原初の魔女

緑茶 縁

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第一朝、違和感

3日目 01

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 ここは、どこなのか。
    昨日も来た気がする。
    昨日の霧はまだ晴れることはなかった。視界全面が白い。
    その中で、うっすら人影があるのも変わらない。さっと見た限り五つ。そこにも変動はない。
    文字通り地に足が着いている感じがしないのに変わりはないし、五感のほとんどが機能していないのも変わりはしない。不思議な感覚だ──僕は、本当はここに存在すらできていないのではないか。そう錯覚しそうになる感覚。
    敢えて変化を見つけようとするならば──空気だろうか。
    昨日とは僅かに違う。僅かに、しかし明らかに重いのだ。
    重くて、苦しい。なんだかねっとりとしている。呼吸をすることすら躊躇われる気さえした。吸うたびに粘度があがっている気がする。事実、既に吸った空気が喉に張り付いているみたいで苦しい。なんというか、気分的な苦痛とかでも精神的な苦痛とかでもなく、だんだん具体的に…物理的に苦しくなってきている。
    しばらく苦しいままでいると、下手に呼吸の感触が鮮明なせいか、夢か現実かの区別がはっきりとできなくなってきた。これはまずい傾向だ。それが要因なのか酸欠なのかは知らないが、意識は朦朧としてくる…夢なのに?
    ──ふと。人影が動いた、ような気がした。
    そこで、終わった。
    何かが、終わった。
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