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公爵令嬢は諦めない!私欲のために!
しおりを挟む「じゃじゃ馬ですって?!」
思わず声を上げたわたくしを、ヴィヴィが見て、そしてゆっくりとその視線がアルに向く。ドキドキした。このままキスでもしないかしら、というトキメキだ。ヴィヴィは思案するような声で言った。
「………ですが、いいのですか?さっきはフランを見せたくないからああまでしようと………」
「構わない。そもそもこの女には何を言っても無理だ。昔から突拍子もない上に猪のように猪突猛進で短絡思考の単細胞の野生児だ。言って分からないなら………分からせる」
「それだけ聞くとわたくし、とんでもない人間みたいだわ……」
「みたい、じゃない。そのままだ」
思わず呟いた声に、冷たい目でアルが言う。そして、わたくしを上ら下まで見て、深く、ふかくため息をついた。
「………た方が負け、か……。くそ、お前、どうしてそんな見た目なんだ」
「ぼさっとした見た目と言いたいの?」
「見た目だけなら妖精姫だともてはやされていただろうが」
「そうよ。わたくしは可憐なの。でもあなたに言われると嫌味に聞こえるわ」
「お前は可愛いよ。可愛くて、可憐で……そうだな。見ていて無性に腹が立つ。可愛さ余って憎さ百倍、という言葉があるな?あれの通りだ」
「嫌味にしか聞こえない………」
自分より遥かに美しく整った顔立ちをしている男に褒められたところで、煽られてるとしか思えないのよね………。思わず眉を寄せたところで、がっと体に衝撃が走った。
「きゃあ?!」
「よし、ヴィアレト。お前、そのまま抑えとけ。フラン。もう容赦しない。お前の言う通り、性交をしてやる。ただし、お前と俺で、だ」
「なっ…………はぁあああ!?」
見れば、ヴィヴィがわたくしの肩を抑えている!なぜ!どうして!あなたが触れるのはわたくしではないでしょう!!と、慌てる間も無く。
唇を奪われた。そう。この美少女顔の男に。
「んっーーーー!!!」
「うるさい。お前口付けぐらい静かにできないのか?」
合わさった唇をすぐさま振り払うと、アルが困ったものを見るような目をした。なんでだ。どうしてわたくしが悪いみたいな感じになってるの。
「なっなっな、なに、なにな」
「ベビーシッター?」
「何してくれてるのよ!!あっ、あな、あなた、あっ」
「へぇ、いやらしい本ばっか読んでる割には初心だな?ファーストキスは何の味がした?レモン味か?」
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