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第12章
8話~装備作成の合間の一大事~
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ゴロウ達が挑戦している新ダンジョンとは、ドワーフの王国実装時にクリメトス側に追加された新しいダンジョンで、レベル的に前衛後衛で協力する必要のあるダンジョンである。具体的に言うと、相手のモンスターもパーティを組んでいて、まさにパーティ連係強化にはうってつけだと思い、五人に行ってもらっている。
そして今、そのダンジョンの前まで来ている。そこでは、パーティ内での喧嘩が勃発していた…。
この喧嘩の原因はダンジョン内での戦闘時、偶然ゴロウがモンスターの隙を突き、モンスターの一体を切りつけようとしたのだが、そこにミーちゃんがゴロウと同じように考え、モンスターを一体倒そうとした。しかし、ゴロウからしたら割り込まれたこと以外の何事でも無い。それが一回だけであれば良かったのだが、その後、何回も続いてしまったのだ。流石にこれではいくら偶然といっても信じられるものでは無いだろう。その後、ダンジョンを出た時、シノンの方から【あのとき突っ込もうとしたのは何故?もし貴方が前に出すぎてメイやカナさん、ミユさんにモンスターが攻撃を加えたらどうするつもりだった?】とゴロウに聞いてきた。勿論ゴロウは「あのモンスターを倒しておけば後衛へ攻撃される可能性が減ったのだから、良いだろう?」と反論し、それにシノンが【もしあのモンスターが攻撃をかわしてゴロウさんを抜いたらどうするつもりだったんですか!?】と言い、それぞれに同調するやつがそれぞれに相手側に向けて文句を言いだし、それがヒートアップして本格的な喧嘩に発展。唯一どちらにもつかなかったミユがなんとか四人を止めて、俺を呼ぶことにしたらしい。
で、今は一時休戦の状態。まぁ、それは俺が来たとたんぶち破られたけど。
「耀一、話は聞いたと思う。俺はもうこんなパーティでやっていける自信なんてないぞ!」
【それはこちらの台詞。貴方と組むなんてこちらから願い下げ!】
「なんだとっ!?やる気なのかぁ!?」
おおうおおう、殺気立ってるな。とにかく一旦止める。
「ちょっと待て、何でそんなことを言うんだよ?第一、パーティを出ても顔を会わせることはあるだろう。第一、どちらも善意でやったことなんだろ?確かにいらっと来るのもわかるけどさ、そこはわかってるんだろ?」
「【こいつ(この人)が善意でやったはずが無い!】」
あちゃー。しかし、パーティで変なことをするやつがどこにいるんだよ、ましてやいつも組んでるやつらを危機に貶めたって自分が痛い目に会うだけじゃないのか?そう思い、言ってみると、どちらもそんなことは知ったことかとばかりの返答が返ってきた。
「はあ…おい、メイ、カナ。お前達はどう思ってるんだ?」
「私はシノンちゃんが正しいと思います~。ていうか~、耀一がいないときは~、ゴロウさんかシノンちゃんが壁になるしか無いと思います~。その壁になるべき人が~、無理に攻撃して~、私達に攻撃が通ってしまったら意味無いですし~」
それは正論だろう。壁になるというのは、後衛や他のメンバーに攻撃が通らないようにする。それはタンカータイプと同じことだ。確かに相手のヘイトを貰うには攻撃したりしなければいけないが、基本モンスターを倒すのはアタッカーの仕事になる。そして、五人の中でゴロウが壁をやっていたのならアタッカーはシノン、ミユ、メイの三人になるだろう。反対にシノンが壁をやっていたのならアタッカーはゴロウ、ミユ、メイの三人。そして、今回の状況から察するに、壁をやっていたのはゴロウ。だったら、無理にモンスターを倒す必要は無い。アタッカーは基本一撃クラスの攻撃力を持っているのだから、任せておけば良い。
「私はゴロウの言う通りだと思うわ。第一、壁をやっていたからってモンスターを倒してはいけない何てことは無いもの。攻撃を受けてくれる人がいないと嫌だって言うのなら、それこそ耀一と組んでれば良いもの」
うーむ、確かに、壁だからと言ってモンスターを倒してはいけない訳ではないな。実際俺も壁をやりながらも何体かモンスターは倒している。確かに、一部のパーティでは壁プレイヤーはおらず、アタッカーとヒーラーのみで構成されたパーティもあるとは聞く。…つまり、どちらも正論を言っており、引くところが無いからこんなことになってしまったのか。……はあ、こういうときはほんとに大変だ………。
そして今、そのダンジョンの前まで来ている。そこでは、パーティ内での喧嘩が勃発していた…。
この喧嘩の原因はダンジョン内での戦闘時、偶然ゴロウがモンスターの隙を突き、モンスターの一体を切りつけようとしたのだが、そこにミーちゃんがゴロウと同じように考え、モンスターを一体倒そうとした。しかし、ゴロウからしたら割り込まれたこと以外の何事でも無い。それが一回だけであれば良かったのだが、その後、何回も続いてしまったのだ。流石にこれではいくら偶然といっても信じられるものでは無いだろう。その後、ダンジョンを出た時、シノンの方から【あのとき突っ込もうとしたのは何故?もし貴方が前に出すぎてメイやカナさん、ミユさんにモンスターが攻撃を加えたらどうするつもりだった?】とゴロウに聞いてきた。勿論ゴロウは「あのモンスターを倒しておけば後衛へ攻撃される可能性が減ったのだから、良いだろう?」と反論し、それにシノンが【もしあのモンスターが攻撃をかわしてゴロウさんを抜いたらどうするつもりだったんですか!?】と言い、それぞれに同調するやつがそれぞれに相手側に向けて文句を言いだし、それがヒートアップして本格的な喧嘩に発展。唯一どちらにもつかなかったミユがなんとか四人を止めて、俺を呼ぶことにしたらしい。
で、今は一時休戦の状態。まぁ、それは俺が来たとたんぶち破られたけど。
「耀一、話は聞いたと思う。俺はもうこんなパーティでやっていける自信なんてないぞ!」
【それはこちらの台詞。貴方と組むなんてこちらから願い下げ!】
「なんだとっ!?やる気なのかぁ!?」
おおうおおう、殺気立ってるな。とにかく一旦止める。
「ちょっと待て、何でそんなことを言うんだよ?第一、パーティを出ても顔を会わせることはあるだろう。第一、どちらも善意でやったことなんだろ?確かにいらっと来るのもわかるけどさ、そこはわかってるんだろ?」
「【こいつ(この人)が善意でやったはずが無い!】」
あちゃー。しかし、パーティで変なことをするやつがどこにいるんだよ、ましてやいつも組んでるやつらを危機に貶めたって自分が痛い目に会うだけじゃないのか?そう思い、言ってみると、どちらもそんなことは知ったことかとばかりの返答が返ってきた。
「はあ…おい、メイ、カナ。お前達はどう思ってるんだ?」
「私はシノンちゃんが正しいと思います~。ていうか~、耀一がいないときは~、ゴロウさんかシノンちゃんが壁になるしか無いと思います~。その壁になるべき人が~、無理に攻撃して~、私達に攻撃が通ってしまったら意味無いですし~」
それは正論だろう。壁になるというのは、後衛や他のメンバーに攻撃が通らないようにする。それはタンカータイプと同じことだ。確かに相手のヘイトを貰うには攻撃したりしなければいけないが、基本モンスターを倒すのはアタッカーの仕事になる。そして、五人の中でゴロウが壁をやっていたのならアタッカーはシノン、ミユ、メイの三人になるだろう。反対にシノンが壁をやっていたのならアタッカーはゴロウ、ミユ、メイの三人。そして、今回の状況から察するに、壁をやっていたのはゴロウ。だったら、無理にモンスターを倒す必要は無い。アタッカーは基本一撃クラスの攻撃力を持っているのだから、任せておけば良い。
「私はゴロウの言う通りだと思うわ。第一、壁をやっていたからってモンスターを倒してはいけない何てことは無いもの。攻撃を受けてくれる人がいないと嫌だって言うのなら、それこそ耀一と組んでれば良いもの」
うーむ、確かに、壁だからと言ってモンスターを倒してはいけない訳ではないな。実際俺も壁をやりながらも何体かモンスターは倒している。確かに、一部のパーティでは壁プレイヤーはおらず、アタッカーとヒーラーのみで構成されたパーティもあるとは聞く。…つまり、どちらも正論を言っており、引くところが無いからこんなことになってしまったのか。……はあ、こういうときはほんとに大変だ………。
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◇
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