25 / 61
リリアンナはやり返されてしまった! *
しおりを挟む「うわ!」
「んん!んんん!」
「くっ……活きのいい魚か!きみは!!」
肩をくるりとひっくり返されてうつ伏せにされる。そのまま体重をかけられて完全に身動きが取れなくなってしまった。
「んんー!!」
「くそ、なんで俺がこんな暴漢みたいな真似を……しかもお前相手に……」
とても遺憾だという様子だがそれはこちらのセリフよ!フェアリル殿下はそのまま私にのしかかり、首筋に噛み付いてきた。
「んん!?」
(な、なんなのよこの人!私のことさんざん野生だの動物だの言ってきたけど、動物なのはそっちじゃない!なんで噛むのよ、あ、ちょっと!?)
かぷ、かぷと甘噛みを繰り返された後、がぶ、と結構深く噛まれた。思ったより痛い。
(王女相手になんてことするの!)
咄嗟に思ったがそれは私が言えたことではないことに気がつく。いやでも私の場合は、もっとこう、相手の意思を尊重したし覆いかぶさったりなんてしてないわ!心の中で反論を試みていると彼が言った。吐息が首筋にかかってとてもくすぐったい。
「猫はね……ここを噛むと大人しくなるんだって。やんちゃな仔猫は母猫にここを噛まれてくわえられると大人しくなるらしいよ。は、きみみたいだね?」
今度はゴリラから猫に。
ゴリラより子猫の方が可愛らしいので文句はないけれど、欲を言えば人間に……人間になりたい!私は哺乳類だわ!だからといってくじらとか言われても嫌だけど!
フェアリル殿下の指先がするすると胸元に下がってくる。暴れようにもぴったり背中に体重をかけられているのでどうしようもない。
くっ……私は無力だわ!
「そうかなと思ったけど、リリアンナ王女。きみは絶望的なまでに絶壁だね」
「んんんんぅ!!」
失礼だわ!失礼すぎる!失礼な男がここにいるわ!!私はもがもが騒いだがそれは黙殺されてしまった。そのまま形を確かめるようにーーと言っても、悲しいことに彼の言うとおり私の薄っぺらい胸では揉むどころか手に収めた……かしら?というのが限界だろう。薄い胸は皮膚との違いがわからない。しかし自分で思うのと他人に言われるのとでは雲泥の差がある。彼はしばらく揉んでるのか撫でてるのか分からない触り方で触れていたがやがてぐい、となにかを押し付けてきた。
なにかを。
流石に何度も触れて子種をいただいてきたのだ。なにか固いものが当たっているわ?護身用の短剣かしら?それともベルトが当たっているの?と思うほどうぶな娘ではない。それの正体に思い当たった私は陸に水揚げされたマグロもかくやという勢いでびちびちとはね回る。
「暴れない」
(あばれるわよ!)
そして、無情にも。
ドレスをまくりあげられてずるりとドロワーズが引き下げられた。勢いの良さに体が固まる。見えないがおしりが出ているこの状況はかなり間抜けじゃないかしら!?とんだ辱めだわ!!
私はさんざん王太子を剥いて裸にして子種をを搾ったことは高い棚に上げて彼を批判していたが、すぐにぴたりと熱いものが太ももに触れてぎくりとした。
(えっ?ちょっ。えっ!?)
これはまさか……!?
ヒヤリと焦りが背筋を冷やした直後、ぬるりとしたものが太ももを滑る。
「んぅ?!」
「は……。もっと太ももしめて。そう」
彼の手に押されて太ももを寄せてしまう。そうすると彼のそれを挟むこととなって。私は目が点になった。
(な、何してるの!?フェアリル殿下は何をされてるの!?私は何をされているの!?)
パニックである。彼の熱くてかたく、しかし柔らかさもあるまるいそれが蜜部に触れる。濡れた音がする。びくりと体が震える。背後から、熱に濡れた彼の声が聞こえてきた。
「……は、これなら……っ、きみのいう不義にはあたらないだろ?」
「んんんーっ……!」
「うん?僕みたいな美形に相手にされて嬉しいって?よかった。それなら僕もきみを押し倒したかいがあったっていうものだよ」
(言ってないわよそんなこと!)
「せっかくきみが僕に|色々(・・)教えてくれたんだ。お礼はしないとね?きみは一国の王女なのだから。いただいた分と……感謝の気持ちを合わせて、僕もきみにお礼をしないと。一国の王太子として、王族として。礼儀ある態度をとるよ」
「んんっ……!」
(一国の王太子が礼儀ある態度をとるなら普通こんなことしないわよ!)
私はようやく気がついた。遅いくらいだ。
以前からそうなのかしら?と思っていたが……彼は、怒ると笑顔になるタイプの人間だ。そして今、彼の声音から察するに彼は今とても怒っている。俗に言うブチギレているというやつに違いないわ。
(怒ってるなら分かりやすく怒ればいいのに!なんで笑顔なのよ!分かりにくいのよ……!)
結果、こうなるまで気が付かなかった私にも問題があるのだろう。だけどやり過ぎじゃないかしら!?どう収拾つける気なの!ここで私の処女を奪ってどうする気よ!
そう言いたいが残念ながら口には布が。
彼の感情の内訳は屈辱と復讐というところかしらね……。諦め混じりにそう分析するが、冷静に解析している場合ではない。
ねちゃねちゃと背後から音がする。自分からにじみ出る分泌液なのか、彼のもたらしたそれなのか判別がつかない。私は顔から火が出るほど恥ずかしかった。するのはよくてもされるのはだめだった。まるでいじめっこの発想のようだけど。
(ど、どうして私こんな……!)
応援ありがとうございます!
3
お気に入りに追加
165
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる