異世界転移したら女になって私の書いてる小説の世界でした～無敵チート以外のご都合主義がない大変な世界～

第一章～冒険者への旅立ち～

第48話～メイレーンの憂鬱～

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メイレーンとセレンに連れて来られた店は前に七海と二人で飛び込んだ串焼き屋だったよ
既にケンプファーとサイにジルも外の席に陣取っていたね
サイはジルの腕がない右肩に少し体を預けてるけど今日の話だと無意識なんだよね人の心って難しいね
ジルが私達を見つけたね
「彩美と七海も一緒だったのか」
”うん二人の訓練やってたから”
「そうか明日からルシファー様の頼み事で少し王都を離れるから出発前に二人に特訓をしたんだね」
ジルがうまくガイアに帰るのを誤魔化してくれてるね
（著者注：前回初期掲載時にバグがありましたので会話に？を感じる時は修正後の前話を確認願います）
”そうだよ”
「今日の師匠達は気合一杯だったので全身バキバキでお腹すいたよお」
メイレーンが席に着くとテーブルにうつ伏せる

セレンはケンプファーの横に座り寄り添い疲れを癒してるね
ジルがビールを注文してくれたのが届いたので
「「乾杯！」」
ふう～ビールが沁みるよ
逆の意味で全力より手加減は疲れるんだよね
全員揃ったので料理もテーブルに届き始めて毎度の爆食タイムだね
本当に見てるだけで満腹になる光景だよ
私は牛と豚に鶏の串を一本ずつで一息
盛り合わせで届くから部位は？だけど牛はヒレかな
豚は脂が凄かったから豚トロだと思うけど鶏はササミだったね
脂に少し負けそうな豚だったのでビールで脂を流すよ

その後は野菜串を何本かでサッパリだよ
ここは〆のラーメンが美味しかった覚えがあるので少し余力を残して私はご馳走様ですがぁ爆食の嵐は止まらない
七海さあガイアに帰ってる間もこのモードなのかな
美香も爆食系だから出勤前の外食とか恐ろしい光景に成らなければいいけどね
なんて考えていながら爆食を見守っていたら少し追加注文のペースも落ちて来たよ
でもさ・・・この光景ともたった数日だけど離れる見納めと思うと何か感慨深くていいよね

全ての皿が空になり飲みモードへ移行だね
「ふー食った食った」
ってケンプファーは満足モードだね
「いっぱい食べて魔力が戻ったぁ！さあ彩美さん！もう一戦！」
ってさあメイレーンねえココでは無理よ

適当な食後の雑談からジルとサイは二人で飲みに行き離脱しケンプファーとセレンも夜の街へ二人の世界を紡ぎに
「みんなラブラブでいいことだ」
残されたメイレーンが呟く
特訓での疲れもあり酒が廻ってヨッパな感じだよ
中学生くらいの幼さ残す顔に哀愁漂う女の表情
なんかギャップで余計に哀愁感が強くなってる
「さて私も・・・」
私達に気を使ってメイレーンも立ち去ろうとする
”〆のラーメン一緒に食べようよ”
「変な気を使わないの！」
流石だよ七海は直球だね

メイレーンが留まってくれたのでラーメンを頼んだよ
”ケンプファーやサイと違って私達は永遠の刻があるから・・・その・・・”
「正直・・・私も今晩は一人じゃ少し辛い気分だから・・・少し付き合ってもらおうかな」
「よろこんで」
さてラーメンが届いたよ
前回〆で食べたラーメンが忘れられなかったんだよね
濃い味が多いメネシスであっさりスープが美味しくて虜だよ
・・・あっさりなので一杯行けるかと思いましたが半分でギブアップして七海にお願いです

ラーメンを食べ終わりメイレーンの案内でゆっくり静かに飲めるバーに移動したよ
黒泉館近くのメインストリートから裏通りへ店内はガイアのオーセンティックバーとほとんど同じだね
ソファーのテーブル席に案内されたよ
遮音結界を張ってゆっくり飲もうね
ガイアのバーと違うのはウイスキーでも何でも大ジョッキで出て来るよ
三人揃って麦火酒だよ
「「乾杯」」
メイレーンが一息で一杯目を飲み干したよ
まあ七海と私も飲み干しちゃったから何も言えないけどね
すぐにお代わりが届いたよ

串焼き屋で少し目が座り始めたメイレーンだけど麦火酒の大ジョッキを一息で飲んで完全に目が座ってしまったよ
「あの人の死が私の可能性を開くことになるなんて」
凄く寂しそうなメイレーンの呟きに私は言葉を紡ぎだせない
「ミスリル鋼はさ普通の炉では温度が足りず溶けないんだ火魔法で温度を上げることが必要なんだよ」
ミスリル鋼は産出量が少なく希少な鉱石だけど加工して武具にすれば剣であれば金乃剣や銀乃剣と同等の切れ味と強度を持つ魔法剣以外では最強の剣になる
メイレーンの呟きは続いた
覚醒をしたメイレーンだが両親の畑仕事を手伝う生活で特に魔法を使う必要もなく鍛錬もせず過ごしていた
農具の修理に訪れた村々を渡り歩く移動鍛冶屋であった男と恋に落ち結婚をした
男は根無しの日々移動生活にも少し疲れて来ていたのと娘の流浪生活を心配するメイレーン両親もあり村に鍛冶屋を構えることを決め村に定住した

男の腕は良く農具の修理から徐々に仕事の幅を広げ武具の製造も始め作り出された武具の評判も良く評判が広がるにつれて遠方から買い求めにくる冒険者も増え生活も安定し始めた
評判を聞きつけた貴族がミスリル鋼を持込み剣の作成を依頼してきたが炉の温度不足で断ると貴族はメイレーンが協力すれば加工は出来ると男の断りを聞かずに「いつまでも完成を楽しみに待つ」とミスリル鋼を置いて帰る
魔法を全く使った事のなかったメイレーンだが男のためと鍛錬を始める
炉の温度を上げるのに使う魔法は火炎壁
ただ火炎壁を出せれば良い訳ではない炉の中へ長時間安定して出し続けなければならない
しかし小さい村には魔法師はおらず独学となり五年で火炎壁は使えるようになったが炉の中で安定させるのに更に五年を要した
その間にメイレーンは両親を生家の火事で失っていたが失意に負けず鍛錬を続けた結果だった
完成まで十年待った貴族だったが出来の素晴らしさに約束の数倍の報酬を支払ってくれた
貴族が出来上がった剣を貴族仲間に自慢をした事から他の貴族や噂を聞いた上級冒険者からも多くの依頼が入る様になり生活は安定しそろそろ子供でもとなった時にワイバーンの襲来でメイレーンは男を失った

話を終えると憑き物が落ちたようなスッキリした表情になりそのままテーブルに伏して寝落ちしてしまったよ
「これはどうするか」
”そうだね送るにも家の場所わからないしね”
頼んでいたお代わりが届いたので飲みながら考えるよ
時計を見ると早い時間の夕食だったのでまだ二十二時前だから時間は余裕あるね
「サイがジルとよい関係になり祝福する気持ちと一人残された寂しさ」
”だからと新しい相手と行けない亡き御主人への想い”
「パーティーの問題でもあるから私達が色々は言えないもどかしさだね」
杯を飲み干したので
”予定より少し早いけど”
「彩美が決めたならいいよ」

七海がメイレーンを御姫様抱っこで店を出て黒泉館の部屋に戻る
ベッドにメイレーン寝かせ七海と私はソファーで飲み直すことに
呼鈴を鳴らすとナタリーが来てくれた
白酒を頼むとベッドに横たわるメイレーンを見て少し驚いていたが着替えの寝着も準備すると部屋を出て行く
”まあ明日は十時だから大丈夫でしょう”
「私達は遅れても問題ないけど待ってる美香がプンプンになるから時間は守らないとね」
ナタリーが戻って来たよ
白酒とグラスをテーブルに並べると
「御客様のお着換えはどうしますか」
「かなり泥酔で起きないと思うからお願いしていいかな」
「では」
と泥酔で泥人形みたいなメイレーンを上手に動かしてあっという間に下着姿へすると手際よく寝着を着せる
”手際いいなあ”
「意識がない時の彩美様で慣れましたから」
あっそうだったね

ソファーで寄り添う七海と白酒を楽しみながらガイアに戻ってからの打ち合わせをしていたらそろそろ十二時だね
お風呂入ってソファーで今晩は寝ようかとか話していたら
「トイレ」
ってボソッとメイレーンが呟いたのでベッドを見ると怠そうに体を起こすメイレーン
目を開いた瞬間に
「ここ何処！？」
なんか懐かしい光景だよ
ソファーに座る私達を見付けたね
”私達の部屋だよトイレはそこの扉ね”
とトイレの扉を指さし教える

千鳥足でトイレに行き用を済ますと私達の所にやってきたよ
「まあ座って」
と向いのソファーへメイレーンを促す七海
ソファーに座ったメイレーンに七海が水差しからグラスに水を注ぎ渡す
一口飲んで落ち着いたメイレーン
「えっと私バーで酔いに任せて愚痴り寝落ちしてまでしか記憶が」
”七海が抱っこで部屋まで運んだよ”
「御二人の部屋と言う事は黒泉館ですよね」
”うん”
「この部屋に招待したからには色々話さないとだね」
”その前に風呂！埃まみれでそろそろ痒いよ”

呼鈴を鳴らしナタリーを呼んだよ
メイレーンの風呂上がり着替えと風呂場へ白酒をお願いしたら
「少し埃がありますのでベッドのシーツも交換しておきます」
”ありがとう”
「追加のベッド持ってきますか？」
”枕だけ追加でいいよ”
ナタリーが準備の為に一度部屋を出る

「枕の追加って？」
「今晩は三人で一緒に寝ようね」
「帰りますので私」
って真っすぐ立つのも難しい状態で千鳥ってるよ
”その状態じゃ危なくて帰せないよ”
揺れる視界で自覚したのか
「その・・・お世話になります」
素直でよろしい！

いつも通り服と下着を脱いでタバコ片手にテラスへ
七海と紫煙を巡らしてると一糸纏わぬ姿のメイレーンがやって来る
う～ん実年齢は別として見た目はロリ要素満載
細身の体に少しだけ膨らんだ胸とくびれ始めたばかりの少し幼児体型の腰回り
かなりの千鳥足で頑張って来たね

「それなんですか？」
”これも含めて色々と後で説明するね”
メイレーンを支えて風呂の東屋へ
「テラスにお風呂とか黒泉館にこんな部屋があるなんて聞いたことないです」
”私達のために作られた特別な部屋だからね”
まあ寒さも少し感じるので髪と体を洗い湯舟へ
私の右側が七海で左にメイレーンが浸かる

ナタリーが酒を持って来てくれたね
「メイレーンも少し飲む？」
「はい」
七海がグラスに白酒を注ぎ渡してくれたよ
「「乾杯」」
”どこから話すかな”
「まずはこれから話す事は信じられないかもしれないけど全て真実だから少し覚悟してね」
「はい」
ってえ！この気配は！毎度のタイミングで現れるよ
「私が話した方がよいかと思ってな」
毎度のクリスタルを溶かしたような気持ちよい声だよ
一糸纏わぬ眩し過ぎる姿のルシファーが掛湯をしてメイレーンの横へ
部屋にメイレーンが居たことをナタリーから聞いて私達が何をしようとしてるか察し来てくれたんだね

「ルシファー様！！」
って動揺が隠せないメイレーンだね
七海がグラスをルシファーに渡す
軽くグラスを掲げ一口飲むと話始めるルシファー
「二人はガイアから異世界転生して来た・・・」
そこからルシファーはこの世界が私の書いた物語が現実化した話をした
最初は驚いていたメイレーンだけどルシファーの口から語られたら信じる事しか出来なかったよ
ジルの時と同じでルシファーが来てくれたのはコレだったんだね
今回も私達が話して理解してもらう何分の一の時間で済んだよ

「私達は彩美さんの作った世界の住人」
哀しそうな顔で呟くメイレーン
”違うよ！物語は私の手を離れ独自の道を歩いてる私はメネシスを産み出す役割はしたけど今は同じ世界に生きる仲間だから”
「彩美の物語は世界の始まりだったが私達は今自分の意思で生きているのではないかメイレーンよ」
「そうですね確かに私は私の意思で生きている」
あっメイレーンの言葉の意味がわかったよ
”ごめん！もう私は創造主としての影響力は無くし皆んなと同じで世界の住人としてしか干渉はできない”
「ううん・・・私も・・・その・・・」
”気にしてないから大丈夫だよ”
私の作った世界の住人・・・メイレーンは世界の創造主なら刻を御主人が亡くなる前に巻き戻して死なないストーリーに書き直して欲しいと考えちゃったんだよね
「彩美の物語にはメイレーン達もジルも書かれてないんだよ」
”でも皆んなに出会え私は本当に嬉しいよ”
我慢出来なかったんだねメイレーンは御主人が亡くなるストーリーを私が書いた可能性を考えてるかもと感じた七海は
「そうですよね世界に存在する全ての人と出来事を書いていたとしたら人間業じゃないですもんね」
やっとメイレーンが笑顔に戻ってくれたよ

「すこし気分転換の話をするか」
まてルシファーは絶対にその話はマストなのか！？
「ネシスに始めて転移してきた時は男だった彩美の話とか」
”また今回もですか・・・”
「えっ彩美さんが男だった！？」
「見た目は今と同じで美人であったが体は男だったよ」
ジルの時と同じで深刻な話をする前のリラックスタイムとしてはいい話題選びだけどなんか本当に恥ずかしいよ
七海は真赤な顔になる私にもたれ掛かかり恥ずかしさでバクバクする鼓動を感じて楽しんでるし
「御二人はガイアでは男女の御夫婦だったんですか」
「そうだよ」
「彩美さんが女性になって・・・その・・・」
やっぱし誰もがそこは気になるんだね
異性婚と同性婚が半々のメネシスでもバイの人は少ないからね
「だって私の願いで女体化しちゃったんだもん」
またもルシファーが覚醒時の経緯を説明してくれたよ恥ずかしいなあ
「同性が好きな私が出会った奇跡の男が彩美だったよ女体化して完璧になり最高だよ」

「さて夜も更けて来たので本題に入るかな」
私達の無敵チートの話をした
そしてなぜ冒険者を始めたかについてだよ
ダブネスの話にメイレーンは真っ青な顔になってたよ
「でも何でこんな秘密を私に話してくれるのですか？」
メイレーンの疑問は当たり前だよね
”私達が全てを終え表舞台を去った後に世界を任すことになる一人だから”
「えっ？」
「種が芽吹きダブネスとの戦いでも貴重な戦力となり”この世界の人”として世界を支える一人になる可能性を彩美はメイレーンに感じたでいいのか」
”そう私達は異世界の人で過度の世界へ干渉することは世界を破綻させる”
酒を一口飲み落ち着くよ
”この世界を魔の手から救い次世代に繋ぐのはメイレーン達じゃなきゃ駄目なんだ”
「私はどうすればいいの」
”今は鍛錬を重ね来る日に備えて欲しい”
「まだ理解出来ないことが多いけど鍛錬は続けるよ付き合ってくれるよね」
”当たり前だよ”

「では私は自室へ戻らさせてもらう」
”ありがとうルシファー”
ルシファーは軽く手を上げバスタオルを持ち部屋に戻って行く
酔いと興奮に温泉が加わりメイレーンが真っ赤になってるよ
そろそろ私達も上がろうね
グラスに残っていた酒を飲み干し体を拭いて部屋へ
完全千鳥足で立つのも厳しいメイレーンを御姫様抱っこでソファーへ七海が運んだよ
お風呂に入ってる間にナタリーがキンキンに冷えた米酒と水を用意してくれていたよ
「お水飲む？」
「頂きます」
グラスに注がれた冷たい水を飲むと体の赤味が引いていくメイレーン
「お酒も頂いていいですか少し興奮し過ぎて寝れそうにないので」
七海がグラスに酒を注ぎ手渡してくれる
私も受取りグラスを一息で飲み干す
キンキンに冷えた米酒が火照った体に気持ちいいよ

”今日の話は・・・”
「はい絶対に話さないし勘付くかれない様にします」
”ありがとう・・・まだ少し多くの人が知るには早すぎるから”
そこからは日常の話とかしながら米酒を楽しみメイレーンの興奮が落ち着くのを待つよ
「寂しい時とか一人で辛い時は私達に頼ってねメイレーン」
”今更だけど私達は階級とか関係なくメイレーンと友達として付き合いたいからさ”
「はい」

メイレーンの興奮も収まりベッドへ
私を中心に河の字で寝る事になったよ
最初は少し離れて寝てたメイレーンだけどだったけど寝落ちすると自然と私に抱き着いてきたよ
人恋しかったんだね
ふと将来だけど七海との間に娘が産まれ添い寝したらこんな感じなのかと考えたりしてたら二人の温もりでいつの間にか眠気が限界で・・・意識が・・・闇に落ちて行く・・・

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