9 / 10
9
しおりを挟む
「俺に何か用か?」
ずっと先を歩いていると思っていた中年男が突然目の前に飛び出してきた時、わたしは息がとまるほどびっくりしました。でも覚悟は既に決まっていたので、ありったけの力を視線に込めて、相手の目を直接見返してやりました。
小太りの男は六月も終わりの日差しに禿げ上がった頭を焼かれ、額にべったり汗をかいていました。コロンの臭いがむせ返り、わたしはえづきそうになるのを必死で堪え、
「この女の子を御存知ですよね?」
スマートフォンの中にある弓香の写真を彼に見せました。
「……知らん」
「うそ。わたし、あなたが駅のそばのホテルで彼女にお金を渡しているところ、ちゃんと見たんです」
「見間違いだろ。君がどうしてラブホの前を通ったのか、そっちが知りたいくらいだな」
「誰もあなたをラブホテルの前で見たとは言っていません」
「……」男は黙って、もとから細い目を更に細め、じっとわたしを見据えました。
人の来ない路地裏で、わたしたちはにらみ合いました。正常な判断能力が失われていたとは言え、今から思えば、我ながらとても危ない真似をしていたものです。塾へ行く途中、駅の近くにあるパチンコ屋からひょいと出てきた顔に確かに見覚えがありました。それでここまで、尾行してきたのです。彼は確かに、あの晩、弓香と一緒にいた人物でした。
「この子はわたしの幼馴染みです」
わたしは彼をきっと睨んで、言葉を絞り出すようにしました。
そうしないと、足の踏ん張りが足りなくて、両膝が独りでに震えてきてしまうのです。
「……それがどうした」
男はポケットから出したハンカチで額の汗を拭きながら、繕った調子で答えます。
「彼女は今、学校に来ていません」
「俺には関係ない話だ」
「お母さんを包丁で刺しました」
男の目の色が変わったのを、わたしは見逃しませんでした。すかさず、
「あなたは彼女の体をお金で弄んだ。そして、ドラッグまで与えた。依存症にさせて自分の支配下に置くために。あなたはわたしの親友を、親友の人生をめちゃめちゃにした」
動かないで、今から警察を呼びます――と、わたしがスマートフォンの緊急通話モードを起動させ、通話ボタンに指先を掛けたその時、
「待て待て待て待て」君は勘違いをしているぞ、と男が叫びました。
「ああ結構、そのまま、いつでも一一〇番を押せるようにしてもらって構わない。ただし押すのは俺の話を聞いてからだ。君は、俺の職業を知っているか」
「知るわけ無いです」
「君が彼女と俺を見たラブホテルの、管理人だ」
「だからどうしたんです?」
「君の友だちは俺に訊きたいことがあったんだ。そして、情報の礼金として俺が彼女から金をもらった。お年玉を貯めた金だと言っていたから、頂くのは気が引けたがな」
「あなたが渡したのではなく?」
「さすがに中学生は買わないさ。しかも自分の仕事場だぜ。慎重に生きているんだ。ただでさえ――、脛に傷持つ身なんでね」
「格好つけないでください。じゃあ、あなたは弓香に何を教えたんです?」
「ただで教えろってか? せめてパンツの一枚もくれよ。ここで脱いでくれりゃいい」
「――脛に傷持つって言葉の意味、わたし知ってます」
「わかったよ」
再び通話ボタンに指を伸ばしたわたしを見て、男は溜息をつきました。
「やっぱり今の君のように俺にスマホの写真を見せてな、この女がここへ来なかったか、つまり俺のホテルへ来なかったか、来たとしたらどんな男と、いつ来たのか教えてくれ、お金は払えるだけ払うから、と言って来たんだ。俺も競馬ですっちまったすぐ後で苦しくてな、中学生の金だろうと金は金だ。頂ける分、それに見合ったサービスはするさ」
その時、突然、わたしの中にある予感が湧き起こったのです。
「もしかして、その女の人って、――この人じゃありませんか?」
「ああ、この女だな」
家族ぐるみでのお花見の時の写真を見せたわたしに男は頷きました。ころころと太った指で示されたのは弓香のお母さんです。顔で分かったのでしょう、男はしみじみ頷いて、
「つまり、母親の浮気を娘が追ってたわけか。家の中の異変に感づかれた母親が濡れ場をホテルに変えて、さらにそれを娘が嗅ぎつけてか。嫌な話だなァ」
「……」折りよく、自転車に乗ったお巡りさんが路地裏に入って来るのが見え、
「たすけて!」自然にわたしは叫んでいました。
「え、なんだ、オイ、畜生!」
男は泡を食った様子で捨て台詞を残し、大慌てに慌てて逃げて行きます。なんとなく、彼を許せない気がしたんです。でも、よくよく考えてみるとあの中年男性は何も悪いことはしていない気もします。だけど、やっぱり、元凶の一つには違いありません。
わたしは空を見上げ、短く一つ、溜息をつきました。
弓香がお母さんを刺した理由が、分かった気がしました。あの潔癖な弓香が、極限まで追い詰められていたのだとしたら、口論の末にそれぐらいしてしまうかもしれません。
わたしや先生の推理は間違っていました。
弓香は、援助交際をしていたのではなかった。ドラッグで苛ついたり、痩せていたのでもなかった。お母さんの不倫に気付いて、追い詰められていたのです。弓香のお父さんは外国航路の船長さんで、滅多に弓香の家へ帰りません。その間にお母さんが、別の男の人と浮気をしていたのだとしたら――毒づき、自分の魂までも吐き捨てるような弓香の顔がまざまざと目に浮かびます。彼女は鋭く、気高く、そして繊細なのでした。
わたしは自分の愚かさを呪いました。
よりによって、弓香が援助交際だなんて! よりによって、弓香がドラッグだなんて!
わたしが彼女をまるごと信じていれば、何かもっと、できることがあったかもしれません。わたしがちゃんと弓香を観察し、変化に正しく気が付いていれば、他に対応のしようがあったかもしれません。少なくとも先生なら、何か思いついてくれたはず――。
もうとっくに手遅れなのに、そんなことばかりがぐるぐる、頭を巡りました。
弓香がお母さんを刺した理由について、弓香は警察で何も話していないそうです。するとわたしは今、弓香と弓香のお母さんとその不倫相手、あの管理人だけしか知らなかった弓香の家の秘密を探り当ててしまったことになります。
いつごろから弓香は、お母さんの不倫を知っていたのでしょう。
彼女はなぜ、どのようにしてそれを知ってしまったのでしょう。
わたしは、今度は大きく溜息をつきました。
わたしが、彼女の悩みから見れば取るに足りない恋の悩み、小さな疑問にひっかかって右往左往している隣で、彼女は、表面上はいつもと変わらぬように振る舞いながら、心をかきむしられる思いがしていたに違いありません。わたしは、バカでした。とんでもなくバカでした。なんてつまらない謎。なんて、どうでもいい謎。
先生の授業が弓香のクラスだけつまらないからといって、それを解き明かすことが弓香を助けることに繋がるでしょうか――。
その時です。わたしは思わず、あっと叫んでいました。
まるで天からのお告げでもあるかのように、真相が閃いたのです。
普通の状況であるならば、弓香が「そうする」はずなんてありません。
全てがつながりました。
ずっと先を歩いていると思っていた中年男が突然目の前に飛び出してきた時、わたしは息がとまるほどびっくりしました。でも覚悟は既に決まっていたので、ありったけの力を視線に込めて、相手の目を直接見返してやりました。
小太りの男は六月も終わりの日差しに禿げ上がった頭を焼かれ、額にべったり汗をかいていました。コロンの臭いがむせ返り、わたしはえづきそうになるのを必死で堪え、
「この女の子を御存知ですよね?」
スマートフォンの中にある弓香の写真を彼に見せました。
「……知らん」
「うそ。わたし、あなたが駅のそばのホテルで彼女にお金を渡しているところ、ちゃんと見たんです」
「見間違いだろ。君がどうしてラブホの前を通ったのか、そっちが知りたいくらいだな」
「誰もあなたをラブホテルの前で見たとは言っていません」
「……」男は黙って、もとから細い目を更に細め、じっとわたしを見据えました。
人の来ない路地裏で、わたしたちはにらみ合いました。正常な判断能力が失われていたとは言え、今から思えば、我ながらとても危ない真似をしていたものです。塾へ行く途中、駅の近くにあるパチンコ屋からひょいと出てきた顔に確かに見覚えがありました。それでここまで、尾行してきたのです。彼は確かに、あの晩、弓香と一緒にいた人物でした。
「この子はわたしの幼馴染みです」
わたしは彼をきっと睨んで、言葉を絞り出すようにしました。
そうしないと、足の踏ん張りが足りなくて、両膝が独りでに震えてきてしまうのです。
「……それがどうした」
男はポケットから出したハンカチで額の汗を拭きながら、繕った調子で答えます。
「彼女は今、学校に来ていません」
「俺には関係ない話だ」
「お母さんを包丁で刺しました」
男の目の色が変わったのを、わたしは見逃しませんでした。すかさず、
「あなたは彼女の体をお金で弄んだ。そして、ドラッグまで与えた。依存症にさせて自分の支配下に置くために。あなたはわたしの親友を、親友の人生をめちゃめちゃにした」
動かないで、今から警察を呼びます――と、わたしがスマートフォンの緊急通話モードを起動させ、通話ボタンに指先を掛けたその時、
「待て待て待て待て」君は勘違いをしているぞ、と男が叫びました。
「ああ結構、そのまま、いつでも一一〇番を押せるようにしてもらって構わない。ただし押すのは俺の話を聞いてからだ。君は、俺の職業を知っているか」
「知るわけ無いです」
「君が彼女と俺を見たラブホテルの、管理人だ」
「だからどうしたんです?」
「君の友だちは俺に訊きたいことがあったんだ。そして、情報の礼金として俺が彼女から金をもらった。お年玉を貯めた金だと言っていたから、頂くのは気が引けたがな」
「あなたが渡したのではなく?」
「さすがに中学生は買わないさ。しかも自分の仕事場だぜ。慎重に生きているんだ。ただでさえ――、脛に傷持つ身なんでね」
「格好つけないでください。じゃあ、あなたは弓香に何を教えたんです?」
「ただで教えろってか? せめてパンツの一枚もくれよ。ここで脱いでくれりゃいい」
「――脛に傷持つって言葉の意味、わたし知ってます」
「わかったよ」
再び通話ボタンに指を伸ばしたわたしを見て、男は溜息をつきました。
「やっぱり今の君のように俺にスマホの写真を見せてな、この女がここへ来なかったか、つまり俺のホテルへ来なかったか、来たとしたらどんな男と、いつ来たのか教えてくれ、お金は払えるだけ払うから、と言って来たんだ。俺も競馬ですっちまったすぐ後で苦しくてな、中学生の金だろうと金は金だ。頂ける分、それに見合ったサービスはするさ」
その時、突然、わたしの中にある予感が湧き起こったのです。
「もしかして、その女の人って、――この人じゃありませんか?」
「ああ、この女だな」
家族ぐるみでのお花見の時の写真を見せたわたしに男は頷きました。ころころと太った指で示されたのは弓香のお母さんです。顔で分かったのでしょう、男はしみじみ頷いて、
「つまり、母親の浮気を娘が追ってたわけか。家の中の異変に感づかれた母親が濡れ場をホテルに変えて、さらにそれを娘が嗅ぎつけてか。嫌な話だなァ」
「……」折りよく、自転車に乗ったお巡りさんが路地裏に入って来るのが見え、
「たすけて!」自然にわたしは叫んでいました。
「え、なんだ、オイ、畜生!」
