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第4章

6話~『光反砕』習得訓練・2~

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 翌日、機巧騎士に指定された時間にあの門?までやって来た。今日はメイが諸事情で来れないらしく、ノームと俺の二人だ。
 ギギギ…って感じで門?が開き、中に入れるようになった。と、先客さんかな?戦闘の音がする。これは、少し待っておこうかな、面倒ごとには巻き込まれたくはない。

 数分後、ようやく収まったようなので中に入る。機巧騎士は珍しく息が荒い。この人?が息を乱すほど強い相手だったのかな?
「おお、耀一殿。すまない、先客がいたのでな…」
うん、それはわかってるよ、機巧騎士。カンカンキンキン音がしてたからねぇ。とりあえず、悟られないように「今来た」と答えておいた。
「そうか、それでは早速訓練を始めよう。ノーム殿も一緒にな」
あ、ノームの顔がひきつった。そうとう嫌だったんだな。ま、これからまだまだ味わってもらおうかね、俺が『光反砕』を習得するまで。ノームの父親のペラーさんからもしっかりしごいてくれと言われていることだし。といっても、ノームの訓練内容の方が俺と比べたらましだがなぁ。あくまでも比べたら、だけど。

 「耀一殿。今日は実戦での訓練となる。前回教えたことに注意しながら私の攻撃を一定時間、すべて受けきって見せよ。一撃でもかすったら前回の訓練をもう一度行い、再び私の攻撃を受けてもらう。成功しなければいつまでたっても奥義を教えることは出来ない。それゆえ気を引き閉めて挑んでくれ」
そう言い終わると、機巧騎士はランスと盾を構える。こちらも自己流ではあるが、ランスと盾を構える。こちらの準備が完了したと見たのか、機巧騎士が動き出す。初めはゆっくりと。そして段々と早く、鋭く。
「ゆくぞ、まずは手合わせ程度にする。このくらいは受けきれよ」
機巧騎士はそう言い放ち、突きを繰り出してくる。確かにこのくらいなら十分盾で受けれる。そして、機巧騎士はこちらの反応できる限界までスピードを上げてくる。
「もっと早く反応せよ!攻撃が来てから一々盾を構えるな!動きは最小限に留めろ!」
おうふっ!言われ放題だな…確かに動きに無駄があるんだろうが…ってあぶなっ!流れる感じに受けなきゃいけないのか?回避を禁止するとは言われていないし、今も顔に来たものを避けた。なら、どっしりと構えているという必要は無いな。少し体を動かしてみよう。まずは横に。こちらが回避行動を取ると、機巧騎士はさらにギアを上げてきたようだ。そして何も言われない。つまりこれがひとつの正解でもある、ということか。ならば前後にも動いてみよう。甘い突き攻撃は回避。確実に突こうとしてくる突き攻撃は盾で受ける。体に直撃がなければいいのだから、このくらいは大丈夫だ。時間が経つ度、段々と体が自然と動き出した。
「そうだ、その調子だ。前に出る者はすべての攻撃を盾で受ける必要はない。味方に被害のない攻撃は避けてもよいのだ」
やっぱり当たってたか。しっかし、こういう壁職は全部の攻撃を盾で受けるっていうイメージがあったけど…この辺はVRMMOらしいところだな。体でゲームをするわけだから、回避も織り混ぜられる。よく考えたらすぐわかることだったな。
「よいぞ、もっと早く、早く、早く、だ!」
その言葉の直後、機巧騎士の突きがさらに鋭さを増した。やばい、これに加えて速度が上がったら受けきれない!フェイントも混ぜてくるから余計だ。

 ようやく、一定時間が経過した。あの後機巧騎士はギアを上げることはなく、機巧騎士が終了を宣言した。
「耀一殿、戦闘中、よく気づいた。あのとき、革を使い私を縛り付けた時のような発想だな」
たしかに、今回こんなことをしなければ一生気づかなかったかもしれない。いい経験になった。
「ええ、それでは、ただいまより奥義・光反砕の伝授を行う。耀一殿、参られよ」
お、やっとか。いよいよ『光反砕』を習得出来るんだな。
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