8 / 25
最後の夜 4
しおりを挟む「やっ、ぁ……!」
「何か、あった?何でもいい。リーフェのことを教えて」
懇願するような響きで、すっとレイルが秘所を覆う布を取り外す。そこを取り除けられれば、もうそれを隠すものは無い。慣れることはない羞恥に顔がかっと熱くなる。
「………っ、や、レイル、恥ずかし、」
「大丈夫、恥ずかしがるリーフェも可愛い」
「そんなっ………」
また、そんな嘘を言って、私を慰める。何をいえばいいかわからなくて、結局何も言えなくて私は口を覆った。
「リーフェ?……可愛い声を、俺には聞かせてくれない?」
「ん、ぁっ、でも、だって、レイル、は」
レイルは、聞きたくないと思って。
レイルの人差し指がつぷりと浅瀬をなぞるように触れ、入るか入らないか、そんな分からないところで遊ぶ。不意にとぷり、と指先が中にはいると否応なく体が震えた。
「俺が?何?………言わないなら、酷くしちゃうよ。言ったよね、俺、溜まってるんだって」
「え?ーーーヤっ……!ぁっ………ぁあああっ………!!」
突然、下肢に凄まじい快楽がぶわりと弾けて悲鳴のような声を上げた。見れば、白金の髪が太もものあいだに挟まっている。ぬるりとあわいを舐めるのは、間違いなくレイルの舌なのだろう。レイルが、彼が、そこを舐めている。その事実だけで達してしまいそうなくらい感じてしまって、それがまた私の罪悪感を煽る。
「あぁっ………ァっ………ふ、ぁああッ……ーーーっ!う、や、ぁ、ぅッ!!ん、ぅ………ッ!」
筋を舐め上げるようにして舌が滑る。たまにつぷりと舌が差し込むかと思うと、ぢゅぅぅっと勢いよくそれを吸われて、頭の中が真っ白になる。足がガクガクしてシーツを滑るが、しかしレイルはしっかりと私の太ももを掴んでいてやめてくれる気はない。気持ちいい。気持ちいいけど、同じくらい切ない。胸が締め付けられて、何も考えられなくなるほどに頭が真っ白になる。レイルはそのまま濡れそぼった愛液を舌に纏わせたまま、既に固くなっているであろうそれに、ぢゅぅっとまたしても強く吸い付いた。さっきから何度も高められている私の体はそれだけであっけなく達してしまった。
「ッ………!!やっ………ぁ、あぁああああッ………!!!ぁっ………ひ、ぁ、ふあ、ぁ……っ……………ッ」
それでもレイルはなおも口を離してくれなくて、何度もその尖りをさいなむ。もう達したのに。もうイッたのに。高め極まった快感は逃がされることなく、そのまま体の芯を刺激していく。
「いやぁっ……いやっ、も、ッイったからっ………ぁっ………!もっ……や、ぁっ………~~~~~ッ」
吸われて、甘噛みされて、舌でねぶられて。ついには口内できつく吸われた挙句先の方を軽く噛まれて、私は直ぐに二度目の絶頂を果たして。しかしそれでもレイルは離してくれない。もはや悲鳴に近い私の声は、聞こえてるはずなのに。不意にレイルの手がそっと持ち上がり、胸の膨らみに触れる。最初はやわやわとした、感触を確かめるような触り方だったけれどすぐにそれは胸の先を摘んだ。未だに下肢の尖りはぬるついた舌にねぶられていて、胸の固くなった先はこりこりといじめられていて、もうどうすればいか分からなかった。
「っ、ヤ………ぁあっ……ひっ…ふ、ぁぁあっ………!だめっ、だめ、なっ………ん、ぁああッ!」
舐められるだけでは達するには足りなくて、だけど感じるには十分な刺激の中で私はシーツをかいた。不意に、レイルが私を見た。じりじりと焦がすような熱を海の底のような色の瞳から見つけて、頭が焦がされていく。レイルと視線が交わると、レイルはふと小さく笑って、そして見せつけるようにして口を開き、舌でそれをつついた。視覚からの刺激と敏感なところを触れられた快感に体がはねる。レイルは今度こそ小さく笑った。
「ふ、可愛い。リーフェはここを可愛がるといっそう乱れるね。そんなに好き?ここ。妬けるな。俺のよりこっちの刺激の方が好きなのかな」
「なっ……そんなこっ………ぁアッ!!」
言った途端、ぱくりとそこを吸われて噛まれて、悲鳴に似た喘ぎがこぼれる。それを見たレイルがやはり小さく笑って、そして凄艶すぎる表情で私に言った。
「本当?………じゃあ、俺が何をしてもリーフェは耐えられるよね。こうやってされるより、俺とセックスする方が好きなんだもんね?」
「えーーー」
レイルが何を言っているか分かるまもなく、爪先で軽くそこを引っかかれる。それだけで肩が跳ねる。レイルは起き上がって、私の胸元にきつく吸い付いた。じりっとした痛みに思わず目を瞑ると、すぐにレイルは起き上がって今しがた吸い付いた箇所を見た。その表情は嬉しそうに蕩けていた。
ーーーこんなふうに、愛されるから。だから、勘違いしてしまう
狂おしいくらいの快楽と、レイルの優しい手つき。表情。仕草。だからこそ、間違えてしまうのだ。勘違いしてはならない。間違えてはならない。自分に言い聞かせるようにしていると、不意にレイルと指が絡まった。私の右手とレイルの左手が絡まり合う。絡まりあったままシーツには縫い付けられて、レイルは私の耳元にキスを落とした。
123
お気に入りに追加
2,318
あなたにおすすめの小説

母の中で私の価値はゼロのまま、家の恥にしかならないと養子に出され、それを鵜呑みにした父に縁を切られたおかげで幸せになれました
珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたケイトリン・オールドリッチ。跡継ぎの兄と母に似ている妹。その2人が何をしても母は怒ることをしなかった。
なのに母に似ていないという理由で、ケイトリンは理不尽な目にあい続けていた。そんな日々に嫌気がさしたケイトリンは、兄妹を超えるために頑張るようになっていくのだが……。

拝啓、許婚様。私は貴方のことが大嫌いでした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【ある日僕の元に許婚から恋文ではなく、婚約破棄の手紙が届けられた】
僕には子供の頃から決められている許婚がいた。けれどお互い特に相手のことが好きと言うわけでもなく、月に2度の『デート』と言う名目の顔合わせをするだけの間柄だった。そんなある日僕の元に許婚から手紙が届いた。そこに記されていた内容は婚約破棄を告げる内容だった。あまりにも理不尽な内容に不服を抱いた僕は、逆に彼女を遣り込める計画を立てて許婚の元へ向かった――。
※他サイトでも投稿中
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」

【完結】「心に決めた人がいる」と旦那様は言った
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
「俺にはずっと心に決めた人がいる。俺が貴方を愛することはない。貴女はその人を迎え入れることさえ許してくれればそれで良いのです。」
そう言われて愛のない結婚をしたスーザン。
彼女にはかつて愛した人との思い出があった・・・
産業革命後のイギリスをモデルにした架空の国が舞台です。貴族制度など独自の設定があります。
----
初めて書いた小説で初めての投稿で沢山の方に読んでいただき驚いています。
終わり方が納得できない!という方が多かったのでエピローグを追加します。
お読みいただきありがとうございます。
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
【本編完結・番外編不定期更新】
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる