すれ違いのその先に

ごろごろみかん。

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最後の夜 4

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「やっ、ぁ……!」

「何か、あった?何でもいい。リーフェのことを教えて」

懇願するような響きで、すっとレイルが秘所を覆う布を取り外す。そこを取り除けられれば、もうそれを隠すものは無い。慣れることはない羞恥に顔がかっと熱くなる。

「………っ、や、レイル、恥ずかし、」

「大丈夫、恥ずかしがるリーフェも可愛い」

「そんなっ………」

また、そんな嘘を言って、私を慰める。何をいえばいいかわからなくて、結局何も言えなくて私は口を覆った。

「リーフェ?……可愛い声を、俺には聞かせてくれない?」

「ん、ぁっ、でも、だって、レイル、は」

レイルは、聞きたくないと思って。
レイルの人差し指がつぷりと浅瀬をなぞるように触れ、入るか入らないか、そんな分からないところで遊ぶ。不意にとぷり、と指先が中にはいると否応なく体が震えた。

「俺が?何?………言わないなら、酷くしちゃうよ。言ったよね、俺、溜まってるんだって」

「え?ーーーヤっ……!ぁっ………ぁあああっ………!!」

突然、下肢に凄まじい快楽がぶわりと弾けて悲鳴のような声を上げた。見れば、白金の髪が太もものあいだに挟まっている。ぬるりとあわいを舐めるのは、間違いなくレイルの舌なのだろう。レイルが、彼が、そこを舐めている。その事実だけで達してしまいそうなくらい感じてしまって、それがまた私の罪悪感を煽る。

「あぁっ………ァっ………ふ、ぁああッ……ーーーっ!う、や、ぁ、ぅッ!!ん、ぅ………ッ!」

筋を舐め上げるようにして舌が滑る。たまにつぷりと舌が差し込むかと思うと、ぢゅぅぅっと勢いよくそれを吸われて、頭の中が真っ白になる。足がガクガクしてシーツを滑るが、しかしレイルはしっかりと私の太ももを掴んでいてやめてくれる気はない。気持ちいい。気持ちいいけど、同じくらい切ない。胸が締め付けられて、何も考えられなくなるほどに頭が真っ白になる。レイルはそのまま濡れそぼった愛液を舌に纏わせたまま、既に固くなっているであろうそれに、ぢゅぅっとまたしても強く吸い付いた。さっきから何度も高められている私の体はそれだけであっけなく達してしまった。

「ッ………!!やっ………ぁ、あぁああああッ………!!!ぁっ………ひ、ぁ、ふあ、ぁ……っ……………ッ」

それでもレイルはなおも口を離してくれなくて、何度もその尖りをさいなむ。もう達したのに。もうイッたのに。高め極まった快感は逃がされることなく、そのまま体の芯を刺激していく。

「いやぁっ……いやっ、も、ッイったからっ………ぁっ………!もっ……や、ぁっ………~~~~~ッ」

吸われて、甘噛みされて、舌でねぶられて。ついには口内できつく吸われた挙句先の方を軽く噛まれて、私は直ぐに二度目の絶頂を果たして。しかしそれでもレイルは離してくれない。もはや悲鳴に近い私の声は、聞こえてるはずなのに。不意にレイルの手がそっと持ち上がり、胸の膨らみに触れる。最初はやわやわとした、感触を確かめるような触り方だったけれどすぐにそれは胸の先を摘んだ。未だに下肢の尖りはぬるついた舌にねぶられていて、胸の固くなった先はこりこりといじめられていて、もうどうすればいか分からなかった。

「っ、ヤ………ぁあっ……ひっ…ふ、ぁぁあっ………!だめっ、だめ、なっ………ん、ぁああッ!」

舐められるだけでは達するには足りなくて、だけど感じるには十分な刺激の中で私はシーツをかいた。不意に、レイルが私を見た。じりじりと焦がすような熱を海の底のような色の瞳から見つけて、頭が焦がされていく。レイルと視線が交わると、レイルはふと小さく笑って、そして見せつけるようにして口を開き、舌でそれをつついた。視覚からの刺激と敏感なところを触れられた快感に体がはねる。レイルは今度こそ小さく笑った。

「ふ、可愛い。リーフェはここを可愛がるといっそう乱れるね。そんなに好き?ここ。妬けるな。俺のよりこっちの刺激の方が好きなのかな」

「なっ……そんなこっ………ぁアッ!!」

言った途端、ぱくりとそこを吸われて噛まれて、悲鳴に似た喘ぎがこぼれる。それを見たレイルがやはり小さく笑って、そして凄艶すぎる表情で私に言った。

「本当?………じゃあ、俺が何をしてもリーフェは耐えられるよね。こうやってされるより、俺とセックスする方が好きなんだもんね?」

「えーーー」

レイルが何を言っているか分かるまもなく、爪先で軽くそこを引っかかれる。それだけで肩が跳ねる。レイルは起き上がって、私の胸元にきつく吸い付いた。じりっとした痛みに思わず目を瞑ると、すぐにレイルは起き上がって今しがた吸い付いた箇所を見た。その表情は嬉しそうに蕩けていた。

ーーーこんなふうに、愛されるから。だから、勘違いしてしまう

狂おしいくらいの快楽と、レイルの優しい手つき。表情。仕草。だからこそ、間違えてしまうのだ。勘違いしてはならない。間違えてはならない。自分に言い聞かせるようにしていると、不意にレイルと指が絡まった。私の右手とレイルの左手が絡まり合う。絡まりあったままシーツには縫い付けられて、レイルは私の耳元にキスを落とした。
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