婚約破棄までの大切なプロセス

ごろごろみかん。

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ごじゅーさん

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店の外に出ると、じりじりとした日差しが肌をさす。こんな暑さの中シャフィナとラーセルを置いてきたことに今更ながら申し訳なさを覚えた。大丈夫かしら………。熱中症とかになってなければいいんだけど………。
シャフィナは心配だが、ラーセルがついている。体調に影響があると判断したら近場で涼むことだろう。というかそうしてほしい。そう思いながら街を繰り出す。

………と言っても。
この中かから金髪の令嬢を見つけるって、なかなか大変よ………!?

あの羊皮紙に書かれていた内容は、金髪の令嬢が持っているガーネットのネックレスを貰ってこい、というものだった。ガーネットのネックレスは本物なら相当の値打ちものだ。金のある伯爵家以上か、爵位を金で買った商家上がりの男爵家以外ではありえない。そして公爵家の娘はそもそも市井など出歩かない。
外を一人で出歩くなんて有り得ない、不必要な外出をすればそれは野蛮だとなじられる風潮があるからだ。
とはいえ、私のように勝手に出歩くこともあるから一概には言えないが。
こんな世の中だからこそ、殿下からの許可が簡単に降りたのには驚いた。ただでさえ国王陛下の崩御で周りはピリピリしているというのに。

絶対に禁止されると思ったわ………。

とはいえ、時間は無限ではない。できることなら早く終わらせなければ。

この国には魔法術というものがある。
ランクは上からアルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、エプシロンとなっている。最初はみなエプシロンから始まり、トップはアルファとなっている。
そしてベータ以上の魔力持ちとなればその人個人の魔法を取得する。それが魔法技。
魔法技は一人たりとも同じものはなく、みなそれぞれ違う。
魔法技は魔力量に比例して強くなったり弱くなったりするのが特徴だ。つまり、強い魔法技を持っていても魔力が弱ければ話にならない。逆に弱い魔法技でも魔力量があればそれは化ける。

そしてこの魔法技だがーーー。
基本的に他人には言わない決まりとなっている。決まり、と言うより暗黙の了解というのか。
自分から魔法技を話すということはすなわち、それは心に決めた相手ということ。家族にも魔法技を言うことは無い。
ちなみに私は殿下の魔法技を知らない。聞いたことも無いし、私から話したことも無い。
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