婚約破棄までの大切なプロセス

ごろごろみかん。

文字の大きさ
上 下
7 / 66

ろく

しおりを挟む


 モンパズコラボで手に入れたジェム。
 錬金術で合成した、特大サイズのジェムを使って加工することに。

「:DIY:スタートっと……よし、始めるとしますか」

 毎度お馴染み、創造神様の御業をお借りする:DIY:スキルを起動する。
 能力値が生産時に限り、無尽蔵に湧き上がり無双できる……攻撃できないけど。

 生産に必要な要素をすべて持つため、ありとあらゆるモノを加工できる。
 ジェムの加工には研磨関係のスキルが必要になるが……それも無視可能だ。

「小さいサイズは粉末にして塗料にしたり、素材に振りかける用途だけど……うん、大きいのは繊細な作業が必要だな」

 ジェムを磨き、形を整えていく。
 この時使うのは、俺が持つチートアイテムの中でも最古参である『万能手袋』。

 某猫型ロボットの秘密な道具のように、あらゆる加工を補助する便利グッズだ。
 そのため、撫でるようにジェムへ触れるだけで擦れてちょうどイイ具合に磨ける。

「形は……よし、これでいいな。この辺も再現しないとダメなんだな」

 今回作るのはモンパズコラボで得たレシピに載った、とあるキャラの装備品。
 はっきり言って見てくれだけの装備なのだが、異様に難易度が高い。

 転売防止とか、そういう事情なのかもしれないが……普通に大変である。
 できた装備を普段使いの装備に、ある方法で重ねることで真の意味で完成するわけだ。

「『SEBAS』、現実から画像の方を引き出してくれ」

《畏まりました──こちらですね。他にも別アングルからの画像が、フィギュアやカードで出ておりました》

「ありがとう……レシピだけだと、細かい部分が分からないからな。イラストレーターのラフ画も込みで、可能な限り再現をしておきたいのがマニア心ってもんだ」

 ──そして、装備品が出来上がる。

  ◆   □   ◆   □   ◆

「というわけで、銀花。これが完成品だ」

「驚嘆。これは……」

「『機潰崩鎚[マキニル]』と、その使い手である『雷轟の神機姫[アレッタ]』の衣装一式だな。前に見ていたし、頑張って作ってみたぞ。衣装の方は……まあ、おまけだ」

「…………」

 もともと武器の方を見ていた銀花だが、どうせならと張り切って作ってみた。
 サイバーパンク染みたラバースーツを基にして、女の子向けのデザインがされている。

 その所々に飾られているのが、先ほど必死に研磨した特大サイズのジェム。
 各駆動部にエネルギーを注ぐパーツ、とイラストレーターはラフ画にメモしていた。

「興味津々。マイマスター、すぐに着用してもよろしいでしょうか?」

「ん? あ、ああ……ただ、可能であれば写真を撮らせてもらえないか? うちの家族にも見せてやりたい」

「同意。構いません、それでは早速」

 そんなこんなで、この後は鎚を担いだ機械少女の写真を撮りまくったのだが……まあ、家族にはいろいろと反響があったとだけ言っておこう。

しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

君は妾の子だから、次男がちょうどいい

月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。

平凡令嬢は婚約者を完璧な妹に譲ることにした

カレイ
恋愛
 「平凡なお前ではなくカレンが姉だったらどんなに良かったか」  それが両親の口癖でした。  ええ、ええ、確かに私は容姿も学力も裁縫もダンスも全て人並み程度のただの凡人です。体は弱いが何でも器用にこなす美しい妹と比べるとその差は歴然。  ただ少しばかり先に生まれただけなのに、王太子の婚約者にもなってしまうし。彼も妹の方が良かったといつも嘆いております。  ですから私決めました!  王太子の婚約者という席を妹に譲ることを。  

【完結】不貞された私を責めるこの国はおかしい

春風由実
恋愛
婚約者が不貞をしたあげく、婚約破棄だと言ってきた。 そんな私がどうして議会に呼び出され糾弾される側なのでしょうか? 婚約者が不貞をしたのは私のせいで、 婚約破棄を命じられたのも私のせいですって? うふふ。面白いことを仰いますわね。 ※最終話まで毎日一話更新予定です。→3/27完結しました。 ※カクヨムにも投稿しています。

【完結】白い結婚をした悪役令嬢は田舎暮らしと陰謀を満喫する

ツカノ
恋愛
「こんな形での君との婚姻は望んでなかった」と、私は初夜の夜に旦那様になる方に告げられた。 卒業パーティーで婚約者の最愛を虐げた悪役令嬢として予定通り断罪された挙げ句に、その罰としてなぜか元婚約者と目と髪の色以外はそっくりな男と『白い結婚』をさせられてしまった私は思う。 それにしても、旦那様。あなたはいったいどこの誰ですか? 陰謀と事件混みのご都合主義なふんわり設定です。

結婚するので姉様は出ていってもらえますか?

基本二度寝
恋愛
聖女の誕生に国全体が沸き立った。 気を良くした国王は貴族に前祝いと様々な物を与えた。 そして底辺貴族の我が男爵家にも贈り物を下さった。 家族で仲良く住むようにと賜ったのは古い神殿を改装した石造りの屋敷は小さな城のようでもあった。 そして妹の婚約まで決まった。 特別仲が悪いと思っていなかった妹から向けられた言葉は。 ※番外編追加するかもしれません。しないかもしれません。 ※えろが追加される場合はr−18に変更します。

愚か者の話をしよう

鈴宮(すずみや)
恋愛
 シェイマスは、婚約者であるエーファを心から愛している。けれど、控えめな性格のエーファは、聖女ミランダがシェイマスにちょっかいを掛けても、穏やかに微笑むばかり。  そんな彼女の反応に物足りなさを感じつつも、シェイマスはエーファとの幸せな未来を夢見ていた。  けれどある日、シェイマスは父親である国王から「エーファとの婚約は破棄する」と告げられて――――?

処理中です...