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~序章~

第24話~七海の目覚め~

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七海との逢瀬から十日が経過して次の逢瀬が最後でガイアに戻れるはず
逢瀬も待ち遠しいしガイアに戻れるのはもっとうれしい
でもぉ!その前にぃ!アレが来る!
アレの痛みとかはポーションで乗りる術は慣れてきたよお
でも今回はナタリープレゼンツなイベントなんだよ

因果応報って言えるレベルじゃない苦しみをナタリーには与えてしまう設定をしたので何かを言える権利は私にはないけど
ナタリーは書いた小説が現実になるなんて普通は無い事だから気にしないでと言ってくれてるが女になってからよくわかる
愛してない人に体を蹂躙される苦しみがどれほどのものか・・・それも何十人もに・・・何十年も・・・
それも今回は罰でなくメネシスで私が生きて行くために必要な事を善意から教えてくれるのだから

あと数日で覚悟を決めないと
憧れた女性の体での生活がこんなに大変だったとはね
しかし中世時代に転移して女体化した主人公たちはどうやって乗りっ来てるのだろうね
転生なら転生前の記憶を取り戻すまでは何も知らない女で生きてきたのだから自然に乗り切ってるのだろうけど
意識を取り戻したらいきなり年頃女性になってた場合は・・・
とか現実逃避
普通は小説の中だから以下省略精神で省けるしね
まさか小説が現実で自分の身におきるとは想像もしてなかったよ

とりあえず現実逃避で魔法の練習でもするかな
車椅子に移動をしようとベッドから立ち上がる
車椅子に身を移し替える時間程度であれば部位強化魔法を使わなくても出来るまで回復してくれたのはうれしいな
あれ!?
いつもより安定して立ててるよ
試しに足を踏み出しても支えられる
一歩・・・二歩・・・三歩・・・あっ限界
脚部強化で支え車椅子を呼び寄せるまでの時間を稼ぐ車椅子が倒れれば座る形になる場所に来たよ
強化を開放して車椅子に倒れる様に座る

歩けたよ久々に自分の脚で魔法の力を使わずに
思わず涙が頬を伝う
数歩だけど歩くってことがこんなに気持ちよかったなんて
そして確実に回復してるよ速度も上がって来てる
この調子で回復してくれれば予定日には確実に帰れそうだけどね
気になるのは無敵チート以外の御都合主義恩恵ないから大丈夫かな
異世界物って御都合主義ないと乗り越えられないトラブルはストーリーの見せ場に定番だからね

魔法の練習をしようかと思ったけど今日はノンビリするかなあ
呼鈴を鳴らす
ベッドに戻って待つとナタリーがやってきた
「どうかされました?」
”歩けたの数歩だけど魔法を使わずに”
「おめでとうございます」
”でね祝杯飲みたくて赤ワインをお願い出来るかなグラスは二つ持って来てね”
「ルシファー様も御一緒に御呼びですね」
”違うの今日はナタリーと飲みたい”
「私とですか?」
”駄目かな・・・”
「喜んで」

しばらく待つと赤ワインのボトルとグラスにポテチを持ってナタリーが戻って来た
「ポテトチップスをお教え頂いてから私もナターシャも虜なんです」
ナタリーがワインをグラスに注ぎ渡してくれる
「「乾杯」」
今日も重めで私好みのワインだね
ポテチを食べると!!
”えっ塩じゃなくてコンソメ!”
「コンソメ?ですか」
”あっスパイス味で美味しい”
「塩も美味しかったのですが少しアレンジして香辛料を粉してみたら美味しかったのでお持ちしてみました」
”うん美味しいよ!塩はシンプルで大好きだけど飽きちゃう時もあるので味変でスパイスも楽しいね!”
「今後も色々と試してみますねポテトチップスは色々奥が深そうで楽しいですね」
”それは楽しみだよ”

