翡翠主従のエッチなお仕事

森野白熊

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兎に翡翠の価値は分からない

エッチなのは良くないと思います

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「あっ、これまだ残ってたのか」

シロがひとしきり泣いた後、エメラルドは床に転がった瓶を見てぽつりと言った。
そう言えば部屋には薬の匂いが充満しているというのに、エメラルドはいつも通りの涼しげな顔をしている。
何故彼には効いていないのだろうか? というか、瓶に入っていたのは一体何の薬だったのだろうか?

「えっ、エメラルドさま……それは……」
「ああ、これ? これは魔獣の人口繁殖の為に作った強制的に発情期を迎える薬なんだ。人間には無害だからと思って放置してたら見失っちゃって……」
「はっ、はつじょ……」

なるほど、これが発情期なのか。今まで影響をあまり受けてこなかったので発情期になったことすら気づかずに終わっていたが、重度だとこんなに苦しいのか。初めて知った。
シロは情報が多すぎて一瞬エメラルドが何を言っているのか分からなかったが、必死になって自分の今の状況を推測した。つまり、今シロは薬によって無理やり発情期になっているらしい。

「これ、飲んだの?」

エメラルドの問いかけにシロは全力で首を横に振った。全力で横に振ってもそれほど首は動かなかったが。

「じゃあ、匂いだけでこの状態か……うん、やっぱりこれは一般流通させなくてよかったな」

本当にそうですね! シロは心の中でエメラルドに同意した。もしこんな薬が悪い人間の手に渡ったらと思うと、考えただけで寒気がする。
というか、未だに上手く動けない状態だというのに冷静に分析しないで欲しい。

「ちょっと君の状態を確認するよ」
「あっ……!」

エメラルドはシロの身体を抱き起すと、自分の胸に寄りかからせる形で床に座らせた。彼に抱き込まれると、スパイスのような不思議な香りに包まれた。きっと魔法薬に使う薬草の匂いだ。
エメラルドはシロの手首を掴むと脈を計ったり、身体の痺れ具合を触診していた。彼に触られた場所は熱を持ち、ジリジリと焼かれるような痛みが生まれる。
触れられる内に、段々と身体の中心に熱が集まって行くのをシロは感じていた。エメラルドはそういう意味で身体を触っているわけではないのに、発情期の身体は貪欲だった。少しの刺激を何倍にも増幅させてくる。

「足の方は……」
「やっ、見な……いで……!」

上半身を観察し終わったエメラルドが下を見ようとしたので、シロはそれを止めようとしたが上手く動かない身体では無理だった。しっかりと自己主張をしている下半身を、エメラルドに見られてしまった。
シロは頭に血が上っていくのを感じた。ただでさえ熱かった身体が、羞恥心でさらに熱くなっていく。

「凄くツラそうだね」
「あっ……!」

エメラルドの手が太ももを撫でた。太ももを伝い、恥ずかしくて閉じようとする膝をこじ開けられる。少しも見逃すまいと絡みつく視線を感じて背筋がぞくぞくした。

「これ、出した方が良いと思うから触るけどいい?」
「ひっ……!」

耳元でぼそぼそと囁かれ、今度は耳に電流が走ったような衝撃が走った。

「大丈夫、それ以上のことはしないから。薬の影響だから恥ずかしがることじゃないよ」
「ひっ、ぁっ……」

敏感になっているせいか、吐息が耳にかかるとまたピリピリと電気が流れるような感覚が走る。耳も性感帯だとは聞いたことがあったが、性器を触れられているのと同じくらい感じてしまう。

「シロ、良い子だから……ね?」

シロが嫌がっていると思ったのか、少し不安そうな声でエメラルドは言った。
頼むからそれ以上耳元で囁かないでくれ。そう思っても上手く声には出せない。口を開けると「あっ」とか「んっ」とか甘い声が漏れ出てしまい、それだけで恥ずかしくて死にそうだった。

「僕に君を助けさせてくれるね?」

エメラルドに無駄にエロい声で囁かれ、シロは頷くしかないのだった。
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