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不足分を埋めるような
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私は、予知を通して──。
リュアンダル殿下は、きっと、私が嫌いと、言ったから。
「……私のせい、ですね。私が嫌い、なんて言ったから」
嘘を最初に吐いたのは、私だ。
だから、きっと、とてもややこしくなってしまった。
彼は片手で顔を覆っていたが、私の言葉に顔を上げた。
「どうして、嘘を吐いたの?」
その声は、言葉とは裏腹に優しかった。
優しく包むような、そんな声だ。
「…………」
予知の話を、する?
いえ、もう誤魔化さないと、そう決めたじゃない。
私は意を決して彼を見つめた。
「予知を……見たのです。私は、十六を前に死ぬと。だから、想いを残したくないと思いました。……それに、あなたに……拒絶されたら怖い、と思った。だから、正反対の言葉を言おうと思いました。自分本位な考えでした。……ごめんなさい」
私の言葉に、彼は少し考えるように黙り込んだ。
「……なるほど。色々、辻褄があった」
そして、彼はまた、私を見つめた。
「きみのせいじゃないよ。いや、どっちが悪いとかじゃなくて──。……うーん、そうだな。この際、どっちも悪かった、ということでどう?」
ずいぶん大雑把に彼は振り分けた。
やはり、彼は変わった。
十八の青年が、二十五歳の大人になったのだから、それも当然だとは思う。
さらに彼は、王太子から国王という立場になったのだ。
以前のままではいられなかったのだろう。
「僕も悪かった。シュネイリアも悪かった。……それで、この件は終わり。良いかな」
「……はい」
私は、ちいさく頷いた。
きっと細かく分ければ、互いに言葉が足りてない部分があったのだろう。
だけど、私の吐いた嘘は確実に、状況を悪化させる一手となったはずだ。
リュアンダル陛下はそれを全て呑み込んで、互いの責を打ち消そうと、そう言った。
「陛下は、すっかり変わられましたね。失礼な言い方になるかもしれませんけど、ご立派になられました。いえ、以前が立派ではなかった、とかそういうわけではなくて。知らないひとのように思えて……少し、緊張します」
「そうかな?まだまだ若いと、父にはよく言われるよ。……それに、変わったように見えたとしても、根っこの部分は変わらない。きみを好きな、僕のままだ」
彼は真っ直ぐに私を見つめて言った。
「……っ」
「……きみから見て立派に見えるなら、現実を見てうっかり失望させないよう、励まないとね」
彼がいたずらっぽく笑う。
それを、私は眩しい思いで見つめた。
この七年はもう、取り返せないだろう。
だけどこれから先の未来、私は彼と共にいれるのだ。
予知は──きっと、未来が、変化したのだと思う。
分岐点は多々あっただろう。だけどその中でも決定的だったのがおそらく、私の生死だ。
私は死にかけて、きっと本来は、あの場で死ぬはずの運命だったのだろう。
だけど、その場にいたファラビア王女に助けられた。
そもそも、マーセルの使節団の訪問自体、急遽決まったものだった。
もしかしたらもう、あの時から未来は変化していたのかもしれない。
私は、リュアンダル陛下の隣に、彼と同じように窓に背を預けながら、彼に尋ねた。
「いくつか、お聞きしたいことがあります」
「うん。なんでも聞いて」
彼はちいさく頷いた。
私はそれを見てから、ゆっくり、言葉を紡ぐ。
「まず……あの塔は、何なのですか?」
背後を振り向く。
私の知る城下には存在しない、塔。
まるで城下町全体を見渡しているかのようだ。
私が視線を向けると、彼もまた、振り返り、背後を仰ぐ。
「あれは、監視塔だよ。ルディグランとベルニーの家を取り潰すってなった時、規模は小さいけど、クーデターが起きたんだ。それ以後、すぐに状況の変化を知れるように、とあれを造らせた」
「クーデターが……」
リュアンダル陛下は、なんてことないように言うが、きっと当時は混乱を極めたに違いない。
クーデターなど、この百年近く起きていない。社交界にも戦慄が走ったはずだ。
七年という数字は大きすぎる。
私とリュアンダル陛下の年の差は、十にも上ってしまった。
「大変、だったのですね」
「その時は、多少はね。当時はまだ父が王をしていたし、僕はその補佐をするだけで済んだけど──さすがに今、同じことが起きたら父と同じ対応を取れるかどうか、少し不安かな。僕はまだまだ王位を戴くものとして未熟だから」
ほんとうに未熟なひとは、自身を未熟だとは言わないだろう。
それを口にするだけの余裕が、今の彼にはあるということだ。
「ふたつめに……。ファラビア王女の祈術というのは、どういったものなのですか?どうして……なぜ、私は助かったのでしょうか。それが、知りたいです」
マーセルにも、特異な能力を使うものがいることは知っている。
だけどその能力がどのようなものかを、私は知らなかった。
だけど、あの怪我を治せてしまうくらいなのだ。セカンド特性と同じように神秘に関わるものなのだろう。
そう思って尋ねると、彼が答えた。
「僕もあとから聞いたことだけど──マーセルの王族が使用するという祈術は、治療に特化しているそうだよ。そして、ファラビア王女が使える──彼女があの日、発現させた祈術は、【負傷回復】。文字通り、受けた傷を回復する術だ」
「治療に……」
ヴィーリアの貴族が所有する特性は、攻撃方面に特化している。少なくとも、私は、治癒の特性を持つひとを知らない。
だけどマーセルではその逆で、王族の所有する祈術は治療行為に直結しているのだろう。
私がそう考えていると、彼が言葉を続けた。
過去に思いを馳せるように。
「だけど彼女は初めて術を行使したために──能力が暴走した。本来、彼女の持つ祈術は軽度の切り傷や刺し傷のみを回復させるだけのものだそうだよ。だけど彼女の祈術は、死の淵にあるきみをも救う効力を発揮した。……彼女がね、ファラビア王女が、術を使ったあと、真っ青な顔をして僕に言ったんだ」
「…………」
「死に向かうきみの体を無理に引き留めたことで、きみの体に大きな負荷がかかった。あの状態から、完治させるには──どうしたって、時間がかかる、と。そしてそれは年単位のもので、いつきみが目覚めるかは定かではない──ってね。今にも泣きそうな顔をして。……僕は、きみが一命を取り留めたというだけで、それ以上の幸福はないと思ったけど。彼女は、失敗した、と思ったんだろうね」
「……ファラビア王女の能力が暴走したことで、結果、私は助かった……ということでしょうか?」
「そういうことだね。それまで彼女は祈術を使えなかったそうだけど……きみが危篤状態だと知ると、すぐに飛んできたよ。何も出来ないかもしれないけれどそばにいさせて欲しい、と。僕に願ってね。……正直、迷った。あの時は僕も、もうきみは死ぬものだと思っていたから。きみの最期くらい、僕は独り占めしたかった。……でも、今思うよ。きみの命より、僕のくだらない独占欲を優先させなくてよかった、ってね。一縷の望みにかけて良かった、と」
彼にそっと、抱き寄せられる。
紅のシュールコーに頬が触れた。
滑らかな天鵞絨の肌触りを感じるともともに──白檀の香りが、した。
彼の香りだ、と思った。
変わらない、私の、好きなひとの香りだった。
「きみはこれから、日々成長する。書類上のきみの年齢は、二十二歳になってるけど、外見は七年前から止まっている。だけど、目が覚めた今、少しづつきみもまた、成長するはずだ」
リュアンダル殿下は、きっと、私が嫌いと、言ったから。
「……私のせい、ですね。私が嫌い、なんて言ったから」
嘘を最初に吐いたのは、私だ。
だから、きっと、とてもややこしくなってしまった。
彼は片手で顔を覆っていたが、私の言葉に顔を上げた。
「どうして、嘘を吐いたの?」
その声は、言葉とは裏腹に優しかった。
優しく包むような、そんな声だ。
「…………」
予知の話を、する?
いえ、もう誤魔化さないと、そう決めたじゃない。
私は意を決して彼を見つめた。
「予知を……見たのです。私は、十六を前に死ぬと。だから、想いを残したくないと思いました。……それに、あなたに……拒絶されたら怖い、と思った。だから、正反対の言葉を言おうと思いました。自分本位な考えでした。……ごめんなさい」
私の言葉に、彼は少し考えるように黙り込んだ。
「……なるほど。色々、辻褄があった」
そして、彼はまた、私を見つめた。
「きみのせいじゃないよ。いや、どっちが悪いとかじゃなくて──。……うーん、そうだな。この際、どっちも悪かった、ということでどう?」
ずいぶん大雑把に彼は振り分けた。
やはり、彼は変わった。
十八の青年が、二十五歳の大人になったのだから、それも当然だとは思う。
さらに彼は、王太子から国王という立場になったのだ。
以前のままではいられなかったのだろう。
「僕も悪かった。シュネイリアも悪かった。……それで、この件は終わり。良いかな」
「……はい」
私は、ちいさく頷いた。
きっと細かく分ければ、互いに言葉が足りてない部分があったのだろう。
だけど、私の吐いた嘘は確実に、状況を悪化させる一手となったはずだ。
リュアンダル陛下はそれを全て呑み込んで、互いの責を打ち消そうと、そう言った。
「陛下は、すっかり変わられましたね。失礼な言い方になるかもしれませんけど、ご立派になられました。いえ、以前が立派ではなかった、とかそういうわけではなくて。知らないひとのように思えて……少し、緊張します」
「そうかな?まだまだ若いと、父にはよく言われるよ。……それに、変わったように見えたとしても、根っこの部分は変わらない。きみを好きな、僕のままだ」
彼は真っ直ぐに私を見つめて言った。
「……っ」
「……きみから見て立派に見えるなら、現実を見てうっかり失望させないよう、励まないとね」
彼がいたずらっぽく笑う。
それを、私は眩しい思いで見つめた。
この七年はもう、取り返せないだろう。
だけどこれから先の未来、私は彼と共にいれるのだ。
予知は──きっと、未来が、変化したのだと思う。
分岐点は多々あっただろう。だけどその中でも決定的だったのがおそらく、私の生死だ。
私は死にかけて、きっと本来は、あの場で死ぬはずの運命だったのだろう。
だけど、その場にいたファラビア王女に助けられた。
そもそも、マーセルの使節団の訪問自体、急遽決まったものだった。
もしかしたらもう、あの時から未来は変化していたのかもしれない。
私は、リュアンダル陛下の隣に、彼と同じように窓に背を預けながら、彼に尋ねた。
「いくつか、お聞きしたいことがあります」
「うん。なんでも聞いて」
彼はちいさく頷いた。
私はそれを見てから、ゆっくり、言葉を紡ぐ。
「まず……あの塔は、何なのですか?」
背後を振り向く。
私の知る城下には存在しない、塔。
まるで城下町全体を見渡しているかのようだ。
私が視線を向けると、彼もまた、振り返り、背後を仰ぐ。
「あれは、監視塔だよ。ルディグランとベルニーの家を取り潰すってなった時、規模は小さいけど、クーデターが起きたんだ。それ以後、すぐに状況の変化を知れるように、とあれを造らせた」
「クーデターが……」
リュアンダル陛下は、なんてことないように言うが、きっと当時は混乱を極めたに違いない。
クーデターなど、この百年近く起きていない。社交界にも戦慄が走ったはずだ。
七年という数字は大きすぎる。
私とリュアンダル陛下の年の差は、十にも上ってしまった。
「大変、だったのですね」
「その時は、多少はね。当時はまだ父が王をしていたし、僕はその補佐をするだけで済んだけど──さすがに今、同じことが起きたら父と同じ対応を取れるかどうか、少し不安かな。僕はまだまだ王位を戴くものとして未熟だから」
ほんとうに未熟なひとは、自身を未熟だとは言わないだろう。
それを口にするだけの余裕が、今の彼にはあるということだ。
「ふたつめに……。ファラビア王女の祈術というのは、どういったものなのですか?どうして……なぜ、私は助かったのでしょうか。それが、知りたいです」
マーセルにも、特異な能力を使うものがいることは知っている。
だけどその能力がどのようなものかを、私は知らなかった。
だけど、あの怪我を治せてしまうくらいなのだ。セカンド特性と同じように神秘に関わるものなのだろう。
そう思って尋ねると、彼が答えた。
「僕もあとから聞いたことだけど──マーセルの王族が使用するという祈術は、治療に特化しているそうだよ。そして、ファラビア王女が使える──彼女があの日、発現させた祈術は、【負傷回復】。文字通り、受けた傷を回復する術だ」
「治療に……」
ヴィーリアの貴族が所有する特性は、攻撃方面に特化している。少なくとも、私は、治癒の特性を持つひとを知らない。
だけどマーセルではその逆で、王族の所有する祈術は治療行為に直結しているのだろう。
私がそう考えていると、彼が言葉を続けた。
過去に思いを馳せるように。
「だけど彼女は初めて術を行使したために──能力が暴走した。本来、彼女の持つ祈術は軽度の切り傷や刺し傷のみを回復させるだけのものだそうだよ。だけど彼女の祈術は、死の淵にあるきみをも救う効力を発揮した。……彼女がね、ファラビア王女が、術を使ったあと、真っ青な顔をして僕に言ったんだ」
「…………」
「死に向かうきみの体を無理に引き留めたことで、きみの体に大きな負荷がかかった。あの状態から、完治させるには──どうしたって、時間がかかる、と。そしてそれは年単位のもので、いつきみが目覚めるかは定かではない──ってね。今にも泣きそうな顔をして。……僕は、きみが一命を取り留めたというだけで、それ以上の幸福はないと思ったけど。彼女は、失敗した、と思ったんだろうね」
「……ファラビア王女の能力が暴走したことで、結果、私は助かった……ということでしょうか?」
「そういうことだね。それまで彼女は祈術を使えなかったそうだけど……きみが危篤状態だと知ると、すぐに飛んできたよ。何も出来ないかもしれないけれどそばにいさせて欲しい、と。僕に願ってね。……正直、迷った。あの時は僕も、もうきみは死ぬものだと思っていたから。きみの最期くらい、僕は独り占めしたかった。……でも、今思うよ。きみの命より、僕のくだらない独占欲を優先させなくてよかった、ってね。一縷の望みにかけて良かった、と」
彼にそっと、抱き寄せられる。
紅のシュールコーに頬が触れた。
滑らかな天鵞絨の肌触りを感じるともともに──白檀の香りが、した。
彼の香りだ、と思った。
変わらない、私の、好きなひとの香りだった。
「きみはこれから、日々成長する。書類上のきみの年齢は、二十二歳になってるけど、外見は七年前から止まっている。だけど、目が覚めた今、少しづつきみもまた、成長するはずだ」
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