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第三章・傾国の王女
242.いざ大公領へ3
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(でも。この中で一番恐ろしい存在はイリオーデ卿でも、ルティでもない。それは間違いなく──……彼女だ)
そして最後に。ケイリオルの視線は個の怪物と呼ぶべきイリオーデとルティを従える王女、アミレスに向けられる。
十三歳という歳から考えると他と比べて成長しているものの、それでも彼女の体は騎士達より遥かに小さく、その膂力など比べる事が馬鹿馬鹿しい程に弱い。
それなのにアミレスは騎士達を翻弄していた。ありとあらゆる点において鍛え上げられた騎士達に劣っていそうな少女は、相手の攻撃を恐れる事無く果敢に突撃しては素早く敵を斬る。
約七年。精霊達から様々な戦い方を学び、そしてそれを我が物とした彼女は──その身に流れる氷の血筋も相まって、圧倒的な戦闘能力を有していた。
フォーロイトの恥と……無能な出来損ないの烙印を押され、家族から見捨てられた少女は、死にたくないからと血の滲むような努力でもって才能を開花させた。
その結果、皮肉な事にこの世で最も氷の血筋らしい強さと狂気を手に入れてしまったのだ。
(……やはり、彼女が氷ではなく水の魔力を持って生まれたのは何らかの代償、なのだろうか。現時点で既にフリードル殿下には余裕で勝てるだろうし、僕や陛下相手でも実力は拮抗するやもしれない。あれでまだ十三歳の少女だと言うのだから恐ろしい…………あのような少女が氷の魔力まで持っていたならば、この国は波乱に見舞われただろうな。最悪の場合、あの時のような殺し合いが……)
ケイリオルは数十年前を思い出し、重く息を吐き出した。
色好きな先代皇帝陛下には皇后が一人と皇妃が四人、そして血を分けた子供が十人近くいた。
中々後継者を決めようとしなかった先代皇帝陛下は、やがて子供達に告げた──、
『最も強き者に、この玉座を譲ってやろう』
この言葉を皮切りに血の繋がった兄弟姉妹での殺し合いが始まる。まず真っ先に殺されたのは皇后と四人の側室だった。
実の息子によって皇后が殺され、四人の側室のうち三人は別腹の子供達に殺された。最後の側室については、【ルーデニシア皇妃は息子である■■■ルの手によって永遠の眠りについた】と記録されている。その名前の部分だけ掠れていて読み取れないらしい。
後のフォーロイト帝国皇帝であり当時はただの王子に過ぎなかったエリドルは、まず初めに、唯一同じ母親を持つ無抵抗な弟を殺した。本人がそれを望んだ為、死なせてやったのだ。
その後彼も殺し合いに参加する──かのように思えたが、違った。エリドルは先代皇帝陛下が起こしたハミルディーヒ王国との戦争に出征し、やがて戦場の怪物という呼び名を轟かせた。
殺し合いなんて面倒な事をするぐらいならば、こうして戦場で圧倒的な力を誇示する事こそ強さの証明になる。そうエリドルは考えたのだ。
戦場の怪物がハミルディーヒ軍を壊滅させんとしている間、フォーロイト帝国帝都が王城では、熾烈な後継者争いが繰り広げられていた。
十人近い王子と王女は、誰も彼もが例外なく氷の魔力を持ち、拮抗した実力で殺し合う。
後継者争いは四年程続いた。その勝者は──第五王子、エリドル・ヘル・フォーロイトだった。
戦場の怪物として名を馳せる傍らで、他の追随を許さない圧倒的な戦闘能力でもって兄弟姉妹を次々に殺害していった。皇后や皇妃、行方知れずとなった第二王子、第一王子の手で殺された第七王子と第一、第三王女を除いた全ての皇族を彼は殺した。
……──そのような惨劇を引き起こす原因となった先代皇帝陛下も、躊躇せず殺したのだという。
ケイリオルはその惨劇を知っていた。誰も彼もが強い力を持ち、実力が拮抗していた為に起きた後継者争いの惨劇。
それがあったからこそ、今は亡き皇后アーシャは息子と娘が一人ずついればいいと……そう語っていたのだ。
四年の後継者争いの末、エリドルは当時十八歳という若さで皇位についた。その男は──戦場にて敵の死体で氷山を作り上げた事から戦場の怪物と呼ばれ、腹違いの兄弟姉妹を殺した事から、無情の皇帝と呼ばれるようになる。
