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幕間 女子修道院編
その頃のゲスト悪役令嬢 前編
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「はあ、なんか面倒臭いことになったよね……」
「ええ、本当に……内憂外患とはまさにこのことです」
ジゼルが悠々自適なスローライフを送っていたその頃。隣国フォーレン王国の王宮の中庭にて。
特別に品種改良されたバラのかぐわしい香りを感じられる四阿では、未来の国王夫婦がため息交じりにアフタヌーンティーを囲んでいた。
エントールより温暖な気候のため真夏はうだるような暑さになるものの、初夏なら外でも心地よくお茶が楽しめるはずなのだが……彼らの表情は晴れやかどころか憂鬱そのものだった。
(それもこれも、全部女狐たちのせいなんだけどね……!)
セシリアは内心は激しく苛立ちながらも、表面上は優雅にカップを傾けてお茶を一口含む。
エントールでは女狐といえばアーメンガートを連想するが、フォーレンでは恋のキューピーッドとして有名なクラリッサ・マクレインだ。
彼女は表向き品行方正な麗しい公爵令嬢として通っているが、他人を洗脳する効果を放つ邪眼を持ち、それを使って己の願望をかなえるためにどこまでも狡猾に立ち回る、立派な女狐だ。
クラリッサの望みはただ一つ――隠し攻略対象であったカーライル・ジードを手に入れること。
カーライルは以前にも述べたが、第一王子でありながら側室の子というだけで冷遇され、年の離れた正室の子フロリアンに王太子の座を奪われた過去がある。本人はそこに不満はなかったが、母親がなんとしても自分の息子に玉座をと望み、フロリアンの暗殺を画策し実行に移した。
暗殺そのものは失敗に終わったが、王太子を害そうとしただけで立派な犯罪だ。
彼女は側室の座を追われたのち自害、カーライルは廃嫡となり王族の遠縁へ養子に出され、その後は一軍人として身を立てている。
普通なら闇落ちしていそうな生い立ちでありながら、実直でストイックな性格を貫くカーライルはファンの間でも人気があった。
クラリッサも転生者だから、そのファンのうちの一人だったのは想像に難くないが……それにしてもやることが悪質すぎるのだ、
万が一にも彼が他の誰かと恋愛関係になるのを防ぐためか、年頃の令息令嬢のほとんどをカップルに仕立ててライバルを潰し、暗殺未遂を機にひび割れた兄弟の関係を取り持って恩を売った。
その下地と邪眼を利用して、偶然やさりげなさを装って色仕掛けで迫ったり、本人の許可なく瞳の色を模したドレスや装飾品を身に着けていたり、恋人や婚約者だと誤解させるような振舞いをして外堀を埋めようとしたり、公爵家の権力を使ってやりたい放題だ。
社交界きっての美少女にそこまで迫られてもなびかない、彼の驚異の精神力には感服の一言だが、ここまでやっても落ちない相手を諦めず落とそうとするクラリッサも、相当病んでいるとしか言いようがない。
その攻防にどう終止符を打とうか考えあぐねいているうちに、先日ゲームのシナリオが始まり、ヒロインのプリエラ・ホワイトリーが登場した。
観察する限り転生者のようだが、性格は至極真っ当でチートの類も持っていそうにない、少し可愛いだけの平凡な女の子だった。
婚活のため王宮の舞踏会に訪れた彼女は、そこで攻略対象と出会い以降半年ほどかけて親睦を深めていくのが本筋だが……クラリッサの策略で、攻略対象どころかめぼしい令息もすべて完売済みという詰んだ状態。
しかも横柄なカップルに絡まれて令嬢人生がピンチに追い込まれた時、助けに入ったのはカーライル。シナリオにはない展開ながら、見事カーライルルートに入ってしまったヒロインだが、悪役令嬢がいつものように彼と恋人関係を匂わせて牽制したことで、「ざまぁ、ダメ絶対!」とばかりに逃走。
これで一件落着かと思いきや、カーライルは彼女にご執心の様子で、『悪役令嬢→隠しキャラ→ヒロイン』という一方通行のトライアングルが完成してしまった。
これがただのラブコメであれば傍観者でいられたのだが、女狐はこともあろうか婚約者のいるフロリアンとヒロインをくっつけようという動きも見せているので、まったく油断できない状態だ。
(『真実の愛でトチ狂った王太子を廃し、第一王子を復籍させて公爵家の後ろ盾を使って立太子。そして自分は愛する人と玉座の両方を手に入れる』ってところかしら。本当に狡猾だわ)
相手の手の内が読めても、確実な証拠がなければ動けない。悪役令嬢の実家だけあってマクレイン家の権力は相当だし、一人娘というだけあってものすごく溺愛されている。おまけに外面も完璧だし、邪眼で洗脳された“信者”もたくさんいる。
下手に突っつけば藪蛇だ。王家でもおいそれと手が出せない。
だからこそ、今まで女狐と分かっていても野放しになっていたわけだが……ヒロインという不確定要素で一発逆転の可能性が出てきた。平穏を望む彼女には悪いが、カーライルルートを完遂してもらうついでに、クラリッサを社会的に抹殺してもらわねば。
そのための策をフロリアンと一緒に練り、悪役令嬢ざまぁ計画を実行しようとしていた矢先――ジゼルが反逆罪に問われて断罪されたことや、アーメンガートが軍部と結託して戦争を画策していることを、間者からの報告で耳にして現在に至る。
「……クラリッサは計画通りに行けば排除できそうですが、問題はアーメンガート嬢ですね」
こちらの女狐も言うほど簡単に退治できるとは思わないし、予断を許さない案件なのは変わりないが、それよりも戦争を吹っ掛けてこようとするアーメンガートの方が危険だ。
「いくら私怨のあるジゼル嬢を排除するためとはいえ、わざわざ軍の手を借りる理由が分かりません。彼女は周りの男たちを誑し込み手駒にしていた。報告ではいずれも上級貴族の令息ですし、ただ見せしめや憂さ晴らしに断罪するだけなら、彼らの手を借りるだけで十分だったはずです」
「そうだね。彼女が我が国との戦争を望んでいる、という噂も耳には入ってるけど、なんの確証はない。ああいう頭の切れるタイプが血生臭い争いごとを望むとは思えないし、生家の男爵家も含めてめぼしい親類は調べたけれど、フォーレンとの縁はないし、恨みを抱かれることもない」
まさかアーメンガートの狙いもカーライルだとは知らない二人は、明確な対策を打ち出せずに頭を抱えるしかない。
「国境警備隊の強化と同盟国への根回しは言うまでもないですが、戦争の大義名分を与えないことも重要ですわね。エントールに放っている間者が、冤罪被害に遭わなければいいのですが」
暗殺だの破壊工作だの濡れ衣を着せられて、不用意に戦争の種を蒔かれてはたまったものではない。
「それは心配しなくていい。父上はエントールの間者全員に帰還命令を出した。近日中に帰国する手はずになってる」
「さすが陛下、お仕事が早いですわね。生の情報が手に入らなくなるのはつらいですけれど」
「ふふふ、それに関しては問題はない。僕には独自の情報網があるからね」
「え?」
セシリアがきょとんと見つめ返すと、フロリアンはニコリと笑って懐から一通の手紙を出して差出人の書かれた方を向け、テーブルの上に置く。
そこに記された署名は――セドリック。
家名は書かれていないが、封蝋にはエントール王家の紋章が押されている。言うまでもなく腹黒従者ことテッドのことだ。
「セドリック様といえば、エントールのボ……コホン、第二王子でしたね?」
ボンクラ王子と言いかけたが、慌てて訂正する。
セシリアは『純愛カルテッド2』のスピンオフ漫画を知らないので、王妃教育で学んだ上っ面の情報でしかテッドを知らないのだ。
「そう。彼とは子供の頃に知り合って以来、長い付き合いなんだ。まあ、会うことは滅多にないから、手紙の上の交流だけなんだけど」
「ええ、本当に……内憂外患とはまさにこのことです」
ジゼルが悠々自適なスローライフを送っていたその頃。隣国フォーレン王国の王宮の中庭にて。
特別に品種改良されたバラのかぐわしい香りを感じられる四阿では、未来の国王夫婦がため息交じりにアフタヌーンティーを囲んでいた。
エントールより温暖な気候のため真夏はうだるような暑さになるものの、初夏なら外でも心地よくお茶が楽しめるはずなのだが……彼らの表情は晴れやかどころか憂鬱そのものだった。
(それもこれも、全部女狐たちのせいなんだけどね……!)
セシリアは内心は激しく苛立ちながらも、表面上は優雅にカップを傾けてお茶を一口含む。
エントールでは女狐といえばアーメンガートを連想するが、フォーレンでは恋のキューピーッドとして有名なクラリッサ・マクレインだ。
彼女は表向き品行方正な麗しい公爵令嬢として通っているが、他人を洗脳する効果を放つ邪眼を持ち、それを使って己の願望をかなえるためにどこまでも狡猾に立ち回る、立派な女狐だ。
クラリッサの望みはただ一つ――隠し攻略対象であったカーライル・ジードを手に入れること。
カーライルは以前にも述べたが、第一王子でありながら側室の子というだけで冷遇され、年の離れた正室の子フロリアンに王太子の座を奪われた過去がある。本人はそこに不満はなかったが、母親がなんとしても自分の息子に玉座をと望み、フロリアンの暗殺を画策し実行に移した。
暗殺そのものは失敗に終わったが、王太子を害そうとしただけで立派な犯罪だ。
彼女は側室の座を追われたのち自害、カーライルは廃嫡となり王族の遠縁へ養子に出され、その後は一軍人として身を立てている。
普通なら闇落ちしていそうな生い立ちでありながら、実直でストイックな性格を貫くカーライルはファンの間でも人気があった。
クラリッサも転生者だから、そのファンのうちの一人だったのは想像に難くないが……それにしてもやることが悪質すぎるのだ、
万が一にも彼が他の誰かと恋愛関係になるのを防ぐためか、年頃の令息令嬢のほとんどをカップルに仕立ててライバルを潰し、暗殺未遂を機にひび割れた兄弟の関係を取り持って恩を売った。
その下地と邪眼を利用して、偶然やさりげなさを装って色仕掛けで迫ったり、本人の許可なく瞳の色を模したドレスや装飾品を身に着けていたり、恋人や婚約者だと誤解させるような振舞いをして外堀を埋めようとしたり、公爵家の権力を使ってやりたい放題だ。
社交界きっての美少女にそこまで迫られてもなびかない、彼の驚異の精神力には感服の一言だが、ここまでやっても落ちない相手を諦めず落とそうとするクラリッサも、相当病んでいるとしか言いようがない。
その攻防にどう終止符を打とうか考えあぐねいているうちに、先日ゲームのシナリオが始まり、ヒロインのプリエラ・ホワイトリーが登場した。
観察する限り転生者のようだが、性格は至極真っ当でチートの類も持っていそうにない、少し可愛いだけの平凡な女の子だった。
婚活のため王宮の舞踏会に訪れた彼女は、そこで攻略対象と出会い以降半年ほどかけて親睦を深めていくのが本筋だが……クラリッサの策略で、攻略対象どころかめぼしい令息もすべて完売済みという詰んだ状態。
しかも横柄なカップルに絡まれて令嬢人生がピンチに追い込まれた時、助けに入ったのはカーライル。シナリオにはない展開ながら、見事カーライルルートに入ってしまったヒロインだが、悪役令嬢がいつものように彼と恋人関係を匂わせて牽制したことで、「ざまぁ、ダメ絶対!」とばかりに逃走。
これで一件落着かと思いきや、カーライルは彼女にご執心の様子で、『悪役令嬢→隠しキャラ→ヒロイン』という一方通行のトライアングルが完成してしまった。
これがただのラブコメであれば傍観者でいられたのだが、女狐はこともあろうか婚約者のいるフロリアンとヒロインをくっつけようという動きも見せているので、まったく油断できない状態だ。
