35 / 40
第三十五話
しおりを挟む
引っ掛かった気配は多数。多すぎて幾つかの大きな塊になっている。
「ちょっとした乱闘どころじゃないぞ」
全力で走っていきたいが、森の中だし敏捷の差でティアくらいしか付いて来れないからジリジリする。
「ユル、ティア。先に行って。もし馬の群れが襲われてるなら急がないと」
もちろん想定内、というかそれが最有力候補だろう。
エリザもティアも頷いている。となるとすることは一つ。
「全力で行く。ティア遅れるな!」
気を廻らせ脚を強化。一気に地面を蹴り、進む。勿論抜刀済みで邪魔な枝は全て切り落として進む。最近ステータスが上昇してからまだ全力疾走をしたことがないので制御が難しい。実のところ、戦闘も速度は抑え気味だ。気功の訓練ばかりで練習をサボったのは不味かった。
まだ慣れておらず、ほぼ直進しかできないので樹に激突しそうになるが、足を軸に身体を捻り最小限の円運動で何とか躱す。低い樹や藪は能力に任せて跳び越す。それでも時々避けきれず足を止めてしまう。
しかし、俺達二人が先行して群れに対抗するには、全力のこの動きになれなければかなりきついはずだ。
気配の群れが幾つか離れるような動きをし、それを別の群れが追う。おそらく逃げようとしているのが馬の群れだろう。正確な数は分からないが徐々に減っている。急がないと。
血の臭いと共に木々の向うに動く影が見える。先程も戦ったバンデットに大きな影、おそらくグラットンだろう。バンデットが囲んでいるのは……見えた。やっぱり馬だ。三つ巴かよ。
群れの左方向で光を反射する泉があった。どうやら泉で馬を見つけようとしていたのは俺達だけじゃなかったらしい。
グラットンはどれほど強いのか分からないが、馬もバンデットも見境なく狩っているので少なくともバンデットより格上。なら数を減らすためにもグラットンは無視だ。
「ティア!」
呼んでみたが返事がない。くそっ、まだ来てないか。だけど待っても居られない。目の前でバンデットに喉笛を噛みちぎられる馬。後方から飛び掛るバンデットを蹴り殺す馬。グラットンに吹っ飛ばされたバンデットに巻き込まれる馬。どんどん減っている。
ええい、もう制御も糞も無い。戦いながら慣れろだくそったれ!
「ティア遅れるな!」
そう言ったユル君は文字通り『飛んで』行った。
「ユル君、そりゃ無いよ」
情けない声が出たけど仕方ないじゃん。ユル君と私じゃ敏捷値は私が上。でも、強化のレベルなら絶対ユル君が上。どう頑張ってもついて行くのは無理だよ。
「『サポートウィンド』ティア、行って!」
エルファが移動補助の魔法をかけてくれる。うう、やるだけやってみるよ。
まだ慣れてないけど脚にエーテルを集中させて強化。地面を蹴る。
「っく……は、やい」
目前に樹が迫る。一気にブレーキをかけて減速。なんとかぶつからずに済んだけど、怖い……ユル君よく行けたな。私には無理かも。いや、無理なんて言ってられないよ。ユル君はもう一人で戦ってるかもしれない。急がなきゃ!
ユル君お願い。怪我しないで無事でいて。再び全力で駆ける。
「……でも怖いよ~!」
何とか追いついた私は流石に咄嗟に言葉が出なかった。
すぐに援護をしなければいけないのに思わず立ち止まってしまった。
黒い影が銀光を伴って伸びる。残像が光を、線に変えていた。その周りには無数のバンデットの死骸。
銀の糸は止まらず、曲線を描きながら伸びる。バンデット達は銀光一閃で崩れ落ちる。或者は首を落とされ、或者は腹を裂かれ、或者は頭を割られて。
ぴちゃ、っと頬に血が跳び、はっとした。立ち止まってる場合じゃなかった。
「ユル君!」
私の声に、黒と銀の糸は一つの人へと変わった。が、その姿を見て焦った。
「ユル君!?」
彼は血まみれで髪の毛も赤黒く染まっていた。
「ティア、遅い」
「ご、ごめん。それより大丈夫? 血まみれだよ」
ユル君に駆け寄った。肩で息をしているけど見た感じでは大丈夫そうだ。
「ん、大丈夫。少しもらったけどもう治った」
そう言うユル君は私の方を見たけど、目が私を見ていない。
「ユル君?」
私の声が不安そうなのが分かったのだろう。笑って言う。
「ああ、平気だよ。血でちょっと見えなくてね。それより、余り待ってはくれないみたいだ」
そう言って私を抱き寄せた。
え、え、え~!
全身血まみれのユル君に抱かれたから体中ベタベタだけど、それどころじゃなくテンパった。でもそれも直ぐに治まったよ。理由は生温かい新しい血がかかったから。私を護ってくれたんだって分かった。
「ティア、次がくるよ。いい?」
「う、うん。大丈夫、まかせて」
ユル君の腕から出て愛用のナイフを構える。うう、名残惜しい……。
段々反応が良くなった。どうやらなんとかなっているらしい。
最初はやっぱりスピードになれなくて、反撃も受けたけど今はもう反撃も受けない。スピードもブレーキをかけたりして止まるんじゃなく身体を上手く使ってベクトルを変えてやれば、そのまま速度を殺さずに攻撃力に変えられた。
「よし、このままっぐぁ。目が……」
しまった。返り血で前が見えない。くっそ、ティアはまだか!
「っち、くそ!」
後ろからの気配に右に跳び、刀を振る。手応えはなし。外れた。今度は右から。
「また、っぐ」
大きく後ろに跳んだら樹に突っ込んでしまった。これじゃ安易に動けないぞ。
「落ち着け、落ち着け」
焦るが《自制心》のおかげなのか段々と落ち着いてくる。
「落ち着け、気配を読め……感じろ……」
気配はわかる。無駄に気功の訓練をしたわけじゃない。だけどもっと正確に読まなきゃ。 正確に感じないと。
「く、もっと正確に」
正面から来るのを左に躱す。もっと全体をしっかり見ないと避けたときに危ない。もっと感覚を研ぎ澄ませ。
上から来た奴を転がって避け、そこに飛び込んできた奴を何とか斬り伏せる。頭から返り血を浴びてぬるぬるだ。
もっと、もっと集中しろ。だんだん気配がわかる様になってきたぞ。
右に、左に、後ろに前に。徐々に避ける動作が小さくなっていく。気配がはっきり見えてくる。バンデットやグラットンだけじゃなく、周りの木々や泉、泉で泳ぐ魚まで。うっすらとだが確実にわかるような気もする。
これならやれる。
そこからは今まで以上にスムーズな戦闘になった。目で見て反応するのではなく、全身で感じたまま体を動かせばいいのだ。相手の呼吸や筋肉の動きさえわかるような気になる。
感じるのは周りの生命すべて。自分の動きさえ手に取るようにわかる。
ティアが来たのを感じたが、動く気配がない。どうしたんだろう?
「ユル君!」
動かないと思ったら声をかけてきた。ほんとにどうしたんだろうか。とりあえず少し疲れたし、奴らも警戒してるのか少し動かなくなっている。一旦、休憩も兼ねて情報交換しようかな。
そう思ってティアと話し始めたけど思ったほど待ってくれないらしい。
「ティア、次がくるよ。いい?」
「う、うん。大丈夫、まかせて」
さて、第二ラウンドだ。
「ちょっとした乱闘どころじゃないぞ」
全力で走っていきたいが、森の中だし敏捷の差でティアくらいしか付いて来れないからジリジリする。
「ユル、ティア。先に行って。もし馬の群れが襲われてるなら急がないと」
もちろん想定内、というかそれが最有力候補だろう。
エリザもティアも頷いている。となるとすることは一つ。
「全力で行く。ティア遅れるな!」
気を廻らせ脚を強化。一気に地面を蹴り、進む。勿論抜刀済みで邪魔な枝は全て切り落として進む。最近ステータスが上昇してからまだ全力疾走をしたことがないので制御が難しい。実のところ、戦闘も速度は抑え気味だ。気功の訓練ばかりで練習をサボったのは不味かった。
まだ慣れておらず、ほぼ直進しかできないので樹に激突しそうになるが、足を軸に身体を捻り最小限の円運動で何とか躱す。低い樹や藪は能力に任せて跳び越す。それでも時々避けきれず足を止めてしまう。
しかし、俺達二人が先行して群れに対抗するには、全力のこの動きになれなければかなりきついはずだ。
気配の群れが幾つか離れるような動きをし、それを別の群れが追う。おそらく逃げようとしているのが馬の群れだろう。正確な数は分からないが徐々に減っている。急がないと。
血の臭いと共に木々の向うに動く影が見える。先程も戦ったバンデットに大きな影、おそらくグラットンだろう。バンデットが囲んでいるのは……見えた。やっぱり馬だ。三つ巴かよ。
群れの左方向で光を反射する泉があった。どうやら泉で馬を見つけようとしていたのは俺達だけじゃなかったらしい。
グラットンはどれほど強いのか分からないが、馬もバンデットも見境なく狩っているので少なくともバンデットより格上。なら数を減らすためにもグラットンは無視だ。
「ティア!」
呼んでみたが返事がない。くそっ、まだ来てないか。だけど待っても居られない。目の前でバンデットに喉笛を噛みちぎられる馬。後方から飛び掛るバンデットを蹴り殺す馬。グラットンに吹っ飛ばされたバンデットに巻き込まれる馬。どんどん減っている。
ええい、もう制御も糞も無い。戦いながら慣れろだくそったれ!
「ティア遅れるな!」
そう言ったユル君は文字通り『飛んで』行った。
「ユル君、そりゃ無いよ」
情けない声が出たけど仕方ないじゃん。ユル君と私じゃ敏捷値は私が上。でも、強化のレベルなら絶対ユル君が上。どう頑張ってもついて行くのは無理だよ。
「『サポートウィンド』ティア、行って!」
エルファが移動補助の魔法をかけてくれる。うう、やるだけやってみるよ。
まだ慣れてないけど脚にエーテルを集中させて強化。地面を蹴る。
「っく……は、やい」
目前に樹が迫る。一気にブレーキをかけて減速。なんとかぶつからずに済んだけど、怖い……ユル君よく行けたな。私には無理かも。いや、無理なんて言ってられないよ。ユル君はもう一人で戦ってるかもしれない。急がなきゃ!
ユル君お願い。怪我しないで無事でいて。再び全力で駆ける。
「……でも怖いよ~!」
何とか追いついた私は流石に咄嗟に言葉が出なかった。
すぐに援護をしなければいけないのに思わず立ち止まってしまった。
黒い影が銀光を伴って伸びる。残像が光を、線に変えていた。その周りには無数のバンデットの死骸。
銀の糸は止まらず、曲線を描きながら伸びる。バンデット達は銀光一閃で崩れ落ちる。或者は首を落とされ、或者は腹を裂かれ、或者は頭を割られて。
ぴちゃ、っと頬に血が跳び、はっとした。立ち止まってる場合じゃなかった。
「ユル君!」
私の声に、黒と銀の糸は一つの人へと変わった。が、その姿を見て焦った。
「ユル君!?」
彼は血まみれで髪の毛も赤黒く染まっていた。
「ティア、遅い」
「ご、ごめん。それより大丈夫? 血まみれだよ」
ユル君に駆け寄った。肩で息をしているけど見た感じでは大丈夫そうだ。
「ん、大丈夫。少しもらったけどもう治った」
そう言うユル君は私の方を見たけど、目が私を見ていない。
「ユル君?」
私の声が不安そうなのが分かったのだろう。笑って言う。
「ああ、平気だよ。血でちょっと見えなくてね。それより、余り待ってはくれないみたいだ」
そう言って私を抱き寄せた。
え、え、え~!
全身血まみれのユル君に抱かれたから体中ベタベタだけど、それどころじゃなくテンパった。でもそれも直ぐに治まったよ。理由は生温かい新しい血がかかったから。私を護ってくれたんだって分かった。
「ティア、次がくるよ。いい?」
「う、うん。大丈夫、まかせて」
ユル君の腕から出て愛用のナイフを構える。うう、名残惜しい……。
段々反応が良くなった。どうやらなんとかなっているらしい。
最初はやっぱりスピードになれなくて、反撃も受けたけど今はもう反撃も受けない。スピードもブレーキをかけたりして止まるんじゃなく身体を上手く使ってベクトルを変えてやれば、そのまま速度を殺さずに攻撃力に変えられた。
「よし、このままっぐぁ。目が……」
しまった。返り血で前が見えない。くっそ、ティアはまだか!
「っち、くそ!」
後ろからの気配に右に跳び、刀を振る。手応えはなし。外れた。今度は右から。
「また、っぐ」
大きく後ろに跳んだら樹に突っ込んでしまった。これじゃ安易に動けないぞ。
「落ち着け、落ち着け」
焦るが《自制心》のおかげなのか段々と落ち着いてくる。
「落ち着け、気配を読め……感じろ……」
気配はわかる。無駄に気功の訓練をしたわけじゃない。だけどもっと正確に読まなきゃ。 正確に感じないと。
「く、もっと正確に」
正面から来るのを左に躱す。もっと全体をしっかり見ないと避けたときに危ない。もっと感覚を研ぎ澄ませ。
上から来た奴を転がって避け、そこに飛び込んできた奴を何とか斬り伏せる。頭から返り血を浴びてぬるぬるだ。
もっと、もっと集中しろ。だんだん気配がわかる様になってきたぞ。
右に、左に、後ろに前に。徐々に避ける動作が小さくなっていく。気配がはっきり見えてくる。バンデットやグラットンだけじゃなく、周りの木々や泉、泉で泳ぐ魚まで。うっすらとだが確実にわかるような気もする。
これならやれる。
そこからは今まで以上にスムーズな戦闘になった。目で見て反応するのではなく、全身で感じたまま体を動かせばいいのだ。相手の呼吸や筋肉の動きさえわかるような気になる。
感じるのは周りの生命すべて。自分の動きさえ手に取るようにわかる。
ティアが来たのを感じたが、動く気配がない。どうしたんだろう?
「ユル君!」
動かないと思ったら声をかけてきた。ほんとにどうしたんだろうか。とりあえず少し疲れたし、奴らも警戒してるのか少し動かなくなっている。一旦、休憩も兼ねて情報交換しようかな。
そう思ってティアと話し始めたけど思ったほど待ってくれないらしい。
「ティア、次がくるよ。いい?」
「う、うん。大丈夫、まかせて」
さて、第二ラウンドだ。
12
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー
びーぜろ
ファンタジー
ブラック企業『アメイジング・コーポレーション㈱』で働く経理部員、高橋翔23歳。
理不尽に会社をクビになってしまった翔だが、慎ましい生活を送れば一年位なら何とかなるかと、以前よりハマっていたフルダイブ型VRMMO『Different World』にダイブした。
今日は待ちに待った大規模イベント情報解禁日。その日から高橋翔の世界が一変する。
ゲーム世界と現実を好きに行き来出来る主人公が織り成す『ハイパーざまぁ!ストーリー。』
計画的に?無自覚に?怒涛の『ざまぁw!』がここに有る!
この物語はフィクションです。
※ノベルピア様にて3話先行配信しておりましたが、昨日、突然ログインできなくなってしまったため、ノベルピア様での配信を中止しております。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした
水の入ったペットボトル
SF
これまであらゆるMMOを最前線攻略してきたが、もう俺(大川優磨)はこの遊び方に満足してしまった。いや、もう楽しいとすら思えない。
ゲームは楽しむためにするものだと思い出した俺は、新作VRMMOを最弱職業『テイマー』で始めることに。
βテストでは最弱職業だと言われていたテイマーだが、主人公の活躍によって評価が上がっていく?
そんな周りの評価など関係なしに、今日も主人公は楽しむことに全力を出す。
この作品は「カクヨム」様、「小説家になろう」様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる