上 下
3 / 91
1章

ステータス

しおりを挟む
 私は歩く。
 カタカタ、と骸骨がついて来る。
 私は歩く。
 カタカタ、と骸骨がついて来る。

 ひいいぃいい!

 私がテイムしたモンスターなのだと分かっていても、夜中に背後を骸骨が付いて来るのは怖くて仕方ない。
 そういえば、ステータス的なのは見れるのだろうか。

 どうやるんだろう?
 え、っと……こう?



『ユキナ
 人族LV1

 HP250/250
 MP250/250

 STR:100
 VIT:100
 MAG:100
 RES:100
 AGI:100
 DEX:100

 スキル
【テイム☆】』



 星が付いてる。
 テイムに星が付いてる。可愛い。
 この星が、確率の大幅上昇を表してるんだろうな。

 LVは1だ。
 LVとかあるんだね、やっぱ。
 ステ値はどうなのだろう。

 頑丈な身体にしてくれるって言ってたから、元の私よりは高いんだと思うけども、比較出来る相手がいないので分からない。

 平坦なのは神様が揃えてくれたのだろうか。
 別に平坦である必要はないのだけれど、まあ見やすいから良いか。

 え、っと……テイムしたモンスターのステータスも見れるのかな?



『名無し
 スケルトンLV3

 HP:55/55
 MP:0/0

 STR:66
 VIT:21
 MAG:9
 RES:11
 AGI:15
 DEX:15

 スキル:なし』

 なんかめっちゃ弱いな、これ。
 私のステータスと比べると弱すぎる。LVは上なのに。

 殴り合ったら普通に勝てたな。
 なんだ、怯える必要なかった。
 私は背後を振り返る。

 ひいいぃいいぃい!

 やっぱ怖い。
 弱いって分かってても怖い。

 もふもふ捕まえるために手に入れたスキルなのに、最初に捕まえたのが骸骨とか、酷い罰ゲームだと思う。

ーーーーーーーー

 ぼこり、と音が聞こえた。
 すっごく嫌な予感がしたので振り向いてみると、そこには骸骨がいた。

 ひいいぃいい! 

 私が最初に捕まえた骸骨ではない。
 それとは別の骸骨が、地中から這い出して来ていた。

 ステータスを見たので殴れば勝てるのは分かっている。
 殴れば勝てるのは分かっているのだが、怖い。

 とてもじゃないが触ろうとは思えないし、武器になるような物も手元にない。

「テイム! テイム! テイム!」

 私は再びテイムを実行した。
 すると、二匹目の骸骨が光って、テイムが成功したことが分かった。

 確かテイムの成功率は二十パーセントだったはずなのに、それ以上にあっさりと成功しているような気がする。

 そう言えば確率上昇は+20%で、元の数値も失われるわけではないんだっけ。

 スケルトンのテイム成功確率が30%なら、確率上昇の20%と合わせて五十パーセントくらいの確率でテイムは成功するわけか。

 スケルトンは弱いし、確率が高いのだろう。
 一匹目のスケルトンと二匹目のスケルトンにステータスの差は殆どない。

 微妙に二匹目の方がSTRが高いだろうか。
 LVは同じだが、この辺りは個体差なのだろう。

 二匹目のスケルトンもテイムが終わったので安堵し、私は歩く。
 カタカタ、カタカタ、と骸骨がついて来る、
 私は歩く。
 カタカタ、カタカタ、と骸骨がついて来る。

 ひいいいぃぃいぃい!

 骸骨が二倍。怖さも二倍だった。

 ただでさえ髑髏とか苦手なのに、本物の骨とかやめてほしい。

 本物の骨なのだろうか?

 モンスターだから自然発生しそうな気もするけども、戦場跡だから、戦死した人間の骨がアンデッド化したなんて可能性も……。

 ひいぃいいぃい!
 怖い!
 やめた! 考えるのやめた!

 考えても良いことがなさそうなので、ただ無心で歩くことにする。
 スケルトンに名前を付けた方が良いのだろうか。
 怖い。どうしてこうなった。

 ぼこり。
 嫌な音が聞こえた。嫌な予感がする。
 振り向く。骸骨がいた。
 私がテイムした二匹の骸骨ではない。
 三匹目の骸骨が、地中から這い出してきた。

「テイム! テイム! テイム!」

 咄嗟に私は叫んだ。
 テイムしたスケルトンを嗾けることも考えたけれど、咄嗟に私は叫んでいた。

 そして新たなスケルトンが光を放ち、テイムが完了した。

 三匹目のテイムも骸骨になった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

売れない薬はただのゴミ ~伯爵令嬢がつぶれかけのお店を再生します~

薄味メロン
ファンタジー
周囲は、みんな敵。 欠陥品と呼ばれた令嬢が、つぶれかけのお店を立て直す。

猫アレルギーだったアラサーが異世界転生して猫カフェやったら大繁盛でもふもふスローライフ満喫中です

真霜ナオ
ファンタジー
主人公の市村 陽は、どこにでもいるごく普通のサラリーマンだ。 部屋中が猫グッズで溢れるほどの猫好きな陽だが、重度の猫アレルギーであるために、猫に近づくことすら叶わない。 そんな陽の数少ない楽しみのひとつは、仕事帰りに公園で会う、鍵尻尾の黒猫・ヨルとの他愛もない時間だった。 ある時、いつものように仕事帰りに公園へと立ち寄った陽は、不良グループに絡まれるヨルの姿を見つける。 咄嗟にヨルを庇った陽だったが、不良たちから暴行を受けた挙句、アレルギー症状により呼吸ができなくなり意識を失ってしまう。 気がつくと、陽は見知らぬ森の中にいた。そこにはヨルの姿もあった。 懐いてくるヨルに慌てる陽は、ヨルに触れても症状が出ないことに気がつく。 ヨルと共に見知らぬ町に辿り着いた陽だが、その姿を見た住人たちは怯えながら一斉に逃げ出していった。 そこは、猫が「魔獣」として恐れられている世界だったのだ。 この物語は、猫が恐れられる世界の中で猫カフェを開店した主人公が、時に猫のために奔走しながら、猫たちと、そして人々と交流を深めていくお話です。 他サイト様にも同作品を投稿しています。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。

けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。 日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。 あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの? ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。 感想などお待ちしております。

召喚されたけど不要だと殺され、神様が転生さしてくれたのに女神様に呪われました

桜月雪兎
ファンタジー
召喚に巻き込まれてしまった沢口香織は不要な存在として殺されてしまった。 召喚された先で殺された為、元の世界にも戻れなく、さ迷う魂になってしまったのを不憫に思った神様によって召喚された世界に転生することになった。 転生するために必要な手続きをしていたら、偶然やって来て神様と楽しそうに話している香織を見て嫉妬した女神様に呪いをかけられてしまった。 それでも前向きに頑張り、楽しむ香織のお話。

チートを極めた空間魔術師 ~空間魔法でチートライフ~

てばくん
ファンタジー
ひょんなことから神様の部屋へと呼び出された新海 勇人(しんかい はやと)。 そこで空間魔法のロマンに惹かれて雑魚職の空間魔術師となる。 転生間際に盗んだ神の本と、神からの経験値チートで魔力オバケになる。 そんな冴えない主人公のお話。 -お気に入り登録、感想お願いします!!全てモチベーションになります-

その幼女、最強にして最恐なり~転生したら幼女な俺は異世界で生きてく~

たま(恥晒)
ファンタジー
※作者都合により打ち切りとさせて頂きました。新作12/1より!! 猫刄 紅羽 年齢:18 性別:男 身長:146cm 容姿:幼女 声変わり:まだ 利き手:左 死因:神のミス 神のミス(うっかり)で死んだ紅羽は、チートを携えてファンタジー世界に転生する事に。 しかしながら、またもや今度は違う神のミス(ミス?)で転生後は正真正銘の幼女(超絶可愛い ※見た目はほぼ変わってない)になる。 更に転生した世界は1度国々が発展し過ぎて滅んだ世界で!? そんな世界で紅羽はどう過ごして行くのか... 的な感じです。

無用少女のフェアリークエスト~女神様から授かったスキルが使えないと言われて勇者候補を降ろされたので妖精さんと旅に出ます~

ふぃる汰
ファンタジー
勇者候補として異世界召喚されたのに『使えないスキルだから』と候補から外された無用少女、妖精魔法で快適スローライフな旅に出ます! 日本に住む病弱少女の『夜道ベル』は、将来を賭けた大きな手術で運悪く命を落としかけてしまう。 生死の境を彷徨っていた彼女の元に、異世界に勇者候補を送る使命を持った『女神ミミエリ』が現れる。 「あなたにお好きなスキルを1つ授けるので、勇者候補として『異世界ネオテイル』に行きませんか?」 女神様の提案を受け入れたベルがお願いしたスキルは、異世界にいる妖精さんと話せる能力『フェアリーテレパス』だった。 スキルを手に入れたベルは勇者候補として意気揚々と異世界に召喚されたが、王国の貴族から「そんな使えないスキルで勇者は務まらない」と勇者候補を外され、王城を追い出されてしまう。 「追い出されたけどわたしはめげないわ。妖精さんと異世界を楽しんでやるんだから!」 えっ? わたしのスキルが実は役立ちそうだから戻ってきてほしい? 申し訳ありませんが拒否します! 妖精さんと楽しくクエストしながら異世界を巡るゆるふわスロージャーニーファンタジー、ここに開幕!

処理中です...