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異世界の人族の神
冥王、異世界でアホの尻拭い。
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ユカリから冒険者ギルドで『勇者パーティ』と高らかに公言していたのをコベソ達は聞いて、前日の夜は、怒鳴り散らしていたんだが。
それでも勇者パーティ四人は、落ち込んでいる雰囲気も無く、何も無くいつも以上の態度のデカさで現れた。
「おい、大丈夫だろうな?」
コベソが勇者パーティ四人を睨んで声掛けるが、そこでもコベソから目を逸らしそのまま、仲間同士笑いながら話して馬車に乗り込んでいく。
「なんじゃぁ、ありゃ?」
「すみません、昨日注意したんですけど」
「初めて見た時から、嫌な予感しかしなかったんだよな。まさか国出る前に問題出るとは」
頭を掻きながら、苦虫を噛み潰したようの顔をするコベソは、使用人達に指図して馬車に乗り込む。
「依頼……」
「トンド、その話。この中で良いだろ。 嫌な予感する」
「わかった。 ハーデスさん、ペルセポネさんどうぞ」
「あの~」
「お、お嬢ちゃんは向こうには乗らんのか?」
「お嬢……」
「そりゃぁ、勇者様と言ったら嫌味っぽいだろ?」
「……そうですね」
「まぁ、あの後だ。 こっちの方が同じ境遇な者がいるから何かと話しやすいもんだ」
「境遇?」
「兎に角、出発するから早く乗るんだ」
「は、はい」
トンドの手招きに俺とペルセポネは、馬車に乗り込むが、困っていたユカリを見たコベソも手招きしてユカリを乗せると、使用人である御者に合図し、支店からそのまま関所へ向かい始めた。
関所には、通交する馬車毎に槍と帯剣している衛兵が数名付き、書類を見ながら荷物をチェックしていた。
俺らがいる商隊の馬車四台もこの関所に停り衛兵がやってきたがコベソとトンドが、荷物が積んである馬車を案内していた。
俺たち個人個人の所持品は、チェックされなかったが馬車の荷物だけは、衛兵と使用人と共に確認している。
「なぁ、普通個人の荷物チェックしないか?」
「それが、この世界普通何じゃない?」
ペルセポネから疑問返しで返答してきたんだけど、そこにトンドが、説明してくれた。
「基本、手荷物検査は関所にあるアレ。 違法な物とか判別されるんだ。 だけど、たまに馬車に隠しているヤツもいて。 荷車とか確認するようになったんだ」
「何処の世界にも、色んな所に隠して逃れようとする人達がいるんですね」
トンドは、荷物チェックの道具の事で、通りを挟むように立っている板状の物に指して教えてくれるが、ユカリの言葉に頷いてもいた。
少し経つと、そのまま馬車は、関所の門を潜り、そのままガツオフィレに入国する。
しかし、カツオフィレの関所で既に入国していた馬車や人達が入国審査と荷物検査を行われている。
「アレを待つのか?」
「いや、多分このまま素通り出来ると思う」
コベソが、関所の先、カツオフィレの景色に睨んでいる所に、一人の帯剣し軽装備したこちらも衛兵と見える人が、やってきて何度かコベソと話していると、突然話が終わり、馬車がゆっくりと走り始める。
「いやぁー、話が分かるやつで良かったぞ」
「アイツの格好、あの中で一番偉そうなのを着けてたからな」
コベソとトンドが笑っているが、ランドベルクを出る前に関所の衛兵が作成していた荷物検査の書類をそのまま、ガツオフィレの衛兵に渡していたのは分かるけど。
その衛兵も、満足気な顔していたから何かしたのだろう。
馬車は、ゼレヌの街から舗装された街道をそのまま走る。幌から外を覗き込むと左右に大きな山脈が見え、頂上部には若干雪が積もり、若干肌寒くなってきた。
「あまり、開けない方がいい」
「カツオフィレは、寒い地域なのか?」
「山脈に挟まれて、冷たい風が流れるだけさ。 この先行けば広い平地だから、そんなに寒くはない」
「まぁ、コベソも俺も少し肌寒いか、ちょうどいい気温だな」
トンドとコベソは、笑うが既に一枚、上に着ていた。やはりそんな体でも寒い物は寒いんだな。
ペルセポネは、別の方向を見ていたが、勇者のユカリが、コベソの顔を真剣な眼差しで見ている。
「あ、あのー」
「ん、あんまりそう、睨まんでくれ」
「あっ、すみません。 さっき言っていた『境遇』とはなんで、私と同じなんですか?」
コベソは、ユカリの言葉に少し目が泳ぐが、その後少し間を開けて口をひらくと、コベソの目が微かに青色に光る。
「ユカリのお嬢ちゃん。 俺とトンドが何故これを使えるか。 わかるか?」
「それは、【鑑識眼】のスキル?」
「そう、これ持っているのってどんなヤツ?」
「大体は異世界から来た者か、勇者と聖女」
「それ以外にもそれか、近いスキルを持っている奴はいるが、概ねそんな感じだな」
「それじゃお二人は、異世界から来た!?」
「まぁ、そうなるな。 だけど、もぅかなり昔の話だ」
「そうだな。 今となってはいい思い出だな」
コベソもトンドも、感慨にひたって上を眺めていたが、上には幌の裏しか見えない。
「俺とトンドは、勇者じゃないからな。 勇者としてこっちに来てしまったお嬢ちゃんにとっては、これからが大変だけどな」
「なんでこんな……」
頭を抱えて暗い雰囲気のオーラを生み出そうとするユカリだが、一瞬痛みを伴う苦しそうな声を出した途端、先程の暗さが嘘のように無くなり笑顔になっている。
「やはり、これも勇者のスキルだな」
「そうですね」
心配しているコベソを、励まそうとしているユカリを余所にペルセポネは、話を違う方向に変えた。
「ところで、次の街いつ頃到着後予定?」
「あぁ途中で野営するか、そのまま突き進むか。夜には着くが」
「夜か……。 なら途中で」
「ダメだな、あのバカ四人組が『勇者』と公言してしまっている。少しでも早くアテルレナスに向かう」
「でも……」
「ペルセポネ何の依頼受けたんだ?」
「えっ? はぁ、ペルセポネさん受けてたんですか?」
トンドはため息し、コベソも頭を抱えているが、依頼受けると何か問題でもあるのか?とその状況に違和感を感じている。
「ペルセポネさん、次の街でキャンセルしてください」
「それがいい、依頼書には若干の魔力が通っててな、ある意味位置情報として捉えられているからな」
その機能は、長期間放置されたり、不正されない為の仕組みで冒険者ギルドの付近か、その感知する物の近くを通るとされる物だと。
「うーん、わかったわよ。 折角なのになぁ」
「因みにどんな依頼なんですか?」
「討伐系?」
コベソとトンドにユカリは、息を飲んでペルセポネの回答に身構える。
「そうよ。 討伐系で……」
「「「……」」」
「この先の街マナラの西にある山で、討伐するのが、黒い猪の魔物、ブラックワイルドボア」
進行する馬車が左右に揺れる。
コベソ達は、絶句し、動揺が隠せないほど仰け反った。
「ペルセポネさん、ブラックサーペントでも驚いたのに、また危険な魔物!!」
「あぁ、なんでそんな凶悪な魔物に! 勇者か強者しか倒せない依頼なんで受けるっ」
「今の私なんて絶対ムリムリ! ブラックサーペントと同等の強さって、聞きましたよ」
コベソ、トンドにユカリは、あたふたしていながらも普通に答えているが、返答内容が強い魔物の位置付けを決定してしまい、依頼書に目を通しているペルセポネの目の輝きが、一段と増していた。
その時、馬車の速度が落ちたことに気付くコベソだか、御者が少し焦り気味コベソを呼ぶ。
「会頭、目の前に……」
「ちっ、もう既にか、明日の日が昇った頃かと予想していたんだがな」
この馬車四台が、進む先にある街マナラへの道中、銀色の西洋甲冑を纏う団体が、その道を遮っていた。
それでも勇者パーティ四人は、落ち込んでいる雰囲気も無く、何も無くいつも以上の態度のデカさで現れた。
「おい、大丈夫だろうな?」
コベソが勇者パーティ四人を睨んで声掛けるが、そこでもコベソから目を逸らしそのまま、仲間同士笑いながら話して馬車に乗り込んでいく。
「なんじゃぁ、ありゃ?」
「すみません、昨日注意したんですけど」
「初めて見た時から、嫌な予感しかしなかったんだよな。まさか国出る前に問題出るとは」
頭を掻きながら、苦虫を噛み潰したようの顔をするコベソは、使用人達に指図して馬車に乗り込む。
「依頼……」
「トンド、その話。この中で良いだろ。 嫌な予感する」
「わかった。 ハーデスさん、ペルセポネさんどうぞ」
「あの~」
「お、お嬢ちゃんは向こうには乗らんのか?」
「お嬢……」
「そりゃぁ、勇者様と言ったら嫌味っぽいだろ?」
「……そうですね」
「まぁ、あの後だ。 こっちの方が同じ境遇な者がいるから何かと話しやすいもんだ」
「境遇?」
「兎に角、出発するから早く乗るんだ」
「は、はい」
トンドの手招きに俺とペルセポネは、馬車に乗り込むが、困っていたユカリを見たコベソも手招きしてユカリを乗せると、使用人である御者に合図し、支店からそのまま関所へ向かい始めた。
関所には、通交する馬車毎に槍と帯剣している衛兵が数名付き、書類を見ながら荷物をチェックしていた。
俺らがいる商隊の馬車四台もこの関所に停り衛兵がやってきたがコベソとトンドが、荷物が積んである馬車を案内していた。
俺たち個人個人の所持品は、チェックされなかったが馬車の荷物だけは、衛兵と使用人と共に確認している。
「なぁ、普通個人の荷物チェックしないか?」
「それが、この世界普通何じゃない?」
ペルセポネから疑問返しで返答してきたんだけど、そこにトンドが、説明してくれた。
「基本、手荷物検査は関所にあるアレ。 違法な物とか判別されるんだ。 だけど、たまに馬車に隠しているヤツもいて。 荷車とか確認するようになったんだ」
「何処の世界にも、色んな所に隠して逃れようとする人達がいるんですね」
トンドは、荷物チェックの道具の事で、通りを挟むように立っている板状の物に指して教えてくれるが、ユカリの言葉に頷いてもいた。
少し経つと、そのまま馬車は、関所の門を潜り、そのままガツオフィレに入国する。
しかし、カツオフィレの関所で既に入国していた馬車や人達が入国審査と荷物検査を行われている。
「アレを待つのか?」
「いや、多分このまま素通り出来ると思う」
コベソが、関所の先、カツオフィレの景色に睨んでいる所に、一人の帯剣し軽装備したこちらも衛兵と見える人が、やってきて何度かコベソと話していると、突然話が終わり、馬車がゆっくりと走り始める。
「いやぁー、話が分かるやつで良かったぞ」
「アイツの格好、あの中で一番偉そうなのを着けてたからな」
コベソとトンドが笑っているが、ランドベルクを出る前に関所の衛兵が作成していた荷物検査の書類をそのまま、ガツオフィレの衛兵に渡していたのは分かるけど。
その衛兵も、満足気な顔していたから何かしたのだろう。
馬車は、ゼレヌの街から舗装された街道をそのまま走る。幌から外を覗き込むと左右に大きな山脈が見え、頂上部には若干雪が積もり、若干肌寒くなってきた。
「あまり、開けない方がいい」
「カツオフィレは、寒い地域なのか?」
「山脈に挟まれて、冷たい風が流れるだけさ。 この先行けば広い平地だから、そんなに寒くはない」
「まぁ、コベソも俺も少し肌寒いか、ちょうどいい気温だな」
トンドとコベソは、笑うが既に一枚、上に着ていた。やはりそんな体でも寒い物は寒いんだな。
ペルセポネは、別の方向を見ていたが、勇者のユカリが、コベソの顔を真剣な眼差しで見ている。
「あ、あのー」
「ん、あんまりそう、睨まんでくれ」
「あっ、すみません。 さっき言っていた『境遇』とはなんで、私と同じなんですか?」
コベソは、ユカリの言葉に少し目が泳ぐが、その後少し間を開けて口をひらくと、コベソの目が微かに青色に光る。
「ユカリのお嬢ちゃん。 俺とトンドが何故これを使えるか。 わかるか?」
「それは、【鑑識眼】のスキル?」
「そう、これ持っているのってどんなヤツ?」
「大体は異世界から来た者か、勇者と聖女」
「それ以外にもそれか、近いスキルを持っている奴はいるが、概ねそんな感じだな」
「それじゃお二人は、異世界から来た!?」
「まぁ、そうなるな。 だけど、もぅかなり昔の話だ」
「そうだな。 今となってはいい思い出だな」
コベソもトンドも、感慨にひたって上を眺めていたが、上には幌の裏しか見えない。
「俺とトンドは、勇者じゃないからな。 勇者としてこっちに来てしまったお嬢ちゃんにとっては、これからが大変だけどな」
「なんでこんな……」
頭を抱えて暗い雰囲気のオーラを生み出そうとするユカリだが、一瞬痛みを伴う苦しそうな声を出した途端、先程の暗さが嘘のように無くなり笑顔になっている。
「やはり、これも勇者のスキルだな」
「そうですね」
心配しているコベソを、励まそうとしているユカリを余所にペルセポネは、話を違う方向に変えた。
「ところで、次の街いつ頃到着後予定?」
「あぁ途中で野営するか、そのまま突き進むか。夜には着くが」
「夜か……。 なら途中で」
「ダメだな、あのバカ四人組が『勇者』と公言してしまっている。少しでも早くアテルレナスに向かう」
「でも……」
「ペルセポネ何の依頼受けたんだ?」
「えっ? はぁ、ペルセポネさん受けてたんですか?」
トンドはため息し、コベソも頭を抱えているが、依頼受けると何か問題でもあるのか?とその状況に違和感を感じている。
「ペルセポネさん、次の街でキャンセルしてください」
「それがいい、依頼書には若干の魔力が通っててな、ある意味位置情報として捉えられているからな」
その機能は、長期間放置されたり、不正されない為の仕組みで冒険者ギルドの付近か、その感知する物の近くを通るとされる物だと。
「うーん、わかったわよ。 折角なのになぁ」
「因みにどんな依頼なんですか?」
「討伐系?」
コベソとトンドにユカリは、息を飲んでペルセポネの回答に身構える。
「そうよ。 討伐系で……」
「「「……」」」
「この先の街マナラの西にある山で、討伐するのが、黒い猪の魔物、ブラックワイルドボア」
進行する馬車が左右に揺れる。
コベソ達は、絶句し、動揺が隠せないほど仰け反った。
「ペルセポネさん、ブラックサーペントでも驚いたのに、また危険な魔物!!」
「あぁ、なんでそんな凶悪な魔物に! 勇者か強者しか倒せない依頼なんで受けるっ」
「今の私なんて絶対ムリムリ! ブラックサーペントと同等の強さって、聞きましたよ」
コベソ、トンドにユカリは、あたふたしていながらも普通に答えているが、返答内容が強い魔物の位置付けを決定してしまい、依頼書に目を通しているペルセポネの目の輝きが、一段と増していた。
その時、馬車の速度が落ちたことに気付くコベソだか、御者が少し焦り気味コベソを呼ぶ。
「会頭、目の前に……」
「ちっ、もう既にか、明日の日が昇った頃かと予想していたんだがな」
この馬車四台が、進む先にある街マナラへの道中、銀色の西洋甲冑を纏う団体が、その道を遮っていた。
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