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婚約破棄 そのに
しおりを挟む「こ、婚約破棄する………?」
「……………その口、塞いでいいかなぁ」
………だ、ダメなのかしら!?
まともな回答が帰ってこなくて余計に混乱した私だったが、笑顔のアルに見つめられなんだか言葉が出ない。そう、そうだわ。これは圧力というのよ!
「手を出したいのに出せない、って何の拷問なんだろうね」
アルが苦々しく言った。それはヒロインさんのことね!?私がいるから出すに出せない、と………!?ならやはり婚約破棄すればいいのだわ!私はぐっとアルを見つめた。膝に力を入れたせいで少し距離が縮まる。
「っ、」
「アル、大丈夫よ。婚約破棄すればそんなの簡単に解決するわ」
「……………はあ?」
アルが心から『意味がわからない』とでも言うような呆れたため息を漏らした。こんなアルは珍しい。かなりレアだ。
その相手が私というのが何だか釈然としないけれど。かなり理にかなっていると思うのですが何がダメなのかしら………!?
「リア、きみの言ってることはよく分からないけど、それだと間違いなくリアが後悔するよ」
「大丈夫。しないわ、アル」
任せて、と言わんばかりに得意げに笑えばまたしてもアルがまたしても額を片手で覆った。
私の無茶ぶりにアルを付き合わせることは度々あったけれどここまで困っているアルを見るのは初めてだわ………
私、なにかしてしまったのかしら……。
悩んでいるとアルが顔を上げた。その顔にはにこりとしたやさしい笑みが乗っているのだけれど如何せん、やはり圧がすごい。凄んできてる。怖い。
「婚約破棄はしないよ、リア」
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