男は泡を食った様子で捨て台詞を残し、大慌てに慌てて逃げて行きます。なんとなく、彼を許せない気がしたんです。でも、よくよく考えてみるとあの中年男性は何も悪いことはしていない気もします。だけど、やっぱり、元凶の一つには違いありません。
わたしは空を見上げ、短く一つ、溜息をつきました。
弓香がお母さんを刺した理由が、分かった気がしました。あの潔癖な弓香が、極限まで追い詰められていたのだとしたら、口論の末にそれぐらいしてしまうかもしれません。
わたしや先生の推理は間違っていました。
弓香は、援助交際をしていたのではなかった。ドラッグで苛ついたり、痩せていたのでもなかった。お母さんの不倫に気付いて、追い詰められていたのです。弓香のお父さんは外国航路の船長さんで、滅多に弓香の家へ帰りません。その間にお母さんが、別の男の人と浮気をしていたのだとしたら――毒づき、自分の魂までも吐き捨てるような弓香の顔がまざまざと目に浮かびます。彼女は鋭く、気高く、そして繊細なのでした。
わたしは自分の愚かさを呪いました。
よりによって、弓香が援助交際だなんて! よりによって、弓香がドラッグだなんて!
わたしが彼女をまるごと信じていれば、何かもっと、できることがあったかもしれません。わたしがちゃんと弓香を観察し、変化に正しく気が付いていれば、他に対応のしようがあったかもしれません。少なくとも先生なら、何か思いついてくれたはず――。
もうとっくに手遅れなのに、そんなことばかりがぐるぐる、頭を巡りました。
弓香がお母さんを刺した理由について、弓香は警察で何も話していないそうです。するとわたしは今、弓香と弓香のお母さんとその不倫相手、あの管理人だけしか知らなかった弓香の家の秘密を探り当ててしまったことになります。
いつごろから弓香は、お母さんの不倫を知っていたのでしょう。
彼女はなぜ、どのようにしてそれを知ってしまったのでしょう。
わたしは、今度は大きく溜息をつきました。
わたしが、彼女の悩みから見れば取るに足りない恋の悩み、小さな疑問にひっかかって右往左往している隣で、彼女は、表面上はいつもと変わらぬように振る舞いながら、心をかきむしられる思いがしていたに違いありません。わたしは、バカでした。とんでもなくバカでした。なんてつまらない謎。なんて、どうでもいい謎。
先生の授業が弓香のクラスだけつまらないからといって、それを解き明かすことが弓香を助けることに繋がるでしょうか――。
その時です。わたしは思わず、あっと叫んでいました。
まるで天からのお告げでもあるかのように、真相が閃いたのです。
普通の状況であるならば、弓香が「そうする」はずなんてありません。
全てがつながりました。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……
virtual lover
空川億里
ミステリー
人気アイドルグループの不人気メンバーのユメカのファンが集まるオフ会に今年30歳になる名願愛斗(みょうがん まなと)が参加する。
が、その会を通じて知り合った人物が殺され、警察はユメカを逮捕する。
主人公達はユメカの無実を信じ、真犯人を捕まえようとするのだが……。

ファクト ~真実~
華ノ月
ミステリー
特別編からはお昼の12時10分に更新します。
主人公、水無月 奏(みなづき かなで)はひょんな事件から警察の特殊捜査官に任命される。
そして、同じ特殊捜査班である、透(とおる)、紅蓮(ぐれん)、槙(しん)、そして、室長の冴子(さえこ)と共に、事件の「真実」を暴き出す。
その事件がなぜ起こったのか?
本当の「悪」は誰なのか?
そして、その事件と別で最終章に繋がるある真実……。
こちらは全部で第七章で構成されています。第七章が最終章となりますので、どうぞ、最後までお読みいただけると嬉しいです!
