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1章
名前
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ディノスたちを残して、城に帰ることにした。
とりあえず、戦力増強という意味では、今回は十分な成果だったと言えるのだろう。
新しいダンジョンが手に入ったのは、思わぬ収穫だった。
そういえば、あの町の名前ってなんていうの?
自分の領地だからね。
町の名前くらいは覚えておかないと。
「すでに滅んだ町だ。名は存在せぬ」
そうなの?
でも、もともとの町の名前はあるんでしょ?
「滅んだ町の名など、昔そういう名前だっただけのもの。過去の栄光に過ぎぬ。新しい名は、主が付けると良い」
ふぅん。
そうは言ってもさ、昔の名前はあるわけでしょ?
ディノスは生前の記憶があるんだから、あの町が昔の名前だったころからあそこにいるんだと思うんだよね。
きっと思い入れとかもあると思うし、勝手に名前を変えられたら寂しいんじゃないかな?
そんなことない?
今は私が主だから、昔の主君よりも私が付けた名前の方が喜ぶ?
そうかな?
騎士っていうのはそういうもの?
やっぱ騎士なんだよね、ディノスたち。
本物の騎士って感じしたもんね。
騎士たちを配下に置いたから、私も少しはお姫様っぽくなったかな?
姫じゃなくて王?
王さまって感じ、まるでしないけどね。
んー、でも名前かぁ。
町の名前考えるとか、結構責任重大じゃない?
廃墟だけどね。
アンデッドの町だから……。
ネクロポリス!
ちょっと安易すぎるかな。
オリジナリティ皆無だしね。
私の名前でもいい?
町に自分の名前かぁ。
あ、私の名前覚えてる?
「ユキナであろう?」
おー、よく覚えてたね。
私でも忘れるんじゃないかってくらい、こっちの世界では使わないんだけどね。
いや、さすがに自分の名前は忘れないけど。
ユキナの町、か。
なんか微妙?
異世界なんだし、もっとこう、洋風の名前が良いよね。
英語にしてみる?
えっと、雪はスノーで、菜はなんだろう?
リーフでいいのかな?
リーフだと葉?
英語苦手なんだよね。
まあいっか、適当で。
じゃあスノーリーフってことで。
あれ?
なんかお洒落じゃない?
私って結構ネーミングセンスあるんじゃない?
スノーリーフの町。
うん、お洒落。
決まったよ。
スノーリーフ。
「ならばついでに、城の周辺の名も付けてはどうか?」
おおう、新たな課題。
そういえばあっちにも名前なかったね。
お城は不死城とか呼ばれてるらしいけど、墓地周辺も含めた私の領地としての名前もあった方がいいか。
でもそれなら、私の名前を付けるのは城の方じゃない?
あっちの方がメインの拠点なんだし。
スノーリーフはあっちにする?
別に入れ替えても良いんだけど、もう決めちゃったから変えたくないんだよね、なんとなく。
ってことは城周辺にはスノーリーフより強そうな名前を付けないとね。
スノーリーフは葉っぱだから……。
スノーツリー。
ってのでどうかな?
葉っぱは木に生い茂るからね。
これなら本体は城の方だって分かり易いでしょ?
「うむ、主の好きにすると良い」
うん、じゃあ決定で。
廃墟の町がスノーリーフで、お城がスノーツリーね。
名前が決まると、俄然愛着が湧いて来るよね。
私の領地って感じがする。
ダンジョンの周りにも名前付けといた方がいい?
あそこはまだダンジョン以外何もないから、保留でいっか。
あとはえーっと……。
そう!
国の名前も必要なんじゃない?
領地が一か所だったら必要なかったけど、増えて来たんだから、私たちの支配地域の名前って必要だよね?
国……。
国かぁ……。
それこそスノーツリーが良かったんじゃない?
また順番間違えた?
いや、でも、まだあるよね。
もっと大きくすればいいんだもん。
葉っぱが生い茂るのは木だけど、木がたくさんあるのは森だ。
スノーフォレスト!
雪の森!
おっしゃれー!
ふー!
スノーフォレストという国にある、首都スノーツリーと、副都スノーリーフ!
これ、すごくない!?
お洒落だよね!?
ちょっと中二っぽいけどさ。
でも、大抵の言葉は英語にすれば中二っぽくなるからね。
名前、決まったね!
今日はお祝いだよね。
建国記念日にしても良いかもしれない。
確か日付は十二月六日。
今日この日を、スノーフォレストの建国記念日に制定する!
