79 / 87
第3章 修学旅行で何も起こらないなんて誰が決めた? 前半:〇〇が黙っているわけがない
第23話 最終戦 その7
しおりを挟む
ちとせが額を抑えたとき、真の恐怖が放たれる。
妄言のように聞こえるが、わりと事実に近い。
案の定、ちとせが額を抑えてため息をつき、再び顔を上げたとき。
その目は極限まで細められており、全身から凄まじい量の殺気が放たれていた。
その目から出る殺意の目線に射抜かれ固まる千春達。
「あのさぁ、金輪際近づくなっていったあとに私なんて言った?」
「自己中は黙ってろ、でしょ?」
「それも言ったね。……じゃあ質問を変えようか。なんで政信が倒れたと思う?」
「あんたのせいでしょ?」
大嘘である。
あのときの原因は過労とストレス過多が最たる理由。
こいつらとやりあったころだから、当然やらなくてはならないことが増えるとともに、ストレスの量が半端じゃなかった。
つまり原因は100%こいつらである。
そしてそれを知っているちとせは、ただでさえものすごいキレているというのに、そこにそんな発言を投下したものだから。
いわゆる火に油を注ぐ事態になってしまった。
当然ちとせはガチギレ。
「政信が倒れたのは過労とストレス過多が原因だった。特に大きな割合を占めていたのがストレス過多。あんたみたいなクズの相手をしなくちゃいけないばっかりに、政信はたくさんのストレスに晒された。あんたがいなけりゃこんなことにはならなかった!全部あんたのせいよ!あんたがいなければ、死ぬかもしれないなんていう状態にはならなかったの!人の命を奪う寸前だったんだよ!もっと危機感を持てよカス!死ぬギリギリまで痛めつけてやろうか!?」
いままでのおとなしいキャラはどこへ行ったのか。
次々と吐き出されていく暴言と、嗚咽混じりの怒鳴り声。
俺が死にそうになっていた間の苦しみを思い出しているのだろう。
その顔はどこか悲しそうだった。
しかしその表情は一瞬で消し飛び。
俺も初めて見るほどの怒りで染め上げられていた。
俺ですらビビってしまうほどの怒り。
さすがの千春たちも、何も言えない様子で固まっていた。
「黙っていないでなんとか言えよ。それとも本当に死に際まで苦しみたいか!?」
「やれるもんならやってみなさいよ。どうせできっこないんだから」
「ならやってやるわ!」
何を勘違いしたのか、ちとせを煽る千春。
そしてついに堪忍袋の緒が切れたちとせが一瞬で手を首に伸ばし、締め上げ始める。
俺は慌ててちとせの手をほどき。
「政信、止めないで。もう我慢できない!」
「気持ちはわかるけど、やりすぎだ。俺はちとせに犯罪者にだけはなってほしくない」
俺の必死な願いが届いたのか、手を緩めるちとせ。
一方開放された千春はこれみよがしに荒い息を吐き、露骨なやられたアピール。
露骨に安心し、目をニヤつかせる千春を見た瞬間、俺の中で何かが爆発する音がした。
妄言のように聞こえるが、わりと事実に近い。
案の定、ちとせが額を抑えてため息をつき、再び顔を上げたとき。
その目は極限まで細められており、全身から凄まじい量の殺気が放たれていた。
その目から出る殺意の目線に射抜かれ固まる千春達。
「あのさぁ、金輪際近づくなっていったあとに私なんて言った?」
「自己中は黙ってろ、でしょ?」
「それも言ったね。……じゃあ質問を変えようか。なんで政信が倒れたと思う?」
「あんたのせいでしょ?」
大嘘である。
あのときの原因は過労とストレス過多が最たる理由。
こいつらとやりあったころだから、当然やらなくてはならないことが増えるとともに、ストレスの量が半端じゃなかった。
つまり原因は100%こいつらである。
そしてそれを知っているちとせは、ただでさえものすごいキレているというのに、そこにそんな発言を投下したものだから。
いわゆる火に油を注ぐ事態になってしまった。
当然ちとせはガチギレ。
「政信が倒れたのは過労とストレス過多が原因だった。特に大きな割合を占めていたのがストレス過多。あんたみたいなクズの相手をしなくちゃいけないばっかりに、政信はたくさんのストレスに晒された。あんたがいなけりゃこんなことにはならなかった!全部あんたのせいよ!あんたがいなければ、死ぬかもしれないなんていう状態にはならなかったの!人の命を奪う寸前だったんだよ!もっと危機感を持てよカス!死ぬギリギリまで痛めつけてやろうか!?」
