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海神の不安 2 ※
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海神は無意識に、この上ないほどボクの熱情を煽ってくるから・・・・ボクはすぐに我慢が効かなくなってしまう。
命逢の上空に浮かぶ浮島の中には、精神を強化させたり、傷を癒す泉を持つものがあるというから、今度行ってみるべきかもしれない・・・・。
ボクは牙を剥きかけた本能をどうにか抑えながら、そんなことを本気で考えていた。
同時にボクは、自分よりも海神の方がよほど妖鬼のようじゃないか・・・と、心の中でぼやいた。
品のある端正な顔立ちで、全身には清廉潔白とした美しさを纏っているのに・・・・・海神の心の内は、無垢な子供のようにどこまでも素直で純粋でありながら、甘く色めき、ボクの心に喰らいついて離さない。
危うく自分を手放しそうになったボクは、海神を腕に強く抱き直し、大きく息を吐いて気持ちを落ち着かせると、ようやく口を開いた。
「君は・・・・ボクが黄色の奴と戦っている時、ボクの心が君から離れていると思っていたの?あいつを相手にするために、このボクが、君から心を離してしまうって?」
「・・・・。」
「・・・・君と2人きりでない時は、他の奴に意識を捕らわれている分、君へのボクの想いが薄れていると・・・・・?」
海神は、ボクの問いかけに黙ったまま、不安そうに瞳を揺らした。
「海神・・・・君に少し、酷いことをするよ。」
ボクはわざと怒った顔をして、強引に海神の足の間に自分の足を片方割り入れ、彼の足を開かせ衣をはだけさせた。
下衣をずらすと、ボクは熱を持った海神の柱を手に取り、いたずらに揉んだりこすったりして反応を楽しむ。
いつも防傷薬を取り出している場所から、小さな薬の瓶を取り出すと、ボクはぬるりと重い粘り気を持つ薬液を手に取り、海神の先端の溝をなぞるようにもみ込んだ。
海神は息をつめて声を抑えながら、潤んだ瞳をボクにむけてくる。
ボクは薬液をたっぷり指にとると、彼の奥へと深く何度も塗り込んだ。
海神は身体をひくつかせ、切なげに身を捩り、声を必死で抑えながら息を乱してしがみついてくる。
ボクはすぐにでも海神を押し倒したい激流のような衝動と、心臓を突き破りそうなほど胸に込み上げてくる灼熱を、全力で制しながら、彼の中から指を引き抜き、どうにか彼の衣を整え直すと、熱を持って色めくその瞳を、真っ直ぐに見つめた。
「君ときたら、溶あうほど身体を重ねても・・・どれだけ愛を誓っても・・・ボクの心が君だけのものだということを、ちっとも感じてくれていないの?」
「・・・・蒼。」
「海神。今塗った薬液は、ショクの奴が作った痺れ薬だ。・・・君は水妖。読心術を使えるよね?」
「うん。」
「君の手で、読心術とこの薬の能力を繋いで・・・。ボクが君の事を愛おしいと思っている時だけ、この薬が能力を発動するように・・・・。できる?」
「うん。」
不安そうにボクの目を見つめ返してくる海神の頭をそっとなで、ボクは額にくちづけた。
『ひどい事をする』と伝えたのに・・・・それでもボクの言葉に素直にうなずく海神の姿は、あまりにも愛おしすぎてなぜか涙が溢れそうになる。
ボクは耐えかねて、わざとキツイ口調で海神に話しかけた。
「薬の能力が発動したなら・・・与えられる刺激は、君への罰だ。・・・全部受け止めろ。・・・・もし、術が発動しなければ、君がボクへ、後で好きなだけ罰を与えればいい。」
「うん。」
「術の効果はできるだけ弱く・・・・それから、必ずボクでも解けるようにしておいて。」
「・・・・・なぜ?」
「・・・すぐにわかるさ。・・・さぁ、気をきかせて席を外してくれていた碧が、そろそろ戻って来るようだ。・・・・始めて。」
「・・・うん。」
かなり複雑な術式だけど、優秀な海神はすぐに術を展開させることに成功した。
部屋の中を陣が覆うと、言われた通りにごくごく弱い念をこめ、海神は術を発動させた。
「ぁっ・・・・・!」
術が発動した直後。
海神は小さく声を上げ、その場に崩れ落ちた。
そうなることを予想していたボクが、海神を抱きとめると、彼はボクの身体に自分の身体を隙間なくピタリと絡みつけ、すがりつくようにきつく抱きついたまま、身体を何度も震わせた。
ボクは、あっけなく果ててしまった海神を抱き上げると、そっと椅子に座らせた。
命逢の上空に浮かぶ浮島の中には、精神を強化させたり、傷を癒す泉を持つものがあるというから、今度行ってみるべきかもしれない・・・・。
ボクは牙を剥きかけた本能をどうにか抑えながら、そんなことを本気で考えていた。
同時にボクは、自分よりも海神の方がよほど妖鬼のようじゃないか・・・と、心の中でぼやいた。
品のある端正な顔立ちで、全身には清廉潔白とした美しさを纏っているのに・・・・・海神の心の内は、無垢な子供のようにどこまでも素直で純粋でありながら、甘く色めき、ボクの心に喰らいついて離さない。
危うく自分を手放しそうになったボクは、海神を腕に強く抱き直し、大きく息を吐いて気持ちを落ち着かせると、ようやく口を開いた。
「君は・・・・ボクが黄色の奴と戦っている時、ボクの心が君から離れていると思っていたの?あいつを相手にするために、このボクが、君から心を離してしまうって?」
「・・・・。」
「・・・・君と2人きりでない時は、他の奴に意識を捕らわれている分、君へのボクの想いが薄れていると・・・・・?」
海神は、ボクの問いかけに黙ったまま、不安そうに瞳を揺らした。
「海神・・・・君に少し、酷いことをするよ。」
ボクはわざと怒った顔をして、強引に海神の足の間に自分の足を片方割り入れ、彼の足を開かせ衣をはだけさせた。
下衣をずらすと、ボクは熱を持った海神の柱を手に取り、いたずらに揉んだりこすったりして反応を楽しむ。
いつも防傷薬を取り出している場所から、小さな薬の瓶を取り出すと、ボクはぬるりと重い粘り気を持つ薬液を手に取り、海神の先端の溝をなぞるようにもみ込んだ。
海神は息をつめて声を抑えながら、潤んだ瞳をボクにむけてくる。
ボクは薬液をたっぷり指にとると、彼の奥へと深く何度も塗り込んだ。
海神は身体をひくつかせ、切なげに身を捩り、声を必死で抑えながら息を乱してしがみついてくる。
ボクはすぐにでも海神を押し倒したい激流のような衝動と、心臓を突き破りそうなほど胸に込み上げてくる灼熱を、全力で制しながら、彼の中から指を引き抜き、どうにか彼の衣を整え直すと、熱を持って色めくその瞳を、真っ直ぐに見つめた。
「君ときたら、溶あうほど身体を重ねても・・・どれだけ愛を誓っても・・・ボクの心が君だけのものだということを、ちっとも感じてくれていないの?」
「・・・・蒼。」
「海神。今塗った薬液は、ショクの奴が作った痺れ薬だ。・・・君は水妖。読心術を使えるよね?」
「うん。」
「君の手で、読心術とこの薬の能力を繋いで・・・。ボクが君の事を愛おしいと思っている時だけ、この薬が能力を発動するように・・・・。できる?」
「うん。」
不安そうにボクの目を見つめ返してくる海神の頭をそっとなで、ボクは額にくちづけた。
『ひどい事をする』と伝えたのに・・・・それでもボクの言葉に素直にうなずく海神の姿は、あまりにも愛おしすぎてなぜか涙が溢れそうになる。
ボクは耐えかねて、わざとキツイ口調で海神に話しかけた。
「薬の能力が発動したなら・・・与えられる刺激は、君への罰だ。・・・全部受け止めろ。・・・・もし、術が発動しなければ、君がボクへ、後で好きなだけ罰を与えればいい。」
「うん。」
「術の効果はできるだけ弱く・・・・それから、必ずボクでも解けるようにしておいて。」
「・・・・・なぜ?」
「・・・すぐにわかるさ。・・・さぁ、気をきかせて席を外してくれていた碧が、そろそろ戻って来るようだ。・・・・始めて。」
「・・・うん。」
かなり複雑な術式だけど、優秀な海神はすぐに術を展開させることに成功した。
部屋の中を陣が覆うと、言われた通りにごくごく弱い念をこめ、海神は術を発動させた。
「ぁっ・・・・・!」
術が発動した直後。
海神は小さく声を上げ、その場に崩れ落ちた。
そうなることを予想していたボクが、海神を抱きとめると、彼はボクの身体に自分の身体を隙間なくピタリと絡みつけ、すがりつくようにきつく抱きついたまま、身体を何度も震わせた。
ボクは、あっけなく果ててしまった海神を抱き上げると、そっと椅子に座らせた。
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