双凶の妖鬼 蒼 ~再逢~

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中庭 1 ※

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 「海神・・・・これ以上したら、我慢できない。」

 初めの頃に比べ、最近では理性を保つことが大分できるようになってきたとはいえ、ボクはもう限界だった。

 ボクの言葉に、海神は顎をわずかに上げて熱でうるんだ瞳で切なげに見つめてくる。

 「我慢など・・・・しなくていい。」

 「・・・・なんて表情かおをするんだ。・・・・他の奴には、絶対に見せないで。そんな顔を見せられたんじゃ、君・・・誰かにさらわれても文句は言えないよ。」

 ボクは内心本気で焦りながら、海神をきつく抱きしめた。
 一見冷淡で隙のないように見える海神だが、見た目とは違いそういった面ではあまりにも無垢で、無防備が過ぎるのだ。

 腕に抱いた海神の身体は灼熱を帯び、火傷しそうな熱で心臓を突き破りそうなほど、ボクの血をたぎらせてくる。

 「・・・・今日はもう、これ以上君を追い詰めないって、決めていたのに。・・・・ボクは本当に、君のことではいつも見境がなくなる。・・・・許して、海神。」

 首を横に振りながらうなじに顔をうずめてきた海神の頭を、包み込むように抱きしめ、彼の滑らかな頬に自分の頬を当て、ボクはゆっくりと二度・・・深く呼吸をした。

 ふいに、得体の知れない胸騒ぎに襲われ、ボクは海神を抱く腕にさらに力を込めた。

 「ごめん・・・・強くしないから、やっぱりもう一度だけ、ボクに付き合ってくれる?・・・・・・君を抱きたくて、仕方がないんだ。」

 「うん。」

 海神はとっくに限界なのかもしれないのに、ボクはやっぱり我慢できなかった。
 彼がうなずくなり、ボクはすぐさま結界を張り、妖鬼の姿へと戻る。
 さすがに呆れるだろうと思っていたのに、ボクの背に回された海神の腕は、強くボクを抱き返してくれた。

 「海神?」

 「・・・今日はもう・・・してくれないと、思っていたから。」

 憂いを帯びた声音に、ボクは驚いて海神を見つめる。

 「・・・・・欲しいの?」

 「うん。」

 震えるほどの快感が、腰のあたりからゾワリと押し寄せ、ボクの胸は湧き上がる愛おしさで、破裂するほど膨らんでいく。
 視線が絡み合った瞬間、ボクの意識は海神ただ一色に熱く染まった・・・・・。

 気づいた時には、ボクと海神はこのうえないほど身体を絡ませ、乱れ切った互いの呼吸を飲み込みながら、深く激しい口づけを交わしていた。

 「海神。手・・・・ついて。」

 海神の衣をひきずり下ろし、海神の雪のように白く美しい肌にひとしきり唇を這わせると、巨大な庭石の滑らかな岩肌に手をつかせる。

 防傷薬をまとわせた二本の指をゆっくり差し込むと、すでにさんざんボクにいじめられ尽くしているそこは、待ちきれないというばかりに、きつくボクの指を締め付けてきた。

 海神はのけぞるようにわずかに顎を上げ、ため息のような小さな声をもらし、身体を震わせる。

 慣らすように、じらすように・・・少しの間、海神の乱れていく様子を楽しんでから、ボクは指を引き抜いた。

 そのまま後ろから丸みを帯びたボクの先端をあてがい、彼の中にゆっくりと飲み込ませていく。
 海神の腰を抱え、最奥までゆっくりと深くくわえこませる。

 これ以上動けないほどピタリと身体が重なった瞬間・・・・・海神の口から、甘くかすれた喘ぎ声がこぼれた。

 ボクの形になじんだ彼の内側が、心地よくまとわりつきながら、離したくない言うようにきつくボクを締め付けてくる。

 「海神・・・・少し力を、抜いて。そんなに締めつけられたら・・・ボクの方がもたない。」

 濡れた結合部からあふれる粘着質な水音が、海神の淫らな甘い鳴き声と絡まり合い、ボクはとほうもないほど劣情をかき立てられる。

 「怖い・・・・。蒼・・・・。もっと・・・深く・・・・」

 突き上げられるたび、甘い鳴き声を聞かせながら、途切れ途切れに告げられた海神の言葉に、うねるような熱情がどっと押し寄せてくる。
 ボクは吹き飛ばすほどの勢いで海神を幾度も突き上げると、深く深くえぐるように中をかきまぜた。
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