双凶の妖鬼 蒼 ~再逢~

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再逢 2 ※

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 あおは、荒く重い呼吸をしながら、燃えるような瞳で私を見つめてきた。

 「あおるな、海神・・・・。怖いんだ。・・・ボクには、抑えられない。」

 私は蒼の頬を手で包みこんだ。
 鋼のように固くなった蒼の熱の塊が、私の中で破裂しそうは熱を放ちながら、大きく脈動している。

 蒼・・・・辛そうだ。
 出会ってから今まで、こんなに切ない表情の蒼を見たことはなかった。
 軽口をたたくように、私の心を転がしているいつもの余裕は一切感じられない。

 「蒼・・・。私は、そう簡単に壊れたりはしない。これでも神妖の中では上位の存在なのだぞ。」

 蒼はまだ動こうとせず、瞳をギラギラと光らせたまま、必死で耐えているようだった。

 「・・・こらえるな。・・・蒼。私は君の全てを、受け止めたい。」
 「・・・・・くそっ!」

 蒼は小さい声で叫ぶようにつぶやくと、大きく身体をのけぞらせ長く息を吐き出した。
 白銀の美しい髪が、絹糸のように流れる。

 2、3度深く息を吐き出すと、蒼は私に覆いかぶさり、再び抽挿を始めた。
 以外にもゆっくりとした浅いその動きに初め甘く酔いしれていた私だったが、そのうち次第に我慢できなくなってきた。
 もっと奥深くまで蒼を感じたくて、彼の腰に足を絡め身をよじる。

 次の瞬間。
 私は身体がふき飛ばされてしまうほど強く蒼に突き上げられた。
 身を捩っていたせいか、蒼の先端が中のある一点を突き、私は雷が落ちたようなあまりの衝撃に息もできず、ただ、かすれそうな悲鳴じみた高い喘ぎを口から細く漏らした。

 蒼は私の腰をしっかりと抱き、そのまま何度も力まかせに自身を突き入れてから、吐息交じりに長く息を吐きだした。
 身体に力が入らず、ぐったりと四肢を投げ出し放心している私の瞳を覗き込むと、蒼は唇にそっと口づけ、うなじに顔をうずめてきた。

 「・・・我慢できないよ。もう・・・。」

 耳元で囁かれる甘く柔らかな声に、とろけそうな快感と幸福を感じながら、私は蒼の背に回した腕に力をこめた。
 再び律動的に抜き挿しを始めた蒼の吐く熱く甘い呼吸に、ゾワリと粟立つような興奮を感じ、私は震えた。

 蒼の動きが深く速くなるごとに、重なる肌は灼熱のように燃え、私はたまらず甘い喘ぎを漏らし、蒼の肩に歯を立てる。

 ことさら強く深く何度も突き上げられ、私は弾けるように熱を放った。
 同時に最奥をえぐるようにして放たれた蒼の熱がドクドクと脈動し、私は白光が点滅するような意識の中、両足を彼の腰に絡め、しっかりと腰を引き寄せて、より一層深く彼を含んだ。

 荒い呼吸を整えながら、蒼は私の頭をぐっと強く抱きしめた。
 腕をほどくと、今度は深く口づけを交わす。
 優しく唇をついばみそっと唇を離した蒼は、フッと笑った。

 私はまだぼんやりとしている意識のままで、首をかしげる。
 そんな私の髪を優しく撫でながら、自分の肩についた歯型に目をやり蒼は笑みを浮かべた。

 「君は・・・・なぜボクを食べようとするんだ。ボクは君を壊さないよう、必死で我慢しているっていうのに、君はボクに噛みついて、思う存分にあおってくる・・・・これじゃまるで、君の方が妖鬼のようじゃないか。」

 私は蒼の言葉に微笑むと、そのまま脱力した。
 心地よい温もりと幸せに満ちた脱力感に襲われ、ふわふわとした私の意識は、霞みの向こうへ流れるように遠のいていった。


 「・・・想い人を待つのに・・・2千年は、あまりにも長すぎるだろう・・・・。馬鹿だな。」

 蒼は噛みしめるようにつぶやくと、穏やかに寝息をたてる海神の唇に、優しく口づけを落とした。
 彼の瞳からとめどなく涙が溢れ、ひそかに褥を濡らした。
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