(『真実の愛でトチ狂った王太子を廃し、第一王子を復籍させて公爵家の後ろ盾を使って立太子。そして自分は愛する人と玉座の両方を手に入れる』ってところかしら。本当に狡猾だわ)
相手の手の内が読めても、確実な証拠がなければ動けない。悪役令嬢の実家だけあってマクレイン家の権力は相当だし、一人娘というだけあってものすごく溺愛されている。おまけに外面も完璧だし、邪眼で洗脳された“信者”もたくさんいる。
下手に突っつけば藪蛇だ。王家でもおいそれと手が出せない。
だからこそ、今まで女狐と分かっていても野放しになっていたわけだが……ヒロインという不確定要素で一発逆転の可能性が出てきた。平穏を望む彼女には悪いが、カーライルルートを完遂してもらうついでに、クラリッサを社会的に抹殺してもらわねば。
そのための策をフロリアンと一緒に練り、悪役令嬢ざまぁ計画を実行しようとしていた矢先――ジゼルが反逆罪に問われて断罪されたことや、アーメンガートが軍部と結託して戦争を画策していることを、間者からの報告で耳にして現在に至る。
「……クラリッサは計画通りに行けば排除できそうですが、問題はアーメンガート嬢ですね」
こちらの女狐も言うほど簡単に退治できるとは思わないし、予断を許さない案件なのは変わりないが、それよりも戦争を吹っ掛けてこようとするアーメンガートの方が危険だ。
「いくら私怨のあるジゼル嬢を排除するためとはいえ、わざわざ軍の手を借りる理由が分かりません。彼女は周りの男たちを誑し込み手駒にしていた。報告ではいずれも上級貴族の令息ですし、ただ見せしめや憂さ晴らしに断罪するだけなら、彼らの手を借りるだけで十分だったはずです」
「そうだね。彼女が我が国との戦争を望んでいる、という噂も耳には入ってるけど、なんの確証はない。ああいう頭の切れるタイプが血生臭い争いごとを望むとは思えないし、生家の男爵家も含めてめぼしい親類は調べたけれど、フォーレンとの縁はないし、恨みを抱かれることもない」
まさかアーメンガートの狙いもカーライルだとは知らない二人は、明確な対策を打ち出せずに頭を抱えるしかない。
「国境警備隊の強化と同盟国への根回しは言うまでもないですが、戦争の大義名分を与えないことも重要ですわね。エントールに放っている間者が、冤罪被害に遭わなければいいのですが」
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「それは心配しなくていい。父上はエントールの間者全員に帰還命令を出した。近日中に帰国する手はずになってる」
「さすが陛下、お仕事が早いですわね。生の情報が手に入らなくなるのはつらいですけれど」
「ふふふ、それに関しては問題はない。僕には独自の情報網があるからね」
「え?」
セシリアがきょとんと見つめ返すと、フロリアンはニコリと笑って懐から一通の手紙を出して差出人の書かれた方を向け、テーブルの上に置く。
そこに記された署名は――セドリック。
家名は書かれていないが、封蝋にはエントール王家の紋章が押されている。言うまでもなく腹黒従者ことテッドのことだ。
「セドリック様といえば、エントールのボ……コホン、第二王子でしたね?」
ボンクラ王子と言いかけたが、慌てて訂正する。
セシリアは『純愛カルテッド2』のスピンオフ漫画を知らないので、王妃教育で学んだ上っ面の情報でしかテッドを知らないのだ。
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