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ロウディオ
エピローグのその前に 4
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1月11日
あれだけやってソフィアは子を孕まない。
僕かソフィア、どちらかの機能に問題があるのか?機能の検査など著しく名誉に疵がつく。できることなら公表するのは避けたい。前から考えていたが、仕方ない。王宮魔術師と主治医に相談しよう。あのふたりなら内容を漏らすことは無い。例えソフィアが子を産めなくても構わない。方法はいくらでもある。
1月13日
今日は最悪な夜だった。
デーテル夫人が何を勘違いしたのか僕に会わせろと喚いていたらしい。会って二度と顔を見せるなと言ったが、何をどう勘違いしたらあんな思い込みができるんだ。元々しつこい女に声をかけたのが悪手だった。ソフィアが見ていたからそれっぽく口説いただけで、キスすらしてないのに心が通いあってるなど思うことがあるか?
記憶もだいぶおかしいようだった。熱い夜を過ごしたと言っていたが、それはお前の勘違いだ。ああ、いらいらする。僕はソフィア以外と肌を合わせたことがないと言った時の彼女の顔はみものだった。
1月16日
主治医が難しい顔をして報告をした。
驚いた。ソフィアの不妊には魔女が関連している可能性がある、とのことだった。魔女に覚えがあるかと尋ねられれば思い当たるのはひとりだけだ。
雪の魔女、イゾルテ。
思い出すのも忌々しい。あの女。
しつこく粉をかけられた覚えがあった。あれは僕が成人してすぐくらいのことだったか?
生理的に不快感を感じる女だった。当時は潔癖もあってすげなく断った覚えがあるが、それを逆恨みしてソフィアに呪いをかけたのだろうか。
2月20日
宮廷魔術師と相談するが、やはり解決法はひとつしかない。イゾルテを殺す。あの女のつけた呪いは解呪が難しいという。方法は探せばあるかもしれないと言うが、あの女を生かしておけばまたろくでもないことを起こすに違いないだろう。それなら今のうちに処分するべきだ。
3月1日
イゾルテを殺すのであれば、相手を油断させられる僕しかいないという。反吐が出る。あんな女に跪くくらいなら舌を噛み切って死んでやりたかったが、あの女のために死ぬのも気分が悪い。
ソフィアは僕のものだ。彼女の愛は得られていないが、誰にも彼女を僕から離すことは許さない。
3月6日
イゾルテと接触を持ったはいいが、なんだあのあばずれは!気分は最悪だ!最低なストリップを見せられた。
暇さえあれば服を脱ごうとするし、話していると気分が悪くなる。あの女は異常だ。まともに話すらできない。すぐにでも殺したいが、まだ難しい。下手を打てば僕の命すら危ない。あの女は僕が知る中でいちばん不快だ。早く死ねばいい。
───────
日記はそこから、ソフィアと、時々魔女への恨み言の記載が入りまじる。二十三歳の日記に、魔女に関する事態の変化の記載を見つけた。
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