いままでのおとなしいキャラはどこへ行ったのか。
次々と吐き出されていく暴言と、嗚咽混じりの怒鳴り声。
俺が死にそうになっていた間の苦しみを思い出しているのだろう。
その顔はどこか悲しそうだった。
しかしその表情は一瞬で消し飛び。
俺も初めて見るほどの怒りで染め上げられていた。
俺ですらビビってしまうほどの怒り。
さすがの千春たちも、何も言えない様子で固まっていた。
「黙っていないでなんとか言えよ。それとも本当に死に際まで苦しみたいか!?」
「やれるもんならやってみなさいよ。どうせできっこないんだから」
「ならやってやるわ!」
何を勘違いしたのか、ちとせを煽る千春。
そしてついに堪忍袋の緒が切れたちとせが一瞬で手を首に伸ばし、締め上げ始める。
俺は慌ててちとせの手をほどき。
「政信、止めないで。もう我慢できない!」
「気持ちはわかるけど、やりすぎだ。俺はちとせに犯罪者にだけはなってほしくない」
俺の必死な願いが届いたのか、手を緩めるちとせ。
一方開放された千春はこれみよがしに荒い息を吐き、露骨なやられたアピール。
露骨に安心し、目をニヤつかせる千春を見た瞬間、俺の中で何かが爆発する音がした。
0
お気に入りに追加
54
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
君と僕の一周年記念日に君がラブホテルで寝取らていた件について~ドロドロの日々~
ねんごろ
恋愛
一周年記念は地獄へと変わった。
僕はどうしていけばいいんだろう。
どうやってこの日々を生きていけばいいんだろう。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
穏やかな田舎町。僕は親友に裏切られて幼馴染(彼女)を寝取られた。僕たちは自然豊かな場所で何をそんなに飢えているのだろうか。
ねんごろ
恋愛
穏やかなのは、いつも自然だけで。
心穏やかでないのは、いつも心なわけで。
そんなふうな世界なようです。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
最愛の幼馴染みと親友に裏切られた俺を救ってくれたのはもう一人の幼馴染みだった
音の中
恋愛
山岸優李には、2人の幼馴染みと1人の親友がいる。
そして幼馴染みの内1人は、俺の大切で最愛の彼女だ。
4人で俺の部屋で遊んでいたときに、俺と彼女ではないもう一人の幼馴染み、美山 奏は限定ロールケーキを買いに出掛けた。ところが俺の凡ミスで急遽家に戻ると、俺の部屋から大きな音がしたので慌てて部屋に入った。するといつもと様子の違う2人が「虫が〜〜」などと言っている。能天気な俺は何も気付かなかったが、奏は敏感に違和感を感じ取っていた。
これは、俺のことを裏切った幼馴染みと親友、そして俺のことを救ってくれたもう一人の幼馴染みの物語だ。
--
【登場人物】
山岸 優李:裏切られた主人公
美山 奏:救った幼馴染み
坂下 羽月:裏切った幼馴染みで彼女。
北島 光輝:裏切った親友
--
この物語は『NTR』と『復讐』をテーマにしています。
ですが、過激なことはしない予定なので、あまりスカッとする復讐劇にはならないかも知れません。あと、復讐はかなり後半になると思います。
人によっては不満に思うこともあるかもです。
そう感じさせてしまったら申し訳ありません。
また、ストーリー自体はテンプレだと思います。
--
筆者はNTRが好きではなく、純愛が好きです。
なので純愛要素も盛り込んでいきたいと考えています。
小説自体描いたのはこちらが初めてなので、読みにくい箇所が散見するかも知れません。
生暖かい目で見守って頂けたら幸いです。
ちなみにNTR的な胸糞な展開は第1章で終わる予定。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる