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第262話 名探偵クマちゃん。鮮やかな解決。「クマちゃ……」
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お縄ちゃんになり、地下牢で反省文を書こうと思っていたクマちゃんだったが、マスターに『待て!』と止められてしまった。
仲良しのリオちゃんに抱えられているクマちゃんは、真剣な表情で話すマスターのお話を、真剣な表情で聞いている。
◇
もこもこと一緒に散歩をしようと外に出てきた彼らは、
「お前の大事な……が……を掛けられていた――」
「伏せすぎて何言ってんのか分かんないんだけど」
事件について話しているマスターとリオ、彼らを見上げ――ふんふん、ふんふん、キュオ、キュオ「クマちゃ……」――と会話に参加しているつもりらしいもこもこを目撃した。
「とても愛らしいね」
ウィルがふっと笑みを零し独り言のように呟くと、
「ああ」
すぐに色気のある声が返ってくる。
「――――」
愛くるし過ぎるもこもこを見てしまったクライヴが息を詰め、自身の服の胸元をぐっと掴む。
男は恐ろしい顔のまま、もふっと膨らみもこもこもこもこと動いているクマちゃんの神秘的なお口を凝視している。
ルークはすたすたと彼らに近付き、リオから最愛のもこもこを奪った。
「あ、俺のクマちゃん……」
「あ~、だからお前の大事な……が……す……を――」
「マスター。言いたくない気持ちは分かるけれど、それでは彼には伝わらないのではない?」
大好きな彼の腕に戻ったもこもこがキュ! と嬉しそうに湿ったお鼻を鳴らす。
もこもこはふんふん、ふんふん、と興奮したように頷き「クマちゃ、クマちゃ――」と愛らしい声でルークに伝えた。
『クマちゃ、めいちゃんていちゃん――』
その難解ちゃんな事件は名探偵クマちゃんが華麗に解決ちゃんいたします――、という意味のようだ。
「そっかぁ。『めいちゃんてい』すごいねぇ」
新米ママは外したサングラスをふわふわの布で拭きつつ雑に答えた。
高位で高貴なお兄さんはゆったりと瞬きをして、彼へ視線を向けている。
闇色の球体に気付いたリオはスッと丸い眼鏡を折りたたみ、道具入れに引っ掛けた。
「マスター事件ってなに? さっき何言ってるか全然わかんなかったんだけど」
リオがかすれ気味の声で尋ねる。
ずっともこもこと村にいたが、特に問題は起こっていない。
可愛いクマちゃんのお絵描きを見守ったり、苦手な裁縫でクッションを繋げたり、柱の裏に隠れたり、店を作ったり、可愛いクマちゃんの踊りを見守ったりしていただけだ。
スイカのような猫のような何かは増えたが、事件というほどではない。
「…………」
マスターは嫌そうな顔で黙った。
ふわふわの布をマントのように肩に掛けた名探偵が愛らしい声で答える。
――ルークにお願いしてやってもらったらしい。
「クマちゃ、クマちゃ――」
『これちゃん、解決ちゃん――』
この棒がついた丸いふわふわさえあれば、どんな事件も解決ちゃんいたします――、という意味のようだ。
もこもこは『これちゃん』――とお魚の形の鞄から、持ち手が付いたフワフワの玉を取り出した。
「とても可愛らしいね」
「ああ」
「――――」
「そうか。それは凄いな」
「それ猫とかが遊ぶやつでしょ」
猫のようなお手々が持つ綿毛のような何かに、それぞれが感想を述べる。
ルークに抱えられたもこもこ名探偵は深く頷き、ミィミィと鳴く子猫のような声で彼らに告げた。
「クマちゃ、クマちゃ……」
『これちゃん、犯人ちゃん……』
この素晴らしい棒で事件に関連する何かをふわふわすると、事件の犯人ちゃんが浮かび上がるのです……、という意味のようだ。
「あ~。それはなんというか、国が欲しがりそうな魔道具だな」
「赤ちゃんの物を奪う愚か者はいないと思うけれど、一応外では使わない方がいいかもしれないね」
「そんな馬鹿いねぇだろ」
「リーダーそれ『消す』って意味じゃないよね。……でもクマちゃんがふわふわの棒持ってフワフワしてるときに『それを寄越せ――』とかいう奴いたらびっくりして思わずなんかしちゃうかも」
「――――」
綿毛は見た目よりも高性能らしい。
驚いた彼らが想像上の悪人を退場させたり冷気を発したりしていると、もこもこがキュ! と気合を入れるように湿ったお鼻を鳴らし、愛らしい声を出した。
「クマちゃ、クマちゃ――」
『クマちゃ、使うちゃん――』
では名探偵クマちゃんを噂の事件現場へ連れて行ってくだちゃい。早速使ってみましょう――、という意味のようだ。
名探偵は綿毛を持っていないほうの肉球をペロ――と格好良くひとなめしている。
「クマちゃん『連れて行ってくだちゃい』とか可愛いこと言っても駄目だから。危ないとこ行かないでお店の周りで遊ぼ」
「あ~。そうだな、この村に危険はないと思うが……。事件に関係があるなら『物』でもいいんだったか?」
名探偵は現場での活動を自粛するようお願いされ、重々しく「クマちゃ……」と頷いた。
◇
『ちょっと待ってろ』と言ったマスターが店内から持ってきたのは紙袋だった。
「なにそれ。外から持ってきたやつ?」
吞気な村長が紙袋を見ながら尋ねる。
彼は村の物ではないそれから目を離し、可愛いもこもこ探偵に視線を移した。
もこもこはふわふわの綿毛でルークにフワフワされ「クマちゃ、クマちゃ……」とお目目を閉じている。
仰向けで抱えられ、お手々を胸元でちょこんと折り曲げ、お昼寝中の子猫の格好をした名探偵。
事件は夢のなかで解決する。
「『めいちゃんてい』寝ちゃってんじゃん。店もどろ」
寝るクマは寝かせたままにしておきたい村長。
彼が非情な決断を下した瞬間――。
パチもこ! とお目目とお口を開けた名探偵が「クマちゃ!!」と愛らしい声を上げた。
「クマちゃんその起き方体に良くないと思う」
『クマちゃー』と産声を上げてしまった名探偵。忠告するリオ。
もこもこは何事もなかったかのように「クマちゃ、クマちゃ……」と話し出した。
『ではちゃ、それちゃ……』
では名探偵クマちゃんが魔道具でそれちゃんをフワフワしてみます……、という意味のようだ。
――ク……ちゃん俺の……聞いて……いでしょ――。
かすれ声が響くなか、名探偵が捜査をするための舞台に氷のような助手の手でふわふわの布が敷かれた。
もこふわ――。
両手の肉球で綿毛を掴み、赤ちゃん頭巾とふわふわマントを身につけた名探偵が、布の上にそっと降ろされる。
「あ~。そうだな……。じゃあこれを……」
難しい顔をしたマスターは『事件に関連する物が入った紙袋』の中から水色の布を取り出した。
――おく……みじゃ……――。
かすれ声と共に、もこもこ名探偵の肉球捜査が始まった。
◇
名探偵がふんふん、ふんふん、ふんふん、と優れた嗅覚で何かを感じ取る。
――いや魔……具……使えば……じゃん――。
名探偵はハッとしたようにお目目を開いた。
「クマちゃ……!」
『石鹼ちゃ……!』
第一の証拠品は石鹼の香りのようだ。
捜査は順調である。
「ん? そういえばさっき風呂場で石鹼を触ったな……」
発覚する衝撃の事実。
証拠品と渋い声の男の手が、同じ香りで繋がってしまった。
「クマちゃ……」
『まちゅた……』
名探偵のお手々が震えている。
いつも優しいまちゅたーが、水色の布事件の犯人なのだろうか。
――……や魔道具…………ゃ……――。
もこもこした名探偵はキュ、と湿ったお鼻を鳴らし肉球の震えを止めると、綿毛のような魔道具を怪しい布へと近付けた。
こうなったらクマちゃんが『犯人はまちゅたーではない』という証拠を見つけるしかない。
早く事件を解決しなければ――。
怪しい布と同色同素材のマントが、風でふわりと揺れる。
猫のような肉球がキュム、と握るふわふわな綿毛が布に触れた瞬間。
魔道具がキラキラと輝き、宙にぼんやりと小さくて白い何かが浮かび上がってきた。
緊張した名探偵のお口から、小さな呟きが漏れる。
「クマちゃ……」
『真犯人ちゃん……』
おそらく、これが真犯人ちゃんです……、という意味のようだ。
――いやどうみてもクマちゃんでしょ――。
ぼやけていた白い何かの形が定まってゆく。
少しずつ明らかになる正体。
だんだんはっきりしてくる頭上の耳。
空中でくっきりしてしまった真犯人は、白くてもこもこしていた。
捜査線上を飛び越え、宙に浮かんでしまったクマちゃん。
犯人は『まちゅたー』ではなかったが、名探偵が大変な事になってしまった。
水色の布を羽織っている真犯人がポトリと綿毛を落とし、猫のようなお手々を揃える。
「クマちゃ、クマちゃ……」
『クマちゃ、お縄ダヨ……』
引退ちゃん……。クマちゃんお縄ダヨ……、という意味のようだ。
何の事件か分からないまま真犯人となり、お縄になってしまったクマちゃん。
『水色の布事件』は犯人も気付かぬほど鮮やかに引き起こされ、自らの肉球で速やかに解決したらしい。
「お前じゃねぇだろ」
無駄に色気のある低い声がもこもこを擁護する。
魔王のような男はキュオー、と悲し気な声で鳴く真犯人を優しく抱きかかえた。
仲良しのリオちゃんに抱えられているクマちゃんは、真剣な表情で話すマスターのお話を、真剣な表情で聞いている。
◇
もこもこと一緒に散歩をしようと外に出てきた彼らは、
「お前の大事な……が……を掛けられていた――」
「伏せすぎて何言ってんのか分かんないんだけど」
事件について話しているマスターとリオ、彼らを見上げ――ふんふん、ふんふん、キュオ、キュオ「クマちゃ……」――と会話に参加しているつもりらしいもこもこを目撃した。
「とても愛らしいね」
ウィルがふっと笑みを零し独り言のように呟くと、
「ああ」
すぐに色気のある声が返ってくる。
「――――」
愛くるし過ぎるもこもこを見てしまったクライヴが息を詰め、自身の服の胸元をぐっと掴む。
男は恐ろしい顔のまま、もふっと膨らみもこもこもこもこと動いているクマちゃんの神秘的なお口を凝視している。
ルークはすたすたと彼らに近付き、リオから最愛のもこもこを奪った。
「あ、俺のクマちゃん……」
「あ~、だからお前の大事な……が……す……を――」
「マスター。言いたくない気持ちは分かるけれど、それでは彼には伝わらないのではない?」
大好きな彼の腕に戻ったもこもこがキュ! と嬉しそうに湿ったお鼻を鳴らす。
もこもこはふんふん、ふんふん、と興奮したように頷き「クマちゃ、クマちゃ――」と愛らしい声でルークに伝えた。
『クマちゃ、めいちゃんていちゃん――』
その難解ちゃんな事件は名探偵クマちゃんが華麗に解決ちゃんいたします――、という意味のようだ。
「そっかぁ。『めいちゃんてい』すごいねぇ」
新米ママは外したサングラスをふわふわの布で拭きつつ雑に答えた。
高位で高貴なお兄さんはゆったりと瞬きをして、彼へ視線を向けている。
闇色の球体に気付いたリオはスッと丸い眼鏡を折りたたみ、道具入れに引っ掛けた。
「マスター事件ってなに? さっき何言ってるか全然わかんなかったんだけど」
リオがかすれ気味の声で尋ねる。
ずっともこもこと村にいたが、特に問題は起こっていない。
可愛いクマちゃんのお絵描きを見守ったり、苦手な裁縫でクッションを繋げたり、柱の裏に隠れたり、店を作ったり、可愛いクマちゃんの踊りを見守ったりしていただけだ。
スイカのような猫のような何かは増えたが、事件というほどではない。
「…………」
マスターは嫌そうな顔で黙った。
ふわふわの布をマントのように肩に掛けた名探偵が愛らしい声で答える。
――ルークにお願いしてやってもらったらしい。
「クマちゃ、クマちゃ――」
『これちゃん、解決ちゃん――』
この棒がついた丸いふわふわさえあれば、どんな事件も解決ちゃんいたします――、という意味のようだ。
もこもこは『これちゃん』――とお魚の形の鞄から、持ち手が付いたフワフワの玉を取り出した。
「とても可愛らしいね」
「ああ」
「――――」
「そうか。それは凄いな」
「それ猫とかが遊ぶやつでしょ」
猫のようなお手々が持つ綿毛のような何かに、それぞれが感想を述べる。
ルークに抱えられたもこもこ名探偵は深く頷き、ミィミィと鳴く子猫のような声で彼らに告げた。
「クマちゃ、クマちゃ……」
『これちゃん、犯人ちゃん……』
この素晴らしい棒で事件に関連する何かをふわふわすると、事件の犯人ちゃんが浮かび上がるのです……、という意味のようだ。
「あ~。それはなんというか、国が欲しがりそうな魔道具だな」
「赤ちゃんの物を奪う愚か者はいないと思うけれど、一応外では使わない方がいいかもしれないね」
「そんな馬鹿いねぇだろ」
「リーダーそれ『消す』って意味じゃないよね。……でもクマちゃんがふわふわの棒持ってフワフワしてるときに『それを寄越せ――』とかいう奴いたらびっくりして思わずなんかしちゃうかも」
「――――」
綿毛は見た目よりも高性能らしい。
驚いた彼らが想像上の悪人を退場させたり冷気を発したりしていると、もこもこがキュ! と気合を入れるように湿ったお鼻を鳴らし、愛らしい声を出した。
「クマちゃ、クマちゃ――」
『クマちゃ、使うちゃん――』
では名探偵クマちゃんを噂の事件現場へ連れて行ってくだちゃい。早速使ってみましょう――、という意味のようだ。
名探偵は綿毛を持っていないほうの肉球をペロ――と格好良くひとなめしている。
「クマちゃん『連れて行ってくだちゃい』とか可愛いこと言っても駄目だから。危ないとこ行かないでお店の周りで遊ぼ」
「あ~。そうだな、この村に危険はないと思うが……。事件に関係があるなら『物』でもいいんだったか?」
名探偵は現場での活動を自粛するようお願いされ、重々しく「クマちゃ……」と頷いた。
◇
『ちょっと待ってろ』と言ったマスターが店内から持ってきたのは紙袋だった。
「なにそれ。外から持ってきたやつ?」
吞気な村長が紙袋を見ながら尋ねる。
彼は村の物ではないそれから目を離し、可愛いもこもこ探偵に視線を移した。
もこもこはふわふわの綿毛でルークにフワフワされ「クマちゃ、クマちゃ……」とお目目を閉じている。
仰向けで抱えられ、お手々を胸元でちょこんと折り曲げ、お昼寝中の子猫の格好をした名探偵。
事件は夢のなかで解決する。
「『めいちゃんてい』寝ちゃってんじゃん。店もどろ」
寝るクマは寝かせたままにしておきたい村長。
彼が非情な決断を下した瞬間――。
パチもこ! とお目目とお口を開けた名探偵が「クマちゃ!!」と愛らしい声を上げた。
「クマちゃんその起き方体に良くないと思う」
『クマちゃー』と産声を上げてしまった名探偵。忠告するリオ。
もこもこは何事もなかったかのように「クマちゃ、クマちゃ……」と話し出した。
『ではちゃ、それちゃ……』
では名探偵クマちゃんが魔道具でそれちゃんをフワフワしてみます……、という意味のようだ。
――ク……ちゃん俺の……聞いて……いでしょ――。
かすれ声が響くなか、名探偵が捜査をするための舞台に氷のような助手の手でふわふわの布が敷かれた。
もこふわ――。
両手の肉球で綿毛を掴み、赤ちゃん頭巾とふわふわマントを身につけた名探偵が、布の上にそっと降ろされる。
「あ~。そうだな……。じゃあこれを……」
難しい顔をしたマスターは『事件に関連する物が入った紙袋』の中から水色の布を取り出した。
――おく……みじゃ……――。
かすれ声と共に、もこもこ名探偵の肉球捜査が始まった。
◇
名探偵がふんふん、ふんふん、ふんふん、と優れた嗅覚で何かを感じ取る。
――いや魔……具……使えば……じゃん――。
名探偵はハッとしたようにお目目を開いた。
「クマちゃ……!」
『石鹼ちゃ……!』
第一の証拠品は石鹼の香りのようだ。
捜査は順調である。
「ん? そういえばさっき風呂場で石鹼を触ったな……」
発覚する衝撃の事実。
証拠品と渋い声の男の手が、同じ香りで繋がってしまった。
「クマちゃ……」
『まちゅた……』
名探偵のお手々が震えている。
いつも優しいまちゅたーが、水色の布事件の犯人なのだろうか。
――……や魔道具…………ゃ……――。
もこもこした名探偵はキュ、と湿ったお鼻を鳴らし肉球の震えを止めると、綿毛のような魔道具を怪しい布へと近付けた。
こうなったらクマちゃんが『犯人はまちゅたーではない』という証拠を見つけるしかない。
早く事件を解決しなければ――。
怪しい布と同色同素材のマントが、風でふわりと揺れる。
猫のような肉球がキュム、と握るふわふわな綿毛が布に触れた瞬間。
魔道具がキラキラと輝き、宙にぼんやりと小さくて白い何かが浮かび上がってきた。
緊張した名探偵のお口から、小さな呟きが漏れる。
「クマちゃ……」
『真犯人ちゃん……』
おそらく、これが真犯人ちゃんです……、という意味のようだ。
――いやどうみてもクマちゃんでしょ――。
ぼやけていた白い何かの形が定まってゆく。
少しずつ明らかになる正体。
だんだんはっきりしてくる頭上の耳。
空中でくっきりしてしまった真犯人は、白くてもこもこしていた。
捜査線上を飛び越え、宙に浮かんでしまったクマちゃん。
犯人は『まちゅたー』ではなかったが、名探偵が大変な事になってしまった。
水色の布を羽織っている真犯人がポトリと綿毛を落とし、猫のようなお手々を揃える。
「クマちゃ、クマちゃ……」
『クマちゃ、お縄ダヨ……』
引退ちゃん……。クマちゃんお縄ダヨ……、という意味のようだ。
何の事件か分からないまま真犯人となり、お縄になってしまったクマちゃん。
『水色の布事件』は犯人も気付かぬほど鮮やかに引き起こされ、自らの肉球で速やかに解決したらしい。
「お前じゃねぇだろ」
無駄に色気のある低い声がもこもこを擁護する。
魔王のような男はキュオー、と悲し気な声で鳴く真犯人を優しく抱きかかえた。
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