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第七部 革命編
会議室から始まる王位簒奪劇
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王位簒奪劇の幕開けは、逃げられぬよう予告なしの奇襲攻撃ではあったが、こちらにやましいことは何一つないと示すべく、正々堂々正面突破により強行された。
先日の会談で来ていたのと同じようなデザインの、しかしこの日のために特別にあつらえた黒の盛装に身を包んだテッドは、国賓二人と共に王宮の正門前に馬車を乗りつける。
パックを通じて協力者となった騎士団長ハワードの采配で、自分の元へ派遣された腕利きの護衛たちを伴い、訳知りの警備要員ばかりで固められた内部を我が物顔で歩き、一路朝議の開かれている大会議室へと向かう。
「おい、ミリアルド! 玉座をもらいに来たぞ!」
ノックもなしにドアを開け放ち、開口一番大事な用件をぶち込んでくるテッドに、上座に鎮座したミリアルドがぎょっとした顔で立ち上がった。
「な……いきなり何を言い出すんだ、セドリック! お前のようなボンクラに王が務まるわけが――そ、そちらにいらっしゃる御仁たちは……」
売り言葉に買い言葉が飛び交いそうになるが、義兄の背後に盛装姿の要人の姿を見とめ、すぐさま居住まいを正した。
現在進行形で視野狭窄な愚王の道を突き進んでいるが、外面をつくろうところまでは捨てていないようで、なんとなく安心した。
「以前お会いしたガンドール帝国のゼベル殿下と、あともうひと方は、寡聞にして存じ上げないが……その、あの女、いや、さるご令嬢に大変よく似ていらっしゃるが……」
「お初にお目にかかる、ミリアルド陛下。私はアウルベル王国の国王アンソニーだ。まずはエントールの長である陛下に、なんの先触れもなく訪れた無礼に謝罪を申し上げる」
「アウル、ベルの? だ、確か、王弟殿下によるクーデターが起きたのち、近年再び前国王が政権を取り戻されたと聞いてはいるが……しかし、エントールと国交を持たぬ貴国が、一体なんのご用向きでいらっしゃったのでしょうか。我が国と共に手を取り合い、フォーレンを落とそうとお考え――ではなさそうですね」
「無論だ。アウルベルは完全なる中立国であるぞ。いかなる理由があろうとも、フォーレンにもエントールにも加担はせん。このたびは、故あって生き別れになっていた我が子がこちらにいると伺って取り急ぎ参った次第である」
「わ、我が子、というと……」
「ハイマン公爵家で養育された、ジゼルという女の子だ」
聞くまでもなく、ひと目見ただけでアンソニーとジゼルは瓜二つだが、どうか他人の空似であってほしいと願っていたが、やはり無駄な祈りだった。
半ばアーメンガートにそそのかされたこととはいえ、自分自身も彼女が気に入らなかった節もあり、ミリアルド自らが断罪の音頭を取ったことは記憶に新しい。
その理由の一つが出自不明だったが……まさか自分と等しい身分の王女などと想像もしたことがなかった。実刑に処したわけではなく、修道院での謹慎という甘い処分で済ませたとはいえ、出自を貶した以上十二分に不敬罪が成立する。
もしも知っていたなら、たとえ愛する人の頼みであっても断固として拒否していた。そこまで腑抜けてはいない。
ミリアルドは顔中の血がザァッと引いて真っ白になって、二の句が告げられないまま棒立ちになっていたが、卒倒しないだけの空気読み力と気力は持ち合わせていた。
そんなエントール国王の様子を知ってか知らずか、アンソニーはペラペラと事と次第を話し始める。
「さかのぼること十七年前、私と共にクーデターで亡命中だった妻はエントールに身を潜め、そこでジゼルを産んだ。しかし、逃亡生活の中で赤ん坊を育てるのは難しいと判断し、裕福そうな家の前に置いていくしなかった。そのことを妻はずっと悔いていたが……このたび、セドリック殿下から私によく似た娘を知っていると連絡をいただき、ジゼルの存在を知ったのだ」
「セドリック……一体どこでアンソニー陛下のお顔を? まさか、このことを知っていながら、ずっと黙っていたのか? 僕を、はめるために……!」
「まさか。俺も知ったのはつい最近だ。クーデター成功当初、アウルベルから各国へ配られた亡命した国王一家の手配書だよ。母の執務室の奥底に、未処理のまま放置されていた書類に中に紛れていた」
テッドは懐から折りたたまれた手配書を取り出し、ミリアルドにツカツカと歩み寄って突き付ける。
その古びて黄ばんだ紙切れをひったくり、白い顔のまま食い入るように見つめたのち、ややあって力なく腕を下ろしながら、テッドの胸元に押し付けるように突き返した。
「どうして父上は、こんな大事なものを見逃したりしたのか……これさえあれば、ジゼル・ハイマンの罪を問うことしなかったのに……」
「馬鹿か。相手が貴族だろうが平民だろうが、自分ではどうにもできない出自をあげつらうことなど、王としてあるまじきこと。そもそも、無実の者をでっち上げの罪で裁くなど、到底許されることじゃない」
「……は? 無実だと? 賄賂も脅迫もすべて裏付けが取れている! ちゃんと証拠もそろっている! 大叔父様が協力してくれたんだから間違いはない! あの女が罪を犯したことには変わりないだろう!?」
出自以外の罪状そのものと、大叔父ドミニオンを信じ切っているミリアルドは、義兄の胸倉を掴んでまくしたてるが、それを軽くいなして振り払う。
「信じる相手を間違えたな、ミリアルド。どちらも軍部が――正確には、アーメンガートが大叔父様と結託して、証拠も証言も捏造したんだよ。ジゼルを目障りに思っていたお前の恋人が、武器産業で再興を図りたい養父のルクウォーツ卿と、戦争をやりたくて仕方がない大叔父様を取次ぎ、ジゼルを社交界から追い出す計画に協力させたんだ」
「馬鹿な! それこそ証拠も何もない濡れ衣じゃないか!」
「――そうでもないんだよねぇ、ミリアルドくん」
再びノックもなしに会議室のドアが開かれたかと思うと、今度は騎士用の礼装をまとったハワードと――盛装姿の謎の男が乗り込んできた。
丁寧に撫でつけられた黒い髪と、切れ長の赤い瞳はテッドによく似ているが、彼より体格がよく、日焼けした小麦色の肌と彫りが深い顔立ちが相まって、なんとも野性味あふれる美丈夫である。
「だ……誰、だ?」
大臣たちが闖入者に「どこかで見たような……」とつぶやきつつ、首をひねって疑問符を浮かべる中、代表するわけではないがミリアルドが問う。
「やだなぁ。半分しか血は繋がってないけど、実のお兄ちゃんのこと忘れちゃったの? だから可愛くない方の弟なんだよね、君は。俺だよ、俺。救いようのない馬鹿で王太子になり損ねた第一王子こと、パトリックくんだよー?」
おちゃらけた口調で自己紹介をしつつも、女形のような色っぽい流し目で誘惑フェロモンを垂れ流すパックに、いい歳をしたオッサン連中が一様に赤らんだ顔で机に突っ伏した。
義弟のミリアルドも同じように赤くなり、口元を押さえて小さなうめき声をあげた。
ゼベルもアンソニーも顔色にこそ出ていないが、そっと視線を逸らして半歩下がったあたり、少なからずフェロモンにあてられたのだろう。
「……兄上の素顔は、相変わらずキレッキレな顔面凶器ですね」
普通なら顔面凶器とは、ひと睨みで人を殺せそうな強面に使われる表現で、こういう方面での“殺し方”に適応されるのかは定かではないが、それ以外にたとえようがないくらい効果てきめんだ。
さすがに幼い頃から見慣れている弟や母には効かないし、なんとなくだがジゼルにも効きそうにない。
何年もテッドを傍に置いていて、ときめく様子を一度も見せなかった彼女のことだ、「なんちゅーか……ドえらいベッピンさんやねぇ」という感想をもらうだけで終わりそうだ。それはそれで面白いのだが。
「だろ。だからいつもズボラな格好と髭で封印してんだよ。今回は、可愛い方の弟のために解放しちゃったけどね」
一本も剃り残しのないツルツルの顎と、すっかり刈られたもみあげのあたりを、手のひらで往復するように撫でるパック。
普段彼がモジャモジャの髭で顔を覆っていたのは、王子という身分を露見させないためだけではなく、老若男女を魅了しまくる色気を封じるためでもあった。
ここにいる大臣たちの中には、パックの幼少期を知っている者もいるはずだが、髭の似合わない十代の頃から髭面を通してきたし、彼らの前に出ることなど数えるほどしかなかったから、素顔のことなどすっかり忘れていただろう。
先日の会談で来ていたのと同じようなデザインの、しかしこの日のために特別にあつらえた黒の盛装に身を包んだテッドは、国賓二人と共に王宮の正門前に馬車を乗りつける。
パックを通じて協力者となった騎士団長ハワードの采配で、自分の元へ派遣された腕利きの護衛たちを伴い、訳知りの警備要員ばかりで固められた内部を我が物顔で歩き、一路朝議の開かれている大会議室へと向かう。
「おい、ミリアルド! 玉座をもらいに来たぞ!」
ノックもなしにドアを開け放ち、開口一番大事な用件をぶち込んでくるテッドに、上座に鎮座したミリアルドがぎょっとした顔で立ち上がった。
「な……いきなり何を言い出すんだ、セドリック! お前のようなボンクラに王が務まるわけが――そ、そちらにいらっしゃる御仁たちは……」
売り言葉に買い言葉が飛び交いそうになるが、義兄の背後に盛装姿の要人の姿を見とめ、すぐさま居住まいを正した。
現在進行形で視野狭窄な愚王の道を突き進んでいるが、外面をつくろうところまでは捨てていないようで、なんとなく安心した。
「以前お会いしたガンドール帝国のゼベル殿下と、あともうひと方は、寡聞にして存じ上げないが……その、あの女、いや、さるご令嬢に大変よく似ていらっしゃるが……」
「お初にお目にかかる、ミリアルド陛下。私はアウルベル王国の国王アンソニーだ。まずはエントールの長である陛下に、なんの先触れもなく訪れた無礼に謝罪を申し上げる」
「アウル、ベルの? だ、確か、王弟殿下によるクーデターが起きたのち、近年再び前国王が政権を取り戻されたと聞いてはいるが……しかし、エントールと国交を持たぬ貴国が、一体なんのご用向きでいらっしゃったのでしょうか。我が国と共に手を取り合い、フォーレンを落とそうとお考え――ではなさそうですね」
「無論だ。アウルベルは完全なる中立国であるぞ。いかなる理由があろうとも、フォーレンにもエントールにも加担はせん。このたびは、故あって生き別れになっていた我が子がこちらにいると伺って取り急ぎ参った次第である」
「わ、我が子、というと……」
「ハイマン公爵家で養育された、ジゼルという女の子だ」
聞くまでもなく、ひと目見ただけでアンソニーとジゼルは瓜二つだが、どうか他人の空似であってほしいと願っていたが、やはり無駄な祈りだった。
半ばアーメンガートにそそのかされたこととはいえ、自分自身も彼女が気に入らなかった節もあり、ミリアルド自らが断罪の音頭を取ったことは記憶に新しい。
その理由の一つが出自不明だったが……まさか自分と等しい身分の王女などと想像もしたことがなかった。実刑に処したわけではなく、修道院での謹慎という甘い処分で済ませたとはいえ、出自を貶した以上十二分に不敬罪が成立する。
もしも知っていたなら、たとえ愛する人の頼みであっても断固として拒否していた。そこまで腑抜けてはいない。
ミリアルドは顔中の血がザァッと引いて真っ白になって、二の句が告げられないまま棒立ちになっていたが、卒倒しないだけの空気読み力と気力は持ち合わせていた。
そんなエントール国王の様子を知ってか知らずか、アンソニーはペラペラと事と次第を話し始める。
「さかのぼること十七年前、私と共にクーデターで亡命中だった妻はエントールに身を潜め、そこでジゼルを産んだ。しかし、逃亡生活の中で赤ん坊を育てるのは難しいと判断し、裕福そうな家の前に置いていくしなかった。そのことを妻はずっと悔いていたが……このたび、セドリック殿下から私によく似た娘を知っていると連絡をいただき、ジゼルの存在を知ったのだ」
「セドリック……一体どこでアンソニー陛下のお顔を? まさか、このことを知っていながら、ずっと黙っていたのか? 僕を、はめるために……!」
「まさか。俺も知ったのはつい最近だ。クーデター成功当初、アウルベルから各国へ配られた亡命した国王一家の手配書だよ。母の執務室の奥底に、未処理のまま放置されていた書類に中に紛れていた」
テッドは懐から折りたたまれた手配書を取り出し、ミリアルドにツカツカと歩み寄って突き付ける。
その古びて黄ばんだ紙切れをひったくり、白い顔のまま食い入るように見つめたのち、ややあって力なく腕を下ろしながら、テッドの胸元に押し付けるように突き返した。
「どうして父上は、こんな大事なものを見逃したりしたのか……これさえあれば、ジゼル・ハイマンの罪を問うことしなかったのに……」
「馬鹿か。相手が貴族だろうが平民だろうが、自分ではどうにもできない出自をあげつらうことなど、王としてあるまじきこと。そもそも、無実の者をでっち上げの罪で裁くなど、到底許されることじゃない」
「……は? 無実だと? 賄賂も脅迫もすべて裏付けが取れている! ちゃんと証拠もそろっている! 大叔父様が協力してくれたんだから間違いはない! あの女が罪を犯したことには変わりないだろう!?」
出自以外の罪状そのものと、大叔父ドミニオンを信じ切っているミリアルドは、義兄の胸倉を掴んでまくしたてるが、それを軽くいなして振り払う。
「信じる相手を間違えたな、ミリアルド。どちらも軍部が――正確には、アーメンガートが大叔父様と結託して、証拠も証言も捏造したんだよ。ジゼルを目障りに思っていたお前の恋人が、武器産業で再興を図りたい養父のルクウォーツ卿と、戦争をやりたくて仕方がない大叔父様を取次ぎ、ジゼルを社交界から追い出す計画に協力させたんだ」
「馬鹿な! それこそ証拠も何もない濡れ衣じゃないか!」
「――そうでもないんだよねぇ、ミリアルドくん」
再びノックもなしに会議室のドアが開かれたかと思うと、今度は騎士用の礼装をまとったハワードと――盛装姿の謎の男が乗り込んできた。
丁寧に撫でつけられた黒い髪と、切れ長の赤い瞳はテッドによく似ているが、彼より体格がよく、日焼けした小麦色の肌と彫りが深い顔立ちが相まって、なんとも野性味あふれる美丈夫である。
「だ……誰、だ?」
大臣たちが闖入者に「どこかで見たような……」とつぶやきつつ、首をひねって疑問符を浮かべる中、代表するわけではないがミリアルドが問う。
「やだなぁ。半分しか血は繋がってないけど、実のお兄ちゃんのこと忘れちゃったの? だから可愛くない方の弟なんだよね、君は。俺だよ、俺。救いようのない馬鹿で王太子になり損ねた第一王子こと、パトリックくんだよー?」
おちゃらけた口調で自己紹介をしつつも、女形のような色っぽい流し目で誘惑フェロモンを垂れ流すパックに、いい歳をしたオッサン連中が一様に赤らんだ顔で机に突っ伏した。
義弟のミリアルドも同じように赤くなり、口元を押さえて小さなうめき声をあげた。
ゼベルもアンソニーも顔色にこそ出ていないが、そっと視線を逸らして半歩下がったあたり、少なからずフェロモンにあてられたのだろう。
「……兄上の素顔は、相変わらずキレッキレな顔面凶器ですね」
普通なら顔面凶器とは、ひと睨みで人を殺せそうな強面に使われる表現で、こういう方面での“殺し方”に適応されるのかは定かではないが、それ以外にたとえようがないくらい効果てきめんだ。
さすがに幼い頃から見慣れている弟や母には効かないし、なんとなくだがジゼルにも効きそうにない。
何年もテッドを傍に置いていて、ときめく様子を一度も見せなかった彼女のことだ、「なんちゅーか……ドえらいベッピンさんやねぇ」という感想をもらうだけで終わりそうだ。それはそれで面白いのだが。
「だろ。だからいつもズボラな格好と髭で封印してんだよ。今回は、可愛い方の弟のために解放しちゃったけどね」
一本も剃り残しのないツルツルの顎と、すっかり刈られたもみあげのあたりを、手のひらで往復するように撫でるパック。
普段彼がモジャモジャの髭で顔を覆っていたのは、王子という身分を露見させないためだけではなく、老若男女を魅了しまくる色気を封じるためでもあった。
ここにいる大臣たちの中には、パックの幼少期を知っている者もいるはずだが、髭の似合わない十代の頃から髭面を通してきたし、彼らの前に出ることなど数えるほどしかなかったから、素顔のことなどすっかり忘れていただろう。
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