上 下
21 / 91
1章

ダンジョン

しおりを挟む
 ちょっと気になってクリスのステータスを見てみると、MPが20減っていた。

 あの骨の巨人、MP20で作れるの?

 すごいね、死霊魔法。
 まあ、ステータス高いもんね。

 ステータスによって魔法の威力が上がるってのは当然か。
 もういっそ、クリスの死霊魔法で強化したアンデッドをテイムすれば良いんじゃない?

 駄目なの?
 死霊魔法は一時的なもの?
 役割を終えたら元通り――。
 あ、崩れた。

 そっか、残念だね。
 でもスケルトンを鍛えればあれくらいにはなる?

 え? うそ?
 あんなに強くなんの? スケルトン。

 限界まで鍛えても弱いままなんじゃないかと思ってたから、ちょっとモチベーション下がってたけど、やる気出てきた。


 冒険者って追い返しちゃって良かったの?

 別に殺せって言ってるわけじゃないけどさ、情報とか持ち帰られちゃうでしょ?

 持ち帰れるようにしてるの?

 雑魚のスケルトンしか出ないと思われると、レベリングするために弱い冒険者がいっぱいやってくる?

 ああ、確かにそれは面倒臭そうだ。
 城の結界が破れないなら、ほっとけば良い気もするけど。

 スケルトンが倒されすぎると瘴気が薄くなる?
 瘴気って濃い方が良いの?

 ダンジョンのモンスター出現率が変わる?
 それじゃ追い返さないと駄目だね。
 スケルトンのレベリングは私の楽しみなのだ。

 レベリングがしにくくなるというなら、余計な人には来てほしくない。


 そうだ、これからレベリングに行こうと思ってたんだ。

 一階層でLVが上がりづらくなってきたから、二階層に潜る予定だ。
 一階層の奥に階段があるのは見つけてある。

 二階層に潜るのは初めてなので、クリスに監督役をしてもらいたかった。
 急に強いのが出てきたら、クリスじゃないと対処出来ないし。

 私は五十体のモンスターを従えているが、クリス以外はまだまだ弱いのだ。

 ちなみにクリスはすでにあのダンジョンを攻略済みらしい。
 全六階層の簡単なダンジョンだと言っていた。

 この土地の瘴気は強いので、しばらくすれば成長するだろうと言っていた。
 しばらくと言っても、十年単位の時間が掛かるらしいが。

 難しいダンジョンに挑戦したいなら、他のダンジョンに行った方が良いらしい。

 まあ、今はまだその簡単なダンジョンの二階層にも踏み入れてないんだけど。

 クリスは当然、二階層に何のモンスターが出るかも知っているが、お楽しみなので教えないでもらっている。

 クリスは冒険者に対処するためにここにいただけだったので、そのまま連れてダンジョンに向かう。


 ダンジョンの前に、選抜組のスケルトン五体が集まっていた。

 毎日この時間にダンジョンに入るので、呼ばなくてもこの時間には集まるようになっている。
 今日はクリスを探していたのでいつもより少し遅くなったが。

 まだ朝食を食べてそれほど経っていないけれど、冒険者は何時から活動しているのだろう。

 早朝から墓地に来て、早朝からアンデッドと戦うとか、よくやるものだ。
 私も朝からレベリングをしているけれど、早朝というほど早い時間ではない。

 やっぱり人生には余裕が大事だよね。
 ゆっくり起きて、ゆっくりご飯を食べて、それから活動を始める。

 冒険者にはちょっと憧れもあったけれど、早朝から働かなければならないなら、私には無理そうだ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

料理を作って異世界改革

高坂ナツキ
ファンタジー
「ふむ名前は狭間真人か。喜べ、お前は神に選ばれた」 目が覚めると謎の白い空間で人型の発行体にそう語りかけられた。 「まあ、お前にやってもらいたいのは簡単だ。異世界で料理の技術をばらまいてほしいのさ」 記憶のない俺に神を名乗る謎の発行体はそう続ける。 いやいや、記憶もないのにどうやって料理の技術を広めるのか? まあ、でもやることもないし、困ってる人がいるならやってみてもいいか。 そう決めたものの、ゼロから料理の技術を広めるのは大変で……。 善人でも悪人でもないという理由で神様に転生させられてしまった主人公。 神様からいろいろとチートをもらったものの、転生した世界は料理という概念自体が存在しない世界。 しかも、神様からもらったチートは調味料はいくらでも手に入るが食材が無限に手に入るわけではなく……。 現地で出会った少年少女と協力して様々な料理を作っていくが、果たして神様に依頼されたようにこの世界に料理の知識を広げることは可能なのか。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。繁栄も滅亡も、私の導き次第で決まるようです。

木山楽斗
ファンタジー
宿屋で働くフェリナは、ある日森で卵を見つけた。 その卵からかえったのは、彼女が見たことがない生物だった。その生物は、生まれて初めて見たフェリナのことを母親だと思ったらしく、彼女にとても懐いていた。 本物の母親も見当たらず、見捨てることも忍びないことから、フェリナは謎の生物を育てることにした。 リルフと名付けられた生物と、フェリナはしばらく平和な日常を過ごしていた。 しかし、ある日彼女達の元に国王から通達があった。 なんでも、リルフは竜という生物であり、国を繁栄にも破滅にも導く特別な存在であるようだ。 竜がどちらの道を辿るかは、その母親にかかっているらしい。知らない内に、フェリナは国の運命を握っていたのだ。 ※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。 ※2021/09/03 改題しました。(旧題:刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。)

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

婚約破棄されたので暗殺される前に国を出ます。

なつめ猫
ファンタジー
公爵家令嬢のアリーシャは、我儘で傲慢な妹のアンネに婚約者であるカイル王太子を寝取られ学院卒業パーティの席で婚約破棄されてしまう。 そして失意の内に王都を去ったアリーシャは行方不明になってしまう。 そんなアリーシャをラッセル王国は、総力を挙げて捜索するが何の成果も得られずに頓挫してしまうのであった。 彼女――、アリーシャには王国の重鎮しか知らない才能があった。 それは、世界でも稀な大魔導士と、世界で唯一の聖女としての力が備わっていた事であった。

へぇ。美的感覚が違うんですか。なら私は結婚しなくてすみそうですね。え?求婚ですか?ご遠慮します

如月花恋
ファンタジー
この世界では女性はつり目などのキツい印象の方がいいらしい 全くもって分からない 転生した私にはその美的感覚が分からないよ

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

処理中です...