よろしくお願いいたしますm(__)m
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
天使の顔して悪魔は嗤う
ねこ沢ふたよ
ミステリー
表紙の子は赤野周作君。
一つ一つで、お話は別ですので、一つずつお楽しいただけます。
【都市伝説】
「田舎町の神社の片隅に打ち捨てられた人形が夜中に動く」
そんな都市伝説を調べに行こうと幼馴染の木根元子に誘われて調べに行きます。
【雪の日の魔物】
周作と優作の兄弟で、誘拐されてしまいますが、・・・どちらかと言えば、周作君が犯人ですね。
【歌う悪魔】
聖歌隊に参加した周作君が、ちょっとした事件に巻き込まれます。
【天国からの復讐】
死んだ友達の復讐
<折り紙から、中学生。友達今井目線>
【折り紙】
いじめられっ子が、周作君に相談してしまいます。復讐してしまいます。
【修学旅行1~3・4~10】
周作が、修学旅行に参加します。バスの車内から目撃したのは・・・。
3までで、小休止、4からまた新しい事件が。
※高一<松尾目線>
【授業参観1~9】
授業参観で見かけた保護者が殺害されます
【弁当】
松尾君のプライベートを赤野君が促されて推理するだけ。
【タイムカプセル1~7】
暗号を色々+事件。和歌、モールス、オペラ、絵画、様々な要素を取り入れた暗号
【クリスマスの暗号1~7】
赤野君がプレゼント交換用の暗号を作ります。クリスマスにちなんだ暗号です。
【神隠し】
同級生が行方不明に。 SNSや伝統的な手品のトリック
※高三<夏目目線>
【猫は暗号を運ぶ1~7】
猫の首輪の暗号から、事件解決
【猫を殺さば呪われると思え1~7】
暗号にCICADAとフリーメーソンを添えて♪
※都市伝説→天使の顔して悪魔は嗤う、タイトル変更
魔探偵探偵事務所
カクカラ
ミステリー
事件や事故が絶えない国、日本。あらゆる対策や法律を施行(しこう)してもなくなりはしなかった。しかし、ある組織はなくなると頑(かたく)なに言う。その原因は悪魔の仕業(しわざ)。誰の心にもある欲が悪魔を呼び出す。それを退治する探偵がいた。その名は魔探偵探偵事務所。それぞれの魔探偵が織り成すストーリーが繰り広げられる!

聖女の如く、永遠に囚われて
white love it
ミステリー
旧貴族、秦野家の令嬢だった幸子は、すでに百歳という年齢だったが、その外見は若き日に絶世の美女と謳われた頃と、少しも変わっていなかった。
彼女はその不老の美しさから、地元の人間達から今も魔女として恐れられながら、同時に敬われてもいた。
ある日、彼女の世話をする少年、遠山和人のもとに、同級生の島津良子が来る。
良子の実家で、不可解な事件が起こり、その真相を幸子に探ってほしいとのことだった。
実は幸子はその不老の美しさのみならず、もう一つの点で地元の人々から恐れられ、敬われていた。
━━彼女はまぎれもなく、名探偵だった。
登場人物
遠山和人…中学三年生。ミステリー小説が好き。
遠山ゆき…中学一年生。和人の妹。
島津良子…中学三年生。和人の同級生。痩せぎみの美少女。
工藤健… 中学三年生。和人の友人にして、作家志望。
伊藤一正…フリーのプログラマー。ある事件の犯人と疑われている。
島津守… 良子の父親。
島津佐奈…良子の母親。
島津孝之…良子の祖父。守の父親。
島津香菜…良子の祖母。守の母親。
進藤凛… 家を改装した喫茶店の女店主。
桂恵… 整形外科医。伊藤一正の同級生。
遠山未歩…和人とゆきの母親。
遠山昇 …和人とゆきの父親。
山部智人…【未来教】の元経理担当。
秦野幸子…絶世の美女にして名探偵。百歳だが、ほとんど老化しておらず、今も若い頃の美しさを保っている。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる