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第3章 修学旅行で何も起こらないなんて誰が決めた? 前半:〇〇が黙っているわけがない

第18話 最終戦 その2

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 その後も大変恥ずかしい写真のばらまきは続く。



「これは朝、バランスを崩してそのまま抱きついていったときのやつです」

「ちとせがこけて政信くんにもたれかかるようにして倒れて、そのまま抱きついて、どさくさに紛れてキスしたのかな?」

「そのとおりです。こっちは教室移動のときのやつです」

「デートしてるの?」

「そう見えますよね、やっぱり」



 教室移動のときも腕組んで恋人繋ぎしてるとか、親にだけは知られたくない話だ。

 だいたい、なんでこんなに写真があるのかは疑問でしか無いのだが。



「私達とやっぱり変わらないのね」

「嘘言わないの。あんた達はもっとだったでしょうが」

「それはあなたがなかなか告白しないからでしょ!」

「だからそれはやめてってば!」



 ちとせの母、見事に反撃にあう。



 一方の武弥たちは。

「なるほど、あのイチャつきっぷりは親譲りか」

「うーん、それってやばいやつじゃない?」

「やっぱりそう思った?」

「思った。こんどそれが子どもに遺伝して、その同級生たちが被害に合う様子が目に見える」

「おいそこのバカップル!全部聞こえってっからな!」

「聞こえるように喋ってるんだよ。学校でいちゃつくなとは言わないけどさ、もうちょっとこう抑えてと言うか控えてと言うか」

「十分抑えているけども?」

「それだから言われんだよ、おしどり夫婦」



 スルッと飛び出た学校でのあだ名に食いつく、俺達の母親。



「なになに、政信とちとせちゃんはおしどり夫婦って呼ばれてんの?」

「そうですよ。もしくは新婚さんですね。どっちかというと新婚さんのほうが多いみたいです」

「新婚さん!?どんだけいちゃいちゃしてんのよ?」

「それはもう、糖分過多で死人が続出するくらいに、です」



 武弥が呆れ顔で額を抑えながら言い、俺たち2人は、その場にいた全員からじとぉっと呆れた目で見られる。



「政信、ちとせちゃんとイチャイチャしたいのは分かるけど、少しは落ち着きなさいよ?クラスメイトから恨まれるわよ?」

「あなたが言うと説得力がないんじゃないの~?」

「そういうことをこの子達の前で言わなくてもいいでしょ!」

「さっきのお返しだよ?」

「ぐぬぬぅ……」



 母親同士で盛り上がってしまい、全然話が進まない。

 こうなることが分かっていたから、見せたくなかったのだ。



 そうこうしているうちに時間が経ち、俺は機材の準備を開始する。

 前回やっていたこともあり、あっという間に終わり、配信スタート。



 そしてしばらく待っているうちに玄関のチャイムが鳴り、千春たちの到着を知らせる。







 いよいよ決戦が、幕を開けようとしていた。
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