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仲の悪い婚約者

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もちろんわたくしとアルの結婚は絶対だし、婚約破棄なんて有り得ない。
わかってはいるけれど、考えるだけなら自由じゃない?わたくしは趣味の範囲として、アルとーーそしてヴィヴィのCPで楽しむようになった。幸い、わたくしはふたりの幼馴染でありネタは事欠かない。何かとヴィヴィを呼びつけてーー幼馴染の常識の範囲内でーーふたりをニヤニ……ニタニ……温かく見守っていた。
だけど、わたくしは悲しいことに魔力が豊富にあった。その魔力は国を守る女神塔に捧げているとはいえ、余り余った魔力で考えることといえば……それはやっぱり、不純なことである。
その時のわたくしの脳内はヴィアアル公式にならないかしら、である。それで本当に公式になったらある意味地獄ではあるのだが、それでも構わないと思ってしまうあたりだいぶまずいと思っていた。そんな矢先。
わたくしはつい、そう。うっかり、聖女から聞いた"出られらない部屋"を製造してしまった………。

言い訳をさせてもらうのなら、本当に使う気はなかったの!!
でも、出来ないからやらないのと、出来るけどやらないのでは、雲泥の差があると思わない!?
出来ないからやらない、ではわたくしの混み上がるヴィアアル熱を抑えきれない。
下手に幼馴染であり婚約者であるわたくしはふたりと距離が近すぎるゆえに、その萌えをどうにかこうにか押し込めることが出来なかった。
毎日毎日ふたりのことを考えるわたくしはこれが呪いね……と思う始末だった。
ちなみに、聖女いわくこうなってしまったらもう"種族"の問題なので、生きている以上仕方ないのだと言う。
その潔さにわたくしは胸が打たれた。
打たれて、いつかわたくし自身が暴走してふたりにお膳立て聖女の言う"害悪腐女子"にならないように、制御装置として"出られない部屋"を作ったのだ。
もしふたりのじれったい距離を0にしたくなっても、友人として適切な距離を保っているヴィヴィの背中を思い切り突き飛ばして『あらごめんあそばせ!手が滑ったわ!!』とやりたくなってもーーわたくしには"出られない部屋"があるから大丈夫!
やろうと思えばいつでもやれるのよ!!と思うことでその欲求を押しこめることに成功していた。
そう、それは本当なの。
使う気はなかったのよ。

だけど手違いがひとつ起きた。
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