〈完結〉"出られない部屋"を作ってしまった公爵令嬢

ごろごろみかん。

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虎の尾を踏んでしまったようで 2

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「ん~~~~~!?んーーーっ……!ん、んんんんん!」

攻撃するような口付けを受けた。
逃れようとしてもしっかりとヴィヴィに体を押えられているし、アルに手首を掴まれている。逃げ場所がない。しかも、ぬる、と舌が入り込んできた。

「んんんん!?んんんん!んんんんんんん!!」

なにか言おうにも、言葉にならない。しかも声をあげようとして口を開いたせいで、わたくしはの舌まで絡め取られた!本で読んだ光景ではあるが、読むのと体験するのでは雲泥の差がある。何よりも生々しい。思わず目を開けると、アルも目を開けていた。

「ーーーっ………!!」

アルはエメラルドのような透き通る瞳をこちらに向けて、試すような目でわたくしを見ていた。思わずその目にごくりと息を飲んだ。それがとても色っぽかったからだ。

「っ………!ん、んっ、んんっ……!んーー!」

アルの手がわたくしのワンピースドレスの裾を捲りあげる。咄嗟に彼の胸を押したが、細く見えるのに結構しっかりした体だった。思わぬ発見に手が止まる。女性のような顔つきに、細い腰、優美な体のライン。だけど女性的ではなく、男性であることが分かる手の骨ばったところとか、しっかりとした胸板だとか、意外にも硬い胸元とかに触れて、わたくしは理性が弾け飛ぶかと思った。
だけど!どうして!相手が!わたくしなの………………!!
するするとアルの手が素肌を触れ、太ももに触れる。びくっと過剰なほど反応してしまった。
ようやく唇が離れる。

「はっ……は、ぁ……はぁっ………ッ」

銀糸がお互いの唇の橋となって、それがとてつもなく恥ずかしい。アルの目が見れない。わたくしは、悔しいのに、何も言えなかった。何より、完全にアルの色気に当てられた。
ちゅ、ちゅ、と音がして、咄嗟に顔を上げる。そして、鼻血が出るかと思った。アルがどうしてか自分の指を舐めていた。な、な、なんて色っぽいの………。奉仕するのが非常に良く似合っている。口にすると激怒されるというのはもう学んだので、心の中にしまい込んだ。

「ど、どうして、舐め、舐めるの」

しかし興奮のあまり呼吸が荒くなった。まずい。これじゃあわたくしの方が不審者だわ。アルはそんなわたくしを見て、残念なものを見る目になったが、すぐに優しい笑みをうかべた。珍しい。アルがこんな顔をするなんて………

「お前のナカ、濡らさないと痛いだろ」


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