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第3章 修学旅行で何も起こらないなんて誰が決めた? 前半:〇〇が黙っているわけがない
第15話 出産前の最終決戦 Before-3
しおりを挟む政信が放った雰囲気に恐怖を覚えたちとせ。
しかし、その雰囲気は一瞬にして消し飛んだ。
そして政信は再び口を開く。
「手を組んでるってことと、今いただいた情報から察すると、おそらく今回はこっちの潔白を証明しつつ、あいつらの悪事を認めさせるしかないっていう感じですね?」
「おそらくそれしか方法はないだろう。我々も最大限協力するが、正直言ってこれといった有効な手段が見つからないんだ。前回同様くらいしかやることはないんだよ」
「そうですか……。お義父さんをもってしても無理ですか……」
と、そこに口をはさむのはちとせ。
「てことは私たちがやるのは2つでしょ。1つ目の偽装浮気はもう完全に証拠をそろえてるからいいし、あとはもう1つだけ。ならもう向こうが攻めてくる手はないし、あとは無効をつぶす手立てさえ考えればいいんでしょ」
「そうだよ?」
「じゃあ簡単じゃん。投稿内容全部記録してるんだから、どこが嘘なのか全部調べて、それを1個ずつ問い詰めていけばいい。それに、もともと二度とこっちに接触しないし、一切関与しないってしていたのにいきなり関与してきたじゃん。そのときの証拠は残ってるわけだし、そこでも突っ込める。なら無敵じゃない?」
言われてみればその通りである。
ならばあとは証拠固めさえしておけば万全である。
「なら投稿内容を1個ずつ確認していきましょうか。それでもってあとは大塚君たちと連絡を取って終わりかな?」
「そうですね。じゃあ始めましょうか」
義母の一言で今後の動きが決まったところで片っ端から確認していく。
すべて終わらせたところで電話をかける。
『もしもし?』
「もしもし。今時間あるか?」
『あるぞ。今度の配信関連のことか?』
「そうだ。もし居るなら彩希さんにも出てほしいんだが」
『なら簡単だ。スピーカーモードにすればいいだけだからな。ちょっと待ってろ』
そう言ってすぐにスピーカーモードにしたのか、電話越しに武弥と彩希の会話が聞こえてくる。
『おーい、彩希、政信から電話だ』
『政信くん?あれかな、今度の配信のやつかな?』
『多分な。モウスピーカーモードにしてるから』
『早くない?』
「彩希ちゃん、急がなくていいよ」
『なんでちとせちゃんの声がするのかなぁ?ひょっとして今一緒にいるの?』
「いたら悪いかね?」
『まさか今までずっといちゃいちゃしてたんじゃないでしょうね?』
「俺達はしてない」
『俺達はってどういうこと?』
「親のいちゃいちゃを見せつけられてたんですよ!」
『あぁ……、ご愁傷さまです。…で、要件は来週のことかな?』
「そのとおりだ。本当は4人で集まりたいんだが、あまり時間がない。だから電話で済まさせてくれ」
『ほーい。じゃあ準備するからちょっとまってて』
そう言うと、何やらガサゴソ音を立て始める向こう。
一方のちとせは。
「政信が彩希ちゃんと仲良く喋ってる……」
嫉妬心に燃えていた。
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