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魔法学校
ほんとの魔法?
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「・・・呪文をかけるときなんて思った?」
女の子がポカンと口を開ける。アリサも一瞬固まったが、チサトの言いたいことはす
ぐに理解できた。
「え、えっと、私なんかが本当ににできるかなって不安で・・・」
「それだ。その不安な思いに悪魔が乗り移ったんだ」
間髪入れず、チサトが口を開いた。
そう、女の子の不安な気持ちに隙ができ、悪魔が入り込んでしまったのだ。不安な気
持ちは、唱えた呪文となり、ペットが凶暴となってしまった。
(きっと、心が弱った所に悪魔が入っちゃったんだ・・・)
「そんな・・・。私が、私がそう思っちゃったせいで、こんなことに・・・」
話していくうちに顔は俯き、声はだんだんと小さくなっていった。
でも、女の子の近くにいるチサトには聞こえているのだろう。
女の子の前でゆっくりしゃがむと、
「大丈夫だ。これから魔法を使う時、自信をもって呪文を唱えたらいいんだから」
春の日差しのような温かい笑顔でそう言った。
そばで見ていたアリサはふと思う。
(チサトが言う言葉も、魔法みたいにかけられちゃうんだなぁ)
ふふっと小さな笑みが口から零れる。
「う、うん!今度から気を付けるねっ!!」
途端に顔を真っ赤にした女の子が、素早く立ち上がる。その後、チサトも遅れて立ち
上がった。
女子はチサトの方をちらちら見たり、叫んでいる男子がいるけれど。
「チサト、授業を任されたにしては結構できたと思わない?」
突然聞かれ、目を開くチサト。だが、すぐに目を細めて、
「そうだな。アリサの本音も聞けたし」
「え・・・?」
授業が終わるチャイムがなって、アリサにはよく聞き取れなかった。
でも、チサトが笑っているということは、いいことなのだろう。
女の子がポカンと口を開ける。アリサも一瞬固まったが、チサトの言いたいことはす
ぐに理解できた。
「え、えっと、私なんかが本当ににできるかなって不安で・・・」
「それだ。その不安な思いに悪魔が乗り移ったんだ」
間髪入れず、チサトが口を開いた。
そう、女の子の不安な気持ちに隙ができ、悪魔が入り込んでしまったのだ。不安な気
持ちは、唱えた呪文となり、ペットが凶暴となってしまった。
(きっと、心が弱った所に悪魔が入っちゃったんだ・・・)
「そんな・・・。私が、私がそう思っちゃったせいで、こんなことに・・・」
話していくうちに顔は俯き、声はだんだんと小さくなっていった。
でも、女の子の近くにいるチサトには聞こえているのだろう。
女の子の前でゆっくりしゃがむと、
「大丈夫だ。これから魔法を使う時、自信をもって呪文を唱えたらいいんだから」
春の日差しのような温かい笑顔でそう言った。
そばで見ていたアリサはふと思う。
(チサトが言う言葉も、魔法みたいにかけられちゃうんだなぁ)
ふふっと小さな笑みが口から零れる。
「う、うん!今度から気を付けるねっ!!」
途端に顔を真っ赤にした女の子が、素早く立ち上がる。その後、チサトも遅れて立ち
上がった。
女子はチサトの方をちらちら見たり、叫んでいる男子がいるけれど。
「チサト、授業を任されたにしては結構できたと思わない?」
突然聞かれ、目を開くチサト。だが、すぐに目を細めて、
「そうだな。アリサの本音も聞けたし」
「え・・・?」
授業が終わるチャイムがなって、アリサにはよく聞き取れなかった。
でも、チサトが笑っているということは、いいことなのだろう。
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ありがとうございます!
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