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第五部 風雲急編
相性ピッタリ?
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ダンスとはいえ赤の他人と体を密着させるなど前世も含めて未知の領域で、まさに人生初の出来事であるが――緊張した割にはとんだ肩すかしだった。
ぴったりと触れ合っているのに、まるで父や兄と踊る時と同じくらい違和感がないし、身を預けることに不安も感じない。
ふんわりとかおる香水は嗅ぎ慣れないものだったが、彼の体質に合っているのか心地よく感じる。
家族とはいえ血の繋がらない男性陣と赤ん坊の頃から触れていたから、知らない間に慣れていてそのあたりの感覚が鈍っているのか。
だが、誰でもそうというわけではないのも確かだ。
ぶっちぎりでモテない身ではあるが、一応貴族令嬢として異性にエスコートされる機会はそれなりにあるものの、彼ほど触れることに抵抗を感じない人物は多分いない。
デートに誘われるほど親しくしていたトーマでも、ここまでしっくりくるものはなかったと思う。
不思議に思いながらも、新しい曲が始まったのに合わせて動き出す。
さりげなく周囲を見回し観察すると、合法的な密着状態で睦言を語らうことを目的としているのか、技巧を要求されることなくゆっくりとしたリズムの中、基本的なステップを規則正しく踏むだけでいいらしい。
ダンスの得意ではないジゼルには好都合だが……
(せやけど、この人と何を話せっちゅーねん……)
他愛ないおしゃべりは大好きだし、プレゼンや商談も慣れたものだが、男女の間で一体どんな話題で花を咲かせるべきなのか、恋愛力底辺のジゼルにはさっぱり分からない。
それよりも、彼が自分に近づいてきた動機なんなのかの方が気になる。
容姿も中身も真っ当な恋愛感情を持ってもらえる代物とは思っていないし、やはりジゼルと結婚することで得られる利益――公爵家の金とコネや会社の乗っ取りが目的なのか。
身分や地位あるいは年齢の問題で、正攻法では当主から反対されると踏んで、こうしてその辺のしがらみを取っ払った仮面舞踏会で口説き落とそうとしている、と考えれば一応納得はいくが……身なりも上等だし、アディス夫人が畏怖するほどだから、わざわざジゼルでなくとももっと優良物件を選び放題のはずだ。
ブサ猫をこよなく愛する異国の皇子様ではあるまいし、この顔が気に入ったという好き者なのか、それともこういうむっちりボディに惹かれるタイプなのか。
「……随分と上の空だな、レディ・パンサー」
「ああ、すんません。こういう時何をお話したらええか分からんので……」
「見合いでもないのに、無理に話題を探して話す必要もないだろう。何も語らずとも、一曲踊れば相性が分かる」
仮面の奥でクスリと笑い、ハーミットは心持ち顔を近づけホールドの力を強める。
「こうして至近距離で触れ合って、嫌悪感を抱かないかどうかもポイントだが、ダンスはお互いの動きやリズム感を尊重し合うことが重要だ。つまり、どちらもクリアして心地よく踊れるということは、相性がいいということだと思わないか?」
「そらまあ、確かに」
「もちろん各々の経験や技量によって左右されるから、一概に断言はできないが……そこを踏まえて、あなたは俺との相性をどう分析する?」
「え、どうって……」
触れ合ってもまるで違和感がないのは、異性として意識していないような気もするが、嫌悪感がないという点ではプラスだと思う。
それに、こうして考え事をしながら踊っているのに少しも引っかけずにいられるのは、ジゼルの動きをしっかり見極めフォローしてくれているからだろう。
総合すれば相性はいいということになるが……何故だか無性にうなずきたくない。
甘酸っぱい乙女心だとか人並みの羞恥心だとかではなく、純粋な反発心だ。
いかなる目論見があろうと、堂々とジゼルを口説くと公言した人間は彼だけで、自力で結婚相手を見つける最初で最後のチャンスかもしれない。
ロゼッタのようなツンデレの似合う元美少女ならともかく、ブサ猫が意地を張ったところで可愛くもなんともなく、メリットは何もないのだが、素直に肯定する気には到底なれなかった。
「……まあ、悪うないとは思いますけど」
「それは、肯定的な意味で捉えていいのかな?」
「そちらさんのお好きなように、解釈しはったらよろしいですわ」
「了解。では、レディ・パンサーは俺のことが大好きということで」
「飛躍しすぎですやろ!?」
何がどう転がってそこに着地したのか。
ていうか、ブサ猫に好かれて何が楽しいのか、さっぱり理解不能だ。
「ほんなら、ハーミットはどない思うんです?」
「もちろん最高だと思っている。あなたが許可してくれるなら、今夜にでもご両親に結婚の申し込みをしてもいいくらいだ」
「いやいやいや、無理無理無理」
冗談だと分かっているが、安易にうなずけない案件だ。
そんな暴挙に出たらハイマン家で大暴動が起きる。
ブンブン首を横に振って拒絶すると、ハーミットはなにやら心外そうな声を上げた。
「おや、信じてもらえないようだな」
「どこの誰かも分からん上に笑えん冗談を言うようなお人に、信じるに足る要素があると思うてはるんですか?」
表情も声も仮面の下に隠している状態では、ただでさえ真意を見抜くのは難しいのに、こうも恥ずかしげもなく即答されると嘘っぽく感じて、やっぱり下心があるのではないかと邪推してしまう。
「冗談ではなく本気なんだが」
「ほんなら、なおのこと信用なりませんわ。ウチみたいなはみ出し者が常識語るんは筋違いかもしれませんけど、そういうのはちゃんと段階踏むモンとちゃいます?」
「あなたは若いのにしっかりしているというか、現実的だな。あなたくらいの年頃の令嬢は、恋愛は理屈ではなく本能でするものだと考えているとばかり思っていたが」
「その肝心のウチの本能が、『ハーミットさんはやめとけ』言うてますけど?」
「それは残念。でもまあ、愛憎は表裏一体、愛情の対義語は無関心とよく言うし、そこまでしっかり意識してくれているなら、今夜ここに来た意味があったということだな。あっさり手に入っても面白くないし、このくらい警戒心が強い女性の方が落とし甲斐もある。あなたが俺に陥落する日を楽しみにしている」
「うおえぇぇ……」
絞められた鶏みたいな声を上げ、ジゼルは虚無の表情で天井を仰ぐ。
恋愛小説でたとえるなら『意地っ張りヒロインに惚れ込んだドSヒーローが宣戦布告する』的な図だが、彼女の中に甘酸っぱい予感などまるでなく、どちらかと言えば絶望感でいっぱいだ。
何故こんな展開になったんだろう。
すげない態度を取りすぎて男性の狩猟本能のスイッチを入れてしまったのか、はたまたこれが彼本来の性格なのか。
この分だと今夜限りでお別れという感じではなく、口説き落とされるまで付きまとわれる予感しかしない。
(これ、どないして収拾つけたらええんやろ……)
断ったら断った分だけ意欲が増す逆境燃えタイプは対処に困る。
ノーが言える大阪のオバチャンとはいえ、ひょっとしたら押し切られるかもしれない。
こうなったら家族を巻き込んで防衛線に徹する他はないが、彼らが予想外の出来事に乱心してとんでもないことをしでかさないかの心配もある。
ただまあ、足掻いてもどうにもならず結局結婚することになったとしても、それはそれで年貢の納め時なのかと諦めればいいだけだが――問題なのは、彼がゲーム感覚でジゼルを落とすつもりのクズ男だった場合だ。
(ウチはこれも人生経験やって思えるけど、そんなオチになったら我が家はめっちゃ荒れるな、絶対……)
美的感覚のズレまくったブサ猫信奉者の集団が大暴れしないよう、彼が誠実な人間であることを祈るしかない。
……などとつらつらと考えている間にも、ハーメルンの笛吹き並みの巧みなリードで自由自在に操られて、三曲ぶっ続けで踊っていたジゼルだった。
ぴったりと触れ合っているのに、まるで父や兄と踊る時と同じくらい違和感がないし、身を預けることに不安も感じない。
ふんわりとかおる香水は嗅ぎ慣れないものだったが、彼の体質に合っているのか心地よく感じる。
家族とはいえ血の繋がらない男性陣と赤ん坊の頃から触れていたから、知らない間に慣れていてそのあたりの感覚が鈍っているのか。
だが、誰でもそうというわけではないのも確かだ。
ぶっちぎりでモテない身ではあるが、一応貴族令嬢として異性にエスコートされる機会はそれなりにあるものの、彼ほど触れることに抵抗を感じない人物は多分いない。
デートに誘われるほど親しくしていたトーマでも、ここまでしっくりくるものはなかったと思う。
不思議に思いながらも、新しい曲が始まったのに合わせて動き出す。
さりげなく周囲を見回し観察すると、合法的な密着状態で睦言を語らうことを目的としているのか、技巧を要求されることなくゆっくりとしたリズムの中、基本的なステップを規則正しく踏むだけでいいらしい。
ダンスの得意ではないジゼルには好都合だが……
(せやけど、この人と何を話せっちゅーねん……)
他愛ないおしゃべりは大好きだし、プレゼンや商談も慣れたものだが、男女の間で一体どんな話題で花を咲かせるべきなのか、恋愛力底辺のジゼルにはさっぱり分からない。
それよりも、彼が自分に近づいてきた動機なんなのかの方が気になる。
容姿も中身も真っ当な恋愛感情を持ってもらえる代物とは思っていないし、やはりジゼルと結婚することで得られる利益――公爵家の金とコネや会社の乗っ取りが目的なのか。
身分や地位あるいは年齢の問題で、正攻法では当主から反対されると踏んで、こうしてその辺のしがらみを取っ払った仮面舞踏会で口説き落とそうとしている、と考えれば一応納得はいくが……身なりも上等だし、アディス夫人が畏怖するほどだから、わざわざジゼルでなくとももっと優良物件を選び放題のはずだ。
ブサ猫をこよなく愛する異国の皇子様ではあるまいし、この顔が気に入ったという好き者なのか、それともこういうむっちりボディに惹かれるタイプなのか。
「……随分と上の空だな、レディ・パンサー」
「ああ、すんません。こういう時何をお話したらええか分からんので……」
「見合いでもないのに、無理に話題を探して話す必要もないだろう。何も語らずとも、一曲踊れば相性が分かる」
仮面の奥でクスリと笑い、ハーミットは心持ち顔を近づけホールドの力を強める。
「こうして至近距離で触れ合って、嫌悪感を抱かないかどうかもポイントだが、ダンスはお互いの動きやリズム感を尊重し合うことが重要だ。つまり、どちらもクリアして心地よく踊れるということは、相性がいいということだと思わないか?」
「そらまあ、確かに」
「もちろん各々の経験や技量によって左右されるから、一概に断言はできないが……そこを踏まえて、あなたは俺との相性をどう分析する?」
「え、どうって……」
触れ合ってもまるで違和感がないのは、異性として意識していないような気もするが、嫌悪感がないという点ではプラスだと思う。
それに、こうして考え事をしながら踊っているのに少しも引っかけずにいられるのは、ジゼルの動きをしっかり見極めフォローしてくれているからだろう。
総合すれば相性はいいということになるが……何故だか無性にうなずきたくない。
甘酸っぱい乙女心だとか人並みの羞恥心だとかではなく、純粋な反発心だ。
いかなる目論見があろうと、堂々とジゼルを口説くと公言した人間は彼だけで、自力で結婚相手を見つける最初で最後のチャンスかもしれない。
ロゼッタのようなツンデレの似合う元美少女ならともかく、ブサ猫が意地を張ったところで可愛くもなんともなく、メリットは何もないのだが、素直に肯定する気には到底なれなかった。