えっへん!
とりあえず、戦力増強という意味では、今回は十分な成果だったと言えるのだろう。
新しいダンジョンが手に入ったのは、思わぬ収穫だった。
そういえば、あの町の名前ってなんていうの?
自分の領地だからね。
町の名前くらいは覚えておかないと。
「すでに滅んだ町だ。名は存在せぬ」
そうなの?
でも、もともとの町の名前はあるんでしょ?
「滅んだ町の名など、昔そういう名前だっただけのもの。過去の栄光に過ぎぬ。新しい名は、主が付けると良い」
ふぅん。
そうは言ってもさ、昔の名前はあるわけでしょ?
ディノスは生前の記憶があるんだから、あの町が昔の名前だったころからあそこにいるんだと思うんだよね。
きっと思い入れとかもあると思うし、勝手に名前を変えられたら寂しいんじゃないかな?
そんなことない?
今は私が主だから、昔の主君よりも私が付けた名前の方が喜ぶ?
そうかな?
騎士っていうのはそういうもの?
やっぱ騎士なんだよね、ディノスたち。
本物の騎士って感じしたもんね。
騎士たちを配下に置いたから、私も少しはお姫様っぽくなったかな?
姫じゃなくて王?
王さまって感じ、まるでしないけどね。
んー、でも名前かぁ。
町の名前考えるとか、結構責任重大じゃない?
廃墟だけどね。
アンデッドの町だから……。
ネクロポリス!
ちょっと安易すぎるかな。
オリジナリティ皆無だしね。
私の名前でもいい?
町に自分の名前かぁ。
あ、私の名前覚えてる?
「ユキナであろう?」
おー、よく覚えてたね。
私でも忘れるんじゃないかってくらい、こっちの世界では使わないんだけどね。
いや、さすがに自分の名前は忘れないけど。
ユキナの町、か。
なんか微妙?
異世界なんだし、もっとこう、洋風の名前が良いよね。
英語にしてみる?
えっと、雪はスノーで、菜はなんだろう?
リーフでいいのかな?
リーフだと葉?
英語苦手なんだよね。
まあいっか、適当で。
じゃあスノーリーフってことで。
あれ?
なんかお洒落じゃない?
私って結構ネーミングセンスあるんじゃない?
スノーリーフの町。
うん、お洒落。
決まったよ。
スノーリーフ。
「ならばついでに、城の周辺の名も付けてはどうか?」
おおう、新たな課題。
そういえばあっちにも名前なかったね。
お城は不死城とか呼ばれてるらしいけど、墓地周辺も含めた私の領地としての名前もあった方がいいか。
でもそれなら、私の名前を付けるのは城の方じゃない?
あっちの方がメインの拠点なんだし。
スノーリーフはあっちにする?
別に入れ替えても良いんだけど、もう決めちゃったから変えたくないんだよね、なんとなく。
ってことは城周辺にはスノーリーフより強そうな名前を付けないとね。
スノーリーフは葉っぱだから……。
スノーツリー。
ってのでどうかな?
葉っぱは木に生い茂るからね。
これなら本体は城の方だって分かり易いでしょ?
「うむ、主の好きにすると良い」
うん、じゃあ決定で。
廃墟の町がスノーリーフで、お城がスノーツリーね。
名前が決まると、俄然愛着が湧いて来るよね。
私の領地って感じがする。
ダンジョンの周りにも名前付けといた方がいい?
あそこはまだダンジョン以外何もないから、保留でいっか。
あとはえーっと……。
そう!
国の名前も必要なんじゃない?
領地が一か所だったら必要なかったけど、増えて来たんだから、私たちの支配地域の名前って必要だよね?
国……。
国かぁ……。
それこそスノーツリーが良かったんじゃない?
また順番間違えた?
いや、でも、まだあるよね。
もっと大きくすればいいんだもん。
葉っぱが生い茂るのは木だけど、木がたくさんあるのは森だ。
スノーフォレスト!
雪の森!
おっしゃれー!
ふー!
スノーフォレストという国にある、首都スノーツリーと、副都スノーリーフ!
これ、すごくない!?
お洒落だよね!?
ちょっと中二っぽいけどさ。
でも、大抵の言葉は英語にすれば中二っぽくなるからね。
名前、決まったね!
今日はお祝いだよね。
建国記念日にしても良いかもしれない。
確か日付は十二月六日。
今日この日を、スノーフォレストの建国記念日に制定する!
えっへん!
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