24 / 42
19
しおりを挟む
父上が目を覚まされたという連絡が来た。よかった、本当によかった…
父上に会うということで、父上の寝室に向かっている。
ただし、俺は歩いていない。リエルにまたお姫様抱っこ状態で連れてかれてる。
何でこうなってるのかというと…俺が目を覚ましたら隣にはリエルが寝ていた。朝だからお手洗いに行こうと思って立ち上がろうとしたら、思いっきり膝から崩れ落ちた。まだ、身体が怠いというか、足腰がプルプルしてた。その音でリエルはというか魔族は音に敏感だから、起こしてしまったんだ。それで、俺を助けてくれたのだが…
➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖
「カイト兄上?!…大丈夫ですか?」
バッと起き上がったリエルがすぐさまこちらに駆け寄って来た。
「まだ、身体が怠くてな。すまないが、御手洗いに行くのを手伝ってくれないか?」
誰かに手伝って貰わないと、このままでは何も出来ないだろうなと思った。そのくらい自分の思い通りに身体は動いてくれなかった。
「勿論です!」
優しいというかお世話が好きなんだろう。リエルは凄く嬉しそうな顔をして承諾してくれた。
多分、ベッドの上に乗せてから抱えようと思ったんだろうな。脇の下に手を入れて上に持ち上げた。その行動のせいでなんかちょっとアレだな?と思ってたのが、完全に確信に変わった。
「ひゃぁん!……ーーーすまない」
(乳首がくすぐったい!)
ベッドから起き上がるくらいのことしかしてなかったから気付かなかった。だけど、今思いっきり服と擦れて変な声が出てしまった。また、副作用か…?
急激に顔が赤くなっていくのが分かる。恥ずかしくて顔を上げれないと思っていたら、リエルからかけられたのは心配する声だった。
「……ごめんね、痛かったよね。もっともっと大切に扱うからね」
痛かったわけじゃないし、もう充分大切にされとるぞ?そう思って否定しようと顔を上げたのだが…
「っつ…ーー」
リエルはいつも通りの優しい笑みで此方を見ていた。だけど、俺は恐怖を感じた。此方を捉えるその目が笑ってなかったのだ。底知れぬ恐怖を感じた俺は、ゾクっとした。
「…頼んだ」
絞り出すように出した声はきちんとリエルに届いた。
「任せて!私が全部やるよ!」
全部とは…?その言葉の意味を考えていたらリエルに抱えられた。
御手洗いに連れて来てもらった訳だが、リエルが出て行こうとしない。俺の腰を支えたままだ。
「……」
「どうしたの、カイト兄上。早くしないと漏らしちゃうよ」
弟に見られながら用を済ませれる奴がいるか!
「いや、だがな…」
「立ってられない今のカイト兄上には、1人では無理だと思うよ?何なら手を離してみようか?」
いや、何とかなる気もする…
だけど、どうすればいいんだ?と考えてみても何もいい案が出せない。それなのに、俺の尿意くんは待ってくれそうにない。
「コレデイイ…」
嫌だ!っていうのが本音だ。だけど、仕方ない。
(これは仕方ないこと、これは仕方ないこと…)
自分に暗示をかけて、ズボンを下ろした。そして、俺は弟に見られながら用を足すという人生最大の屈辱を経験した。
それから、リエルは宣言どおりにずーっと俺に付きっきりでお世話をしている。
➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖
まぁ、こんなことがあったんだ。俺は起き上がってから、リエルの横か膝の上にいる。『腕も辛いでしょ?』とか言ってあーんと食べさせ、『溺れたら困る』とか言って風呂の中でもリエルの上だ…お尻にアレが当たるのが嫌なのだが、気にしたら終わりだ。
多分明日には治るだろうけど、一刻でも早く治ってほしい。
「カイト兄上、着いたよ」
父上の寝室に到着したみたいだ。父上の寝室など行ったことがないから、どんな部屋なのかな?というワクワクする気持ちも少しある。なによりも、久しぶりの再会が1番嬉しい。
父上に会うということで、父上の寝室に向かっている。
ただし、俺は歩いていない。リエルにまたお姫様抱っこ状態で連れてかれてる。
何でこうなってるのかというと…俺が目を覚ましたら隣にはリエルが寝ていた。朝だからお手洗いに行こうと思って立ち上がろうとしたら、思いっきり膝から崩れ落ちた。まだ、身体が怠いというか、足腰がプルプルしてた。その音でリエルはというか魔族は音に敏感だから、起こしてしまったんだ。それで、俺を助けてくれたのだが…
➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖
「カイト兄上?!…大丈夫ですか?」
バッと起き上がったリエルがすぐさまこちらに駆け寄って来た。
「まだ、身体が怠くてな。すまないが、御手洗いに行くのを手伝ってくれないか?」
誰かに手伝って貰わないと、このままでは何も出来ないだろうなと思った。そのくらい自分の思い通りに身体は動いてくれなかった。
「勿論です!」
優しいというかお世話が好きなんだろう。リエルは凄く嬉しそうな顔をして承諾してくれた。
多分、ベッドの上に乗せてから抱えようと思ったんだろうな。脇の下に手を入れて上に持ち上げた。その行動のせいでなんかちょっとアレだな?と思ってたのが、完全に確信に変わった。
「ひゃぁん!……ーーーすまない」
(乳首がくすぐったい!)
ベッドから起き上がるくらいのことしかしてなかったから気付かなかった。だけど、今思いっきり服と擦れて変な声が出てしまった。また、副作用か…?
急激に顔が赤くなっていくのが分かる。恥ずかしくて顔を上げれないと思っていたら、リエルからかけられたのは心配する声だった。
「……ごめんね、痛かったよね。もっともっと大切に扱うからね」
痛かったわけじゃないし、もう充分大切にされとるぞ?そう思って否定しようと顔を上げたのだが…
「っつ…ーー」
リエルはいつも通りの優しい笑みで此方を見ていた。だけど、俺は恐怖を感じた。此方を捉えるその目が笑ってなかったのだ。底知れぬ恐怖を感じた俺は、ゾクっとした。
「…頼んだ」
絞り出すように出した声はきちんとリエルに届いた。
「任せて!私が全部やるよ!」
全部とは…?その言葉の意味を考えていたらリエルに抱えられた。
御手洗いに連れて来てもらった訳だが、リエルが出て行こうとしない。俺の腰を支えたままだ。
「……」
「どうしたの、カイト兄上。早くしないと漏らしちゃうよ」
弟に見られながら用を済ませれる奴がいるか!
「いや、だがな…」
「立ってられない今のカイト兄上には、1人では無理だと思うよ?何なら手を離してみようか?」
いや、何とかなる気もする…
だけど、どうすればいいんだ?と考えてみても何もいい案が出せない。それなのに、俺の尿意くんは待ってくれそうにない。
「コレデイイ…」
嫌だ!っていうのが本音だ。だけど、仕方ない。
(これは仕方ないこと、これは仕方ないこと…)
自分に暗示をかけて、ズボンを下ろした。そして、俺は弟に見られながら用を足すという人生最大の屈辱を経験した。
それから、リエルは宣言どおりにずーっと俺に付きっきりでお世話をしている。
➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖
まぁ、こんなことがあったんだ。俺は起き上がってから、リエルの横か膝の上にいる。『腕も辛いでしょ?』とか言ってあーんと食べさせ、『溺れたら困る』とか言って風呂の中でもリエルの上だ…お尻にアレが当たるのが嫌なのだが、気にしたら終わりだ。
多分明日には治るだろうけど、一刻でも早く治ってほしい。
「カイト兄上、着いたよ」
父上の寝室に到着したみたいだ。父上の寝室など行ったことがないから、どんな部屋なのかな?というワクワクする気持ちも少しある。なによりも、久しぶりの再会が1番嬉しい。
3
お気に入りに追加
544
あなたにおすすめの小説

悪辣と花煙り――悪役令嬢の従者が大嫌いな騎士様に喰われる話――
ロ
BL
「ずっと前から、おまえが好きなんだ」
と、俺を容赦なく犯している男は、互いに互いを嫌い合っている(筈の)騎士様で――――。
「悪役令嬢」に仕えている性悪で悪辣な従者が、「没落エンド」とやらを回避しようと、裏で暗躍していたら、大嫌いな騎士様に見つかってしまった。双方の利益のために手を組んだものの、嫌いなことに変わりはないので、うっかり煽ってやったら、何故かがっつり喰われてしまった話。
※ムーンライトノベルズでも公開しています(https://novel18.syosetu.com/n4448gl/)

俺は勇者のお友だち
むぎごはん
BL
俺は王都の隅にある宿屋でバイトをして暮らしている。たまに訪ねてきてくれる騎士のイゼルさんに会えることが、唯一の心の支えとなっている。
2年前、突然この世界に転移してきてしまった主人公が、頑張って生きていくお話。

【完結済み】準ヒロインに転生したビッチだけど出番終わったから好きにします。
mamaマリナ
BL
【完結済み、番外編投稿予定】
別れ話の途中で転生したこと思い出した。でも、シナリオの最後のシーンだからこれから好きにしていいよね。ビッチの本領発揮します。

兄のやり方には思うところがある!
野犬 猫兄
BL
完結しました。お読みくださりありがとうございます!
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
第10回BL小説大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、そしてお読みくださった皆様、どうもありがとうございました!m(__)m
■■■
特訓と称して理不尽な行いをする兄に翻弄されながらも兄と向き合い仲良くなっていく話。
無関心ロボからの執着溺愛兄×無自覚人たらしな弟
コメディーです。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

イケメンの後輩にめちゃめちゃお願いされて、一回だけやってしまったら、大変なことになってしまった話
ゆなな
BL
タイトルどおり熱烈に年下に口説かれるお話。Twitterに載せていたものに加筆しました。Twitter→@yuna_org
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる