然といなくなったという。
しかも異世界に来てから、度々何かの記憶が頭の中に流れる。それは、まるでリリーの記憶のようで、私とリリーにはどのようなの関係があるのか。
そして、信じられないことに父によると私には婚約者がいるそうで、大混乱。仕事として男性と喋ることはあっても、恋愛をしたことのない私に突然婚約者だなんて絶対無理!
でも、父は婚約者に合わせる気がなく、理由も、「あいつはリリーに会ったら絶対に暴走する。危険だから絶対に会わせない。」と言っていて、意味はわからないが、会わないならそれはそれでラッキー!
しかも、この世界は一妻多夫制であり、リリーはその容貌から多くの人に求婚されていたそう!というか、一妻多夫なんて、前の世界でも聞いたことないですが?!
そこから多くのハプニングに巻き込まれ、その都度魅力的なイケメン達に出会い、この世界で第二の人生を送ることとなる。
私の第二の人生、どうなるの????
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる