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ミヤ 1
しおりを挟む彼女を追い始めてからどれくらいたったのだろう。30分か、それとも倍の1時間か。もっと経ったのかもしれない。僕の足は限界に近付いていた。不死の権限<レ・ミゼラブル>の代償で体の強度は常人より脆くなっている。それが原因なのかすらわからないが、夢中になって追いかけていたので実際どれくらいの距離を歩いたのかはわからない。
別に下心があって追いかけていた訳ではない。あのおっぱいに触れてみたいとは微塵も思っていない…とは言い切れないが思っていない。ほんとだぞ?
フラフラの足を一生懸命動かし、追いかけ続けた。今は林の中に居る。いや、人による手入れがされていないので森と言った方が正しいな。様々な木が群集している。太い根の一部が地面から顔を出し歩きにくくなっていて、疲れ来た足に追い打ちをかけてくる。癒しが欲しい。彼女のおっぱいに一瞬でも触れられたら足の疲れ、いや、全身の疲れが吹き飛ぶに違いない。
こんなことを考えながら足を進めていると彼女が急に足を止め、素早く振り返った。その時揺れたおっぱいに僕は釘付けになってしまった。それと同時に彼女は僕に近づき、短剣を首に向ける。あと0.5㎝もあれば首に触れてしまう距離。そんな中彼女は口を開いた。
「おまえ、さっきから何故つけてきている。わたしに何か用か?」
彼女は怪訝な目で僕を睨む。
「さっき君がやっつけた獣がいただろ? そ、それに襲われてたんだ。 だからお礼を言いたくて…。」
「あー、あいつか。カイヴァスのことだろ? 」
と言いながら、剣を下した。
「たぶんそいつ」
「まぁ、わかった。ついてこい」
僕はそのまま彼女を追いかることにした。
彼女と会話をしている間、服の隙間から見える谷間を凝視していた僕は大分回復した気がした。
それに気が付かない彼女は天然なのではないかと勝手に妄想しながら、一歩足を出した。
歩き進めると、小さな小屋が建っていた。木造の1階建て。
彼女は扉を開け、「入れば」と声を掛ける。
「おじゃまします」
僕は土足のまま足を進める。一番奥の部屋から明かりが漏れていて、数人の声が聞こえる。彼女はその扉に手を掛けた。
僕は彼女に追いつこうと、少し歩くスピードを上げる。
彼女の近くまで来たところで、「カチッ」と音がし、僕の立っている床が開く。
彼女は振り向き、「罠の解除忘れてた…」と声を漏らすのもつかの間、僕は真っ逆さまに落ちていく…。
数秒後、地面に打ち付けられた身体はバラバラに散らばった――その瞬間、近くで女の子の悲鳴が聞こえた気がしたけど、気のせいだろう――。
だが、僕には不死身の能力がある。身体は再生し、元通りの体に戻った。
僕は周りを見渡した。僕の真後ろに、信じられないものを見るような目で僕を見る女の子が居た。銀髪ショートカットで、ホットパンツに、フレンチスリーブの服を着ている。腰には短剣を身につけている。胸は...A~Bかな?
「あなた誰ですか? 落ちてきてバラバラになったと思ったら、元気になってぴんぴんしてるし…」
さっきの悲鳴はこの子か。気のせいじゃなかったようだな。
「あ、まず自分から名乗らないといけませんね。私はミヤ。ある魔王盗伐グループのメンバーよ」
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