1 / 42
1
しおりを挟む
うぅっ、眩しい。
「ぁっ、あ"ぁっ…(よく寝たわー)」
えっ?声が出ないんだが?
とりあえず起きて水飲むか、よっこいし……
「い"っ!!」
ぐわぁー!なんだこれ。身体中に激痛がはしる。声出ないから叫びたくても叫べねえんだが!
俺何かしたっけな。首もうまく動かんが見覚えない風景ってことはここは病院か?なら、納得いくな。
コツコツッ…
おっ、誰かが入ってきた。
看護師か?
俺は起きました、生きてるよって知らせる為に辛うじて動く顔を何とか動かした。
髪の毛凄い色だな。赤色とか初めて見た。てか、目の色も髪と同じ赤色なんだな。この田舎じゃさぞかし目立つだろうに。
「チッ。なんだよ生きてたのかよ…お前なんか死んでしまえば良かったのに。
魔王様の息子はリエル様だけで充分だ。出来損ないは生きている価値な…ぐはぁっ!」
俺は魔王の息子なんていうヤバイ奴じゃないんだが…って、ええ!!目の前にいた人が急に消えた。
「いい度胸だな?」
また誰かが入って来たみたいだな。
うぉっ、目がつぶれる。イケメンすぎだろ。もう少しそのキラキラをしまってくれ!だけど、その黒髪と黒目は目に優しいわ。
「ちっ、違うんです。リエル様」
焦ってんな。さっきまでの飄々した顔はどこいった。てか、リエル?って名前さっきもこの男の口から聞いた気がする。
「何が違うというんだ?魔王の息子である兄上はたかが従者であるお前なんかに侮辱されていい存在ではないと私は思うんだが?」
なんか、凄い怒ってるな。整った顔が怒ると余計怖いとは聞くがそれを今、実感したわ。
「そっそれは…」
てか、俺に関係ない話ならここじゃないとこでやってくれないかな?
「まぁいい、あとで言い訳は聞く」
おぉい?イケメンが近づいてくるんだが。これ以上近い距離で神々しい顔を見ると目がほんとに潰れる。
「今までごめんね…助けにくるのが遅くなってしまった。あとは俺に任せて」
お前が俺に謝ることはないだろ。てか、知り合いでもないお前にごめんねなんて言われることはないと思うけど。
「ゆっくりおやすみ…カイト兄上」
その名前を聞いたとき、一気にカイトとしての記憶が頭に入ってきた。
そうかもう俺は悠真じゃないんだな。
やっとあの地獄から抜け出せたのか…
薄れゆく意識のなかでそう思った。
➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖
「んんっ、うぉっ!」
目を覚ましたとき、イケメンのどアップがあって思わず叫んでしまった。
いや訂正しよう。無駄に顔の整った弟が俺の顔を覗きこんでいた。
「おはよう、カイト兄上!」
「おっ、おはよう」
てか俺の声出るようになってる!
「兄上、どこか痛いとこある?治癒魔法をかけておいたけど…」
あぁっ、魔法か。そうかこの世界には魔法というのが存在してるみたいだな。使うのが凄く楽しみだな!
「あぁ、ありがとう。どこも痛いところはない」
「よかった!それで今までのことについて話しておきたいんだけど…」
ぐぅぅぅっ…
うわっ、俺の腹空気よめよ!めっちゃ恥ずかしいんだけど。
「ふふっ、そうだよね。2日間くらいカイト兄上は何も食べてないからね、今持って来るよ」
「……ありがとう、助かる」
リエルが帰ってくるまで簡単に記憶を整理しておこう。
俺は魔王の長男である。
名前はカイト、13歳。
普通なら長男である俺が次期魔王となるだろう。だが、俺にはその資格はない。
なぜなら、金髪碧眼だからだ。
魔王の息子として生まれたからにはリエルのように黒髪黒目でなければならない。
だから俺は妨げられて生きてきた。勉学、剣術、魔法学全て努力してきたのに、俺は出来損ないと言われてきた。
そんな俺にも優しかったのは母だけだった。父と弟は俺に関心がなかったように見えた。なのに、弟は今頃近づいて来た。それが何を示しているのかは後で話してくれるだろう。
コンコンッ。
「入っていい?」
「どうぞ。」
弟が帰って来たみたいだ。
「ぁっ、あ"ぁっ…(よく寝たわー)」
えっ?声が出ないんだが?
とりあえず起きて水飲むか、よっこいし……
「い"っ!!」
ぐわぁー!なんだこれ。身体中に激痛がはしる。声出ないから叫びたくても叫べねえんだが!
俺何かしたっけな。首もうまく動かんが見覚えない風景ってことはここは病院か?なら、納得いくな。
コツコツッ…
おっ、誰かが入ってきた。
看護師か?
俺は起きました、生きてるよって知らせる為に辛うじて動く顔を何とか動かした。
髪の毛凄い色だな。赤色とか初めて見た。てか、目の色も髪と同じ赤色なんだな。この田舎じゃさぞかし目立つだろうに。
「チッ。なんだよ生きてたのかよ…お前なんか死んでしまえば良かったのに。
魔王様の息子はリエル様だけで充分だ。出来損ないは生きている価値な…ぐはぁっ!」
俺は魔王の息子なんていうヤバイ奴じゃないんだが…って、ええ!!目の前にいた人が急に消えた。
「いい度胸だな?」
また誰かが入って来たみたいだな。
うぉっ、目がつぶれる。イケメンすぎだろ。もう少しそのキラキラをしまってくれ!だけど、その黒髪と黒目は目に優しいわ。
「ちっ、違うんです。リエル様」
焦ってんな。さっきまでの飄々した顔はどこいった。てか、リエル?って名前さっきもこの男の口から聞いた気がする。
「何が違うというんだ?魔王の息子である兄上はたかが従者であるお前なんかに侮辱されていい存在ではないと私は思うんだが?」
なんか、凄い怒ってるな。整った顔が怒ると余計怖いとは聞くがそれを今、実感したわ。
「そっそれは…」
てか、俺に関係ない話ならここじゃないとこでやってくれないかな?
「まぁいい、あとで言い訳は聞く」
おぉい?イケメンが近づいてくるんだが。これ以上近い距離で神々しい顔を見ると目がほんとに潰れる。
「今までごめんね…助けにくるのが遅くなってしまった。あとは俺に任せて」
お前が俺に謝ることはないだろ。てか、知り合いでもないお前にごめんねなんて言われることはないと思うけど。
「ゆっくりおやすみ…カイト兄上」
その名前を聞いたとき、一気にカイトとしての記憶が頭に入ってきた。
そうかもう俺は悠真じゃないんだな。
やっとあの地獄から抜け出せたのか…
薄れゆく意識のなかでそう思った。
➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖
「んんっ、うぉっ!」
目を覚ましたとき、イケメンのどアップがあって思わず叫んでしまった。
いや訂正しよう。無駄に顔の整った弟が俺の顔を覗きこんでいた。
「おはよう、カイト兄上!」
「おっ、おはよう」
てか俺の声出るようになってる!
「兄上、どこか痛いとこある?治癒魔法をかけておいたけど…」
あぁっ、魔法か。そうかこの世界には魔法というのが存在してるみたいだな。使うのが凄く楽しみだな!
「あぁ、ありがとう。どこも痛いところはない」
「よかった!それで今までのことについて話しておきたいんだけど…」
ぐぅぅぅっ…
うわっ、俺の腹空気よめよ!めっちゃ恥ずかしいんだけど。
「ふふっ、そうだよね。2日間くらいカイト兄上は何も食べてないからね、今持って来るよ」
「……ありがとう、助かる」
リエルが帰ってくるまで簡単に記憶を整理しておこう。
俺は魔王の長男である。
名前はカイト、13歳。
普通なら長男である俺が次期魔王となるだろう。だが、俺にはその資格はない。
なぜなら、金髪碧眼だからだ。
魔王の息子として生まれたからにはリエルのように黒髪黒目でなければならない。
だから俺は妨げられて生きてきた。勉学、剣術、魔法学全て努力してきたのに、俺は出来損ないと言われてきた。
そんな俺にも優しかったのは母だけだった。父と弟は俺に関心がなかったように見えた。なのに、弟は今頃近づいて来た。それが何を示しているのかは後で話してくれるだろう。
コンコンッ。
「入っていい?」
「どうぞ。」
弟が帰って来たみたいだ。
36
お気に入りに追加
544
あなたにおすすめの小説

悪辣と花煙り――悪役令嬢の従者が大嫌いな騎士様に喰われる話――
ロ
BL
「ずっと前から、おまえが好きなんだ」
と、俺を容赦なく犯している男は、互いに互いを嫌い合っている(筈の)騎士様で――――。
「悪役令嬢」に仕えている性悪で悪辣な従者が、「没落エンド」とやらを回避しようと、裏で暗躍していたら、大嫌いな騎士様に見つかってしまった。双方の利益のために手を組んだものの、嫌いなことに変わりはないので、うっかり煽ってやったら、何故かがっつり喰われてしまった話。
※ムーンライトノベルズでも公開しています(https://novel18.syosetu.com/n4448gl/)

俺は勇者のお友だち
むぎごはん
BL
俺は王都の隅にある宿屋でバイトをして暮らしている。たまに訪ねてきてくれる騎士のイゼルさんに会えることが、唯一の心の支えとなっている。
2年前、突然この世界に転移してきてしまった主人公が、頑張って生きていくお話。

【完結済み】準ヒロインに転生したビッチだけど出番終わったから好きにします。
mamaマリナ
BL
【完結済み、番外編投稿予定】
別れ話の途中で転生したこと思い出した。でも、シナリオの最後のシーンだからこれから好きにしていいよね。ビッチの本領発揮します。

兄のやり方には思うところがある!
野犬 猫兄
BL
完結しました。お読みくださりありがとうございます!
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
第10回BL小説大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、そしてお読みくださった皆様、どうもありがとうございました!m(__)m
■■■
特訓と称して理不尽な行いをする兄に翻弄されながらも兄と向き合い仲良くなっていく話。
無関心ロボからの執着溺愛兄×無自覚人たらしな弟
コメディーです。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

姉が結婚式から逃げ出したので、身代わりにヤクザの嫁になりました
拓海のり
BL
芳原暖斗(はると)は学校の文化祭の都合で姉の結婚式に遅れた。会場に行ってみると姉も両親もいなくて相手の男が身代わりになれと言う。とても断れる雰囲気ではなくて結婚式を挙げた暖斗だったがそのまま男の家に引き摺られて──。
昔書いたお話です。殆んど直していません。やくざ、カップル続々がダメな方はブラウザバックお願いします。やおいファンタジーなので細かい事はお許しください。よろしくお願いします。
タイトルを変えてみました。

究極の雨男で疎まれていた俺ですが異世界では熱烈歓迎を受けています
まつぼっくり
BL
ずっとこの可笑しな体質が嫌だった。でも、いつかこの体質で救える命もあるんじゃないかと思っていた。
シリアスそうでシリアスではない
攻 異世界の虎さん✕ 受 究極の雨男
ムーンさんからの転載です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる