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今、俺は父上の執務室の前に来ている。
実は執務室に来てくれと父上から呼び出しがかかっていたのだ。
父上の執務室は、王宮の中でも王族のプライベートゾーンにある。その為限られた人しか入ることができない。俺は一応王族だから入る権利はあるのだが、執務をしてる訳ではないので入る理由もない。
だから、ここに来るのは初めてのことだ。いつものラフな格好だとダメだと思ったから、俺はリエルから貰った服を着てきた。これのせいで余計に緊張している気がするが、こんな俺でも王族みたいにキラキラすることができたと思う。
コンコンコンッ。
「失礼致します」
「どうぞ」
すぅーはぁー。よしっ、行くぞ!
「あっ、カイト兄上!うんうん、やっぱ私の思った通り似合ってるよ」
「ありがとう」
似合ってるなら良かった。俺にはこんな綺麗な服はもったいないかと思ってたから、安心した。
てか、リエルもいるのか。なんか頼りになる人がいるだけで緊張が和らぐ。
「カイト、来てくれてありがとう。突然呼び出してすまなかったな。話しておきたいことがあったんだ」
「いいえ、構いません」
父上は忙しいからなかなか会うことができない。だから、とっても嬉しい。
それに俺はいつでも暇だから、突然言われても全然大丈夫だ。
「実は昨日、カイトとリエルが闘っているのを見ていたのだ」
「?!!」
はっ?ちょっと待って。見ていた…?闘っているのを……?父上は王宮のプライベートゾーンを出ることはなかなかない。だから、たまたまあそこを通りかかったということはないと思うのだが…
もしかして…バッと犯人だと思う奴の方を見た。すると、奴はわざとらしい笑顔を浮かべて俺を見ていた。
(お前か…リエル……)
「2人とも素晴らしい腕前で驚いてしまった。リエル、私はどうやら認識が間違っていたみたいだ。お前には何も才能がないと思っていた。噂に流され真実を見抜けないなど、王として失格だ。
本当にすまなかった」
「いいえ、そんな…」
そうだったのか…噂というのは恐ろしいものだ。噂が大きくなってみんながそれを当たり前だと思ってしまうと、それがみんなの中で真実と思われてしまう。
人から聞いたものを真実か嘘か見抜くのはとても難しい。
「サファイア宮殿の者に聞いたところ、勉学についてもとても優秀だと聞いた。それでだな、お前にも執務をしてもらいたい。明日はいろいろ準備が必要だと思う、明後日から頼む」
「っはい!」
「やったね!カイト兄上」
すっごく嬉しい!執務をすることを許される日が来るなんて…夢みたいだ。
父上に一人前として認めて貰えた気持ちだ。
「父上、一つお願いがあります。やはり1人だと不慣れで不安なので、リエルと同じ部屋でやらせて貰いたいのです」
やっぱり、失敗しないかとか不安だ。だから何かあったり、質問したいときに頼りになる人がすぐ近くにいるのは安心感がある。
「あぁ、私はそれでも構わない。だが、お前の執務室も用意しておこう」
「ありがとうございますっ!」
俺の執務室…凄くいい響きだ。
「もちろんいいに決まってるよ、カイト兄上!一緒に執務出来るなんて楽しみだよ」
「ありがとう、リエル。俺も凄く楽しみだ」
凄くウキウキしてきた!楽しみだなー。
頑張らないとだな!
実は執務室に来てくれと父上から呼び出しがかかっていたのだ。
父上の執務室は、王宮の中でも王族のプライベートゾーンにある。その為限られた人しか入ることができない。俺は一応王族だから入る権利はあるのだが、執務をしてる訳ではないので入る理由もない。
だから、ここに来るのは初めてのことだ。いつものラフな格好だとダメだと思ったから、俺はリエルから貰った服を着てきた。これのせいで余計に緊張している気がするが、こんな俺でも王族みたいにキラキラすることができたと思う。
コンコンコンッ。
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「どうぞ」
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「あっ、カイト兄上!うんうん、やっぱ私の思った通り似合ってるよ」
「ありがとう」
似合ってるなら良かった。俺にはこんな綺麗な服はもったいないかと思ってたから、安心した。
てか、リエルもいるのか。なんか頼りになる人がいるだけで緊張が和らぐ。
「カイト、来てくれてありがとう。突然呼び出してすまなかったな。話しておきたいことがあったんだ」
「いいえ、構いません」
父上は忙しいからなかなか会うことができない。だから、とっても嬉しい。
それに俺はいつでも暇だから、突然言われても全然大丈夫だ。
「実は昨日、カイトとリエルが闘っているのを見ていたのだ」
「?!!」
はっ?ちょっと待って。見ていた…?闘っているのを……?父上は王宮のプライベートゾーンを出ることはなかなかない。だから、たまたまあそこを通りかかったということはないと思うのだが…
もしかして…バッと犯人だと思う奴の方を見た。すると、奴はわざとらしい笑顔を浮かべて俺を見ていた。
(お前か…リエル……)
「2人とも素晴らしい腕前で驚いてしまった。リエル、私はどうやら認識が間違っていたみたいだ。お前には何も才能がないと思っていた。噂に流され真実を見抜けないなど、王として失格だ。
本当にすまなかった」
「いいえ、そんな…」
そうだったのか…噂というのは恐ろしいものだ。噂が大きくなってみんながそれを当たり前だと思ってしまうと、それがみんなの中で真実と思われてしまう。
人から聞いたものを真実か嘘か見抜くのはとても難しい。
「サファイア宮殿の者に聞いたところ、勉学についてもとても優秀だと聞いた。それでだな、お前にも執務をしてもらいたい。明日はいろいろ準備が必要だと思う、明後日から頼む」
「っはい!」
「やったね!カイト兄上」
すっごく嬉しい!執務をすることを許される日が来るなんて…夢みたいだ。
父上に一人前として認めて貰えた気持ちだ。
「父上、一つお願いがあります。やはり1人だと不慣れで不安なので、リエルと同じ部屋でやらせて貰いたいのです」
やっぱり、失敗しないかとか不安だ。だから何かあったり、質問したいときに頼りになる人がすぐ近くにいるのは安心感がある。
「あぁ、私はそれでも構わない。だが、お前の執務室も用意しておこう」
「ありがとうございますっ!」
俺の執務室…凄くいい響きだ。
「もちろんいいに決まってるよ、カイト兄上!一緒に執務出来るなんて楽しみだよ」
「ありがとう、リエル。俺も凄く楽しみだ」
凄くウキウキしてきた!楽しみだなー。
頑張らないとだな!
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