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爆誕!殿下と側近のハートフルを目指せ!⑦
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「クラリスは何か知ってるね?」
手首をガッツリ掴んだままアルヴィンが聞く。後ろでカルロスがうわ、しーらねという顔をした。クラリスは掴まれた手を見て考えていた。いや、華奢な体つきなに割としっかりした手してるのね………?やっぱり男の子ってことなのかしら。なにそれ萌える。基本的なクラリスは前向きーーーといえばかなり聞こえのいい言葉だが楽観的かつ、もっと言えばアホである。でなければすぐに異世界転生など馴染んだりしない。そこだけはクラリスは感謝するべきなのだろう。
「………何のことでしょう?」
そそそ、とクラリスは視線をさ迷わせた。しかし怪しい!ものすごく怪しいのである!
「………全く、きみは本当にいつも突拍子のないことをする。この前は部屋の鍵を壊すしいきなり何も無いところで転びかけるし………」
全てクラリスがやらかした所業たちである。それに加え今回は体育館倉庫に閉じ込めた上に水をぶっかけた、というとんでも所業が加わるのである。普通の令嬢ならば顔真っ青土下座待ったナシ案件である。
ちなみにこの世界での最高級の謝り方は女性であれば『髪を切る』、男性であれば『剣を差し出す』である。髪は女の命、という言葉はこの世界でも生きており、それを差しだすことすなわち生涯かけても償えない罪を犯した時などに行う。男性もまた然り。男性の場合はそれが剣になる。
しかしクラリスは公爵令嬢で、かつ。ここらからが一応大事なのだが婚約者である王太子ーーーアルヴィンとはそれなりにいい関係を保っている。
ぶっちゃけ言うとこれ以上の悪事を幼い時に散々やらかしたので、もはや今更なのである。ちなみに毎回巻き込まれてるのはカルロスだ。おそらくその過程でカルロスかるクラリスへの評価がダダ下がりになったに違いない。哀れクラリス。バカは死んでも治らないと言うがクラリスのあほ加減もなかなかである。念の為に一応彼女の名誉のために言っておくが、彼女がアホなのは脳内心理のみである。こと自CPが関わるとよりアホの子になるが、それ以外では全く持って普通の令嬢なのである!なんて言ったってこの歳まで王太子の婚約者をやってるのだ。並大抵の努力ではない。
「それで?今回はどうしてこうなったのかな」
「え?えーと………」
ごまかしが聞かない現状。前門のアルヴィン、後門のあかずの扉。もはやクラリスはここまでなのか…と覚悟を決めた。クラリスは腐女子であることを王太子には隠していた。もちろんである。誰が『あなたを見てエロい妄想をしてます、あ、あなた猫ね』なんて言えるだろうか。それを言うくらいならクラリスは舌を切って死ぬ所存であった。
手首をガッツリ掴んだままアルヴィンが聞く。後ろでカルロスがうわ、しーらねという顔をした。クラリスは掴まれた手を見て考えていた。いや、華奢な体つきなに割としっかりした手してるのね………?やっぱり男の子ってことなのかしら。なにそれ萌える。基本的なクラリスは前向きーーーといえばかなり聞こえのいい言葉だが楽観的かつ、もっと言えばアホである。でなければすぐに異世界転生など馴染んだりしない。そこだけはクラリスは感謝するべきなのだろう。
「………何のことでしょう?」
そそそ、とクラリスは視線をさ迷わせた。しかし怪しい!ものすごく怪しいのである!
「………全く、きみは本当にいつも突拍子のないことをする。この前は部屋の鍵を壊すしいきなり何も無いところで転びかけるし………」
全てクラリスがやらかした所業たちである。それに加え今回は体育館倉庫に閉じ込めた上に水をぶっかけた、というとんでも所業が加わるのである。普通の令嬢ならば顔真っ青土下座待ったナシ案件である。
ちなみにこの世界での最高級の謝り方は女性であれば『髪を切る』、男性であれば『剣を差し出す』である。髪は女の命、という言葉はこの世界でも生きており、それを差しだすことすなわち生涯かけても償えない罪を犯した時などに行う。男性もまた然り。男性の場合はそれが剣になる。
しかしクラリスは公爵令嬢で、かつ。ここらからが一応大事なのだが婚約者である王太子ーーーアルヴィンとはそれなりにいい関係を保っている。
ぶっちゃけ言うとこれ以上の悪事を幼い時に散々やらかしたので、もはや今更なのである。ちなみに毎回巻き込まれてるのはカルロスだ。おそらくその過程でカルロスかるクラリスへの評価がダダ下がりになったに違いない。哀れクラリス。バカは死んでも治らないと言うがクラリスのあほ加減もなかなかである。念の為に一応彼女の名誉のために言っておくが、彼女がアホなのは脳内心理のみである。こと自CPが関わるとよりアホの子になるが、それ以外では全く持って普通の令嬢なのである!なんて言ったってこの歳まで王太子の婚約者をやってるのだ。並大抵の努力ではない。
「それで?今回はどうしてこうなったのかな」
「え?えーと………」
ごまかしが聞かない現状。前門のアルヴィン、後門のあかずの扉。もはやクラリスはここまでなのか…と覚悟を決めた。クラリスは腐女子であることを王太子には隠していた。もちろんである。誰が『あなたを見てエロい妄想をしてます、あ、あなた猫ね』なんて言えるだろうか。それを言うくらいならクラリスは舌を切って死ぬ所存であった。
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