その隣には、得体の知れぬ謎の男。それが無情の皇帝とその側近の、残忍で栄華極まる記録の始まりであった。
(……そう考えると、彼女に氷の魔力が無くてよかったと思えてくる。氷の魔力を持たないフォーロイトには、そもそもの継承権が与えられませんし)
氷の血筋の象徴とも言える氷の魔力。かの一族の血が流れる者はすべからくその魔力を持って生まれた。
故に皇位継承権は氷の魔力を持つ者のみに与えられる。つまりは皇族として生を受けたその時から、普通ならば継承権をも与えられる事になる。
寧ろ、氷の血筋の長い歴史の中でその普通から外れた者は一人もいなかった。
そうだ。アミレス・ヘル・フォーロイトは、普通ではない。出来損ないや無能と言うよりかは、異常と形容すべき存在。
しかしその異常性に助けられたと、ケイリオルは肩を撫で下ろす。
(皮肉だな。誰よりもフォーロイトらしい彼女が、フォーロイトの証とも言える魔力を持たないなんて)
だからこそ、とケイリオルは続ける。
「……見てみたかったな。貴女が言葉通りの氷結の聖女である姿を」
(──その姿はきっと……とても美しいでしょうから)
彼の愛した二人の生きた証。愛する人達の愛の証。その顔と、その髪や瞳が、それを証明する。
そんな少女が氷の魔力を扱う姿を見てみたいと、ケイリオルは密かに夢想する。
当然だが、彼はアミレスが水の魔力の延長線上で氷も扱える事を知らない。そもそも水の魔力で水の温度を調整するなんて芸当、これまで誰もして来なかったのだから仕方の無い事。
「って、もう終わってるじゃないですか。百人近い騎士をどうしてものの十数分で倒してしまうんだ、彼女達は」
眼前に広がる死屍累々の光景にケイリオルは乾いた笑いをあげる。
彼がそうやってアミレス達の規格外っぷりに舌を巻いていた頃、件のアミレス達三人は──ケイリオルの暗殺という恐ろしい会話をしていたのだった……。
♢♢
「お疲れ様です、皆さん」
「ケイリオル卿! 如何でしたか、私達の実力は?」
これなら三人でも問題無いだろう、と自信満々に問う。
「分かってはいたつもりですが……いやはや、実際に見ると圧倒されました。いいでしょう、僕の責任で三人での旅程を許可します」
仕方無いなぁと言いたげな声音で、ケイリオルさんはようやく首を縦に振った。
その喜びからイリオーデとアルベルトに「いぇーいっ」とハイタッチを求めると、二人共右往左往しながらハイタッチに応じてくれた。
「ああ、この事について少し彼等と話があるのですが……お借りしても宜しいですか?」
「いいですけど……一体何の話を?」
「ちょっとした忠告です」
忠告? と首を傾げる。
イリオーデとアルベルトはケイリオルさんに引っ張られて少し離れた所へ。三人で何か内緒話をしているようで、私はその様子を眺めていた。
二人にだけしなければならない話って……?
♢♢
「さて。何となく察しはついているでしょうが、改めて貴方達には特に留意しておいて欲しい事があります」
ルティと共にケイリオル卿に連れて行かれ、王女殿下から少し離れた所で話を切り出される。
「王女殿下に手を出したら、問答無用で殺しますからね」
「なっ……!?!?」
「手ぇ出ッ?!」
単刀直入に切り込まれたそれに、私とルティはぎょっとして冷や汗を浮かべた。
「な……何を言ってるんですか、ケイリオル卿。そのような愚行を、我々が冒すとでも?」
「そ、そうですよ……女神様に手を出すなんて不敬もいいところ。下心を抱く事さえ烏滸がましいのに」
女神様? まあ確かに……王女殿下の可憐さたるや、神々しさのあまり目を細めてしまう程。
「あくまで忠告ですよ。貴方達にそう断言していただけて何よりです。成人した男二人と十三歳の王女殿下お一人とあれば、邪推されてしまう可能性もぐっと高まりますので。最初から貴方達にはあれこれ気をつけて貰いたいのです」
ケイリオル卿の言葉にも一理ある。未婚かつ婚約者もいらっしゃらない王女殿下が下手に男と一緒にいると、良からぬ考えを持つ輩に揚げ足を取られるやもしれない。
だが我々は十歳近く歳も離れているし別に杞憂でしか──……いや、違う。杞憂さえも芽生えぬようあらゆる危険の芽を摘むのが私達の役目だ。
火のないところに煙は立たない。ならばそもそもの火が生まれぬよう、私だけでも気を使うべきではないか?
「邪推……分かりました。俺の方でも努力してみます」
「王女殿下の純潔は私達が責任を持って守り抜きますので、安心めされて下さい」
「はは、その言い方はかなり気色悪いというか変態じみてますが……その言葉が聞けて安心しました。往復の約二ヶ月間、くれぐれも王女殿下の事をお願いしますね」
「「はい」」
私達は声を揃えた。
これで話が終わったと思った私達が足早に王女殿下の元に戻ろうとした時、ケイリオル卿が「言い忘れてましたが」と藪から棒に言葉を投げて来た。
「例え何があろうとも、絶~~~っ対に間違いだけは起こさないで下さいね!」
その明るい言い方とは裏腹に、ケイリオル卿の声には果てしない圧が。
それに僅かな悪寒を覚えつつも、私達は王女殿下の元に駆け戻った。
そして最後に。ケイリオルの視線は個の怪物と呼ぶべきイリオーデとルティを従える王女、アミレスに向けられる。
十三歳という歳から考えると他と比べて成長しているものの、それでも彼女の体は騎士達より遥かに小さく、その膂力など比べる事が馬鹿馬鹿しい程に弱い。
それなのにアミレスは騎士達を翻弄していた。ありとあらゆる点において鍛え上げられた騎士達に劣っていそうな少女は、相手の攻撃を恐れる事無く果敢に突撃しては素早く敵を斬る。
約七年。精霊達から様々な戦い方を学び、そしてそれを我が物とした彼女は──その身に流れる氷の血筋も相まって、圧倒的な戦闘能力を有していた。
フォーロイトの恥と……無能な出来損ないの烙印を押され、家族から見捨てられた少女は、死にたくないからと血の滲むような努力でもって才能を開花させた。
その結果、皮肉な事にこの世で最も氷の血筋らしい強さと狂気を手に入れてしまったのだ。
(……やはり、彼女が氷ではなく水の魔力を持って生まれたのは何らかの代償、なのだろうか。現時点で既にフリードル殿下には余裕で勝てるだろうし、僕や陛下相手でも実力は拮抗するやもしれない。あれでまだ十三歳の少女だと言うのだから恐ろしい…………あのような少女が氷の魔力まで持っていたならば、この国は波乱に見舞われただろうな。最悪の場合、あの時のような殺し合いが……)
ケイリオルは数十年前を思い出し、重く息を吐き出した。
色好きな先代皇帝陛下には皇后が一人と皇妃が四人、そして血を分けた子供が十人近くいた。
中々後継者を決めようとしなかった先代皇帝陛下は、やがて子供達に告げた──、
『最も強き者に、この玉座を譲ってやろう』
この言葉を皮切りに血の繋がった兄弟姉妹での殺し合いが始まる。まず真っ先に殺されたのは皇后と四人の側室だった。
実の息子によって皇后が殺され、四人の側室のうち三人は別腹の子供達に殺された。最後の側室については、【ルーデニシア皇妃は息子である■■■ルの手によって永遠の眠りについた】と記録されている。その名前の部分だけ掠れていて読み取れないらしい。
後のフォーロイト帝国皇帝であり当時はただの王子に過ぎなかったエリドルは、まず初めに、唯一同じ母親を持つ無抵抗な弟を殺した。本人がそれを望んだ為、死なせてやったのだ。
その後彼も殺し合いに参加する──かのように思えたが、違った。エリドルは先代皇帝陛下が起こしたハミルディーヒ王国との戦争に出征し、やがて戦場の怪物という呼び名を轟かせた。
殺し合いなんて面倒な事をするぐらいならば、こうして戦場で圧倒的な力を誇示する事こそ強さの証明になる。そうエリドルは考えたのだ。
戦場の怪物がハミルディーヒ軍を壊滅させんとしている間、フォーロイト帝国帝都が王城では、熾烈な後継者争いが繰り広げられていた。
十人近い王子と王女は、誰も彼もが例外なく氷の魔力を持ち、拮抗した実力で殺し合う。
後継者争いは四年程続いた。その勝者は──第五王子、エリドル・ヘル・フォーロイトだった。
戦場の怪物として名を馳せる傍らで、他の追随を許さない圧倒的な戦闘能力でもって兄弟姉妹を次々に殺害していった。皇后や皇妃、行方知れずとなった第二王子、第一王子の手で殺された第七王子と第一、第三王女を除いた全ての皇族を彼は殺した。
……──そのような惨劇を引き起こす原因となった先代皇帝陛下も、躊躇せず殺したのだという。
ケイリオルはその惨劇を知っていた。誰も彼もが強い力を持ち、実力が拮抗していた為に起きた後継者争いの惨劇。
それがあったからこそ、今は亡き皇后アーシャは息子と娘が一人ずついればいいと……そう語っていたのだ。
四年の後継者争いの末、エリドルは当時十八歳という若さで皇位についた。その男は──戦場にて敵の死体で氷山を作り上げた事から戦場の怪物と呼ばれ、腹違いの兄弟姉妹を殺した事から、無情の皇帝と呼ばれるようになる。
その隣には、得体の知れぬ謎の男。それが無情の皇帝とその側近の、残忍で栄華極まる記録の始まりであった。
(……そう考えると、彼女に氷の魔力が無くてよかったと思えてくる。氷の魔力を持たないフォーロイトには、そもそもの継承権が与えられませんし)
氷の血筋の象徴とも言える氷の魔力。かの一族の血が流れる者はすべからくその魔力を持って生まれた。
故に皇位継承権は氷の魔力を持つ者のみに与えられる。つまりは皇族として生を受けたその時から、普通ならば継承権をも与えられる事になる。
寧ろ、氷の血筋の長い歴史の中でその普通から外れた者は一人もいなかった。
そうだ。アミレス・ヘル・フォーロイトは、普通ではない。出来損ないや無能と言うよりかは、異常と形容すべき存在。
しかしその異常性に助けられたと、ケイリオルは肩を撫で下ろす。
(皮肉だな。誰よりもフォーロイトらしい彼女が、フォーロイトの証とも言える魔力を持たないなんて)
だからこそ、とケイリオルは続ける。
「……見てみたかったな。貴女が言葉通りの氷結の聖女である姿を」
(──その姿はきっと……とても美しいでしょうから)
彼の愛した二人の生きた証。愛する人達の愛の証。その顔と、その髪や瞳が、それを証明する。
そんな少女が氷の魔力を扱う姿を見てみたいと、ケイリオルは密かに夢想する。
当然だが、彼はアミレスが水の魔力の延長線上で氷も扱える事を知らない。そもそも水の魔力で水の温度を調整するなんて芸当、これまで誰もして来なかったのだから仕方の無い事。
「って、もう終わってるじゃないですか。百人近い騎士をどうしてものの十数分で倒してしまうんだ、彼女達は」
眼前に広がる死屍累々の光景にケイリオルは乾いた笑いをあげる。
彼がそうやってアミレス達の規格外っぷりに舌を巻いていた頃、件のアミレス達三人は──ケイリオルの暗殺という恐ろしい会話をしていたのだった……。
♢♢
「お疲れ様です、皆さん」
「ケイリオル卿! 如何でしたか、私達の実力は?」
これなら三人でも問題無いだろう、と自信満々に問う。
「分かってはいたつもりですが……いやはや、実際に見ると圧倒されました。いいでしょう、僕の責任で三人での旅程を許可します」
仕方無いなぁと言いたげな声音で、ケイリオルさんはようやく首を縦に振った。
その喜びからイリオーデとアルベルトに「いぇーいっ」とハイタッチを求めると、二人共右往左往しながらハイタッチに応じてくれた。
「ああ、この事について少し彼等と話があるのですが……お借りしても宜しいですか?」
「いいですけど……一体何の話を?」
「ちょっとした忠告です」
忠告? と首を傾げる。
イリオーデとアルベルトはケイリオルさんに引っ張られて少し離れた所へ。三人で何か内緒話をしているようで、私はその様子を眺めていた。
二人にだけしなければならない話って……?
♢♢
「さて。何となく察しはついているでしょうが、改めて貴方達には特に留意しておいて欲しい事があります」
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「王女殿下に手を出したら、問答無用で殺しますからね」
「なっ……!?!?」
「手ぇ出ッ?!」
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「な……何を言ってるんですか、ケイリオル卿。そのような愚行を、我々が冒すとでも?」
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女神様? まあ確かに……王女殿下の可憐さたるや、神々しさのあまり目を細めてしまう程。
「あくまで忠告ですよ。貴方達にそう断言していただけて何よりです。成人した男二人と十三歳の王女殿下お一人とあれば、邪推されてしまう可能性もぐっと高まりますので。最初から貴方達にはあれこれ気をつけて貰いたいのです」
ケイリオル卿の言葉にも一理ある。未婚かつ婚約者もいらっしゃらない王女殿下が下手に男と一緒にいると、良からぬ考えを持つ輩に揚げ足を取られるやもしれない。
だが我々は十歳近く歳も離れているし別に杞憂でしか──……いや、違う。杞憂さえも芽生えぬようあらゆる危険の芽を摘むのが私達の役目だ。
火のないところに煙は立たない。ならばそもそもの火が生まれぬよう、私だけでも気を使うべきではないか?
「邪推……分かりました。俺の方でも努力してみます」
「王女殿下の純潔は私達が責任を持って守り抜きますので、安心めされて下さい」
「はは、その言い方はかなり気色悪いというか変態じみてますが……その言葉が聞けて安心しました。往復の約二ヶ月間、くれぐれも王女殿下の事をお願いしますね」
「「はい」」
私達は声を揃えた。
これで話が終わったと思った私達が足早に王女殿下の元に戻ろうとした時、ケイリオル卿が「言い忘れてましたが」と藪から棒に言葉を投げて来た。
「例え何があろうとも、絶~~~っ対に間違いだけは起こさないで下さいね!」
その明るい言い方とは裏腹に、ケイリオル卿の声には果てしない圧が。
それに僅かな悪寒を覚えつつも、私達は王女殿下の元に駆け戻った。
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