「……まあ、悪うないとは思いますけど」
「それは、肯定的な意味で捉えていいのかな?」
「そちらさんのお好きなように、解釈しはったらよろしいですわ」
「了解。では、レディ・パンサーは俺のことが大好きということで」
「飛躍しすぎですやろ!?」
何がどう転がってそこに着地したのか。
ていうか、ブサ猫に好かれて何が楽しいのか、さっぱり理解不能だ。
「ほんなら、ハーミットはどない思うんです?」
「もちろん最高だと思っている。あなたが許可してくれるなら、今夜にでもご両親に結婚の申し込みをしてもいいくらいだ」
「いやいやいや、無理無理無理」
冗談だと分かっているが、安易にうなずけない案件だ。
そんな暴挙に出たらハイマン家で大暴動が起きる。
ブンブン首を横に振って拒絶すると、ハーミットはなにやら心外そうな声を上げた。
「おや、信じてもらえないようだな」
「どこの誰かも分からん上に笑えん冗談を言うようなお人に、信じるに足る要素があると思うてはるんですか?」
表情も声も仮面の下に隠している状態では、ただでさえ真意を見抜くのは難しいのに、こうも恥ずかしげもなく即答されると嘘っぽく感じて、やっぱり下心があるのではないかと邪推してしまう。
「冗談ではなく本気なんだが」
「ほんなら、なおのこと信用なりませんわ。ウチみたいなはみ出し者が常識語るんは筋違いかもしれませんけど、そういうのはちゃんと段階踏むモンとちゃいます?」
「あなたは若いのにしっかりしているというか、現実的だな。あなたくらいの年頃の令嬢は、恋愛は理屈ではなく本能でするものだと考えているとばかり思っていたが」
「その肝心のウチの本能が、『ハーミットさんはやめとけ』言うてますけど?」
「それは残念。でもまあ、愛憎は表裏一体、愛情の対義語は無関心とよく言うし、そこまでしっかり意識してくれているなら、今夜ここに来た意味があったということだな。あっさり手に入っても面白くないし、このくらい警戒心が強い女性の方が落とし甲斐もある。あなたが俺に陥落する日を楽しみにしている」
「うおえぇぇ……」
絞められた鶏みたいな声を上げ、ジゼルは虚無の表情で天井を仰ぐ。
恋愛小説でたとえるなら『意地っ張りヒロインに惚れ込んだドSヒーローが宣戦布告する』的な図だが、彼女の中に甘酸っぱい予感などまるでなく、どちらかと言えば絶望感でいっぱいだ。
何故こんな展開になったんだろう。
すげない態度を取りすぎて男性の狩猟本能のスイッチを入れてしまったのか、はたまたこれが彼本来の性格なのか。
この分だと今夜限りでお別れという感じではなく、口説き落とされるまで付きまとわれる予感しかしない。
(これ、どないして収拾つけたらええんやろ……)
断ったら断った分だけ意欲が増す逆境燃えタイプは対処に困る。
ノーが言える大阪のオバチャンとはいえ、ひょっとしたら押し切られるかもしれない。
こうなったら家族を巻き込んで防衛線に徹する他はないが、彼らが予想外の出来事に乱心してとんでもないことをしでかさないかの心配もある。
ただまあ、足掻いてもどうにもならず結局結婚することになったとしても、それはそれで年貢の納め時なのかと諦めればいいだけだが――問題なのは、彼がゲーム感覚でジゼルを落とすつもりのクズ男だった場合だ。
(ウチはこれも人生経験やって思えるけど、そんなオチになったら我が家はめっちゃ荒れるな、絶対……)
美的感覚のズレまくったブサ猫信奉者の集団が大暴れしないよう、彼が誠実な人間であることを祈るしかない。
……などとつらつらと考えている間にも、ハーメルンの笛吹き並みの巧みなリードで自由自在に操られて、三曲ぶっ続けで踊っていたジゼルだった。
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