「でも突然どうされたのですか私と飲みたいとは?」
”許してくれたけど やっぱし伝えなきゃダメなの”
「まだ気にされていたのですか?」
”女になって感じれた愛してない人に体を蹂躙される苦しみがどれほどのものか”
「そんな事を言っていたら世の中から多くの物語が消えてしまいますよ」
”でもナタリーは物語でなく現実に”
「釈迦問答ですが”あの時点”では物語でした今は現実でも苦しみより命を頂けたことが幸せです彩美様がナタリーという存在を物語に書いていなければ私は存在すらしなかったのですから」
”でもでも”
「存在がなかったら苦しむことも喜ぶことも出来ません今の私は苦しみより喜びが心を満たしております」

”王妃の座を失っても?”
「正直言っていいですか!あのマザコンでコミュ障で優柔不断で国の守りを捨てれば盗賊来るの当然でを分からず政略結婚で無理やりで夜技は下手で短小包茎早漏のドケチで金を溜め込むだけが生き甲斐で金の溜まって行く宝物庫を見るだけが趣味!私のなかで一つだけナターシャを授けてくれただけしか功績のないチビメガネ猿!あんなのと永遠の刻を過ごすなら蹂躙される数十年なんて対価としては安い物!今の幸せを手に入れるためなら!」
肩で息をしながら早口で捲くしたてるナタリーってルシファーもそうだけどキャラが私的に設定からうれしい崩壊をしてるよ感情をこんなに見せてくれるなんて
”その設定にない色々な事情が赤裸々に”
「だから彩美様には気に負わないで欲しいのです物語が現実になった瞬間に設定にない部分が間埋されて現実になるのですから」
”ここも御都合主義はない厳しい世界なんだね”
「でも今は幸せですナターシャと一緒に安寧の地を得て父だったはずが母になった方のお世話出来て命を頂いた恩に報え例え創造主がどう思っても命を得てしまったら幸せかどうか決めるのは私です”
なんか少し毒づくフレーズが感動的な時に交じるのは創造主の性格が悪いからなのか素直に母にしといてよ

”ナタリー我満だけど今日はこのままもう少し飲んで酔い潰れてナタリーの膝枕で寝たい”
・・・・・
”呆れてもいいよ私は物語の始点にいるルシファーはちょっと色々別枠として主人公まどかより一番愛して考えて構成をしたキャラがナタリーだった今の幸せを際立たせる為には過去の悲劇をと・・・”
「苦しみは作成されたキャラ特権で分かっておりますので苦痛な言葉を紡がなくても大丈夫です彩美様を膝枕寝かし付けるとか楽しみですね」
”ごめんね七海の代替・・・”
「それも承知してでもうれしいですよ でも彩美様を酔い潰すのにはあと何本お付き合いをすればいいのか私が持ちますかね」

やっぱ美香と二人で寝坊してギリギリ回診直前に準備完了
私は七海の手を頬に抱いたまま寝落ちしていたね
昨日の稽古と無理な体勢で寝てしまい腰がやばいよ
回診は医院長が担当で熱の確認と呼吸とか心音に異常がないかをチェックして看護師が採血しての数分で終了
「体温は平熱に戻りましたし鎮静剤も昨晩からいれてませんが呼吸も心音も安定しておりますので近々に目を覚まされるかと」
”よかったあ”
「かなりの高熱でしたので脳障害が気になり昨日の回診でした脳波検査の結果が出まして問題ない状態でしたのでご安心ください」
”ありがとうございます”

回診が終わり昨晩に買ったサンドイッチで美香と朝ごはん
「よかたったね彩美ちゃん」
”うん”
朝御飯のあとは腰が無理すぎて簡易ベッドで美香にマッサージしてもらったよ
その後は部屋のテレビがオンデマンドに対応してたので美香も私も大好きな異世界転生ものアニメを見たりで七海が目覚めるのを待つ
そろそろお昼ご飯をどうするかだね
「お昼はデリバリーで済ましちゃおうよ感動の目覚めが一人じゃねーさん寂しいと思うし」
”そうだね!じゃあお店は美香ちゃんが決めて”
ファイルに綴じられている色々な店のメニューをみて悩みだす美香

ふと七海の枕元に来てしまった
顔居色は完全に普通に戻ってる少しだけコケてしまった頬は七海が頑張った証だね
もうすぐ七海と逢えると思うと涙腺がうれしくて緩んじゃった
あっ涙が・・・
こぼれた涙が七海の唇に・・・

ペロリ!!
今ぁ舌出たよね
私の涙を舐めとったよね

「乙女の・・・彩美の・・・雫は最上の味だな」
搾り出すような声
”七海ぃ~!”
七海の唇に唇を度重ねる
リップクリームで完全ではないけどなめらになった唇の感覚
七海の舌が歯の隙間を広げ入って来る
いつものツルツルじゃないガサガサな舌
気になんかならないよ
・・・「大丈夫だから七海は数日で熱も下がり回復する」
頭内に蘇る声
今はいいの七海が帰って来てくれたそれだけで
七海と・・・七海と・・・口内に感じる七海の舌の感覚に駄目意識が白く染まる

「ねーさんマジで心配してたよ」
「すまない疲れが溜まっていたのかな」
「先生を呼んだから」
「早く退院したいが意識ははっきりしてきたが体がほとんど動かないな困った」
遠くに聞こえる七海と美香の声

枕を背中にいれ上半身を起こした七海の太腿の上に私の上半身は預けられている感覚であってるのかな
「おっ彩美が帰ってきたかな」
耳の奥に七海の声が聞こえるよ
”おかえり七海”
「待たせたな彩美・・・ただいま」

コンコン
「狩野です失礼いたします」
「狩野さんお手数をおかけしてすいません」
「ママの意識が戻って本当によかったです医学者として言うのは反則ですが彩美さんの愛の力ですね」
えっ
「感じていたよ」
えっだから何を
「彩美さんが面会に来た時のデータを見ると呼吸も心拍も不在の時に比べて非常に安定してたんです」
「何がなんだか分からない闇に意識はいて不安感が凄かったが時折すごく安心感を感じる時間があった」

「明確なデータはありませんが事例として時々見れる人体の不思議ですね」
「しかし体がほとんど動かせないのが困った」
「では診察をさせて頂きます」
狩野の視線が私に
「彩美は気にしなくいい毎晩普通に見せてるから」
「分かりました」
なんの事?と思ったら看護婦が七海のパジャマを脱がして上半身が露わになる
そうか普通ならカーテンで仕切って男性の目に見えないようにするよね

聴診器を当てたり腕を持ち上げたりして状態を確認している
次は七海に腕を上げてみるように指示して筋肉の動きをチェックしたりしてる
数分の検査後にパジャマが着せられる

「筋肉を動かす神経からの指示は伝わっているみたいですが高熱で筋細胞が硬直してた後遺症で動きが悪い状態です」
「どれくらいで回復するかな」
「激しい運動とかまで完全にはしばらくかかると思いますが数日で日常生活までは回復するかと」
”よかったあ”
「リハビリ担当を付けますが彩美さんはマッサージとか関節を動かす手伝いをして固まった筋肉を柔らかくするお手伝いをお願いできれば」
”はい!よろこんで!”
七海が狩野に小声で何か相談してる
「彩美!私を抱っこして運べるよね?」
”任せて!”
「本来は歩けるように成るまでですが分かりました」

「数分ですが少し処置をしますのでソファーでお待ちください」
カーテンが閉じられ処置が始まる
「ううう・・・痛ぁ」
「あと少しですので」
看護師がカーテンを開ける
点滴とかセンサーも全て外れて自由身にになった七海
「無理をすまぬ違和感が耐えられなくて」
「念の為に尿瓶を後程お持ちいたします」
「ありがとう」

看護師が処置に使った道具とか点滴とか色々を纏めて持ち狩野と部屋を出る
”何をしたの?”
「お漏らししないように本当はもう少し尿道に管を入れられてないといけないけど違和感が凄すぎてで無理を言って外してもらったの」
”じゃあ七海がトイレに行きたくなったら私が抱っこでトイレにだね”
「お願いね」
”よろこんで!”

「もうお昼か私を気にせずに食べてね」
”七海は?”
「いきなり普通の食事をすると胃が負けるからしばらくは病院食で胃にやさしいのが出るから」
「ごめん!ねーさん空腹耐えられないからお言葉に甘えるね」
「気にしないで美香」

美香が選んだ店は西口の老舗高級ホテルに入ってる鉄板焼き屋
このメニュー価格書かれてないから気軽に選べるけど価格書かれてたら美香はコンビニ行ってきます!とかなりそうなんだよね
「ステーキ丼を大盛で!」
”じゃあ私はステーキ丼並みでかな”
美香が内線で注文をしに行く

七海のベッドサイド横の椅子に座る
七海の腕をとりゆっくり肘を曲げ伸ばしをしてみる
確かに筋肉がパンパンに張ってカチコチになってるよ
少し七海の顔が苦痛に歪む
”あっ”
「大丈夫だよ耐えれる範囲だ続けてお願い」
十数回続けると少し筋肉が柔らかくなってきたので一旦ここまでだね

柔道部の練習に参加させてもらった時に柔軟体操とか足が吊った時の対応等を色々教わったのが役に立ちそうだね
逆の腕も十数回同じことをして
”どうかな?”
七海が力を入れると数センチだけどピクピク肘が動く
「おっ力が入るのはわかるよ」
次は両膝を同じように曲げ伸ばしして今回は終了
”リハビリの先生が来てきちんと確認しないとだけど強烈な筋肉痛の時と同じ筋肉状態と思うからストレッチとかで少しずつ戻ると思うよ”
「おっ柔道の経験からだな」
”うん”

七海のお昼が届いたよ
重湯にペースト状にされたかぼちゃに具のない味噌汁
状態を見ながら少しずつ固形物になって行くとの説明だったけど初回は完全に流動食状態だね
七海の食べたい順番でスプーンで一口ずつ口元に運ぶよ
数日振りの食事で嚥下の感覚を思い出すまでぎこちなく時間がかかったけど半ば位からは普通に飲みこめるようになり十分位で完食
「目はもっと色々食べたいけど今の胃はこのあたりが限界なんだな」
”順調なら明日の夜には普通食になるって”
「ゆっくり胃腸を慣らすしかだね」

七海がタバコを吸いたいってなったので御姫様抱っこでソファーまで運ぶ
記憶にあるいつもの七海よりかなり軽いよ
普段から余計な脂肪や肉がない絞られた綺麗な体型だけに心配になるよ
ソファーに美香もやって来る
私が軽く吸って火を着けたタバコを七海が加え深く吸い込む
久々の紫煙を肺にしばらく溜て吐き出す
「煙が体に染みて気持ちいいな」
美香もタバコに火を着け吸い始める
私は七海と交代で一本の煙草を吸う
「てかぁねーさんタバコいいの?」
「ダメって言われてないしね」
・・・そういう事ではない気がするけど

”体制つらくないならソファーにしばらく居る?”
「うん」
美香が冷蔵庫からペットボトルの緑茶を持って来てくれる
ペットボトルを抜栓して七海の口元に持って行こうとすると何故かキスを待つ口元に
いやそれじゃ飲み口を口元に当てられないよ
って意図はわかったけど美香が見てるし
「お気にせずにどうぞ!」
まったく察しのいい子はの毎度だよ

緑茶を口に含み七海の唇に唇を重ね口内の緑茶を流し込む
ごくんって七海の喉仏が上下する
「極上だね」
「御馳走さまでーす」
二口目は普通に飲んでくれてよかったよ
そりゃキスはうれしいけどさ

ステーキ丼が届いたけど三個!?
「大盛までしか出来なかったので相談したら大盛二個になってしまって」
二個の丼を目の前に真赤になる美香の顔がかわいいよ
「まあ快調の私なら私もそうなりそうだね」
ステーキ丼はステーキの焼き加減も絶妙で少し上品だけど甘辛いタレが食欲をそそり美味しい
タレに浸り柔らかくなってるご飯をほんの少しだけど七海の口に運ぶ
何回もよく噛んで飲み込む七海
「ありがとう・・・もう一口いいかな」
もう一口運ぶ
「早く回復して焼肉行きたくなった頑張るよ」
”うん”
ほらね焼肉だったでしょ退院したら最初に食べたい七海の外食は
「でもその前に彩美の料理が食べたいよ」
”まかせて!腕によりをかけるよ”
「たのしみだよ」
「彩美ちゃんの料理おいしいもんね」
”美香ちゃんも一緒に食べようね”
「うん楽しみ!」

食事が終わると
「彩美頼む」
”ほい”
七海を御姫様抱っこでトイレに行き便座に座らせる
パジャマはワンピースタイプなので裾をたくし上げる
「・・・ごめんパンツ降ろせない」
万が一に備えたパンツタイプのオムツを足首まで下す
ドアを閉め出ようとしたら
「今更でしょ」
そうなんだけど罪悪感があるのはなんでだろう
チョロチョロとしばらく音が続く
「ごめん拭いてもらっていいかな」
”ビデとかしなくて大丈夫?”
知ってる知識を総動員
「位置の調整出来ないからやめておくよ」

トイレットペーパーを丸めて拭こうとしたら
「まって将来性転換したら必要な知識ね小の時はペーパーを押し付けるようにして動かさないで大の時は前から後ろで絶対に後ろから前は駄目だよ」
”なんで?”
「穴に雑菌入って感染症とかになっちゃう可能性あるからね」
そうなんだ
女性のオシッコ出る位置は分かってるので丸めたトイレットペーパーをそこの周辺と両側の丘に押し付ける様に残雫を吸収させて乾かす
「そんな感じでオーケーだよ」
パンツを上げてトイレを流し御姫様抱っこでトイレを出るとリハビリの先生が来ていたのでベッドに七海を戻す

診察とリハビリが始まる
さっき私がやったみたいに肘と膝を何回か曲げ伸ばしする
次に股関節は太腿を上に持ち上げて膝を曲げて正座状態に
肩は左右に痛みの限界ギリギリまで頭の方まで広げる
少し苦痛に歪む七海の顔
「あれ?少しだけど肘と膝が別ヶ所より柔らかいな」
「さっき彩美が肘と膝は同じことをしてくれた」
「彩美さんはリハビリの知識が?」
”いえ時々教わってる柔道ですこしだけ筋肉と筋について学んでいたので”
「じゃあ柔軟運動とかストレッチも出来る?」
”準備運動とかでやってる感じなら”

「じゃあ本人が軽い痛みの範囲で肩肘に股関節と膝足首を無理のない範囲で曲げ伸ばしをお願いしていいかな」
”はい”
「筋肉が張って硬直してるだけなので関節周辺の筋肉がほぐれれば動けるようになるから」
”頻度と回数は?”
「軽い痛みを越えなければ一緒に張ってる筋のダメージもないから二人が無理ない範囲で時間がある時に回数は体力的に無理がない範囲で彩美さんが過労で動けなくなると元も子もないからね」
”わかりました”
「基本は朝と夕方に来るけど時間がある時は立ち寄るので分からない事が出たら内線でリハビリ部に連絡をしてください」
”はい!よろしくお願いをいたします”

夕食まで一時間毎に十数回くらい指示された関節を曲げ伸ばししたり暇を見ては手足の筋肉をマッサージ続ける
美香が手伝う!ってでやり方を教えて手伝ってもらう
数回目の曲げ伸ばし後に
「かなり関節が柔らかくなった気がするよ」
と少しだけ自力で曲げ伸ばし出来る様になった七海だったよ
麻痺とかのリハビリではなく筋肉と筋の緊張を解く感じなので効果が表れやすくてよかったよ
自力で少し動くようになると七海も動く範囲で自分で曲げ伸ばしをやってるね

