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じゅう
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玉座の間はしん、と静まり返る。なぜか衛兵たちも困惑気味だ。突然の乱入者は玉座の間を見渡すと、私に視線を合わせた。
「あなたが今回の婚約破棄申請者で間違いありませんね?」
「え?え、ええ………」
申請者て。そんな簡単に申し込みできるように言わないで欲しい。私も困惑気味に返すと、彼女はスタスタと歩いて私の前にやってきた。陛下には見向きもしない。一体これはどういうことなの………。
「申し遅れました。私は婚約危機管理委員会 調査員のリーリア・カミラと申します。そして後からもう一人調査員がやってきますが、そちらについての紹介はまた後ほど」
「…???」
全く意味がわからなかった。
思わず固まる私に、王太子が苦々しげに告げる。
「婚約危機管理委員会………」
だから何それ??
そんな委員があるとか知らないんですけど、というか突然の乱入になんでみんな何も言わないのよ。
なんて口を挟むべきか迷っていると、玉座からため息が聞こえてきた。陛下からだ。
思わずそちらを見ると、彼は額を手で押さえていた。そしてつぶやく。
「こうなるかなぁ、とは思っていたんだ」
おい陛下。
この状況を予見していたらしい陛下は私にまあ待て、というように手を出した。そして、彼女ーーーリーリアに告げる。
「まさかこんなに離れた地にまでやってくるとはな。リーリア女史。此度のことは我が国内での話だ。そのままお帰り願いたい」
「それは不可能です。ラクリマ国王、この案件は既に我が国内で把握済みのものになりますので、ここにきて我関せずの顔をして帰ることはできません。それはラクリマ王もご存知のはず」
その言葉に陛下はなんだか納得のいかなさそうな顔をしていた。だが、やがてため息混じりに言う。
「そうだな。………しかし、今回は都合がよかったのかもしれん。我が娘同然のシャーロットと王太子の婚約破棄は、できることならば私も反対だ」
なんですと。
いやなんでよ、さっきの流れ忘れたの。完全に私が可哀想っていう雰囲気だったじゃない。婚約破棄絶対に受領されるはずの流れだったわ。なのにいきなり何この展開。固まる私に、リーリアはこちら向いた。彼女が動く度に髪がふわふわと揺れる。彼女は顔にあっていない大きな丸ぶちのメガネを持ち上げて、私に言う。
「ミス シャーロット。あなたはカエルム公爵の次女であり、ラクリマ国王太子殿下のご婚約者でもある。それは間違いありませんね?」
「え、ええ………」
それよりあなたはなんなのだと聞きたい。名前はもう聞いたから、どうしてこうなってるかの状況説明が欲しい。未だに状況を飲み込めないながらも言葉を返す私に、リーリアはにこりと笑った。
「あなたが今回の婚約破棄申請者で間違いありませんね?」
「え?え、ええ………」
申請者て。そんな簡単に申し込みできるように言わないで欲しい。私も困惑気味に返すと、彼女はスタスタと歩いて私の前にやってきた。陛下には見向きもしない。一体これはどういうことなの………。
「申し遅れました。私は婚約危機管理委員会 調査員のリーリア・カミラと申します。そして後からもう一人調査員がやってきますが、そちらについての紹介はまた後ほど」
「…???」
全く意味がわからなかった。
思わず固まる私に、王太子が苦々しげに告げる。
「婚約危機管理委員会………」
だから何それ??
そんな委員があるとか知らないんですけど、というか突然の乱入になんでみんな何も言わないのよ。
なんて口を挟むべきか迷っていると、玉座からため息が聞こえてきた。陛下からだ。
思わずそちらを見ると、彼は額を手で押さえていた。そしてつぶやく。
「こうなるかなぁ、とは思っていたんだ」
おい陛下。
この状況を予見していたらしい陛下は私にまあ待て、というように手を出した。そして、彼女ーーーリーリアに告げる。
「まさかこんなに離れた地にまでやってくるとはな。リーリア女史。此度のことは我が国内での話だ。そのままお帰り願いたい」
「それは不可能です。ラクリマ国王、この案件は既に我が国内で把握済みのものになりますので、ここにきて我関せずの顔をして帰ることはできません。それはラクリマ王もご存知のはず」
その言葉に陛下はなんだか納得のいかなさそうな顔をしていた。だが、やがてため息混じりに言う。
「そうだな。………しかし、今回は都合がよかったのかもしれん。我が娘同然のシャーロットと王太子の婚約破棄は、できることならば私も反対だ」
なんですと。
いやなんでよ、さっきの流れ忘れたの。完全に私が可哀想っていう雰囲気だったじゃない。婚約破棄絶対に受領されるはずの流れだったわ。なのにいきなり何この展開。固まる私に、リーリアはこちら向いた。彼女が動く度に髪がふわふわと揺れる。彼女は顔にあっていない大きな丸ぶちのメガネを持ち上げて、私に言う。
「ミス シャーロット。あなたはカエルム公爵の次女であり、ラクリマ国王太子殿下のご婚約者でもある。それは間違いありませんね?」
「え、ええ………」
それよりあなたはなんなのだと聞きたい。名前はもう聞いたから、どうしてこうなってるかの状況説明が欲しい。未だに状況を飲み込めないながらも言葉を返す私に、リーリアはにこりと笑った。
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