〈完結〉"出られない部屋"を作ってしまった公爵令嬢

ごろごろみかん。

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公爵令嬢は諦めない!私欲のために! 2

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「何の味もしなかったわ!!しいていうならあなたの味がしたわよ!変態!何してくれるの!わ、わたくしは確かにあなたと婚姻する予定だし、いずれはこうなるのだろうとは思うけれど、まだ早いじゃない!わたくしは純潔で居なければ………ちょっと、ヴィヴィ!離してちょうだい!どうしてわたくしなの!そもそもヴィヴィとアルがヤればいいでしょう!わたくしは傍観席に回らせていただくわ!」

「はいはいよく回る口だな。そんなに塞いで欲しいのか?」

「よくある恋愛小説みたいなセリフ口にしないでちょうだい!」

「お気に召したか?」

「馬鹿じゃないの!くっ、あなたが女性に口付けするなんて、そんな、そんなの…………っ」

「あ?なんだよ」

わたくしはじわじわと涙が滲んできた。
なんだか、今の状態は正常ではないと理解はしているものの、感情の昂りは収まらない。
わたくしは許せなかった。それは、推しカプに女性が混ざったからだ。わたくしの推すCPに女性はいらない。女性は不要。挟まれるなんて論外だし、受けを寝取るなんて許されなくてよ!!
攻めと受けで完結される世界であるべきはずなのに、なぜか受け………じゃなくてアルが女性わたくしにキスをしている。

「解釈違いだわ!!」

「「解釈違い?」」

「そんな、うっ……公式が解釈違いだなんて……わたくしはどうしたらいいの?しかも公式がすぐそばに。目の前にいる。逃れられない………うっ、ふ、くう………」

「はぁ?ちょ、おいフラン」

涙がじわじわ滲んだかと思いきや、ボロボロ零れてきた。わたくしは涙を拭いながらアルを見た。
ちなみにヴィヴィの拘束は未だに取れない。

「わたくし………空気になりたいの」

「……それで?」

やけに静かにアルが話を促した。
だけどわたくしは滲む視界で、涙を払い落とすことに意識を向けていたのでその変化に気づかなかった。なんて愚か。

「わたくし、あなたたちが好きよ」

「……たち?」

「ヴィヴィとアル………。あなたたちがくんずほぐ…………イチャイチャしてるのを見るのが好き。わたくし、これを機にカミングアウトするわ。わたくし、あなたたちが恋愛関係になると嬉しいわ」

「「……………」」

アルは顔を顰めて無言。ヴィヴィは恐らくあっけに取られている。わたくしはアルを見て言った。ヴィヴィに囚われている今、アルをどうにかするに限る。アルさえ何とかなればヴィヴィはアルの命令には逆らえない!
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