夕食前にリハビリの先生が来てチェックをする
「だいぶ関節が柔らかくなったね」
こんなに効果が早いとはと驚くリハビリの先生
「無理は禁物だけどこの調子なら二~三日で日常の範囲なら動けるようになりそうだね」
後日に知る事になるけど覚醒した七海は回復力も上がっていたので常人よりはるかに速い速度で回復してたんだね
私も覚醒で回復力は当然上がっていたけど女体化で恐ろしい量のダメージを受けていたので長期間を必要としたけどね

七海の夕ご飯は七分粥に柔らかく煮たカボチャと煮込んで具材が柔らかくなってる野菜スープだね
昼ご飯に比べると「食事」って感じになってきたね
七海も「昼に比べればずいぶん人らしい食事になってきた」と喜んでたね
美香と私はマリッジリングを作ったデパートに入ってる有名中華の特製弁当にしたよ
当然三個届いたけどね
名物のフカヒレ煮も入っていて豪華だったよ
フカヒレは歯を使わなくても食べれるレベルで柔らかく煮てあるので七海も少し食べれたよ

食後に狩野が様子を見に来てくれた
「かなり順調に驚く速度で回復していていますね」
自分でペットボトルのお茶を飲む七海の姿を見て驚愕してるよ
「大声では言えませんが病気ではないので軽い飲酒もいいですよ」
おいおい何か異世界にいるような感覚になる会話だよ
「あと明日の朝御飯で胃腸に無理を感じなければお昼は好きな物をデリバリーで頼んで大丈夫です」
「本当に!!」
七海の目がキラキラだよ
「発熱の原因は不明ですが現状は病気でなく体調の回復ですから無理がなければ日常の生活を送ってください」

狩野が部屋を出ると既に目がキラキラの七海
まだ歩くのは無理なんで御姫様抱っこでソファーに座らせる
阿吽で美香が缶ビールを持って来る
「ねーさんコレ飲んで大丈夫そうならジャックにしよう」
「「かんぱーい」」
「くわぁ生き返る!」
これも後日知るけど洒落にならない一言なんだよね覚醒発動で一回死んでるしね
久々に七海の笑顔をいっぱい見れて幸せだよ
既に手に缶を持った状態なら自分で飲めるまで回復してるよ
缶を持つ逆の手に火を着けたタバコを渡す
一息吸い紫煙を巡らす
「う~ん最高じゃ!」
残っていたビールを一気に飲み干す
「ジャック!ジャック!」
もうこれは宴会です間違いなく宴会です

ミニキッチンに常備されているおつまみをガサゴソ
おでんの缶詰があったので皿に移し替えレンチンしてテーブルへ
大根なら小さめにすれば食べれるかな
箸で一口サイズの半分くらいにして七海の口へ運ぶ
「う~ん美味しい」
まだ病み上がりなので三人でジャック一本で我慢して就寝
少し狭いけど七海が添い寝を望んだので七海のベッドで一緒に寝たよ
美香は毎度の「ごちそうさま」って添い寝を甘えて願う七海をうれしそうに優しい目で見ていたね

ベッドに入ると七海が抱き着いてくる
記憶にある体より線が細くなってる
腰に手を回すとアバラ骨の浮き出た感覚が七海が細いといっても健康的で綺麗な範囲でアバラ骨が浮き上がるほどじゃない
頑張ったんだね辛かったね
嗚咽はが抑えられたけど涙は抑えられなかった

まだ少し荒れが残ってるけど十分に心地よい感覚の唇が目尻に当てられ涙が吸われる感覚
から唇に唇が重ねられ自然に舌が入って来て私の舌に絡まる
先ほどと違い滑らかな感触を取り戻していた
七海が私を抱く腕に力を入れて強く引き寄せる胸にあたる豊かな七海の胸の感触を通して七海の鼓動を感じる
七海の温かさと舌にから伝わる感覚が快感に変わり全身に広がる
脳の奥が白く弾け全身の力が抜けて行く・・・意識が闇に落ちて行く
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