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第15章
3話~阿修羅戦、終了~
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阿修羅との戦闘が続くこと一時間弱。現在、立っているのは俺とカナのみ。さらに二人とも体力が尽きかけている。対する阿修羅はほぼ無傷と言っていいだろう。クリーンヒットなどほぼ無いに等しい。唯一ゴロウが力任せに振るった大剣が偶然ヒットしたくらいだ。
「カナ、回復いけるか?」
「無理ね…まだクールタイム中!……………『エリアヒール』!」
さっきからこのやり取りばかりをしている。二人同時に回復する必要があるので範囲回復魔法の『エリアヒール』を使っているが、クールタイム等々の理由で数十秒に一回撃つのが精一杯。どうしようもないときだけポーションを使って回復しているが、そのポーションの在庫もあと二個のみ。カナに関しては既に切らしている。
それに対し阿修羅は攻撃力、攻撃速度が初めに比べて二倍位になっている。そのせいで馬鹿みたいに高い防御力と矢攻撃無効がありながらもピンチに陥っている。もう、華燐に焼却処分してもらおうかな?
「焼却処分ヲスレバイイノカ?」
ドンピシャすぎるタイミングで華燐がそう言って驚いてしまったことは余談(この後、あるときに「たまに考えてることをすぐに理解するときがあるけど、なんなんだ?」と聞いてみると「イワユル「テレパシー」トイウヤツダ」と言われた。華燐、そんなことも出来たのね…)。
とにかく考えていることが同じなら話は早い。早速大きくなってもらって阿修羅を焼いてもらう。およそ五メートルほどの大きさになってもらい、ブレスを吐いてもらう。これだけなら並のモンスターは一撃なんだが……やはりそう簡単には倒れてくれない。だが、体力的には半分くらい削れたのでもう一度やってもらう。が、阿修羅もそう簡単にはやられてくれないようで、人一人分はありそうな鉄の筒のようなものを持ち出してくる。それには持ち手や弾があるようで弾を装填したその姿はロケットランチャーそのもの。いや、ね?確かにドラゴンは戦車だーなんて話、聞いたことあるけどさ、当たり前のように対戦車砲ですと言わんばかりに持ち出さないでくれ。色々と突っ込めないから。
そして阿修羅からロケットランチャーが発射され、華燐がブレスを吐く。その結果は大爆発が起きて結局のところ阿修羅と華燐が相討ちのような形で両者ノックアウト。結果的には阿修羅を倒したことになるので例の男女二人組の依頼は達成?したことになる。するとやはりというかなんというか、後ろから声をかけられた。
「ありがとう、彼を救ってくれて」
え?思いっきり倒れてますけど?
「君達みたいに強い人に会えて良かったよ。これで彼は救われた…」
いや、だから、救ってないよね?ただ機能停止させただけだと思うんですけど?
「「彼は僕達(私達)が責任を持って埋葬するよ」」
…なんですか、その死ぬことが救われるみたいな。宗教の中には確かにそういったものがあった気がするけど。
「そうだ、僕からこれをあげるよ。君の仲間達に…」
そう言って手渡されたのは花。それと一メートルくらいの石。これ、明らかに墓を作れって言ってるよね?実際のところ死んでないんだけど!?…あ、蘇生すれば使う必要は無いか。
「あ、あの、これを貰ってもどうしようもないんですけど…実際のところまだ彼らは死んでないですし…」
そう言うと男性の方が「な、なんだってー!?」と言わんばかりの表情になり、女性の方はなんか納得したみたいな表情に。こういうのは実演した方が早いので蘇生魔法を使う。
ちゃちゃっと蘇生して男性の方にさっき渡された花と石を返す。すると女性の方からこんなことを言われた。
「ねえ、あなた達。もっと強くなりたくない?もしそうなら、いい場所を教えてあげる」
…この場合の強くなるはプレイヤーレベルの方でいいのかな?そう思い確認がてら聞いてみたところそんな解釈で合っているようだったので、お言葉に甘えさせてもらう。
このあと辿った道は、まずダンジョンを出る。次にドワーフの王国郊外に向かう。その次に郊外から南にあるちょっとした森へ向かう。そして着いたのが今目の前にある集落である。
「カナ、回復いけるか?」
「無理ね…まだクールタイム中!……………『エリアヒール』!」
さっきからこのやり取りばかりをしている。二人同時に回復する必要があるので範囲回復魔法の『エリアヒール』を使っているが、クールタイム等々の理由で数十秒に一回撃つのが精一杯。どうしようもないときだけポーションを使って回復しているが、そのポーションの在庫もあと二個のみ。カナに関しては既に切らしている。
それに対し阿修羅は攻撃力、攻撃速度が初めに比べて二倍位になっている。そのせいで馬鹿みたいに高い防御力と矢攻撃無効がありながらもピンチに陥っている。もう、華燐に焼却処分してもらおうかな?
「焼却処分ヲスレバイイノカ?」
ドンピシャすぎるタイミングで華燐がそう言って驚いてしまったことは余談(この後、あるときに「たまに考えてることをすぐに理解するときがあるけど、なんなんだ?」と聞いてみると「イワユル「テレパシー」トイウヤツダ」と言われた。華燐、そんなことも出来たのね…)。
とにかく考えていることが同じなら話は早い。早速大きくなってもらって阿修羅を焼いてもらう。およそ五メートルほどの大きさになってもらい、ブレスを吐いてもらう。これだけなら並のモンスターは一撃なんだが……やはりそう簡単には倒れてくれない。だが、体力的には半分くらい削れたのでもう一度やってもらう。が、阿修羅もそう簡単にはやられてくれないようで、人一人分はありそうな鉄の筒のようなものを持ち出してくる。それには持ち手や弾があるようで弾を装填したその姿はロケットランチャーそのもの。いや、ね?確かにドラゴンは戦車だーなんて話、聞いたことあるけどさ、当たり前のように対戦車砲ですと言わんばかりに持ち出さないでくれ。色々と突っ込めないから。
そして阿修羅からロケットランチャーが発射され、華燐がブレスを吐く。その結果は大爆発が起きて結局のところ阿修羅と華燐が相討ちのような形で両者ノックアウト。結果的には阿修羅を倒したことになるので例の男女二人組の依頼は達成?したことになる。するとやはりというかなんというか、後ろから声をかけられた。
「ありがとう、彼を救ってくれて」
え?思いっきり倒れてますけど?
「君達みたいに強い人に会えて良かったよ。これで彼は救われた…」
いや、だから、救ってないよね?ただ機能停止させただけだと思うんですけど?
「「彼は僕達(私達)が責任を持って埋葬するよ」」
…なんですか、その死ぬことが救われるみたいな。宗教の中には確かにそういったものがあった気がするけど。
「そうだ、僕からこれをあげるよ。君の仲間達に…」
そう言って手渡されたのは花。それと一メートルくらいの石。これ、明らかに墓を作れって言ってるよね?実際のところ死んでないんだけど!?…あ、蘇生すれば使う必要は無いか。
「あ、あの、これを貰ってもどうしようもないんですけど…実際のところまだ彼らは死んでないですし…」
そう言うと男性の方が「な、なんだってー!?」と言わんばかりの表情になり、女性の方はなんか納得したみたいな表情に。こういうのは実演した方が早いので蘇生魔法を使う。
ちゃちゃっと蘇生して男性の方にさっき渡された花と石を返す。すると女性の方からこんなことを言われた。
「ねえ、あなた達。もっと強くなりたくない?もしそうなら、いい場所を教えてあげる」
…この場合の強くなるはプレイヤーレベルの方でいいのかな?そう思い確認がてら聞いてみたところそんな解釈で合っているようだったので、お言葉に甘えさせてもらう。
このあと辿った道は、まずダンジョンを出る。次にドワーフの王国郊外に向かう。その次に郊外から南にあるちょっとした森へ向かう。そして着いたのが今目の前にある集落である。
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