だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜

十和とわ

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第一章・救国の王女

59.眠れる炎の美女4

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「──有難い提案ですが、お断りさせて頂きます。わたしには…この眼が必要なんです」

 メイシアは、強い意志のこもった眼で師匠に向けて言った。
 師匠は断られた事を全く気にしていない様子で満足そうにニッと笑った。

「そうか。ま、そうだと思ったけどな。流石は姫さんの見込んだ人間だ、いい眼してんじゃん」
「ありがとうございます、精霊様。あの…身勝手とは重々承知の上です。一つ、頼みたい事があるのですが…」
「頼み事? ふむ…まぁ、お嬢さんは姫さんの友達だから特別に聞いてやるよ」

 話に追いつけずぽかーんとする私とマクベスタを置いて、メイシアと師匠が何かまた別の話を始めたのだ。

「……先程精霊様が仰っていた通り、わたしは産まれてすぐに魔眼の力である人を傷つけてしまいました。その人は一命を取り留めたましたが、その日以来目を覚まさず…ずっと眠り続けているんです」
「ほぅ…魔眼に関する事だから、精霊ならなんとか出来るかもしれねぇって望みをかけたって事か?」
「…はい。どうか、あの人を──お母さんを診てくださいませんか」

 メイシアが藍色の長髪を垂らし、頭を下げて頼み込む。それを聞いた師匠はおもむろに立ち上がりそして、

「任せろ、俺に出来る事ぁしてやる」

 と言って歯を見せて笑った。
 メイシアは嬉しそうに顔を上げた後、もう一度頭を下げた。
 そして二人がそのまま伯爵夫人の元へと向かったので、私とマクベスタも置いていかれまいとそれを追いかける。
 広い屋敷の中を暫く歩いていると、ようやく伯爵夫人が眠っているらしい部屋に辿り着いた。そこには何人のも侍女が常駐していて、寝たきりの伯爵夫人の世話をしているらしい。
 メイシアの後に続いて伯爵夫人の部屋に入る。中は静かで広々とした部屋で、部屋の一角にはプレゼント郡と思しき山があった。
 そして…部屋の中にある大きなベッドの上で眠り続ける女性の姿が見えた。
 朱色の髪で痩せ細った人。それでも美しいと感じるその寝顔は、やはりメイシアの母親だと頷けるものだった。
 メイシアは伯爵夫人の細い手を優しく握った。そして小さく「お母さん…っ」と呟く。
 そんな伯爵夫人をまじまじと眺めながら、師匠は言った。

「こりゃあれだな、魔力炉の問題だ」
「…魔力炉、ですか?」
「そ、魔力炉」

 何やら伯爵夫人が昏睡状態にある原因を一瞬で見抜いたらしい師匠が、その解説を始めた。

「さっきも話したけど、人間ってのは魔力炉が正常に機能してないと死ぬんだよ。お嬢さんの母親の場合、その魔力炉の機能が著しく衰えているから目を覚ませないんだ。寧ろ、この状態でまだ魔力炉が機能してるのがおかしいぐらい………」
「あのっ、じゃあその魔力炉というものが元に戻ればお母さんは目を覚ますんですか!?」

 メイシアが弾かれたように顔を上げ、師匠の方を見た。期待に満ちた眼で、最後の希望に縋るように。
 しかしその師匠はと言うと。

「まぁそうだなぁ……つっても俺には魔力炉そのものを弄る力はねぇんだ」

 申し訳無さそうに、首に手を当てながら目を逸らした。それを聞いたメイシアがしゅんと明らかに落ち込む。
 悲しみから丸まった背中がとても小さく見えて、流石に見てられなくて私は口を挟んだ。

「ねぇ師匠、何か方法は無いの? その魔力炉…を直せる精霊さんとかいないの?」
「魔力炉を直せる精霊っすか? いるにはいるんすけど……連れて来るのはシルフさんぐらいじゃないと無理なんすよね…多分」
「そんな……」

 私もまた打つ手なしと落ち込み俯いてしまう。
 師匠の時のように、シルフが連れて来てくれない限り魔力炉を直せる精霊さんはこちらに来てくれないらしい。でも今この場にシルフはおらず、それを頼む事も出来ない。
 だけど伯爵夫人を目覚めさせるにはその精霊さんの力が必要で…。
 ……待って、精霊の力が必要って…何処かで聞いたと言うか考えたと言うか──。

「──精霊召喚、すればいいんだ」

 私は思いついたままに呟いた。
 すると、それに師匠が強く反応する。

「え、いやいやいや、待ってください姫さん! いくらなんでもアイツを呼ぶとか無理ですって!! だってアイツは──」
「でもこれしかその精霊を呼び出す方法が無いんだから仕方ないじゃない! だからお願い師匠、精霊召喚の方法を教えて!」
「──ってもうやる気じゃん! そもそも精霊召喚ってのは代償が…っ」

 考えを曲げるつもりはないと、私は目で訴えかける。師匠は私の真剣な目を見て言葉を詰まらせた。
 精霊召喚が難しい事だとは分かっている。でもそれしか今は方法が無いのなら……私は私のたった一人の女友達の為に全力を賭したい。

「~~ぁあああっ! もう! 分かりましたよ協力しますから!! その代わり、シルフさんに怒られる時は姫さんも一緒に怒られてくださいよ?」
「勿論よ!」

 師匠は何度もガシガシと頭をぐしゃぐしゃにしては、吹っ切れたようにこちらを指さして大声で言った。
 望むところよ、なんでシルフに起こられるのかは分からないけれど…後でいくらでもシルフに怒られようじゃないか!
 それでメイシアの為に何かが出来るのなら安いもんよ!

「あぁもうほんっとになんでこんな変に頑固なんだよ…マジでこれぜってぇ後で怒られる……ハァ…つぅかどうやってアイツ呼べばいいんだこれ………」

 ぶつぶつと独り言を呟きながら、師匠は足元に魔法陣を描き始めた。まるで導火線のように一瞬線状に火燃えては床に焦げ跡を残してゆく。
 それらは次第に形を成し、ついには召喚陣へと変貌した。

「姫さん、こっち来てください」

 師匠が手を出して来たので、それを取り私は召喚陣の上に立つ。
 ふと後ろを振り向くとそこには心配そうな顔のメイシアがいた。私は彼女に「ちょっと待っててね、メイシア」と笑いかけ、師匠にこの後どうするのかを尋ねた。

「どうやったら精霊召喚は出来るの?」
「『星の子らよ、やがて星となる子らよ、我が呼び声に応えたまえ。是なるは汝らを求めし詠──精霊召喚』ってこの召喚陣の上で言えばいけますね。ああでも……今回は一番最後にリバースって言ってください」

 分かった、と私は頷く。それじゃあ早速…と思ったものの、説明を終えても尚師匠は私の手を握っており、召喚陣から離れようとしない。

「…師匠は一体何を?」
「精霊召喚ってのは魔力を大量に使うモンなんすよ、なので今回は俺も手伝う事にしました。それに、こーゆー召喚と名の付くものは縁あるもの──触媒があった方が成功しやすくなるんで」
「それはもうご助力ありがとうございます……」
「どーいたしまして」

 どこか不機嫌な師匠はとりあえず置いといて、私はついに精霊召喚に挑む事となった。
 一度深呼吸をしてから、私は精霊召喚の文言を口にする。

「── 星の子らよ、やがて星となる子らよ、我が呼び声に応えたまえ。是なるは汝らを求めし詠──精霊召喚、リバース!」

 私の言葉に呼応するかのように召喚陣が輝き出し、やがてそれは光の柱となった。あまりの眩さに目をぎゅっと瞑る。
 そして、光が収まりゆっくりと瞼を開くと、そこには…。

「うわ、最高……なんで引きずり出されたわけ…?」

 蠱惑的な美しさを持つが立っていた。

「げ……お前のおかげかよエンヴィー」
「相変わらずややこしいなお前は」

 その男性は師匠の顔を見るなり苦虫を噛み潰したような表情となった……ん? ってあれ、あのヒト男性だよね…?
 おかしい、私の視界には確かに女性らしい体つきをした美女が立っているのに頭ではそれを男性と言っている。
 一体何がどうなって…。

「姫さん、多分今頃頭ん中ごちゃごちゃしてるでしょうから説明しますけど……アレはリバース。さかさの精霊で…アイツの体は権能の影響で、相手が抱いた第一印象の逆の性別に見えるようになってるんすよ。なんで、見えてるものと感じてるものの齟齬があっても気にしないでください」

 謎の精霊さんを指さしながら師匠が説明する。
 ん~…つまり、私の頭が最初に男性だと思ったから、私の目では女性に見えてるって事? いや意味わかんねぇよ……そもそも逆の魔力って実在したの??
 もう失われたとか歴史書で言われてた気が…いやまぁ魔力の管理人たる精霊さんだからそれは例外か。

「ついでに、コイツの言葉はどれかしら真逆のものなんで会話しづらいでしょうが、我慢してやってください」
「僕の事を知ったように語れ」
「はいはい、語るなって事ね」
「静粛に」
「うるせぇって事だな…通訳面倒だからもう喋んな」
「は?」

 独特の空気を纏い、精霊の二人が会話する。
 確かにめんどくせぇヒトだな。一々、彼が本来言いたかったであろう事を考えるのは確かに面倒だ。
 今は師匠が通訳してくれているから事なきを得ているが……。

「……おい人間。僕を呼ばなかった理由はなんだ」

 リバースさんが嫌悪感たっぷりの顔で私を見下ろしてきた。体の性別は逆に見えるけど、表情そのものはそのまま見えるらしい。
 これはあれね、召喚した理由を答えろって事ね。

「師匠……彼から、貴方なら人間の魔力炉を直せると聞いたので。私に力を貸してくれませんか?」
「姫さんの順応が早い」

 師匠がそんな事を言いながらたまげている。
 そして、リバースさんの赤色と緑色のオッドアイが私を冷たく見下ろした。

「……エンヴィーの所為とは中々に喜ばしいが、呼ばれなかった以上は召喚主の絶望を叶えてやらねばならない」
「っ、ありがとうございます!」

 はァ。と小さくため息を吐くリバースさんに向けて、私は感謝から頭を下げた。
 多分、リバースさんは癪だがって言いたかったんだと思う。そういう難しい顔してるから。

「この女か、魔力炉を壊せと言うのは」

 リバースさんが横たわる伯爵夫人を見下ろす。
 直せ、ね。事情を知ってても、人間の第二の心臓を壊すと言われるのはちょっと心臓に悪いからやめて欲しい。

「はい。私の友達よ大事な人なんです。どうか、よろしくお願いします」
「人間の事情など興味深い」

 興味無いのね、成程……ちょっと面白いなこのヒト。めんどくせぇけどおもしれーわよ。
 文脈が所々壊れるからかしら? 意外と面白いわ、このヒトと会話するの。
 なんてふざけた事をこの状況で考えてしまった自分への罰として、私は左手の甲をつねった。うむ、痛い。
 それはともかく。リバースさんが伯爵夫人の鎖骨の辺りに優しく触れて、

「反転」

 と短く言告いだ。
 そしてリバースさんが伯爵夫人から手を離した直後、伯爵夫人の手がぴくりと僅かに動いた。
 それに気づいたメイシアが、何度も何度も伯爵夫人に呼びかける。

「お母さんっ、お母さん!」

 僅かに涙を浮かべながらメイシアは懸命に伯爵夫人を呼んでいた。
 その手をぎゅっと握り、祈るように額に当てている。

「…エンヴィー、何故あの人間は泣かない」
「そりゃああの女はお嬢さんの母親だからな」
「僕には人間の事など、全く分かるんだが」
「分からなくて当然だっつの。俺達が人間を理解出来た事なんて一度も無かっただろーが」

 師匠とリバースさんが会話をする横で、私とマクベスタも少しだけ会話をした。

「ちゃんと目覚めてくれるかな、伯爵夫人」
「………メイシア嬢があそこまで呼んでいるんだ。きっとシャンパージュ伯爵夫人も目を覚ますだろう」

 私も胸の前で両手を握り締め、祈っていた。伯爵夫人が目を覚ますその瞬間を、ずっと待っていた。
 そして、その時は程なくして訪れたのだ。

「…っ! お母さん!!」
「……ぁ…れ…?」
「お母さん…わたし、メイシアだよ。お母さんが産んでくれた、メイシアだよ」
「………ぇ、ぃ…っ…ぁ…」

 ついに重たい瞼をゆっくりと開いた伯爵夫人に、メイシアが抱きついた。大粒の涙を浮かべながら、伯爵夫人に何度も自分の名前を伝えた。
 長年眠り続けていた影響か、張り付いた声すらも出ない伯爵夫人だったが……メイシアと言う名前を聞いた途端、僅かに笑みを作り、瞳に少量の涙を浮かべた。
 きっと、言葉になっていなかったけれど…伯爵夫人は先程、メイシアの名前を呼んだのだろう。
 その母娘の感動の光景に、私も少し、胸がじんわりと熱くなった。

「ぅ…っ、おかあ、さん…! よかった、ほんとっ、うに……っ!」

 メイシアの頬を大粒の涙が伝う。しかしそれを拭う事もなく、メイシアは伯爵夫人の胸元を涙で濡らしていた。
 この屋敷の人達はメイシアの事も、伯爵夫人の事もとても大切にしているようだった。
 だからこそ、屋敷の人達にも伝えて上げないと…そう思い、私は足音を立てずに扉の方まで行き、そしてゆっくりと扉を開く。
 部屋の外で待機していた伯爵夫人付きの侍女達に伯爵夫人が目を覚ました事を告げると、彼女達は涙を浮かべ喜びつつも半信半疑で部屋へと入り、確かに目を覚まし意識を取り戻した伯爵夫人の姿を見て号泣していた。
 鼻をすすりながら、屋敷の者達に伝えて参ります! と飛び出して行った彼女の背中は歓喜に満ちていて、それが屋敷中に広がるのに、そう時間はかからなかった。
 少しして、報せを受けた伯爵が慌ただしく帰って来た。彼は行方不明になっていたメイシアが屋敷に戻った時と同じかそれ以上に感涙に咽び泣いていた。
 伯爵は侍女に支えられ上体を起こす伯爵夫人を抱き締め、噛み締めるようにその名前を繰り返し口にしている。
 ……色々と確認したい事があって来たのだけど、今日はやめておいた方がいいかもしれない。
 そう思った私は伯爵夫人の方へと背を向けて、静かに部屋を出ようとした。

「待ってください、アミレス様」

 しかし、メイシアに呼び止められてしまう。メイシアが私を呼び止めた事により、伯爵もこちらを見た。
 そして指の背で涙を拭うメイシアが、そんな伯爵に向けて先程の事を伝えた。

「あのね、お父さん。お母さんを助けてくれたのはアミレス様なの………アミレス様のおかげで、お母さんは目を覚ましたの」
「王女、殿下のおかげで……!? 王女殿下ッ、メイシアに続き妻までもお救い下さり、誠に……っ! 感謝申し上げます…!!」

 伯爵は目にも止まらぬ早さで地面に膝を着き、そして深く頭を下げた。彼の目から溢れる涙達が床に模様を生み出している。しかし、それでも彼はずっと頭を下げていた。

「…私は何もしてませんよ。夫人を助けたのは彼──」

 伯爵の謝辞は流石に大袈裟だと思い、私は正直にリバースさんのおかげなのだと明かす事にした……がしかし、それは早々に阻まれる。

「言っときますけど…俺はお嬢さんが姫さんの友達じゃなかったらお節介もしなかったし、姫さんがリバースを呼んだからこそ何とかなったんすよ。全て姫さんの存在ありきっすね。なんで、姫さんが何もしてないって事はありえませーん」

 師匠が私の言葉に被せるように話す。私は何もしていないと言いたかったのに、師匠が、全部私がいたからこそなどと言い出してしまったのだ。
 不味い事に、師匠の言葉に正直者のメイシアが頷いてしまって、伯爵もそれを完璧に信じてしまったらしい。
 …まぁ別に嘘ではないんだけど……でも、ただ私はここにいただけだし。感謝されても困るというか。
 伯爵が何度もありがとうございますと口にする。伯爵に続くように、部屋にいた侍女や使用人の方達も感謝の言葉を口にしていた。
 この状況で身を引けば、場が白けてしまう気がする。でも私は家族水入らずの感動的な時間を過して欲しいと思っていて……。

「………私に感謝するのは後でもいいでしょう? 今は、家族での時間を取り戻す事に専念してください。私への様々な言葉は…どうか、いつか快復した夫人と共に。いつでもお待ちしておりますので」

 可能な限りの笑みを作り、伯爵へと語りかけた。
 伯爵は今一度感極まり声を震わせた。拝むように私に向けて頭を下げた後、言われた通り伯爵夫人の元へと戻り、伯爵夫人に声をかけ始めた。
 伯爵の話に何とか相槌を打っている様子の伯爵夫人が、その途中でふと目線だけこちらを見て、小さく微笑んだ。
 しかし瞬きすると伯爵夫人はもう伯爵の方を見ていて、あれは私の見間違いだったのかと思案する。
 そして私は執事長に事業の方の進捗をまとめた報告書を作っておいて欲しいと伝言を頼み、最後に「この事は他言無用でお願いしますね」と念押ししてシャンパージュ伯爵邸を後にした。
 私達が昏睡状態だった伯爵夫人を救った~なんて大袈裟な噂が流されたら皇帝に何言われるか分かったもんじゃない。だからこその他言無用だ。
 今日ここを訪れた理由のほとんどは達成出来なかったものの、不思議と嫌な気はしなかった。寧ろ、私の心は晴れ晴れとしていた。

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