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3章

おいしいものとは

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「あれ?ここは・・・」
 舞花の目の前に広がるのは、バナナの木。しかも、何十本も生えている。
 さっきまで持っていた、バナナを食べる猿を見て、舞花のお腹がまた鳴った。
「私も、早く食べよ―っと」
 早くバナナを食べたい舞花なのだが、意外にバナナの木は高く届かない。
 背伸びをしてやっと葉を掴めたのだが、両手がふさがっていて結局とれない。
「も、もうちょっとなのに・・・」
 そんな時、頭になにかが落ちてきた。
「いっ・・・たぁ。なに?」
 落ちてきたのは、バナナ。それも、どんどん落ちてくる。上を向くと、あの猿が
 バナナを落としていた。頭をさすりながら、
「ありがとう」
 そう言うと、猿はキキーっ!と答えた。皮を剥いて、口の中にバナナを入れると
 空腹のお腹には、天国のようだった。
「お、おいしいっ!」
 頭が痛かったことも忘れて、パクパクと食べていた舞花はふと思った。
 乃愛ちゃんと風真君は、なにか食べたのかな・・・?
 二人のことが気になって、手が止まる。もし、食べてなかったら、
 さっきまでの私みたいなんだろうな・・・そう思うと、バナナを
 食べられなくなってしまった。
「あ、あんなところに、バックが・・・」
 考え込んでいた、舞花にバックが映り込んだ。そして、いい考えが思いつく。
 あれに、持ってまた、二人を探しに行こう!
 そう考えると、体が勝手に動き出した。
 
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